不憫な推しキャラを救おうとしただけなのに【幼児ブロマンス期→BL期 成長物語】

はぴねこ

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お披露目編

76 迂闊なキス

 何度か名前を呼ばれて目を覚ませば目の前にはカルロの顔があった。

「カルロ……」
「リヒト様、もうすぐお夕食の時間です」
「ちょっとだけ寝るつもりだったのに、随分と長く眠ってしまったようだね」
「お疲れだったのでしょう」

 いつの間にか部屋に戻ってきた乳母が晩餐の席に着ていくための上着を持ってきてくれた。
 オーロ皇帝が一緒の夕食の席なので身軽な格好で行くわけにはいかない。

 今はオーロ皇帝がいるからあの変態の動きを抑制できているのかもしれないが、オーロ皇帝が帝国に帰ってしまえば、変態は動き出すのだろうか?

 私が本当に見た目通りの7歳の子供ならば帝国に行っただろう。
 私が7歳の子供に助言する立場ならば、騎士団長のようにどこか安全な場所にしばらく身を隠しているように言っただろう。
 けれど、私の中身は52歳で、逃げることは責任放棄のように感じてしまっている。

「乳母、前王の好みは10歳未満でしたよね?」
「はい」
「3年後には私は対象外となるということですよね?」
「そうですね……」

 乳母は私をじっと見て、言葉を濁した。

「どうしましたか?」
「いえ。リヒト様は他の子供たちよりも心身の成長が早いので、もしかするともっと早い時期に対象外となる可能性もあります」
「それは朗報ですね」

「でも」と、そこでカルロが言った。

「リヒト様はこれほどまでに美しいのですから、必ずしも対象外になるとは言い切れないのではないでしょうか?」

 そう心配そうに瞳を揺らすカルロを見て、私は気づいた。

 今はまだ私の方が変態の好みに近いけれど、私が対象外になってしまったらカルロが狙われてしまうかもしれない!!
 カルロを危険に晒すなどそんなの絶対にダメだ!

 私は両手でカルロの両腕を押さえるようにして言った。

「カルロは帝国に匿ってもらおう!」

 そうすれば、ドレック・ルーヴからも変態からも匿えるし、ナタリアとの距離もさらに縮むに違いない!!

 素晴らしい名案を思いついたと思ったのだが、カルロの目から光が失われていた。
 カルロのこんな表情は初めて見る。
 というか、カルロ以外でもこんな顔は見たことがない気がする。
 感情が読み取れない……
 前世では『死んだ魚の目』と言われているやつだ。

「リヒト様は行くのですか?」
「いや、やはり王子である私が長いこと帝国の世話になるのは良くないだろう?」
「では、僕も行きません」

 カルロがにこりと作り笑いをした。
 その笑顔が無表情以上に生気を感じなくて私はゾッとした。
 カルロは私の体に腕を巻きつけて、頭を私の胸にぐりぐりと押し付けた。
 それはベッドで寝ている時にするそれよりもずっと強くて、痛いくらいだった。

「リヒト様、僕を捨てないでください」

 小さなその声に私はカルロの気持ちをやっと理解した。
 私がいればどこでも楽しいと言っていたカルロにとって、私と離れることはその逆なのだろう。
 そんなことにも気づいてやれなくて、私は心の中で自分の愚かさを責めた。

「カルロ、ごめん。そんなつもりじゃなかったんだ。私はただ、カルロには安全な場所にいて欲しくて」
「それならリヒト様も一緒じゃないと嫌です」

 私の体にしがみついたままカルロは拗ねたように言った。

 誤解させて傷つけてしまったことはとても申し訳ないのだが、しかし、可愛い!!
 拗ねているカルロもとても可愛い!!
 一緒に昼寝した時のカルロは子犬だったけど、今は猫みたいですごく可愛い!!!
 ダメだ! こんな可愛い生き物を変態のそばに置いておくわけにはいかない!!!

「カルロ、カルロは可愛いからやはりこの城にいては危険だと思うんだ」
「危険なのはリヒト様の方ですよね!? リヒト様も一緒じゃなきゃイヤです!」

 さっきよりも強めの『イヤ』をいただいてしまった。
 はい。可愛い。

「私は王子としてこの国で色々とやらなければいけないことがあるんだ。だから、カルロだけでも帝国に行って、私を安心させてくれないか?」

 私は大人として、まだ小さな息子をあやすようにカルロの額にチュッとキスを一つした。
 次の瞬間、カルロのぎゅ~~~攻撃もぐりぐり攻撃も止まった。

 カルロだけじゃない。
 乳母もグレデン卿も他のメイドたちもその動きを止め、さらに呼吸の音までせず、その場はシーンと静まり返った。

「……みんな、どうしたのですか?」

 なぜか固まっている周囲の大人たちを見回すと、乳母がやっと動き出した。

「リヒト様、今……」
「なんですか?」
「リヒト様!」

 カルロが私の胸から顔をあげた。
 その瞳がキラキラと輝いている。

「リヒト様、僕の額にキスしましたよね!?」
「え? うん……カルロが落ち着くかと思って」

 えへへとカルロは嬉しそうに笑い、再び私の胸に抱きついた。

「リヒト様、もしかして額へのキスの意味をご存知ないのでしょうか?」

 乳母が恐る恐る聞いてきた。

「意味? 額へのキスに何か意味があるのですか?」

 私の返答に乳母はため息を一つつき、メイドたちを招集すると今見たことは決して他言しないように伝えて部屋から出した。

「本来は王様や王妃様から教えていただくことなのですが、人前でそのように気軽にキスをしてはいけません」

 意外にも、ここは前世の西洋文化とはそのような点については感覚が違うようだ。
 西洋文化では軽いキスは挨拶で気軽なものだし、日本でも親が幼い子供へするキスや子供同士のキスはそれほどおかしいことではなかった。
 しかし、乳母とグレデン卿の雰囲気から察するにこの世界では、もしくはこの国では、キスは軽いものであっても気軽にするようなものではなかったようだ。
 
「特に王族の方々は意味を深読みされてしまいますから」

 確かに、その点は配慮が欠けていたかもしれない。
 私は父親のような気持ちでカルロにキスをしたが、血の繋がりもないおっさんからのキスなど、この国の悪い慣習を思い起こさせる行為だったかもしれない。
 もしもメイドたちにそのように見られていたのだとしたらそれは大変まずいのではないだろうか。
 やはり、あの祖父にしてこの孫ありなどと思われたのだとしたらかなりショックだ。
 自分の迂闊な行動で自分を苦しめることになるとは……

「キスとは親密な関係で行うものです」
「それは流石に私でも知っています」
「夫婦や親から子供へ子供から親へと家族で行う行為を今、リヒト様はカルロへ行ったのです」
「私にとってカルロは家族同然ですから」
「家族同然と家族は違います」

 いつもカルロを甘やかしすぎだと乳母に怒られるけれど、今のは本気の注意だ。

「家族以外にキスをすれば家族になろうと言っているのと同義なのです!」

 思った以上にキスに含まれている意味が重かった。

「しかも、額へのキスの意味は祝福です。祝福を贈るから家族になろうと王族が家臣に伝えるのは、自分以外のところで幸せになれると思っているのか? というある意味圧力であり、それだけ本気でプロポーズしていると受け取られかねない行為なのです」
「ええっ!」

 私は慌てて幸せそうに私にくっついているカルロの肩を掴んで引き離した。

「すまない! カルロ!! 決してそのような圧力をかけたものではない!」

 カルロにはカルロが好きなナタリアと幸せになってほしいと心から願っている!
 私の慌てた弁解にカルロの頬が膨れた。

「では、リヒト様は気まぐれで僕にプロポーズしたのですか!?」
「プロポーズ!!?」

 乳母の言葉は大袈裟などではなく本当にそのように受け取られてしまったようだ。
 想定より遥かに意味が重く受け取られていた!!
 この状況をどうしようかと内心焦ったが、乳母がカルロに言い聞かせてくれた。

「カルロ、リヒト様は意味を知らずに行った行為なのです。そこに本来の意味を見出すことはできません」
「では、どんな意味があったら従者の僕にキスなんてしてくれるんですか……」

 カルロの大きなアメジストの瞳に涙が溜まっていく。
 まさか宥めるためのキスでこんなことになるなんて……

「先ほども言ったが、私にとってカルロは大切な家族なんだ。だから、安全な帝国にいてほしいと思ったし、その気持ちが伝わってほしいと思って……」
「僕を大切に思ってるっていう気持ちを伝えてくれるためにキスしてくれたのですか?」
「うん! そう! そういうこと!!」
「それは、プロポーズじゃないんですか?」

 話が戻った。
 戻ってしまった。

 確かに、捉え方によってはそう捉えることができるからカルロは何も間違っていない。
 全部ややこしいことをした私のせいだ。
 帝国の傘下に入り、帝国法が適用されて同性婚が可能になったこのタイミングでプロポーズのような行動を取ったらそう解釈されても仕方ないだろう。

「えっと……大切にも色々あって、私にとってカルロは息子みたいな存在で……」
「……息子?」

 カルロがその目を何度か瞬かせた。

「リヒト様は僕と同い年ですよ?」
「あ、うん。そうだね……でも、兄弟だと喧嘩とかもするけど、カルロはすごく可愛くて絶対に喧嘩なんてしたくないし、むしろ全身全霊で守ってあげたいし! これは兄弟に対する気持ちというより、父性だと思うんだよね!!」

 我ながら言い訳が苦しい。

「リヒト様は僕のことが可愛くて守ってあげたいから、僕のことを息子みたいって思うんですか?」
「うん! そう! そういうこと!!」
「それって、プロポーズしたい人に対しての気持ちとどう違うんですか?」

 話が戻った。
 また戻ってしまった。

「えっと……プロポーズするってことは、結婚して一生一緒にいたいってことだから……」
「リヒト様は僕と一生一緒にはいたくないってことですか? 今だけってことなんですね……」

 カルロの瞳から涙がこぼれ落ちそうだ。

「違う!! カルロとずっと一緒にいたいよ!! でも、それだとカルロが困るでしょ? カルロはきっと素敵な人と出会って結婚するんだから……」
「リヒト様以上に素敵な人なんてこの世界には一人もいませんよ?」

 カルロの大きな瞳からポロポロと大粒の涙が溢れていく。
 私は「そんなふうに思ってくれてありがとう」とお礼を言いながらハンカチでカルロの涙を拭う。

「僕もリヒト様のことが大好きだったら一緒にいれますか?」
「そうだね……」

 いや、君にはナタリアという素敵な運命の女性が待っているんだけど……
 今はまだ、ナタリアよりも私のことを好きでいてくれているということなのだろうか?

「カルロ」と、見かねた乳母が声をかけた。

「今回のキスは忘れなさい。リヒト様は意味を知らなかったのですから」
「でも……」
「もしも、次に同じことがあったら、それは本物です。知らずにされたキスよりも、心からの本当のお気持ちのはずです。それを待ってみてもいいのではないかしら?」

 いやいやいや、乳母、何言っているの!?
 待たせちゃダメでしょ!?
 と思ったけど、乳母は神妙な顔で、その眼差しだけで私の言葉を止めた。

 子供を納得させるためには嘘も方便ということだろうか。
「ん~」とカルロは考えて、「わかりました!」と頷いた。

「リヒト様が僕のことをもっともっといっぱい大好きになった時にまたしてください!」

「いや、もうすごく大好……」と言ったところで乳母に厳しめに名前を呼ばれた。
 私は再び話を元に戻すところだったようだ。

 でも、本当に、これ以上好きになれるだろうかってくらい大好きなんだけどな。
 もちろん、父性的な意味で!!!
 私は祖父のような変態では断じてないから!!




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