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07 2818キール
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部屋に入ってきたゼスに以前とは違う雰囲気など全くない。
以前と同様に平然とした態度で部屋に入り、部屋の中を見回して以前のように俺に呆れた顔を見せた。
「まぁ、よくこれだけ壊したな」
女を外に出した後、ゼスはいつも通りに部屋の掃除を始めた。
「あんた、管理局側の人間だったんだな」
「あれ? もう、親しげにゼスとは呼んでくれないのか?」
俺が睨むと、ゼスはふっと鼻で笑った。
「管理局側の人間だった……そんなの、当然だろう? 俺は管理局からおこづかいをもらって生きているんだから? お前だって知っているだろ? 一度S蜂になったらもうこの蜂の塔からは出られないんだよ。蜂の塔の中でのことは決して外に漏らすことはできない。だから、たとえ元S蜂だったとしても、容易に外に出すことはできない。元S蜂は死ぬまでここで働くか、顔を変え、記憶を消して塔の外に出るしかないんだ」
「それとも、なにか……」と、ゼスは冷たい視線を俺に向けた。
「賢いはずのキールくんは、そんな制約を無視してまで、お前のために味方する元S蜂がこの塔の中に存在するなんて……そんな幻想を抱いていたのか?」
俺は苛立ちを堪えきれずに、手近にあった陶器のグラスをゼスに思いっきり投げつけた。
ゼスはそれを避けるどころか片手で受け止めて、俺の後ろの壁に投げつけた。
「っ!」
壁に当たった陶器は砕け、砕けた破片が俺の頬に一筋の傷をつくる。
「あー、やっべ。管理局に怒られんな」
そう言いながらゼスはにやりと不敵に笑う。
「どうして……」
「あ?」
「どうして、木蓮の巣のガラス窓を白くなんてしたんだ?」
「そんなの、罰だからだろ?」
「罰なら、俺が受けるべきだろ!? 木蓮は俺の想いも、計画もなにも知らない!! そんなの、あんたが一番知ってんだろ!!」
「おまえはまだ、蜂の塔のルールがなにもわかってないんだな……」
ゼスの眼差しがさらに冷たさを増す。
「蜂の王には、管理局といえども罰を与えることはできない。蜂の王という存在は絶対だからだ」
「それは、木蓮の巣がいままで以上に閉塞された理由にはならないだろ!?」
「なるんだよ……木蓮は、蜂の王を誘惑した」
俺は言葉を失って、ゼスを凝視した。
「蜂の王を罰することはできないけれど、蜂の王が罪を犯した原因を罰することはできる」
「なに言って……」
声が震える。
それでも、俺は拳を握って、声を絞り出した。
「な、なに言ってんだよ!? 木蓮は関係ないだろ!! 俺の存在が絶対なら、木蓮を自由にしてやってくれよ!!!」
「絶対なのはおまえ個人のことじゃない」
その言葉で、俺は自分が自惚れていたことに気がついた。
そう、俺はいま、この一瞬の期間だけ『蜂の王』の王冠を預かっているにすぎない。
蜂の王は絶対的な象徴ではあるけれど、俺自身ではない。
俺はただ蜂の巣で飼い慣らされているにすぎないのだ。
ただ黙り込み、膝を抱えてうずくまることしかできない俺にゼスは嘲るような眼差しを向けて、部屋から出て行った。
その夜も、新しいメス蜂が送り込まれてきた。
ただ精子を与えるためだけの存在には、悩み、苦悩する時間さえも与えられない。
ただただ淡々と仕事をこなせということなのだろう。
やる気のなくなった俺に送られてくるのは、前回来たような自ら体を差し出す気の強い女ばかりだった。
けれど、俺はすべての女を拒絶し、無視し続けた。
食事にもほとんど手をつけず、時折、木蓮の蜂の巣を見つめた。
木蓮は空さえも奪った俺を恨んでいるだろうか?
それとも、俺の罪など知らぬまま、理不尽に耐えているのだろうか?
俺のことが見えなくなった巣で、俺のことも忘れていくのだろうか?
木蓮に手を伸ばしたこと、それらがすべて罪だというのだろうか?
やつれていく俺を見下し、侮蔑し、メス蜂は部屋から去っていく。
メス蜂を抱かなくなってから、六人目になるメス蜂が巣に入ってきた。
ガラス窓から斜め下の白いガラスを見つめる俺に、メス蜂は言った。
「あなたが、蜂の王?」
俺は答えず、メス蜂へ視線をやることもない。
「リサから伝言よ」
そんな名前は知らないけれど、メス蜂は喋り続ける。
「蜂の王には木蓮がふさわしい。あんたなんてクズよ……って、言っていたわ」
俺は思わずメス蜂の顔を見た。
女は真っ黒な髪を腰まで伸ばし、切れ長な目で俺を見下していた。
「……なぜ、木蓮のことを……」
「あなたがリサを抱かなかったから、リサは前蜂の王である木蓮のところに行ったのよ」
女は勝手にソファーに座った。
「リサには卵巣がないけれど、父親の権力とお金でここに入る権利を買ったのよ。リサは蜂の王に抱かれることに憧れていたから。それで、遺伝子の相性とかそんなものも父親のお金で買って、あなたのところに来たの。それなのに、あなたは抱かなかった。プライドを傷つけられたリサを癒したのが、木蓮っていう二番目のS蜂だったみたいね」
言葉もなく話を聞いている俺を女は睨みつけた。
「そして、それをあなたに伝えるためだけに、父親のお金で私をここに入れたのよ。あの子は。くだらないでしょ?」
「……リサとかいう女と、おまえは友達なのか?」
「友達?」
女は俺を馬鹿にするように笑った。
「リサが女王様で、私はお金で買われた奴隷よ。私のパパはあの子の父親に頭が上がらないの」
俺は女を見つめ、低い声で聞いた。
「……おまえには、健康な卵巣があるのか?」
「リサが使った体のデータはもともと私のものよ。私には健康な卵巣も子宮もあるわ」
「そうか……それじゃ、おまえも、木蓮に抱かれてみたくないか?」
女はその目を見開いて俺を見た。
俺は囁くように女を誘惑する。
「その女王様が身籠ることのできないS蜂の子を、身籠ってみたくないか?」
女は最初こそ驚いた表情で俺を凝視していたけれど、それから、ふふっと笑い出した。
「あなた、面白いこと言うのね?」
「俺はおまえを抱かない。だから、次は木蓮のところに行け」
「なにを企んでいるの?」
「別に、大したことじゃない……ただ、木蓮に伝えて欲しいことがある」
俺はひとりのメス蜂に希望を託した。
以前と同様に平然とした態度で部屋に入り、部屋の中を見回して以前のように俺に呆れた顔を見せた。
「まぁ、よくこれだけ壊したな」
女を外に出した後、ゼスはいつも通りに部屋の掃除を始めた。
「あんた、管理局側の人間だったんだな」
「あれ? もう、親しげにゼスとは呼んでくれないのか?」
俺が睨むと、ゼスはふっと鼻で笑った。
「管理局側の人間だった……そんなの、当然だろう? 俺は管理局からおこづかいをもらって生きているんだから? お前だって知っているだろ? 一度S蜂になったらもうこの蜂の塔からは出られないんだよ。蜂の塔の中でのことは決して外に漏らすことはできない。だから、たとえ元S蜂だったとしても、容易に外に出すことはできない。元S蜂は死ぬまでここで働くか、顔を変え、記憶を消して塔の外に出るしかないんだ」
「それとも、なにか……」と、ゼスは冷たい視線を俺に向けた。
「賢いはずのキールくんは、そんな制約を無視してまで、お前のために味方する元S蜂がこの塔の中に存在するなんて……そんな幻想を抱いていたのか?」
俺は苛立ちを堪えきれずに、手近にあった陶器のグラスをゼスに思いっきり投げつけた。
ゼスはそれを避けるどころか片手で受け止めて、俺の後ろの壁に投げつけた。
「っ!」
壁に当たった陶器は砕け、砕けた破片が俺の頬に一筋の傷をつくる。
「あー、やっべ。管理局に怒られんな」
そう言いながらゼスはにやりと不敵に笑う。
「どうして……」
「あ?」
「どうして、木蓮の巣のガラス窓を白くなんてしたんだ?」
「そんなの、罰だからだろ?」
「罰なら、俺が受けるべきだろ!? 木蓮は俺の想いも、計画もなにも知らない!! そんなの、あんたが一番知ってんだろ!!」
「おまえはまだ、蜂の塔のルールがなにもわかってないんだな……」
ゼスの眼差しがさらに冷たさを増す。
「蜂の王には、管理局といえども罰を与えることはできない。蜂の王という存在は絶対だからだ」
「それは、木蓮の巣がいままで以上に閉塞された理由にはならないだろ!?」
「なるんだよ……木蓮は、蜂の王を誘惑した」
俺は言葉を失って、ゼスを凝視した。
「蜂の王を罰することはできないけれど、蜂の王が罪を犯した原因を罰することはできる」
「なに言って……」
声が震える。
それでも、俺は拳を握って、声を絞り出した。
「な、なに言ってんだよ!? 木蓮は関係ないだろ!! 俺の存在が絶対なら、木蓮を自由にしてやってくれよ!!!」
「絶対なのはおまえ個人のことじゃない」
その言葉で、俺は自分が自惚れていたことに気がついた。
そう、俺はいま、この一瞬の期間だけ『蜂の王』の王冠を預かっているにすぎない。
蜂の王は絶対的な象徴ではあるけれど、俺自身ではない。
俺はただ蜂の巣で飼い慣らされているにすぎないのだ。
ただ黙り込み、膝を抱えてうずくまることしかできない俺にゼスは嘲るような眼差しを向けて、部屋から出て行った。
その夜も、新しいメス蜂が送り込まれてきた。
ただ精子を与えるためだけの存在には、悩み、苦悩する時間さえも与えられない。
ただただ淡々と仕事をこなせということなのだろう。
やる気のなくなった俺に送られてくるのは、前回来たような自ら体を差し出す気の強い女ばかりだった。
けれど、俺はすべての女を拒絶し、無視し続けた。
食事にもほとんど手をつけず、時折、木蓮の蜂の巣を見つめた。
木蓮は空さえも奪った俺を恨んでいるだろうか?
それとも、俺の罪など知らぬまま、理不尽に耐えているのだろうか?
俺のことが見えなくなった巣で、俺のことも忘れていくのだろうか?
木蓮に手を伸ばしたこと、それらがすべて罪だというのだろうか?
やつれていく俺を見下し、侮蔑し、メス蜂は部屋から去っていく。
メス蜂を抱かなくなってから、六人目になるメス蜂が巣に入ってきた。
ガラス窓から斜め下の白いガラスを見つめる俺に、メス蜂は言った。
「あなたが、蜂の王?」
俺は答えず、メス蜂へ視線をやることもない。
「リサから伝言よ」
そんな名前は知らないけれど、メス蜂は喋り続ける。
「蜂の王には木蓮がふさわしい。あんたなんてクズよ……って、言っていたわ」
俺は思わずメス蜂の顔を見た。
女は真っ黒な髪を腰まで伸ばし、切れ長な目で俺を見下していた。
「……なぜ、木蓮のことを……」
「あなたがリサを抱かなかったから、リサは前蜂の王である木蓮のところに行ったのよ」
女は勝手にソファーに座った。
「リサには卵巣がないけれど、父親の権力とお金でここに入る権利を買ったのよ。リサは蜂の王に抱かれることに憧れていたから。それで、遺伝子の相性とかそんなものも父親のお金で買って、あなたのところに来たの。それなのに、あなたは抱かなかった。プライドを傷つけられたリサを癒したのが、木蓮っていう二番目のS蜂だったみたいね」
言葉もなく話を聞いている俺を女は睨みつけた。
「そして、それをあなたに伝えるためだけに、父親のお金で私をここに入れたのよ。あの子は。くだらないでしょ?」
「……リサとかいう女と、おまえは友達なのか?」
「友達?」
女は俺を馬鹿にするように笑った。
「リサが女王様で、私はお金で買われた奴隷よ。私のパパはあの子の父親に頭が上がらないの」
俺は女を見つめ、低い声で聞いた。
「……おまえには、健康な卵巣があるのか?」
「リサが使った体のデータはもともと私のものよ。私には健康な卵巣も子宮もあるわ」
「そうか……それじゃ、おまえも、木蓮に抱かれてみたくないか?」
女はその目を見開いて俺を見た。
俺は囁くように女を誘惑する。
「その女王様が身籠ることのできないS蜂の子を、身籠ってみたくないか?」
女は最初こそ驚いた表情で俺を凝視していたけれど、それから、ふふっと笑い出した。
「あなた、面白いこと言うのね?」
「俺はおまえを抱かない。だから、次は木蓮のところに行け」
「なにを企んでいるの?」
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俺はひとりのメス蜂に希望を託した。
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