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11 2819木蓮
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ティナは体を起こすとシャツを羽織った。
「この部屋にも、蜂の王の巣にも自由に出入りできる人っている?」
「ゼスさんなら、蜂の王の巣にも自由に出入りできると思うよ」
「ゼスって、あの管理局の人よね?」
「ゼスさんのことを知っているの?」
「私をここに案内してくれたのはそのゼスって人だったもの」
「そうなんだ……」
ゼスさんが元S蜂でいまは管理局側の人間だということは知っていたけれど、僕や他のS蜂の世話をすることだけが業務内容というわけではなかったようだ。
「蜂の塔に入る時にIDカードを渡されたけど、当然、その人もIDカードで入ってくるのよね?」
ティナの言葉に僕はまた頷く。
「パソコンあるよね?」
「外部とのやりとりとかはできないよ?」
ネット環境はあるけれど、SNSやブログなど、外に発信したり外の人に連絡を取るようなサイトには一切接続できないようになっている。
「それはいいわ。それよりも、この部屋は監視カメラついてる?」
「それはついてないみたいだよ。十年くらい前に廃止されたらしい」
「それじゃ、廃止されるまでは監視カメラがついていたってこと?」
「そういうことだね」
「最悪っ!」
僕はこういうことをはっきりと言えるティナに好感を持った。
人口がどんどん減っているこの世界ではS蜂になれる者は貴重で、彼らは生産という強制労働を強いられる。
その強制労働に慣れてしまえば恥じらいもなくなり、数百年前まではこの生産の行為が愛の行為だったことを忘れてしまう。
「ティナのなかには残っているんだね」
「なにが?」
「体を重ねるという行為が、愛の行為だった頃の記憶が」
ティナは僕を凝視し、それから顔を赤らめて目をそらした。
「……あんまりそういうこと言わないで……木蓮のこと、独占したくなるから」
僕はティナの美しい黒髪に口づけた。
「ありがとう」
ティナはベッドから抜け出して部屋の中を見渡した。
僕の机から小型のパソコンを見つけると、さっそく起動させる。
次に、耳から外していたイヤリングを手にして、扉のほうへ向かった。
「それ、なにするの?」
そう聞くと、彼女は楽しそうにニッと笑い、IDカードの認証パネルと壁との隙間に細いイヤリングを差し込んだ。
そして、パネルのカバーを器用に外す。
驚いている僕に、彼女は「結構便利でしょ?」といたずらっぽく言った。
むき出しの基盤には色とりどりの細いコードがあったけれど、どういう機能があるものなのか僕にはさっぱりわからない。
僕にはなにがどうなっているのかよくわからないコードのなかから、ティナは何本かのコードを引き抜いて、小型パソコンにつないだ。
パソコンには黒い画面が現れ、緑の文字が羅列されていく。
そこにティナは入力していく。
「ティナはすごいね……」
緑の文字の羅列は僕には暗号にしか見えないから、まるでティナが物語に登場する魔法使いのように見えた。
「木蓮は、ちゃんとした格好に着替えておいて」
彼女がなにをしているのかわからないまま、僕は彼女の言葉に素直に従って着替えた。
ついでに、パンケーキを焼き、ハーブティーを淹れる。
「できたわよ!」
ティナはそう言って、自分のIDカードを掲げて見せた。
それから、僕に怪訝な眼差しを向ける。
「なにやってるの?」
「お腹空いたかなと思って」
「私があなたの自由のために戦ってる間に、ずいぶんと悠長なことをしていたのね」
呆れたように言うティナに僕が謝ると、彼女は笑った。
「せっかくだし、これは私が食べておくわ。だから、あなたはこの蜂の巣からはやく出て。今なら、さすがの管理局だって寝てるでしょ?」
ティナに言われて時計を見ると、時刻は朝の四時だった。
ティナが来てからというもの、昼夜関係なく抱き合っていたから、時計を見ることも忘れていた。
僕は今更、堕落し切った数日間に少しばかりの罪悪感を抱いた。
「でも、このカードを使ったら、ティナは……」
「私のことはいいのよ。私はここに残ったところで、どうせすぐに外に追い出されるわ。それに、あなたの子がお腹のなかにいるかもしれないんだから、そうそう乱暴なことはされないでしょ?」
「どうして、そこまでしてくれるの?」
「木蓮のおかげで、両親の気持ちがやっと理解できたから」
彼女の瞳が切なげに細められる。
もしも、僕がS蜂ではなく、ただのオス蜂として彼女と出会うことができていたら、もしかすると、僕たちは恋人同士になれたかもしれない。
けれど、僕はS蜂で、この蜂の塔で僕の心に最も寄り添ってくれていたのはキールだった。
「……ごめん」
「謝らないで。私、今すごく幸せなの」
ティナが元通りに戻したパネルにIDカードをかざすと、パネルには”Ζεύς”と表示された。
その文字は古代語のようで僕には読めなかった。
この短時間に彼女は自分のIDカードの内容をゼスさんの内容に書き換え、僕がいる蜂の巣の扉も、そして、蜂の王がいる蜂の巣の扉も開けられるようにしたのだということがわかった。
パネルに表示された見慣れない文字を見つめていると、「はやく行って」と、ティナが僕の背中を押した。
開いた扉からティナは僕とIDカード、そして、フード付きのパーカーを蜂の巣の外へ放り出した。
扉が閉じる瞬間、僕が彼女にお礼を言うと、彼女は少女のような明るい笑顔を見せた。
僕はパーカーを着て、フードをかぶると、暗く静かな階段を駆け上がった。
正直、蜂の王の巣へ行くことにためらいがあった。
キールに迷惑だと思われることは怖かった。
けれど、ティナが届けてくれたキールからの伝言を確かめたいとも思った。
キールが、僕と同じ気持ちでいてくれたなら……。
そんな希望は幻想かもしれないけれど、それでも、その幻想を確認したいという欲望を僕は抱いてしまった。
管理局に気づかれないという確証もなく、誰にも見つからないという確証もないなかで、僕は急いで真夜中の階段を駆け上がる。
そして、最上階にある蜂の巣の前で足を止める。
認証パネルにIDカードをかざすと、その扉は音もなく開いた。
僕は緊張しながら蜂の巣のガラス張りの廊下に足を踏み入れ、進む。
キールが眠っているであろう部屋に入る前に、そこにメス蜂がいる可能性に思い当たって、僕はすこしだけ怯んだ。
けれど、ここで足を止めるわけにはいかない。
僕は思い切って部屋へと足を踏み入れた。
そして、一瞬、呼吸を忘れた。
「……どうして?」
そこには、ゼスさんがいた。
蜂の王のベッドに座り、彼はこちらを見ていた。
そして、彼は言った。
「キールならいない」
彼はベッドから立ち上がり、いつものように優しい微笑みで僕の頭を撫でた。
「今日からおまえが、蜂の王だ」
僕は混乱する頭と心をなんとか落ち着かせながら聞く。
「……それは、どういう意味ですか?」
「そのままの意味だ。メス蜂を抱かなくなったS蜂などいらない」
「メス蜂を抱かなくなったなんて……どうして?」
「管理局への抵抗だったのか……おまえに、操でも立てたのか」
ゼスさんの表情はいつも通り優しい。
それなのに、月の光のせいか、いつもの優しい微笑みがやけに冷たいものに感じる。
「彼らの運命を、おまえも知っているだろう?」
「まさか……キールを、蜂の塔から下ろしたんですか?」
「そう」とゼスさんは頷き、言葉を付け足した。
「蜂の塔のルールに則って、記憶を消去して」
蜂の塔に上がったS蜂は生涯の安定した暮らしを約束される。
それは、蜂の塔の管理下から生涯逃れることはできないという意味でもある。
メス蜂を抱かないS蜂はその特権であり、窮屈な檻ともなる監視下から外される。
その代わり、ここにいた記憶を消される。
外の世界ではこの蜂の塔は憧れの世界でなければならないから、記憶を消すことは誰にも他言させないための処置であり、塔のなかで犯した罪を塔のなかだけにとどめるためだった。
さらに、外の者たちにセクシャルシンボルだったS蜂だと気づかれるわけにもいかないため、顔も変えられる。
「それなら、僕の記憶も消してください」
「それは、外に出たいという意味か?」
僕が頷くとゼスさんは一瞬だけ悲しそうな眼差しを見せて、まるでその目を隠すように瞼を閉じた。
そして、次にその目を開けた時には、すこし厳しい眼差しになっていた。
「悪いな……その願いばかりは叶えてやることはできない」
「どうしてですか? 僕がこれから来るメス蜂たちを抱かなければ同じことじゃないですか? 僕も不要なS蜂になり、いずれは外の世界に落とされる」
「いや」と、ゼスさんは確信を持って言った。
「おまえは抱くよ」
「どうしてですか?」
「おまえのことを巣から放り出すなんて、あのメス蜂への罰は重いだろうな。助けたくないか?」
「ティナの中にはきっと僕の子供がいますよ。彼女は頭もよく、きっと遺伝子も優秀なはずです。そんな彼女は保護対象にはなっても、罰を与えることはできないでしょう?」
ははっとゼスさんは笑った。
「なるほどな。確かに、優秀な遺伝子を持った子供は惜しい……それなら、おまえが最初にこの蜂の塔に来た目的を思い出せ。まだ目的は達成できていないだろう?」
僕の最初の目的……
「ゼスさんは僕が兄に会うために蜂の塔に上ったことを知っていたんですか?」
「ああ」
「兄はいまどこにいるんですか? いまもまだこの蜂の塔にいるんですか?」
「……いつか、話してやるよ」
ゼスさんはまた僕の頭をくしゃりと撫でて、僕の手からIDカードを抜きとると、そのまま蜂の王の巣を後にした。
「この部屋にも、蜂の王の巣にも自由に出入りできる人っている?」
「ゼスさんなら、蜂の王の巣にも自由に出入りできると思うよ」
「ゼスって、あの管理局の人よね?」
「ゼスさんのことを知っているの?」
「私をここに案内してくれたのはそのゼスって人だったもの」
「そうなんだ……」
ゼスさんが元S蜂でいまは管理局側の人間だということは知っていたけれど、僕や他のS蜂の世話をすることだけが業務内容というわけではなかったようだ。
「蜂の塔に入る時にIDカードを渡されたけど、当然、その人もIDカードで入ってくるのよね?」
ティナの言葉に僕はまた頷く。
「パソコンあるよね?」
「外部とのやりとりとかはできないよ?」
ネット環境はあるけれど、SNSやブログなど、外に発信したり外の人に連絡を取るようなサイトには一切接続できないようになっている。
「それはいいわ。それよりも、この部屋は監視カメラついてる?」
「それはついてないみたいだよ。十年くらい前に廃止されたらしい」
「それじゃ、廃止されるまでは監視カメラがついていたってこと?」
「そういうことだね」
「最悪っ!」
僕はこういうことをはっきりと言えるティナに好感を持った。
人口がどんどん減っているこの世界ではS蜂になれる者は貴重で、彼らは生産という強制労働を強いられる。
その強制労働に慣れてしまえば恥じらいもなくなり、数百年前まではこの生産の行為が愛の行為だったことを忘れてしまう。
「ティナのなかには残っているんだね」
「なにが?」
「体を重ねるという行為が、愛の行為だった頃の記憶が」
ティナは僕を凝視し、それから顔を赤らめて目をそらした。
「……あんまりそういうこと言わないで……木蓮のこと、独占したくなるから」
僕はティナの美しい黒髪に口づけた。
「ありがとう」
ティナはベッドから抜け出して部屋の中を見渡した。
僕の机から小型のパソコンを見つけると、さっそく起動させる。
次に、耳から外していたイヤリングを手にして、扉のほうへ向かった。
「それ、なにするの?」
そう聞くと、彼女は楽しそうにニッと笑い、IDカードの認証パネルと壁との隙間に細いイヤリングを差し込んだ。
そして、パネルのカバーを器用に外す。
驚いている僕に、彼女は「結構便利でしょ?」といたずらっぽく言った。
むき出しの基盤には色とりどりの細いコードがあったけれど、どういう機能があるものなのか僕にはさっぱりわからない。
僕にはなにがどうなっているのかよくわからないコードのなかから、ティナは何本かのコードを引き抜いて、小型パソコンにつないだ。
パソコンには黒い画面が現れ、緑の文字が羅列されていく。
そこにティナは入力していく。
「ティナはすごいね……」
緑の文字の羅列は僕には暗号にしか見えないから、まるでティナが物語に登場する魔法使いのように見えた。
「木蓮は、ちゃんとした格好に着替えておいて」
彼女がなにをしているのかわからないまま、僕は彼女の言葉に素直に従って着替えた。
ついでに、パンケーキを焼き、ハーブティーを淹れる。
「できたわよ!」
ティナはそう言って、自分のIDカードを掲げて見せた。
それから、僕に怪訝な眼差しを向ける。
「なにやってるの?」
「お腹空いたかなと思って」
「私があなたの自由のために戦ってる間に、ずいぶんと悠長なことをしていたのね」
呆れたように言うティナに僕が謝ると、彼女は笑った。
「せっかくだし、これは私が食べておくわ。だから、あなたはこの蜂の巣からはやく出て。今なら、さすがの管理局だって寝てるでしょ?」
ティナに言われて時計を見ると、時刻は朝の四時だった。
ティナが来てからというもの、昼夜関係なく抱き合っていたから、時計を見ることも忘れていた。
僕は今更、堕落し切った数日間に少しばかりの罪悪感を抱いた。
「でも、このカードを使ったら、ティナは……」
「私のことはいいのよ。私はここに残ったところで、どうせすぐに外に追い出されるわ。それに、あなたの子がお腹のなかにいるかもしれないんだから、そうそう乱暴なことはされないでしょ?」
「どうして、そこまでしてくれるの?」
「木蓮のおかげで、両親の気持ちがやっと理解できたから」
彼女の瞳が切なげに細められる。
もしも、僕がS蜂ではなく、ただのオス蜂として彼女と出会うことができていたら、もしかすると、僕たちは恋人同士になれたかもしれない。
けれど、僕はS蜂で、この蜂の塔で僕の心に最も寄り添ってくれていたのはキールだった。
「……ごめん」
「謝らないで。私、今すごく幸せなの」
ティナが元通りに戻したパネルにIDカードをかざすと、パネルには”Ζεύς”と表示された。
その文字は古代語のようで僕には読めなかった。
この短時間に彼女は自分のIDカードの内容をゼスさんの内容に書き換え、僕がいる蜂の巣の扉も、そして、蜂の王がいる蜂の巣の扉も開けられるようにしたのだということがわかった。
パネルに表示された見慣れない文字を見つめていると、「はやく行って」と、ティナが僕の背中を押した。
開いた扉からティナは僕とIDカード、そして、フード付きのパーカーを蜂の巣の外へ放り出した。
扉が閉じる瞬間、僕が彼女にお礼を言うと、彼女は少女のような明るい笑顔を見せた。
僕はパーカーを着て、フードをかぶると、暗く静かな階段を駆け上がった。
正直、蜂の王の巣へ行くことにためらいがあった。
キールに迷惑だと思われることは怖かった。
けれど、ティナが届けてくれたキールからの伝言を確かめたいとも思った。
キールが、僕と同じ気持ちでいてくれたなら……。
そんな希望は幻想かもしれないけれど、それでも、その幻想を確認したいという欲望を僕は抱いてしまった。
管理局に気づかれないという確証もなく、誰にも見つからないという確証もないなかで、僕は急いで真夜中の階段を駆け上がる。
そして、最上階にある蜂の巣の前で足を止める。
認証パネルにIDカードをかざすと、その扉は音もなく開いた。
僕は緊張しながら蜂の巣のガラス張りの廊下に足を踏み入れ、進む。
キールが眠っているであろう部屋に入る前に、そこにメス蜂がいる可能性に思い当たって、僕はすこしだけ怯んだ。
けれど、ここで足を止めるわけにはいかない。
僕は思い切って部屋へと足を踏み入れた。
そして、一瞬、呼吸を忘れた。
「……どうして?」
そこには、ゼスさんがいた。
蜂の王のベッドに座り、彼はこちらを見ていた。
そして、彼は言った。
「キールならいない」
彼はベッドから立ち上がり、いつものように優しい微笑みで僕の頭を撫でた。
「今日からおまえが、蜂の王だ」
僕は混乱する頭と心をなんとか落ち着かせながら聞く。
「……それは、どういう意味ですか?」
「そのままの意味だ。メス蜂を抱かなくなったS蜂などいらない」
「メス蜂を抱かなくなったなんて……どうして?」
「管理局への抵抗だったのか……おまえに、操でも立てたのか」
ゼスさんの表情はいつも通り優しい。
それなのに、月の光のせいか、いつもの優しい微笑みがやけに冷たいものに感じる。
「彼らの運命を、おまえも知っているだろう?」
「まさか……キールを、蜂の塔から下ろしたんですか?」
「そう」とゼスさんは頷き、言葉を付け足した。
「蜂の塔のルールに則って、記憶を消去して」
蜂の塔に上がったS蜂は生涯の安定した暮らしを約束される。
それは、蜂の塔の管理下から生涯逃れることはできないという意味でもある。
メス蜂を抱かないS蜂はその特権であり、窮屈な檻ともなる監視下から外される。
その代わり、ここにいた記憶を消される。
外の世界ではこの蜂の塔は憧れの世界でなければならないから、記憶を消すことは誰にも他言させないための処置であり、塔のなかで犯した罪を塔のなかだけにとどめるためだった。
さらに、外の者たちにセクシャルシンボルだったS蜂だと気づかれるわけにもいかないため、顔も変えられる。
「それなら、僕の記憶も消してください」
「それは、外に出たいという意味か?」
僕が頷くとゼスさんは一瞬だけ悲しそうな眼差しを見せて、まるでその目を隠すように瞼を閉じた。
そして、次にその目を開けた時には、すこし厳しい眼差しになっていた。
「悪いな……その願いばかりは叶えてやることはできない」
「どうしてですか? 僕がこれから来るメス蜂たちを抱かなければ同じことじゃないですか? 僕も不要なS蜂になり、いずれは外の世界に落とされる」
「いや」と、ゼスさんは確信を持って言った。
「おまえは抱くよ」
「どうしてですか?」
「おまえのことを巣から放り出すなんて、あのメス蜂への罰は重いだろうな。助けたくないか?」
「ティナの中にはきっと僕の子供がいますよ。彼女は頭もよく、きっと遺伝子も優秀なはずです。そんな彼女は保護対象にはなっても、罰を与えることはできないでしょう?」
ははっとゼスさんは笑った。
「なるほどな。確かに、優秀な遺伝子を持った子供は惜しい……それなら、おまえが最初にこの蜂の塔に来た目的を思い出せ。まだ目的は達成できていないだろう?」
僕の最初の目的……
「ゼスさんは僕が兄に会うために蜂の塔に上ったことを知っていたんですか?」
「ああ」
「兄はいまどこにいるんですか? いまもまだこの蜂の塔にいるんですか?」
「……いつか、話してやるよ」
ゼスさんはまた僕の頭をくしゃりと撫でて、僕の手からIDカードを抜きとると、そのまま蜂の王の巣を後にした。
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