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【番外編】お気に入り1000!ありがとうございます!
この日はルシファー様のお母様の病気が治ったお祝いに、公爵様が自分が狩った獲物を晩餐に出そうと狩りに来ていた。俺の師匠が言うには、元々公爵様は狩りが趣味であられたが、奥様が病に倒れてからは趣味も控えて薬や治療法を探すことに時間を割いていたのだという。
「それでは、私とルシファーは今夜の晩餐用の獲物を狩ってくるから、セバスチャン達はできるだけ生け捕りを頼む」
生け捕りにしたものは料理する日に殺して血抜きをするのだという。
公爵様としては、野菜だけではなく、肉も鮮度の良いものを用意して、奥様に精をつけていただきたいと考えているようだった。
「ルシファー様は大丈夫だろうか?」
できればルシファー様と一緒に行動したかった俺がそう呟くと、近くにいた領民達が笑って教えてくれる。
「ここの森には魔物もおらず、凶暴な動物もいませんから、ルシファー様の初めての狩りの場としては安全でしょう」
「インベル様は心配性ですね」
領民達は奥様がご病気だったことは知らないものの、公爵様が久しぶりに狩りに行かれることを聞き、手伝いに集まった者達だ。獲物が多く狩れれば彼らの取り分もあるし、獲物が少なかった時でも最低でも銀貨がもらえるために領民達は快く手伝いに参加してくれている。
「インベル様! 誰が一番多く獲物を生け捕りにできるか勝負しようぜ!」
きのこや山菜や木の実を採りに来たのだと思っていた子供達がそんなことを言い出した。
「動物を生け捕りにするのはお前達にはまだ難しいだろう?」
大人しく山菜でも収穫していればいいと思ったのだが、子供達が思わぬことを言った。
「でも、ウサギとかの方がルシファー様は褒めてくれるだろう?」
「鳥を狩れたら、絶対に喜んでくださるよな!」
「鹿なんて感動してくださるかもしれない!」
「ルシファー様に一番喜んでもらって、褒めてもらえるように頑張らなくちゃ!」
小さな体でどうやって鳥や鹿を捕るというのだろうか? 全く現実的ではない目標ではあったが、それ以前に大切なことがある。
「ルシファー様に一番褒めていただくのは、ルシファー様の執事見習いの俺だ!!」
「インベル! 言葉が乱れていますよ!」
師匠の叱責を聞き流して、俺は子供達と競って、ウサギや鳥を生け捕りにした。
どの子供達よりも、大人の領民達よりも獲物を捕らえた。
師匠には捕り過ぎだと注意された。
仕方ないからルシファー様に褒めてもらった後で少しばかり逃そうかと思っていると、公爵様とルシファー様と一緒に森の奥へと入っていた領民が慌てた様子で戻ってきた。
「セバスチャン様! 大変です! ルシファー様が倒れました!」
俺はすぐにその領民に駆け寄った。
「ルシファー様が倒れたとはどういうことだ!」
「インベル! 落ち着きなさい!」
領民に掴み掛かりそうな勢いだった俺を師匠が止めた。
「領主様がウサギを弓矢で射抜いたところを見た途端に、倒れてしまわれました!」
「……怪我をされたとか、体調を崩されたということではなくですか?」
師匠の言葉に領民の男はうなずき、その場の皆に聞こえるように大きな声で言った。
「お優しいルシファー様が失神されたため、領主様からの命令です! 捕獲した動物達は全て解放して、逃すこと!!」
その言葉に、俺をはじめ、他の子供達も大人達も早々に捕まえた動物達を逃した。
危なかった。ルシファー様に褒めていただくどころか、悲しい思いをさせてしまうところだった。
その後、意識を取り戻したルシファー様は事の顛末を知って謝っていたけれど、俺も領民達も密かに誓ったのだった。
今後も、ルシファー様のお優しいお心を守っていくことを。
「それでは、私とルシファーは今夜の晩餐用の獲物を狩ってくるから、セバスチャン達はできるだけ生け捕りを頼む」
生け捕りにしたものは料理する日に殺して血抜きをするのだという。
公爵様としては、野菜だけではなく、肉も鮮度の良いものを用意して、奥様に精をつけていただきたいと考えているようだった。
「ルシファー様は大丈夫だろうか?」
できればルシファー様と一緒に行動したかった俺がそう呟くと、近くにいた領民達が笑って教えてくれる。
「ここの森には魔物もおらず、凶暴な動物もいませんから、ルシファー様の初めての狩りの場としては安全でしょう」
「インベル様は心配性ですね」
領民達は奥様がご病気だったことは知らないものの、公爵様が久しぶりに狩りに行かれることを聞き、手伝いに集まった者達だ。獲物が多く狩れれば彼らの取り分もあるし、獲物が少なかった時でも最低でも銀貨がもらえるために領民達は快く手伝いに参加してくれている。
「インベル様! 誰が一番多く獲物を生け捕りにできるか勝負しようぜ!」
きのこや山菜や木の実を採りに来たのだと思っていた子供達がそんなことを言い出した。
「動物を生け捕りにするのはお前達にはまだ難しいだろう?」
大人しく山菜でも収穫していればいいと思ったのだが、子供達が思わぬことを言った。
「でも、ウサギとかの方がルシファー様は褒めてくれるだろう?」
「鳥を狩れたら、絶対に喜んでくださるよな!」
「鹿なんて感動してくださるかもしれない!」
「ルシファー様に一番喜んでもらって、褒めてもらえるように頑張らなくちゃ!」
小さな体でどうやって鳥や鹿を捕るというのだろうか? 全く現実的ではない目標ではあったが、それ以前に大切なことがある。
「ルシファー様に一番褒めていただくのは、ルシファー様の執事見習いの俺だ!!」
「インベル! 言葉が乱れていますよ!」
師匠の叱責を聞き流して、俺は子供達と競って、ウサギや鳥を生け捕りにした。
どの子供達よりも、大人の領民達よりも獲物を捕らえた。
師匠には捕り過ぎだと注意された。
仕方ないからルシファー様に褒めてもらった後で少しばかり逃そうかと思っていると、公爵様とルシファー様と一緒に森の奥へと入っていた領民が慌てた様子で戻ってきた。
「セバスチャン様! 大変です! ルシファー様が倒れました!」
俺はすぐにその領民に駆け寄った。
「ルシファー様が倒れたとはどういうことだ!」
「インベル! 落ち着きなさい!」
領民に掴み掛かりそうな勢いだった俺を師匠が止めた。
「領主様がウサギを弓矢で射抜いたところを見た途端に、倒れてしまわれました!」
「……怪我をされたとか、体調を崩されたということではなくですか?」
師匠の言葉に領民の男はうなずき、その場の皆に聞こえるように大きな声で言った。
「お優しいルシファー様が失神されたため、領主様からの命令です! 捕獲した動物達は全て解放して、逃すこと!!」
その言葉に、俺をはじめ、他の子供達も大人達も早々に捕まえた動物達を逃した。
危なかった。ルシファー様に褒めていただくどころか、悲しい思いをさせてしまうところだった。
その後、意識を取り戻したルシファー様は事の顛末を知って謝っていたけれど、俺も領民達も密かに誓ったのだった。
今後も、ルシファー様のお優しいお心を守っていくことを。
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