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なぜかインベルがやたらと寝巻きを勧めてくる。
しかもまだ夜は寒いのに、涼しげなやつ。
それに、俺の荷物を用意したのはインベルなので、着替えが十分にあることはインベルが一番よく知っているはずなのだが?
そこでふと思い当たる。
もしや、ラザナスに肌触りのいい寝巻きを買ってあげたいのではないだろうか?
ラザナスなら体温が高そうだから、少し涼しげなやつのほうがいいかもしれない。
しかし、宿屋の中ならばまだしも、旅の途中では馬車の中で寝ることになるだろう。
いや、俺が馬車の中で寝るとなると、ラザナスは外で騎士たちと寝ることになるかもしれない。
俺としては馬車を譲ることは問題ないのだが、公爵家の俺が外で、爵位を失った家の子供であるラザナスが馬車を使うということに騎士たちは納得しないだろう。
それなら、やはり、もう少し厚手の寝巻きがいいだろう。
俺はルシファーに声をかけて、寝巻きの方向性を変えさせることにした。
しかし、アルバートに次のお店へと連れていかれてしまった。
おそらく、ブライアンがラザナスのものを全て用意してくれているだろうが、宿に戻ったら、ラザナスにはインベルがラザナスのものを買おうとしていたことだけは伝えておこう。
誰かが自分のために何かを選んでくれようとしていたことはきっとラザナスに勇気を与えてくれるはずだ。
「魔法陣はちょっと多めに買って、みんなでそれぞれ二枚くらいずつ持ちましょう。万が一にもはぐれたら困りますから」
アルバートはそう言いながら、魔導具屋で魔法陣を物色していた。それから、魔石もいくつか買うようだ。
「もちろん、そんなことが起きないようにしますが、旅というのは何が起こるかわかりませんから」
火の魔法陣、水の魔法陣を多めに買い、それから店を移り、パンや数日間は持ちそうな野菜や果物も少し買った。前世の乾パンのような保存食も。
ちなみに、水の魔法陣は約一リットルの水を生み出すことができるが、水十リットルの値段よりも魔法陣一枚は二倍以上高い。
そのため、水の魔法陣を使うのは本当に緊急の時だけだ。
火の魔法陣も緊急時用だ。普段は薪を拾い、火付石で火をつける。
「こういう時、マジックバッグがあれば便利なんですけどね」
新鮮な野菜や果物が並ぶ市場を歩きながらアルバートが呟き、俺は首を傾げた。
「食料も馬車に入れればいいだろう?」
次の街まで遠く、多くの食料が必要ということだろうか?
「いえ。マジックバッグがあれば、傷みやすい野菜や果物をもっと買えますので」
「……あ! 中の時は止まっているからか!」
見た目の割にはたくさん入るということくらいしか、利点を考えていなかった。
何せ、俺自身は食事の心配をしたことがないからだ。
俺はそっと、自分が腰につけていた小型の鞄をアルバートに差し出した。
今回の旅のために作ったもので、魔物討伐の際にポーションを入れていた革袋の形状のものよりもサイズが大きいものだ。
「……なんですか?」
「俺が作ったやつでもよければ、使って」
「え……まさか、これ……」
「マジックバッグ」
「それって、国に一人いるかいないかの凄腕錬金術師しか作れないと聞いたのですが……」
アルバートは唖然として俺を凝視してくる。
凄腕錬金術師しか作れないというのは少し誤解がある。
マジックバッグの材料は希少で非常に高価なのだ。
そのため、作るためには財力も必要だし、素材を手に入れるツテも必要になる。
俺が宰相の息子でなければマジックバッグを作るのは難しかっただろう。
「ルシファー様はすごいのです!」
なぜかインベルがドヤ顔をしていた。
「入れるのは、野菜や果物なのですが、よろしいのでしょうか?」
「もちろん。旅が快適になるし、健康も維持できるから」
「ありがとうございます!!」
アルバートがすごく嬉しそうだ。
結構、食にこだわるタイプなのかもしれない。
マジックバッグは非常に貴重なため、持っていることがわかるとそれだけで狙われたりするものらしく、その場ではマジックバッグを使わずに、宿に戻ってから野菜や果物をその中に入れると言っていた。
そして、アルバートはそれまで慎重に選んでいた食料を躊躇なく買い始めた。
生肉も結構な量を購入した。きっと、肉好きのブライアンが喜ぶだろう。
しかもまだ夜は寒いのに、涼しげなやつ。
それに、俺の荷物を用意したのはインベルなので、着替えが十分にあることはインベルが一番よく知っているはずなのだが?
そこでふと思い当たる。
もしや、ラザナスに肌触りのいい寝巻きを買ってあげたいのではないだろうか?
ラザナスなら体温が高そうだから、少し涼しげなやつのほうがいいかもしれない。
しかし、宿屋の中ならばまだしも、旅の途中では馬車の中で寝ることになるだろう。
いや、俺が馬車の中で寝るとなると、ラザナスは外で騎士たちと寝ることになるかもしれない。
俺としては馬車を譲ることは問題ないのだが、公爵家の俺が外で、爵位を失った家の子供であるラザナスが馬車を使うということに騎士たちは納得しないだろう。
それなら、やはり、もう少し厚手の寝巻きがいいだろう。
俺はルシファーに声をかけて、寝巻きの方向性を変えさせることにした。
しかし、アルバートに次のお店へと連れていかれてしまった。
おそらく、ブライアンがラザナスのものを全て用意してくれているだろうが、宿に戻ったら、ラザナスにはインベルがラザナスのものを買おうとしていたことだけは伝えておこう。
誰かが自分のために何かを選んでくれようとしていたことはきっとラザナスに勇気を与えてくれるはずだ。
「魔法陣はちょっと多めに買って、みんなでそれぞれ二枚くらいずつ持ちましょう。万が一にもはぐれたら困りますから」
アルバートはそう言いながら、魔導具屋で魔法陣を物色していた。それから、魔石もいくつか買うようだ。
「もちろん、そんなことが起きないようにしますが、旅というのは何が起こるかわかりませんから」
火の魔法陣、水の魔法陣を多めに買い、それから店を移り、パンや数日間は持ちそうな野菜や果物も少し買った。前世の乾パンのような保存食も。
ちなみに、水の魔法陣は約一リットルの水を生み出すことができるが、水十リットルの値段よりも魔法陣一枚は二倍以上高い。
そのため、水の魔法陣を使うのは本当に緊急の時だけだ。
火の魔法陣も緊急時用だ。普段は薪を拾い、火付石で火をつける。
「こういう時、マジックバッグがあれば便利なんですけどね」
新鮮な野菜や果物が並ぶ市場を歩きながらアルバートが呟き、俺は首を傾げた。
「食料も馬車に入れればいいだろう?」
次の街まで遠く、多くの食料が必要ということだろうか?
「いえ。マジックバッグがあれば、傷みやすい野菜や果物をもっと買えますので」
「……あ! 中の時は止まっているからか!」
見た目の割にはたくさん入るということくらいしか、利点を考えていなかった。
何せ、俺自身は食事の心配をしたことがないからだ。
俺はそっと、自分が腰につけていた小型の鞄をアルバートに差し出した。
今回の旅のために作ったもので、魔物討伐の際にポーションを入れていた革袋の形状のものよりもサイズが大きいものだ。
「……なんですか?」
「俺が作ったやつでもよければ、使って」
「え……まさか、これ……」
「マジックバッグ」
「それって、国に一人いるかいないかの凄腕錬金術師しか作れないと聞いたのですが……」
アルバートは唖然として俺を凝視してくる。
凄腕錬金術師しか作れないというのは少し誤解がある。
マジックバッグの材料は希少で非常に高価なのだ。
そのため、作るためには財力も必要だし、素材を手に入れるツテも必要になる。
俺が宰相の息子でなければマジックバッグを作るのは難しかっただろう。
「ルシファー様はすごいのです!」
なぜかインベルがドヤ顔をしていた。
「入れるのは、野菜や果物なのですが、よろしいのでしょうか?」
「もちろん。旅が快適になるし、健康も維持できるから」
「ありがとうございます!!」
アルバートがすごく嬉しそうだ。
結構、食にこだわるタイプなのかもしれない。
マジックバッグは非常に貴重なため、持っていることがわかるとそれだけで狙われたりするものらしく、その場ではマジックバッグを使わずに、宿に戻ってから野菜や果物をその中に入れると言っていた。
そして、アルバートはそれまで慎重に選んでいた食料を躊躇なく買い始めた。
生肉も結構な量を購入した。きっと、肉好きのブライアンが喜ぶだろう。
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