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第九章 聖地イエルザム
闇魔法を使う少年
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不死が巣くっているという古い教会に行くことになった、勇者一行。
「お疲れでしょうから、本日は休んで頂いて、明日で構いませんが」
イグナシオにはそう言われたが、今日行くことに決めた。
確かに、普通なら「お疲れ」状態だろうが、こちらはユグドラシルの所から飛ばされてきただけだ。
その前は、移動も何もしていない。
いわゆる野宿状態が続いていたが、夜番をしていたわけでも何でもなく、ユグドラシルとバナスパティのおかげで、快適な日々を過ごしていたと言っても過言ではない。
それを言うわけにはいかないが、疲れは問題ないのでこれから向かう、とだけ伝えた。
そうしたら、「食事だけでも如何ですか?」と勧められ、現在は一行の六人で食事中だ。
最初はイグナシオも同席する予定だったが、来客を告げられていた。
それでも、最初は勇者一行を優先させようとしていたが、それをアレクが断った形だ。
「教会に乗り込むに当たって、六人で話し合いをしたいので、お構いなく」
そう言われて、イグナシオも引き下がった。
※ ※ ※
食事が終わる頃に、一人の男性が現れた。
最初、この聖地に飛ばされて兵士たちに囲まれたとき、その代表者としていた男だ。
「先ほどは大変失礼致しました。私は、この聖地イエルザムにて神官兵隊長を務めております、ウリックと申します」
その男は、丁寧に頭を下げた。
「……神官……兵隊長?」
初めて聞いた役職名に、アレクが疑問を呈する。
「はい。イエルザムはすべて教会が中心となって回ります。軍に所属する者すべてが神官ですので、所属する兵は神官兵と呼ばれています。
神官兵隊長は、神官兵のトップ……、恐れ多くも私はイエルザムの軍の最高責任者の地位を拝命しております」
へえ、とアレクは思う。
(どうりで、スムーズに代表にまで話が通ったわけだ)
まさか、軍のトップとはさすがに思わなかった。
「この聖地では、闇の魔法を使える神官も多いのですか?」
興味津々、という様子で聞いたのはユーリだった。
さすがに神官だけあって、関心があるらしい。
「いえ、残念ですが、光の祝福を受けた神官がほとんどです」
ウリックはといえば、苦笑している。
闇の教会があるとはいっても、この聖地でもどうしても光の教会が優勢なのだ。
「現在、闇の祝福を受けて闇魔法を使えるのは、この聖地においてはイグナシオ様だけです。それと数年前に一人、闇の祝福を求めて来た者がおりましたが、その程度です」
「そうなのですか」
いささか意外そうにユーリは頷いた。
闇の教会があるのだから、もっと闇魔法の使い手がいるかと思っていた。
神官兵だけでどうにもならないときには、冒険者に依頼したり、ルバドール帝国へ協力を要請したりもするらしい。
しかし、今のこの事態ではどちらも難しい、という事だった。
※ ※ ※
「んーっ!」
ユーリが大きく伸びをした。
服を着替えたのだ。
キリムの炎で服がボロボロになり、その後毛布だけ纏っていた所から、バナスパティが持ってきた服を着ていたが、サイズも合わず落ち着かない。
最初は街に行ってどこかで購入しようと考えていたが、教会側が用意してくれた。
不死が巣くう古い教会までの案内も、ウリックがしてくれるらしい。
行きましょう、と言われ、教会の入り口で待つだけの予定のリィカと暁斗の表情が、明らかに強張った。が、それでも立ち上がる。
イグナシオは、まだ来客の対応中とのことだ。
「数年前に闇の祝福を受けた者が、今イグナシオ様を訪ねて来ているんですよ」
ウリックの説明に、一行は「へえ」とでも言いたげな顔をした。
進んでいくと、闇の教会の入り口に、イグナシオと、もう一人少年がいた。アレクたちとそう年齢の変わらなそうな少年だった。
その少年が、パッと一行を見る。
「イグナシオ様、彼らが勇者様のご一行ですか?」
「そうだけど、あまり言い触らしては駄目だからね」
イグナシオが困ったように言っている。
「分かってます。それよりも」
少年が軽くイグナシオに返事をすると、勇者一行を見た。
「ボク、ダランと言います。ボクも何かこの聖地の力になりたいんです。その不死の巣くうという教会に、ボクも一緒に行かせてもらえませんか?」
その申し出に、勇者一行が、そしてイグナシオとウリックも絶句した。
「――ダラン、相手は不死だ。闇魔法では相性が悪い。私が行かないのも、そのせいだよ」
イグナシオが困ったように、説得を始める。
「その通りだ、ダラン。君が闇の祝福を受けてから、どのくらい魔法を使えるようになったかは知らないが、足手まといになるだけだ」
ウリックも同じように説得する。
肝心の勇者一行は、困ったような顔をしているだけだ。
だが、ダランは「平気」と笑う。
「自分のことくらい、自分で守ります。ボク、強いんですよ?」
そう言って取り出したのは、冒険者カード。冒険者としての身分証明書だ。
「――ランクB!?」
イグナシオが驚く。
アレクたちも驚いた。
冒険者の最高ランクはA。
その一つ下のランクBは、かなりの強さだ。
冒険者でランクBだからといって、魔物のBランクと同じ強さがあるというわけではないが、それでも一流と呼ばれる強さを持つのが、ランクB冒険者だ。
ダランの若さでランクBとは、かなり珍しい。自らを強いというのも分かるものだ。
ちなみに、魔物の強さも同じくランクで表されるので、混同して分かりにくい、という意見が大半で、アレクたちも冒険者をやっているとき、同じ気持ちだった。
だが、改善されることもなく、ずっと来てしまっているのが現状だ。
「どうですか? 一緒に行ってもいいですか?」
改めてダランに詰め寄られて、アレクは目を泳がす。
考えてみれば、旅が始まってからずっとこのメンバーで戦ってきた。
別の誰かが入ってくる、と言うことがなかったのだ。
そのせいなのか、忌避感が強い。
どうしようか、と思っていたら、ユーリの声が飛び込んできた。
「いいんじゃないですか? 闇魔法を見てみたいですし」
「……あっさりだな。理由、そこなのか」
「こういう人に断りを入れる方が面倒じゃないですか。何があろうと自己責任だということくらい、ランクBなら分かっているでしょうし。
見たことのない闇魔法を見られるんです。僕たちにメリットがないわけじゃありません」
「……………」
黙り込むアレクの横で、ダランが笑い出した。
「あはははは。そう思っていても、普通口にしないと思うんですけど。
ええ、もちろん。死んでも文句は言いませんが、不死にはなりたくないので、浄化はお願いします。あとはケガしたら治療をお願いします」
しれっと要求を出してくるダランをユーリが睨み、アレクに視線を向ける。
アレクは、他の四人の顔を見て、だれも拒否する様子がないことを確認すると、頷いた。
「分かった。付いてきたいのなら勝手にしろ。ただ、本当に自己責任だからな。――それと、敬語なしで普通に話せ」
「いいの? 助かるなぁ。勇者様のご一行ってもっと堅苦しいかと思ったけど、そうでもないんだな」
遠慮の欠片もなく言葉遣いを切り替えたダランに、アレクは呆れたが、イグナシオは心配になったらしい。
「……ダラン、頼むから失礼な事をしないでくれよ?」
「大丈夫ですって。いくらボクでもその辺はわきまえてます」
「……本当かなぁ」
なおもイグナシオは心配そうにつぶやき、さらに勇者一行に頭を下げた。
「こんな話になってしまって、申し訳ありません。ダランのお守りをよろしくお願い致します」
「だから、守ってもらわなくて大丈夫だって」
軽くダランが突っ込むが、さらにイグナシオの顔が不安そうになる。その軽さが信頼を損ねているんじゃないんだろうか、とアレクは思う。
(何だか、妙な話になったな)
暁斗とリィカが来るのは入り口までで、ついて来るのは今日初めて出会った人物、といういささか変則的な形に、そう思った。
「お疲れでしょうから、本日は休んで頂いて、明日で構いませんが」
イグナシオにはそう言われたが、今日行くことに決めた。
確かに、普通なら「お疲れ」状態だろうが、こちらはユグドラシルの所から飛ばされてきただけだ。
その前は、移動も何もしていない。
いわゆる野宿状態が続いていたが、夜番をしていたわけでも何でもなく、ユグドラシルとバナスパティのおかげで、快適な日々を過ごしていたと言っても過言ではない。
それを言うわけにはいかないが、疲れは問題ないのでこれから向かう、とだけ伝えた。
そうしたら、「食事だけでも如何ですか?」と勧められ、現在は一行の六人で食事中だ。
最初はイグナシオも同席する予定だったが、来客を告げられていた。
それでも、最初は勇者一行を優先させようとしていたが、それをアレクが断った形だ。
「教会に乗り込むに当たって、六人で話し合いをしたいので、お構いなく」
そう言われて、イグナシオも引き下がった。
※ ※ ※
食事が終わる頃に、一人の男性が現れた。
最初、この聖地に飛ばされて兵士たちに囲まれたとき、その代表者としていた男だ。
「先ほどは大変失礼致しました。私は、この聖地イエルザムにて神官兵隊長を務めております、ウリックと申します」
その男は、丁寧に頭を下げた。
「……神官……兵隊長?」
初めて聞いた役職名に、アレクが疑問を呈する。
「はい。イエルザムはすべて教会が中心となって回ります。軍に所属する者すべてが神官ですので、所属する兵は神官兵と呼ばれています。
神官兵隊長は、神官兵のトップ……、恐れ多くも私はイエルザムの軍の最高責任者の地位を拝命しております」
へえ、とアレクは思う。
(どうりで、スムーズに代表にまで話が通ったわけだ)
まさか、軍のトップとはさすがに思わなかった。
「この聖地では、闇の魔法を使える神官も多いのですか?」
興味津々、という様子で聞いたのはユーリだった。
さすがに神官だけあって、関心があるらしい。
「いえ、残念ですが、光の祝福を受けた神官がほとんどです」
ウリックはといえば、苦笑している。
闇の教会があるとはいっても、この聖地でもどうしても光の教会が優勢なのだ。
「現在、闇の祝福を受けて闇魔法を使えるのは、この聖地においてはイグナシオ様だけです。それと数年前に一人、闇の祝福を求めて来た者がおりましたが、その程度です」
「そうなのですか」
いささか意外そうにユーリは頷いた。
闇の教会があるのだから、もっと闇魔法の使い手がいるかと思っていた。
神官兵だけでどうにもならないときには、冒険者に依頼したり、ルバドール帝国へ協力を要請したりもするらしい。
しかし、今のこの事態ではどちらも難しい、という事だった。
※ ※ ※
「んーっ!」
ユーリが大きく伸びをした。
服を着替えたのだ。
キリムの炎で服がボロボロになり、その後毛布だけ纏っていた所から、バナスパティが持ってきた服を着ていたが、サイズも合わず落ち着かない。
最初は街に行ってどこかで購入しようと考えていたが、教会側が用意してくれた。
不死が巣くう古い教会までの案内も、ウリックがしてくれるらしい。
行きましょう、と言われ、教会の入り口で待つだけの予定のリィカと暁斗の表情が、明らかに強張った。が、それでも立ち上がる。
イグナシオは、まだ来客の対応中とのことだ。
「数年前に闇の祝福を受けた者が、今イグナシオ様を訪ねて来ているんですよ」
ウリックの説明に、一行は「へえ」とでも言いたげな顔をした。
進んでいくと、闇の教会の入り口に、イグナシオと、もう一人少年がいた。アレクたちとそう年齢の変わらなそうな少年だった。
その少年が、パッと一行を見る。
「イグナシオ様、彼らが勇者様のご一行ですか?」
「そうだけど、あまり言い触らしては駄目だからね」
イグナシオが困ったように言っている。
「分かってます。それよりも」
少年が軽くイグナシオに返事をすると、勇者一行を見た。
「ボク、ダランと言います。ボクも何かこの聖地の力になりたいんです。その不死の巣くうという教会に、ボクも一緒に行かせてもらえませんか?」
その申し出に、勇者一行が、そしてイグナシオとウリックも絶句した。
「――ダラン、相手は不死だ。闇魔法では相性が悪い。私が行かないのも、そのせいだよ」
イグナシオが困ったように、説得を始める。
「その通りだ、ダラン。君が闇の祝福を受けてから、どのくらい魔法を使えるようになったかは知らないが、足手まといになるだけだ」
ウリックも同じように説得する。
肝心の勇者一行は、困ったような顔をしているだけだ。
だが、ダランは「平気」と笑う。
「自分のことくらい、自分で守ります。ボク、強いんですよ?」
そう言って取り出したのは、冒険者カード。冒険者としての身分証明書だ。
「――ランクB!?」
イグナシオが驚く。
アレクたちも驚いた。
冒険者の最高ランクはA。
その一つ下のランクBは、かなりの強さだ。
冒険者でランクBだからといって、魔物のBランクと同じ強さがあるというわけではないが、それでも一流と呼ばれる強さを持つのが、ランクB冒険者だ。
ダランの若さでランクBとは、かなり珍しい。自らを強いというのも分かるものだ。
ちなみに、魔物の強さも同じくランクで表されるので、混同して分かりにくい、という意見が大半で、アレクたちも冒険者をやっているとき、同じ気持ちだった。
だが、改善されることもなく、ずっと来てしまっているのが現状だ。
「どうですか? 一緒に行ってもいいですか?」
改めてダランに詰め寄られて、アレクは目を泳がす。
考えてみれば、旅が始まってからずっとこのメンバーで戦ってきた。
別の誰かが入ってくる、と言うことがなかったのだ。
そのせいなのか、忌避感が強い。
どうしようか、と思っていたら、ユーリの声が飛び込んできた。
「いいんじゃないですか? 闇魔法を見てみたいですし」
「……あっさりだな。理由、そこなのか」
「こういう人に断りを入れる方が面倒じゃないですか。何があろうと自己責任だということくらい、ランクBなら分かっているでしょうし。
見たことのない闇魔法を見られるんです。僕たちにメリットがないわけじゃありません」
「……………」
黙り込むアレクの横で、ダランが笑い出した。
「あはははは。そう思っていても、普通口にしないと思うんですけど。
ええ、もちろん。死んでも文句は言いませんが、不死にはなりたくないので、浄化はお願いします。あとはケガしたら治療をお願いします」
しれっと要求を出してくるダランをユーリが睨み、アレクに視線を向ける。
アレクは、他の四人の顔を見て、だれも拒否する様子がないことを確認すると、頷いた。
「分かった。付いてきたいのなら勝手にしろ。ただ、本当に自己責任だからな。――それと、敬語なしで普通に話せ」
「いいの? 助かるなぁ。勇者様のご一行ってもっと堅苦しいかと思ったけど、そうでもないんだな」
遠慮の欠片もなく言葉遣いを切り替えたダランに、アレクは呆れたが、イグナシオは心配になったらしい。
「……ダラン、頼むから失礼な事をしないでくれよ?」
「大丈夫ですって。いくらボクでもその辺はわきまえてます」
「……本当かなぁ」
なおもイグナシオは心配そうにつぶやき、さらに勇者一行に頭を下げた。
「こんな話になってしまって、申し訳ありません。ダランのお守りをよろしくお願い致します」
「だから、守ってもらわなくて大丈夫だって」
軽くダランが突っ込むが、さらにイグナシオの顔が不安そうになる。その軽さが信頼を損ねているんじゃないんだろうか、とアレクは思う。
(何だか、妙な話になったな)
暁斗とリィカが来るのは入り口までで、ついて来るのは今日初めて出会った人物、といういささか変則的な形に、そう思った。
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そして、舞を探しに来たブラック達魔人により、昔に転移した一人の魔人を見つけるのだが、その事を隠して黒翼人として生活していたのだ。
その理由や女性の病の原因をつきとめる事が出来たのだが悲しい結果となったのだ。
戻った舞はいつもの日常を取り戻していたが、秘密の扉の中の物が燃えて灰と化したのだ。
舞はまた異世界への転移を考えるが、魔法陣は動かなかったのだ。
何とか舞は転移出来たが、その世界ではドラゴンが復活しようとしていたのだ。
舞は命懸けでドラゴンの良心を目覚めさせる事が出来、世界は火の海になる事は無かったのだ。
そんな時黒翼国の王子が、暗い森にある遺跡を見つけたのだ。
*第1章 洞窟出現編 第2章 森再生編 第3章 翼国編
第4章 火山のドラゴン編 が終了しました。
第5章 闇の遺跡編に続きます。
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