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第十三章 魔国への道
アレク、バルVSヤクシャ、ヤクシニー③
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アレクの剣と、ヤクシャの拳。
「――――――!」
「――――――!!」
お互いに声もなく、ぶつかり合っている。
アレクの、エンチャントと剣技の合わせ技。対するヤクシャは、拳に纏わせた魔力のみ。
明らかに威力はアレクに分があった。
「……コンニャロ」
それを悟ったのは、ヤクシャだった。小さく毒づき、さらに拳に魔力が集まっているのをアレクは悟る。
「させるかっ!」
さらにアレクも魔力を込める。
そのままアレクが押し切るかと思われた、その時。
(……何だ?)
アレクは、自らが持つ剣に違和感があった。
剣に目を落とす。
「…………………!!」
剣が、拳に押されるように歪んでいた。
「しまっ……!」
「へぇ」
動揺するアレクとは対称に、ニヤッとヤクシャが笑う。とっさにアレクは剣を引こうとするが、それを黙ってヤクシャがされるはずがない。
「とりあえず、ぶっ壊れとけよ!」
「……………!」
拳がアレクの剣を強く殴りつける。そして……剣は、真ん中から折れ曲がっていた。
それを見て、アレクは呆然としている。
ヤクシャの右拳に、再び青色の魔力が集まる。
「残念だったな。心配するな。後から他の奴らも送ってやるから、先に死んでろ」
「――がっ!?」
ヤクシャの拳が、アレクの腹に命中した。吐いた血がヤクシャに降りかかる。
「アレク!?」
「あばよ」
バルの叫ぶ声がする。ヤクシャの左の拳に魔力が集まる。
(なに、やってるんだ、俺は……)
剣が限界である事など、分かりきっていた事だというのに。それを失って敵の目の前で呆然とするなど、それこそ剣をくれた父に申し訳が立たない。
(――たのむ。これが、最後だから)
手を、剣を動かした。
そして、それは確かな手応えを生んだ。
「……な、に……?」
折れ曲がった剣の切っ先が、ヤクシャの腹に突き刺さっていた。左拳に集まっていた魔力が、霧散する。
アレクは力を振り絞るように、叫んだ。
「爆発、しろっ」
その瞬間、剣にかかっていた《風の付与》が暴発した。
剣に渦巻いていた風が小さな刃となって、周囲に飛び散る。
それは、使い手のアレクにも向かい、沢山の切り傷を作る。
だが、剣の切っ先が腹に刺さっていたヤクシャは、それだけでは済まなかった。体内に飛び散った小さな刃は、ヤクシャに大ダメージを与えた。
バタンとヤクシャが後ろに倒れる。少なくない出血だ。このままでも出血多量で死ぬだろう。だが、それでも相手は魔族だ。
「トドメ、を……」
動こうとしたアレクだが、膝から崩れ落ちる。腹に食らった拳のダメージが、大きすぎる。
「……わるい、バル。あと、たのんだ……」
そのままアレクも、うつ伏せに倒れたのだった。
「――――――!」
「――――――!!」
お互いに声もなく、ぶつかり合っている。
アレクの、エンチャントと剣技の合わせ技。対するヤクシャは、拳に纏わせた魔力のみ。
明らかに威力はアレクに分があった。
「……コンニャロ」
それを悟ったのは、ヤクシャだった。小さく毒づき、さらに拳に魔力が集まっているのをアレクは悟る。
「させるかっ!」
さらにアレクも魔力を込める。
そのままアレクが押し切るかと思われた、その時。
(……何だ?)
アレクは、自らが持つ剣に違和感があった。
剣に目を落とす。
「…………………!!」
剣が、拳に押されるように歪んでいた。
「しまっ……!」
「へぇ」
動揺するアレクとは対称に、ニヤッとヤクシャが笑う。とっさにアレクは剣を引こうとするが、それを黙ってヤクシャがされるはずがない。
「とりあえず、ぶっ壊れとけよ!」
「……………!」
拳がアレクの剣を強く殴りつける。そして……剣は、真ん中から折れ曲がっていた。
それを見て、アレクは呆然としている。
ヤクシャの右拳に、再び青色の魔力が集まる。
「残念だったな。心配するな。後から他の奴らも送ってやるから、先に死んでろ」
「――がっ!?」
ヤクシャの拳が、アレクの腹に命中した。吐いた血がヤクシャに降りかかる。
「アレク!?」
「あばよ」
バルの叫ぶ声がする。ヤクシャの左の拳に魔力が集まる。
(なに、やってるんだ、俺は……)
剣が限界である事など、分かりきっていた事だというのに。それを失って敵の目の前で呆然とするなど、それこそ剣をくれた父に申し訳が立たない。
(――たのむ。これが、最後だから)
手を、剣を動かした。
そして、それは確かな手応えを生んだ。
「……な、に……?」
折れ曲がった剣の切っ先が、ヤクシャの腹に突き刺さっていた。左拳に集まっていた魔力が、霧散する。
アレクは力を振り絞るように、叫んだ。
「爆発、しろっ」
その瞬間、剣にかかっていた《風の付与》が暴発した。
剣に渦巻いていた風が小さな刃となって、周囲に飛び散る。
それは、使い手のアレクにも向かい、沢山の切り傷を作る。
だが、剣の切っ先が腹に刺さっていたヤクシャは、それだけでは済まなかった。体内に飛び散った小さな刃は、ヤクシャに大ダメージを与えた。
バタンとヤクシャが後ろに倒れる。少なくない出血だ。このままでも出血多量で死ぬだろう。だが、それでも相手は魔族だ。
「トドメ、を……」
動こうとしたアレクだが、膝から崩れ落ちる。腹に食らった拳のダメージが、大きすぎる。
「……わるい、バル。あと、たのんだ……」
そのままアレクも、うつ伏せに倒れたのだった。
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