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第十九章 婚約者として過ごす日々
実現に向けて
「これまでに捕らえた奴らの証言を、まとめる作業に入っているんだが」
アレクのその出だしに、リィカは首を傾げた。何のことかピンとこない。だが、バルとユーリは「ああ」とつぶやいた。
「あのマンティコア放った奴と、この間の魔封陣の奴か」
「あのドラゴンも研究に出しているんですよね。何か分かったんですか?」
その二人の発言で、リィカもようやく話が見えてきた。自分たちを襲撃してきた人の話と、魔物の話だ。
アレクが頷いた。
「ドラゴンの方はまだらしいな。……というか、特筆すべき点が見つかっていないというか。通常のドラゴンよりもかなり大きな魔力を内包している、というのが分かった程度らしい。なぜタマゴの方を持ってこないんだと、研究者たちは怒っていたようだが」
そんなこと言われても、とリィカは思う。バルは顔をしかめて、ユーリは苦笑している。
言いたいことは分かる。
おそらく大量の魔物を生み出すのは、あのタマゴの状態じゃないとできない。ドラゴンとしてタマゴから"生まれて"からは、他の魔物が出現する様子はなかったから、これはほぼ間違いない。
確かにドラゴンも厄介だが、大量の魔物の方がより厄介だ。だからこそ、そちらの研究だって必要だろうが、タマゴなど形すら残っていなかったのだから仕方がない。それにあの研究者たちは、ただ研究をしたいだけだろう。
「だから、捕らえた奴らの尋問を中心に行っているそうだが、素直に色々しゃべっているらしい。とは言っても、知っていることもそんなに多くないようだが」
アレクがため息をついた。
「まず二人に共通しているのは、どちらも小国群出身の奴隷だった、ということだな。死ぬ寸前までいっていたところを、魔族に助けられたらしい」
「ちゃんと相手が魔族だって分かってたのか」
バルが言うと、アレクが頷く。相手が魔族と知らなかった可能性もあったが、そうではなかったようだ。
「命を助けられたということもあったんだろうが、最初の奴は研究ができるということ。二人目は勇者一行と戦えるということで、素直に言うことを聞いたらしい」
「つまり、研究バカと戦闘バカですか」
「似たようなことを、父上も言っていた」
ユーリの呆れた口調に、アレクは疲れた様子だ。
「時期的には魔王を倒した後だな。研究の方は、よく数ヶ月でそこまでできたと思うが、材料には不足しなかったようだからな」
研究というものは、失敗の積み重ねの上に成功がある。どれだけ失敗しても問題ない下地があれば、それだけ成果も上がりやすい。
「でだ。魔族側の状況を聞いたところ、メインでいたのは五名程度だったらしい。その中で実際に話をしたのは、一人だけだったらしいが」
名前などは全く分からないらしい。姿形も、魔族は皆白い髪に白い肌だ。判別がつきにくい。
「ただ、変わった武器を持った奴が二人。人間らしい奴が一人いた。自分たちと話をした奴はその三人とは別人で、残った一人がリーダーという感じだった、という話だな」
リィカは眉をひそめる。倒さないままに姿を消した魔族たちを思い浮かべれば、誰が誰なのか、大体想像がつく。
「ジャダーカはいないってこと?」
変わった武器を持つというのは、おそらくバトルアックスを持つラムポーンと、モーニングスターを持つディーノスだろう。人間はダラン。リーダーはカストル以外にいない。
残った一人、捕らえた人たちと話をしていた一人は、高確率でカトリーズの街でカストルの隣にいた魔族だろう。それがジャダーカだという可能性もゼロではないが、何というか、そういう面倒をしそうには見えない。
「ああ。……一応、魔法を使う幹部っぽい奴がいなかったかを聞いてもらったが、それらしい奴は見なかったらしい。他には下っ端のような奴を、時々見た程度らしいからな」
「……そっか」
いないのか、単に姿を見ていないだけなのか。その情報だけでは、どちらとも言えない。
「そこまで情報がある癖に、ジャダーカの情報がねぇってのは意外だな」
「あの男の情報が全くないというのは嫌ですね。リィカを上回る魔法の使い手です。いるかいないか、その差は大きいんですけど」
アレクとユーリの会話を聞きながら、リィカは魔王と戦う直前の記憶を思い返す。あの時は確か……。
「……もしかして、本当にジャダーカは別行動してるのかな」
「どういうことだ?」
アレクの反問に、リィカも記憶を辿りつつ答える。
「あの時、はっきりと『ジャダーカはいない』って言ってたでしょ。いつの間にかどこかに行っちゃったって。カストルとかダランの居場所はごまかしてたのに」
あの返答には明確な差があった。あれが嘘でないなら、魔族たちにもジャダーカがどこに行ったのか、分からないということだ。
だが、アレクは眉を寄せた。正直言って覚えていない。居場所を答えなかった、という記憶だけはあるが、そんなに差があっただろうか。
「……そのやり取りって、アキトがさっさと誓約してしまった直後のやり取りですよね」
「あん時、おれら混乱してたからな……。リィカも早々に覚悟決めちまってたが、おれらはなぁ……」
ユーリもバルも似たように眉をひそめている。それを見て、リィカも記憶を辿る。あの時は確かに、暁斗が誓約してそのまま戦い始めてしまい、そこに自分と泰基が参戦した。アレクたち三人が戦いに参加してきたのは、それから少したってからだ。
あの時は全く気にしていなかったが、三人の参戦が遅れた理由。それはつまり。
(みんな、悩んでたんだね)
あの誓約を受け入れるかどうか。
それもそうか、とリィカは思う。悩まず受け入れた自分の方がおかしいのかもしれない。魔国を滅ぼしてしまえばそれで済むじゃないかと、思わないではいられなかったんだろう。
「……まぁいい。ジャダーカがいないなら、その方が有り難い」
アレクが首を横に振って、気分を切り替えるように話し始めた。
「魔族の狙いは分からないが、人の地の攻略よりも、おそらくは俺たち勇者一行を倒す方を優先してきている」
「そうだろうな」
バルが頷く。わざわざ自分たちに色々と仕掛けてきているのだ。陽動という可能性もなくもないが、人数が少ない以上、陽動に回せる人員もいないだろう。
「僕たちがいたら、せっかく攻略しても取り返される可能性もあるわけですからね。まあ順当だと思いますよ」
ユーリも続く。逆に言うと、勇者一行さえ倒してしまえば、阻むものは激減する。思い浮かぶのは、バルの父親の騎士団長か、ルバドール帝国の第二王子であるルベルトスか。そのくらいしかいなくなる。
他にいないとも限らないが、それでも数は少ないだろう。
「それでだな、仮に俺たちを狙ってくるとして、いつどうやって狙ってくると思うかを考えて欲しいと、父上に言われた」
「いや、そう言われても……」
ユーリが困ったように言うが、バルもリィカも同感だ。そんなことが分かるはずもない。だが、アレクは続けた。
「それと魔王の兄とやらは、なぜ魔王が倒れても執拗に狙ってくるのか。その理由を知っているのか、とも聞かれた」
「…………」
魔王の兄が生存していて、裏で画策しているであろうことは話した。だが、その理由までは話していない。それは"誓約"にも抵触する。
「――仮に、魔国と手を取り合える日が来るとして」
アレクが静かに語る。
「それを実現しようと思えば、カストルの協力は欠かせない。だが、魔国側はカストルさえ説得すればそれで済む。けれど、人間側はそうはいかない。少なくとも、俺たち四人だけでどうにかできる問題じゃない」
前の勇者シゲキは、誰にも頼れずにたった一人で魔国を救おうとした。それは幾ばくかの猶予を魔族に与えたんだろう。二百年周期で誕生していた魔王が、今回五十年伸びたのは、それが理由だ。けれど、なしえたのはそれだけだった。
「一人一人の意識をすぐに変えるのは無理だ。どうしたって魔族は敵だ。けれど、国のトップだけでも、国王や王太子、その周辺くらいには話をして説得して。感情は無理でも、理性では納得できる程度には変わらないと、魔国と手を取り合うなど夢のまた夢だ」
アレクはフーッと息を吐いた。
「それでもやり遂げたい。誘拐などと言われないように。命のやり取りなど知らない、平和な世界で暮らしている勇者たちが、平和なままで暮らしていけるように」
「アレク……」
リィカが名前を呼んで、その手を握る。それに頷き返して、バルとユーリの目を見る。
「そのためにたった一つだけ、実現可能かもしれない案があるんだ。聞いてほしい」
そしてアレクが語ったその案に、バルとユーリは目を見開き、リィカは呆然とアレクを見たのだった。
アレクのその出だしに、リィカは首を傾げた。何のことかピンとこない。だが、バルとユーリは「ああ」とつぶやいた。
「あのマンティコア放った奴と、この間の魔封陣の奴か」
「あのドラゴンも研究に出しているんですよね。何か分かったんですか?」
その二人の発言で、リィカもようやく話が見えてきた。自分たちを襲撃してきた人の話と、魔物の話だ。
アレクが頷いた。
「ドラゴンの方はまだらしいな。……というか、特筆すべき点が見つかっていないというか。通常のドラゴンよりもかなり大きな魔力を内包している、というのが分かった程度らしい。なぜタマゴの方を持ってこないんだと、研究者たちは怒っていたようだが」
そんなこと言われても、とリィカは思う。バルは顔をしかめて、ユーリは苦笑している。
言いたいことは分かる。
おそらく大量の魔物を生み出すのは、あのタマゴの状態じゃないとできない。ドラゴンとしてタマゴから"生まれて"からは、他の魔物が出現する様子はなかったから、これはほぼ間違いない。
確かにドラゴンも厄介だが、大量の魔物の方がより厄介だ。だからこそ、そちらの研究だって必要だろうが、タマゴなど形すら残っていなかったのだから仕方がない。それにあの研究者たちは、ただ研究をしたいだけだろう。
「だから、捕らえた奴らの尋問を中心に行っているそうだが、素直に色々しゃべっているらしい。とは言っても、知っていることもそんなに多くないようだが」
アレクがため息をついた。
「まず二人に共通しているのは、どちらも小国群出身の奴隷だった、ということだな。死ぬ寸前までいっていたところを、魔族に助けられたらしい」
「ちゃんと相手が魔族だって分かってたのか」
バルが言うと、アレクが頷く。相手が魔族と知らなかった可能性もあったが、そうではなかったようだ。
「命を助けられたということもあったんだろうが、最初の奴は研究ができるということ。二人目は勇者一行と戦えるということで、素直に言うことを聞いたらしい」
「つまり、研究バカと戦闘バカですか」
「似たようなことを、父上も言っていた」
ユーリの呆れた口調に、アレクは疲れた様子だ。
「時期的には魔王を倒した後だな。研究の方は、よく数ヶ月でそこまでできたと思うが、材料には不足しなかったようだからな」
研究というものは、失敗の積み重ねの上に成功がある。どれだけ失敗しても問題ない下地があれば、それだけ成果も上がりやすい。
「でだ。魔族側の状況を聞いたところ、メインでいたのは五名程度だったらしい。その中で実際に話をしたのは、一人だけだったらしいが」
名前などは全く分からないらしい。姿形も、魔族は皆白い髪に白い肌だ。判別がつきにくい。
「ただ、変わった武器を持った奴が二人。人間らしい奴が一人いた。自分たちと話をした奴はその三人とは別人で、残った一人がリーダーという感じだった、という話だな」
リィカは眉をひそめる。倒さないままに姿を消した魔族たちを思い浮かべれば、誰が誰なのか、大体想像がつく。
「ジャダーカはいないってこと?」
変わった武器を持つというのは、おそらくバトルアックスを持つラムポーンと、モーニングスターを持つディーノスだろう。人間はダラン。リーダーはカストル以外にいない。
残った一人、捕らえた人たちと話をしていた一人は、高確率でカトリーズの街でカストルの隣にいた魔族だろう。それがジャダーカだという可能性もゼロではないが、何というか、そういう面倒をしそうには見えない。
「ああ。……一応、魔法を使う幹部っぽい奴がいなかったかを聞いてもらったが、それらしい奴は見なかったらしい。他には下っ端のような奴を、時々見た程度らしいからな」
「……そっか」
いないのか、単に姿を見ていないだけなのか。その情報だけでは、どちらとも言えない。
「そこまで情報がある癖に、ジャダーカの情報がねぇってのは意外だな」
「あの男の情報が全くないというのは嫌ですね。リィカを上回る魔法の使い手です。いるかいないか、その差は大きいんですけど」
アレクとユーリの会話を聞きながら、リィカは魔王と戦う直前の記憶を思い返す。あの時は確か……。
「……もしかして、本当にジャダーカは別行動してるのかな」
「どういうことだ?」
アレクの反問に、リィカも記憶を辿りつつ答える。
「あの時、はっきりと『ジャダーカはいない』って言ってたでしょ。いつの間にかどこかに行っちゃったって。カストルとかダランの居場所はごまかしてたのに」
あの返答には明確な差があった。あれが嘘でないなら、魔族たちにもジャダーカがどこに行ったのか、分からないということだ。
だが、アレクは眉を寄せた。正直言って覚えていない。居場所を答えなかった、という記憶だけはあるが、そんなに差があっただろうか。
「……そのやり取りって、アキトがさっさと誓約してしまった直後のやり取りですよね」
「あん時、おれら混乱してたからな……。リィカも早々に覚悟決めちまってたが、おれらはなぁ……」
ユーリもバルも似たように眉をひそめている。それを見て、リィカも記憶を辿る。あの時は確かに、暁斗が誓約してそのまま戦い始めてしまい、そこに自分と泰基が参戦した。アレクたち三人が戦いに参加してきたのは、それから少したってからだ。
あの時は全く気にしていなかったが、三人の参戦が遅れた理由。それはつまり。
(みんな、悩んでたんだね)
あの誓約を受け入れるかどうか。
それもそうか、とリィカは思う。悩まず受け入れた自分の方がおかしいのかもしれない。魔国を滅ぼしてしまえばそれで済むじゃないかと、思わないではいられなかったんだろう。
「……まぁいい。ジャダーカがいないなら、その方が有り難い」
アレクが首を横に振って、気分を切り替えるように話し始めた。
「魔族の狙いは分からないが、人の地の攻略よりも、おそらくは俺たち勇者一行を倒す方を優先してきている」
「そうだろうな」
バルが頷く。わざわざ自分たちに色々と仕掛けてきているのだ。陽動という可能性もなくもないが、人数が少ない以上、陽動に回せる人員もいないだろう。
「僕たちがいたら、せっかく攻略しても取り返される可能性もあるわけですからね。まあ順当だと思いますよ」
ユーリも続く。逆に言うと、勇者一行さえ倒してしまえば、阻むものは激減する。思い浮かぶのは、バルの父親の騎士団長か、ルバドール帝国の第二王子であるルベルトスか。そのくらいしかいなくなる。
他にいないとも限らないが、それでも数は少ないだろう。
「それでだな、仮に俺たちを狙ってくるとして、いつどうやって狙ってくると思うかを考えて欲しいと、父上に言われた」
「いや、そう言われても……」
ユーリが困ったように言うが、バルもリィカも同感だ。そんなことが分かるはずもない。だが、アレクは続けた。
「それと魔王の兄とやらは、なぜ魔王が倒れても執拗に狙ってくるのか。その理由を知っているのか、とも聞かれた」
「…………」
魔王の兄が生存していて、裏で画策しているであろうことは話した。だが、その理由までは話していない。それは"誓約"にも抵触する。
「――仮に、魔国と手を取り合える日が来るとして」
アレクが静かに語る。
「それを実現しようと思えば、カストルの協力は欠かせない。だが、魔国側はカストルさえ説得すればそれで済む。けれど、人間側はそうはいかない。少なくとも、俺たち四人だけでどうにかできる問題じゃない」
前の勇者シゲキは、誰にも頼れずにたった一人で魔国を救おうとした。それは幾ばくかの猶予を魔族に与えたんだろう。二百年周期で誕生していた魔王が、今回五十年伸びたのは、それが理由だ。けれど、なしえたのはそれだけだった。
「一人一人の意識をすぐに変えるのは無理だ。どうしたって魔族は敵だ。けれど、国のトップだけでも、国王や王太子、その周辺くらいには話をして説得して。感情は無理でも、理性では納得できる程度には変わらないと、魔国と手を取り合うなど夢のまた夢だ」
アレクはフーッと息を吐いた。
「それでもやり遂げたい。誘拐などと言われないように。命のやり取りなど知らない、平和な世界で暮らしている勇者たちが、平和なままで暮らしていけるように」
「アレク……」
リィカが名前を呼んで、その手を握る。それに頷き返して、バルとユーリの目を見る。
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そしてアレクが語ったその案に、バルとユーリは目を見開き、リィカは呆然とアレクを見たのだった。
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