精霊王女になった僕はチートクラスに強い仲間と世界を旅します

カオリグサ

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獣人の国15

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 キラリアの花畑からガレリア鍾乳洞へと向かう道の途中、ゴブリンの群れに遭遇した
 彼らは一応言葉も通じ、僕が思っているような悪い連中ではないようだ
 ゴブリンと言えば人を襲うってイメージがあったけど、この世界では普通に亜人として友好的な人たちもいるみたいだね
 遭遇した彼らは行商人をしており、鬼人族の国に行く途中らしい
 鬼人族の国鬼ヶ島には洞窟を通って海までいかなければならないので僕らと道が同じだ。それでお金を出すので護衛をしてくれないかと頼まれた
 特に危険な魔物は出ないはずだけど、ごくまれに洞窟内にウォーハンマークラブという攻撃的な蟹型の魔物が出るそうなので、護衛がいた方が安心できるみたい
 ウォーハンマークラブはDランクとそこまで強くなく、僕らなら簡単に倒せそうだ
 それに、その身は高級食材として扱われるほどおいしく、もし倒したら身を買い取ると約束してくれた
 甲殻も防具の素材として優秀なのでこちらも買い取ってくれると言ってる
「では行きましょう」
 ゴブリン商人のリーダーがそう言った
 彼はギジムと言って少し禿かかった気のよさそうな男で、他の四人は彼の部下と護衛だそうだ。もちろん全員ゴブリンだよ
 ウォーハンマークラブはゴブリンではきついのだそうで、それもあって僕らを雇ってくれた
 まもなくガレリア鍾乳洞だ
 ワイワイとゴブリンたちと話しながら道を進む
「見えてきました。あれがガレリア鍾乳洞です」
 入口は立札が一つあるだけ
 書いてあるのは“ここはガレリア鍾乳洞です”の一言
「ここの鍾乳石は見ものですよ。普通の鍾乳洞にはない形の鍾乳石がたくさん連なっていますからね」
 ギジムさんはそんな風に説明してくれた
 商人たちはカンテラの準備をして鍾乳洞へと入ると、僕は光魔法を使って周囲を明るく照らす
「おお、ライトの魔法ですか、助かります。でも大丈夫なのですか? 魔力を結構消費するとききますが?」
 カンテラの光は燃料を使うので光魔法の方がコストはかからない
 しかし魔力は消費する。彼らの疑問ももっともだね
 なんてったってライトの魔力消費量は攻撃魔法の倍くらいある。でも僕は自信満々に言った
「大丈夫です。僕、光魔法得意なんです。それなりに魔力を抑えてますから」
 僕はこれでも精霊だ.魔力の量は人間や亜人たちの比じゃない
 それに、使ったそばから周囲の魔素を吸収して回復できるので全く問題ないのだ!
「そうですか、でも、無理はなさらないでくださいね」
 ギジムさんは優しく微笑んだ
 ゴブリンって怖いのかと思ってたけど、この人達は気さくで優しいみたいだ
 もともとエルフたちと同じように妖精だった種族なので精霊と相性がいいのかもしれない
 でも、彼らが言うには邪悪その物のゴブリンたちもいるようで、そいつらには気をつけなさいと注意された
 なんでも女性に目が無く、女性とみるや問答無用で襲ってくることもあるそうだ
 魔王が倒されてからは鳴りを潜めているけど滅んだわけじゃないと教えてくれた
 鍾乳洞に入ってすぐは特に何の変哲もないただの洞穴に見えたけど、深く潜っていくごとにその姿を変えた
 なんというか、まさに自然の芸術作品だ
 鍾乳石ってもっと尖っててつららみたいに垂れ下がってたり、そびえたってたりするイメージだったけど、ここの鍾乳石はどうやってそんな風になったの?って思わず聞きたくなるほどだった
 カラフルな色合いや捻じれ曲がったもの、まるでフラスコのように膨れたものや人の形に見えるものなど目を楽しませてくれるものばかりだ
「すごい! どうしてこんな形になってるんだろう? それにこの色合い、綺麗だなぁ」
「ここは魔素濃度が非常に濃いので鍾乳石が影響を受けて不思議な色合いや形を生むと言われています。しかし詳しいことは未だ研究段階らしいですよ」
 ギジムさんの解説が入った
 詳しくは分からないんだろうけど多分それであってるんだと思う。だって魔素が本当に濃いんだもん
 精霊である僕たちにとってすごく快適だ
 入ってからなんだかすごく体が軽くて絶好調なんだもん
 鍾乳石と洞窟の雰囲気を楽しみつつようやく洞窟の中腹辺りまで来たようだ
 時間的に遅い時間になったみたいなので、適度に開けた場所でテントを張ることにした
 この調子なら明日の昼頃には出口に出れそうだね
 蟹に襲われると厄介なので交代で見張りを立てて寝ることにした
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