精霊王女になった僕はチートクラスに強い仲間と世界を旅します

カオリグサ

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鬼人族の国4

 小鳥のさえずりで目が覚めた僕は今日の計画を頭の中で反芻しながら顔を洗いに向かう
 四大精霊たちは既に目を覚ましてて僕が起きだすのをゆっくり待っていたようだ
 というか寝顔をずっと見られてたらしい。なんか恥ずかしい
 顔を洗っていると街が何やら騒がしいことに気づいた
 鬼人の兵士らしき人々が走り回っている。その兵士の一人に何があったのか聞いてみると
「ジュオンが現れたのです! 姫様たちが抑えていますが今までにない大きさでこのままでは街に被害が!」
 どうやら結構やばめな魔物?が現れたようだ
 魔物というよりも、大昔の戦場で散った人々の怨念が集まった思念体のようなもので、呪いを振りまくだけの害悪な存在
 姫二人が何とか食い止めているらしいけどそれもいつまでもつかわからないみたいだ。今アカネさんたちも集結し始めているらしい
「僕らも行こう!」
「はい!」
 僕たちはすぐにそのジュオンが出たという古戦場跡地へと向かった
 普段なら観光地としてにぎわっているみたいなんだけど、今は阿鼻叫喚だった
 逃げ遅れた人々は呪いを受けて倒れている。このままでは命が危ない
 だから僕らは一旦精霊に戻った。人間の姿のままだと全力が発揮できない
 僕は光の精霊魔法を古戦場全体に振りまいた。呪いを受けた人々を解呪するためにね
 その間ジュオンが飛ばしてくる呪いの切れ端は四大精霊たちが撃ち落としてくれた
 遠目に巨大な黒い靄と、それと対峙している何人かの影が見えた
 どうやらその影が姫たちのようだ
 解呪が終わると四大精霊たちと共に姫たちの元へと飛んで、「下がってください!」と姫たちに声をかけた
「な!? 精霊様!?」
 白い姫は僕らを見て驚いていたけど今は気にしている暇はない
 手のひらに集めた魔力を一気に光魔法に変換させて爆発的な威力を見舞う
 ジュオンは大打撃を受けて体の半分を消失させるけど、あまりにも大きかったため倒し切れなかった
 半分になっても進撃は止まることなく姫たちに靄を手のように伸ばしてきたから、それを結界で受け止めて四大精霊が最大威力の合体魔法を放った
 クワトロプロ―ジョンという四つのエレメントを持った大爆発を引き起こす魔法だ
 それによりジュオンは原形をとどめないほどに霧散した
 無事ジュオンを倒しきった僕らに姫たちが駆け寄ってきている
「精霊様! ありがとうございます!」
 跪いて僕らに頭を下げる鬼人や鬼仙たち
 先頭にいるのが白鬼の姫と黒鬼の姫の姉妹だ
 その顔を見て僕は思わず見とれてしまった
 真っ白な肌にうっすらと赤みのさした頬と唇、白く長い髪に赤い瞳の白鬼の姫
 褐色の肌に切れ長の目と赤い瞳、漆黒の髪をたゆたわせている黒鬼の姫
 二人とも今まで見た鬼人と明らかに別格の美しさだった
「まさか精霊様が来て下さるとは、我ら一同心より御礼申し上げます」
 黒鬼の姫がさらにそう続けた
「無事でよかった。 それじゃぁね」
 僕らはすぐにその場から飛び去った
 姫はまだ何か言いたげだったけどまぁいいか
 人間の姿に戻ると街に戻って観光を再開した。古戦場では後始末が始まっているみたいだ
 すぐに後始末が始めれたのも死人が一人も出なかったからだ
 これは今までのジュオンとの戦いで初めてのことらしい
 と言ってもジュオンは魔王が倒されてからは一度も出ていないみたいだけどね
 そんな話を聞いて僕は何かおかしいと感じ始めていた
 何かが起こっているのかもしれない
 警戒はしておいた方がいいかも
 そんな思いを頭の隅に置いておいて、今は観光を楽しむことにした
 街の人に聞いてみると、古戦場跡地以外にも鬼人族を助けてくれた英雄を祀っている神社があるらしい
 その英雄の名前はなんと、モモタロウというそうだ
 仙人で、途轍もない力を持っていて、かつて魔物に襲われていた鬼人たちを助けるために数人の獣人の部下を率いて圧倒的な仙力を持って魔物たちを殲滅したらしい
 こうして救われた鬼ヶ島の鬼人たち、その鬼人の姫とモモタロウは恋に落ち、その二人の子孫が現在の姉妹姫なんだそうだ
 モモタロウの部下の獣人たちも鬼人族と結ばれていて、それぞれの子孫が三獣鬼や他の幹部だという
 これは面白い話を聞けた。まさか前世の童話の登場人物の名前がこの世界で聞けるとは思わなかった
 そこである仮説を立ててみた
 この世界には異世界人として僕の元いた世界の住人がたまに流れ着いてくる
 現に鬼が島にも日本人の異世界人佐藤さんがいた
 ならばである
 こちらからも向こうへ流れ着くんではないだろうか?
 そんな人がこちらのこういう英雄譚を聞いていて、向こうで話したり本にしたりしたのではないだろうか?
 それらが神話や物語となって今まで伝わっているとか?
 自分で考えててとんでも話だと思ったけど間違いじゃないかも
 それから僕らはモモタロウの祀られている神社へと向かった
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