精霊王女になった僕はチートクラスに強い仲間と世界を旅します

カオリグサ

文字の大きさ
54 / 1,022

鬼人族の国21

しおりを挟む
 六日目
 この日は特に行事はないみたいだね
 屋台は相変わらず盛況し、たくさんの国から様々な種族が観光に訪れている
 妖精に近い種族のエルフやホビット、鍛冶に精通しているドワーフ
 ドラゴンに近いドラグニュートやリザードマン、スネークマン
 驚いたのは、種族の垣根を超えたカップルも多々いたことだ
 例えば人間と獣人、妖精とエルフ、鬼人とマーマンなどなど
 この世界にも当然差別はあるらしい。でもそれはごく一部の話で、種族など障害ではないのだ
 今日はのんびりと祭りの情景を楽しみながらグダグダと過ごすつもりなんだ
 ベンチに腰かけて祭りを楽しんでいた精霊たちと話していると、僕の目の前で女の人が派手に転んだ
「大丈夫ですか?」
 僕は声をかけてその人を助け起こす
「あ、ありがとうございます。急いでいたもので」
 その人を一目見て気づいた。この人、魔族だ
 よほど慌てているのか、すぐにその場を後にしようとしている
 でも四大精霊と他の精霊たちが取り囲むようにその人を引き留めた
「あなた、血の匂いがしてますよ?」
 エンシュが睨みながらその人の手を掴む
「っく、放せ!」
 女の人は手を振りほどくと無理やり囲みをすり抜けて走って行ってしまった
「気になりやすねなんだか、あちきがあの者の動向を探ってまいるでやんす」
 そう言ったのは影の精霊シノノだ
 ショートヘアを上で結ってちょんまげのようにしていて、まるで忍び装束のような服を着ている
 偵察が得意だそうで、先の祭典でも活躍していた娘だ
「ごめんなさいね、お願いするわ」
 テュネがお礼を言うと、シノノは魔族の女性を追って走っていった
 すぐに姿が見えなくなる
 影に入り込んで影から影へ一瞬で移動できるそうだ
「シノノに任せておけば大丈夫でしょう。お祭りに戻りましょう」
 アスラムがのんびりと言った。それならひとまずシノノに任せておこう
 場合によっては僕たちも何かしなきゃいけなくなるかもしれないので心の準備だけはしておこうと思う
 それにしても血の匂いがしたなんて物騒だ
 幸いこの祭りで流血騒ぎは一切起きていない。彼女は一体どこで血を浴びたんだろう
 気になったけどシノノが報告を持って帰るまでは下手に動かないことにした
 それから再び来ていた精霊や妖精たちと話したり、多種族の人達と交流したりしていたら日が暮れてきた
 晩御飯、どうしようかな?
 きょろきょろとあたりを見回していると、鉄板焼きの屋台が見えた
 この屋台、移動式なので今まで気づかなかったけど、相当色々な具材があるみたいだ
 お肉はもちろんのこと、豊富な海鮮類や朝とれた新鮮な野菜類もある
 早速呼び止めて食べてみることにした
 どうやらその場で焼いてくれるらしい
 具材によってベストな焼き加減をしてくれるのだという
 ただ、牛肉は焼き加減を選べるみたいだね
 僕は良く焼いたのが好みなのでウェルダン、テュネとエンシュもウェルダン、フーレンはレア、アスラムはミディアムレアといった具合だ
 まず前菜として新鮮野菜。パプリカやブロッコリー、ロッキャロという真っ赤なニンジンのような野菜に大根を輪切りにしたものまで焼かれた
 どの野菜も甘みが強い
 次に海鮮、イカタコ、ホタテ、エビ、ウニ、白身魚
 特にウニをソース状にしてエビに塗ったものは口の中でとろけるようで、幸せをかみしめているようだった
 そしていよいよお肉。お肉はさっき注文した通りに焼いてくれた
 肉汁を閉じ込めるように焼いてくれているので口の中でうま味がジワリと広がっていって幸せ
 牛を大切に育てているのがわかる
 最後にしめとして焼きめしを作ってくれた
 肉汁をソースと絡め、そこにまずニンニクチップを投入
 いい具合に焼けてきたところでご飯が入る。良い匂いだ
 ぱらぱらに焼けた焼き飯はニンニクの香りが程よくきき、お肉のうまみまでご飯が吸っている
 脂っこいかと思いきや、意外とあっさりしていてしめにぴったりだ 
 どうやら最後にいれた魚介のエキスが脂分をあっさりとさせてくれる正体だろう
 お腹いっぱいになって宿屋に戻った
 いよいよ最終日
 この日は二回目の抽選によってアマテラス様がお願いを聞いてくれる日だ
 選ばれるのは当たった十人だけ、今度こそ選ばれるといいなぁ
 そして、夜には盛大に花火が打ちあがる
 これも見ないとね。明日を楽しみに僕たちは露天風呂に浸かった後眠りについた
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

1×∞(ワンバイエイト) 経験値1でレベルアップする俺は、最速で異世界最強になりました!

マツヤマユタカ
ファンタジー
23年5月22日にアルファポリス様より、拙著が出版されました!そのため改題しました。 今後ともよろしくお願いいたします! トラックに轢かれ、気づくと異世界の自然豊かな場所に一人いた少年、カズマ・ナカミチ。彼は事情がわからないまま、仕方なくそこでサバイバル生活を開始する。だが、未経験だった釣りや狩りは妙に上手くいった。その秘密は、レベル上げに必要な経験値にあった。実はカズマは、あらゆるスキルが経験値1でレベルアップするのだ。おかげで、何をやっても簡単にこなせて――。異世界爆速成長系ファンタジー、堂々開幕! タイトルの『1×∞』は『ワンバイエイト』と読みます。 男性向けHOTランキング1位!ファンタジー1位を獲得しました!【22/7/22】 そして『第15回ファンタジー小説大賞』において、奨励賞を受賞いたしました!【22/10/31】 アルファポリス様より出版されました!現在第四巻まで発売中です! コミカライズされました!公式漫画タブから見られます!【24/8/28】 マツヤマユタカ名義でTwitterやってます。 見てください。

断罪後のモブ令息、誰にも気づかれずに出奔する

まる
ファンタジー
断罪後のモブ令息が誰にも気づかれないよう出奔して幸せを探す話

真祖竜に転生したけど、怠け者の世界最強種とか性に合わないんで、人間のふりして旅に出ます

難波一
ファンタジー
"『第18回ファンタジー小説大賞【奨励賞】受賞!』" ブラック企業勤めのサラリーマン、橘隆也(たちばな・りゅうや)、28歳。 社畜生活に疲れ果て、ある日ついに階段から足を滑らせてあっさりゲームオーバー…… ……と思いきや、目覚めたらなんと、伝説の存在・“真祖竜”として異世界に転生していた!? ところがその竜社会、価値観がヤバすぎた。 「努力は未熟の証、夢は竜の尊厳を損なう」 「強者たるもの怠惰であれ」がスローガンの“七大怠惰戒律”を掲げる、まさかのぐうたら最強種族! 「何それ意味わかんない。強く生まれたからこそ、努力してもっと強くなるのが楽しいんじゃん。」 かくして、生まれながらにして世界最強クラスのポテンシャルを持つ幼竜・アルドラクスは、 竜社会の常識をぶっちぎりで踏み倒し、独学で魔法と技術を学び、人間の姿へと変身。 「世界を見たい。自分の力がどこまで通じるか、試してみたい——」 人間のふりをして旅に出た彼は、貴族の令嬢や竜の少女、巨大な犬といった仲間たちと出会い、 やがて“魔王”と呼ばれる世界級の脅威や、世界の秘密に巻き込まれていくことになる。 ——これは、“怠惰が美徳”な最強種族に生まれてしまった元社畜が、 「自分らしく、全力で生きる」ことを選んだ物語。 世界を知り、仲間と出会い、規格外の強さで冒険と成長を繰り広げる、 最強幼竜の“成り上がり×異端×ほのぼの冒険ファンタジー”開幕! ※小説家になろう様にも掲載しています。

【完結】辺境に飛ばされた子爵令嬢、前世の経営知識で大商会を作ったら王都がひれ伏したし、隣国のハイスペ王子とも結婚できました

いっぺいちゃん
ファンタジー
婚約破棄、そして辺境送り――。 子爵令嬢マリエールの運命は、結婚式直前に無惨にも断ち切られた。 「辺境の館で余生を送れ。もうお前は必要ない」 冷酷に告げた婚約者により、社交界から追放された彼女。 しかし、マリエールには秘密があった。 ――前世の彼女は、一流企業で辣腕を振るった経営コンサルタント。 未開拓の農産物、眠る鉱山資源、誠実で働き者の人々。 「必要ない」と切り捨てられた辺境には、未来を切り拓く力があった。 物流網を整え、作物をブランド化し、やがて「大商会」を設立! 数年で辺境は“商業帝国”と呼ばれるまでに発展していく。 さらに隣国の完璧王子から熱烈な求婚を受け、愛も手に入れるマリエール。 一方で、税収激減に苦しむ王都は彼女に救いを求めて―― 「必要ないとおっしゃったのは、そちらでしょう?」 これは、追放令嬢が“経営知識”で国を動かし、 ざまぁと恋と繁栄を手に入れる逆転サクセスストーリー! ※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。

神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします

夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。 アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。 いわゆる"神々の愛し子"というもの。 神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。 そういうことだ。 そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。 簡単でしょう? えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか?? −−−−−− 新連載始まりました。 私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。 会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。 余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。 会話がわからない!となるよりは・・ 試みですね。 誤字・脱字・文章修正 随時行います。 短編タグが長編に変更になることがございます。 *タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。

【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます

腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった! 私が死ぬまでには完結させます。 追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。 追記2:ひとまず完結しました!

貴族令嬢、転生十秒で家出します。目指せ、おひとり様スローライフ

ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞にて奨励賞を頂きました。ありがとうございます! 貴族令嬢に転生したリルは、前世の記憶に混乱しつつも今世で恵まれていない環境なことに気が付き、突発で家出してしまう。 前世の社畜生活で疲れていたため、山奥で魔法の才能を生かしスローライフを目指すことにした。しかししょっぱなから魔物に襲われ、元王宮魔法士と出会ったり、はては皇子までやってきてと、なんだかスローライフとは違う毎日で……?

処理中です...