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鬼人族の国22
いよいよ最終日だ
くじ引きはまだ始まらないみたいなのでその間はフラフラしよう。そう思っていると、シノノが戻って来た
気にかかっていたので早速報告を聞く
「申し訳ないっす、見逃した出やんすよ。あちきともあろうものが、悔しいでやす」
血の匂いをさせた魔族の女性はシノノが追う目の前で突如として消えたそうだ
転移魔法かと思ったが、それにしては魔力の残り香が少ないらしく、まるで狐にでもつままれたようだと言っていた
こっちにもそんな言葉があるのか
ひとまずお礼を言って祭りに戻ってもらうことにした
これは本格的に調査隊を出した方がいいかも
祭りが終わって精霊族の国に戻ったら母さんに進言してみよう
フラフラ歩き回り、遊びの屋台をめぐっていたらすぐに時間になった
いよいよ今年最後のアマテラスがお願い事を聞いてくれる時間になったのだ
今度こそ引き当てる! まあ当たったからと言って願うのは精霊の平和、いや、世界平和くらいかな?
ちなみに十人のお願い事のくじ以外にも今回は当たりくじと言うものがあるらしく、それも十等から一等まであるみたい
一等はお願いを聞いてもらえるらしい。つまり十一人目のお願いを叶えてもらえる人ってことか
一等から下は何が商品か書かれていない。何が当たるかお楽しみってやつだね
やぐらが開かれてアマテラス様の入ったクノエちゃんが姿を見せる
「さぁ、二回目のあなたのお願い聞いたげるのコーナーじゃ! くじを引いて当たった者はこちらに並ぶのじゃ!」
この一週間、クノエちゃんはずっとアマテラス様に憑依されていた
一応行事以外は体の自由を取り戻すので不便はないみたいだけど、心なしか太った気がする
いや、太ってるねこれ、アマテラス様、ずっとあんみつ食べてたんだろうなぁ
いくら影響がないとはいえ、食べ過ぎてクノエちゃんの体に蓄積したんだとテュネが教えてくれる
なんて可愛そうなことを・・・
くじを引くために広場に向かい、四大精霊から順に引いて行った
テュネ、はずれ、参加賞のお菓子をもらう
エンシュ、五等、鬼ヶ島の食堂ならどこでも使えるお食事券
フーレン、七等、桃仙果(かなり甘い鬼ヶ島ブランドの桃、寿命が延びると言われている)
アスラム、二等、鬼ヶ島ブランドの防具オーダーメイド券
二等を引き当てたアスラム、こりゃ運を使い果たしたかな?
僕は恐る恐るくじを引き、開いてみた
結果は・・・。一等!?
大当たりだ!
僕は飛び跳ねて喜んだ
周りの人達も拍手をしてくれ、よかったねお嬢ちゃんなど声もかけてくれた
でもちょっと待って、もしかしてこれ、アマテラス様が運気操作とかしてないよね?
もしそうならこれはもらえない
そんなずるをしてまで願いをかなえてもらいたいとは思わない
だから僕はアマテラス様に通信魔法で聞いてみた
「そんなことしておらぬぞ? わらわはそこまで甘くはない。それはお前の運で引き当てたものじゃ、安心して使うがいいぞ」
どうやら杞憂だったみたいだ
正直かなり嬉しい
くじを引いたのは約1万人を超える
この中からたった十一人、その十一人に選ばれたのだ
何を願おうかな? やっぱり平和・・・?
と、思ってはみたものの、実は決めていたことがある
前世、地球に生きていた頃の母さんや父さんと話がしたい
前にアマテラスが会いたいと言ったときに、そんなことできないかそれとなく尋ねてみたところ、彼女なら楽にできるんだそうだ
さすが日本の三本柱と呼ばれるだけのことはある
僕を転生させてくれた女神さまもできるんだそうだけど、彼女とは交信の手立てがない
いや正確にはあるにはあるけど、転生の女神は忙しいらしいから無理なんだそうだ
「ではひとりずつお願いを聞いて行こうかの。名前を呼ばれたらわらわのいる部屋まで来るといいぞ」
それから順番に名前が呼ばれていった
僕は一番最後だ
やがて僕の名前が呼ばれる
「リディエラ、入るがよいぞ」
「よ、よろしくお願いします」
入るなりアマテラス様は言った
「お前の願いは分かっておる。前世の両親に会いたいのじゃろう?」
「は、はい!」
「体は無理じゃが意識だけを飛ばすことならできる。楽勝というやつじゃ。早速やるか?」
「はい、心の準備はできてます」
アマテラス様はコクリとうなづくと力を行使した
周りの景色がゆらゆらと陽炎のように揺れ始め、意識が遠のいていく
すーっと眠るように意識を失うと、誰かの声で目が覚めた
「これ、リディエラ、はよう起きんか」
アマテラス様の声だ
その声に目を開けてみると真っ白な空間にいた
「ここは夢の世界じゃ。ここでお前の両親に合わせてやろう。好きに語らうがいいぞ」
アマテラス様が指をパチンとはじくと扉が現れた
その扉がゆっくりと開き、中から二人の人影が歩いてくるのが見える
「父さん? 母さん?」
二人は僕の声に気づいたようにこちらにかけてくる
僕の今の姿はリディエラのままだ
魂自体がすでにリディエラとして変質しているのでこの姿らしい
それでもアマテラス様が僕の姿を前世の姿に見せてくれているので、向こうにはあの頃の僕に見えているはずだ
「おお、まこと、お前なのか?」
父さんの声だ。すごく懐かしい気がする
「まこと、ごめんね、助けてあげられなくて。強く生んであげられなくてごめんね」
震えるような母さんの声
「謝らないでよ。ぼくは父さんと母さんの子供に生まれて本当によかったと思ってるよ。それにね、今異世界で暮らしてるんだ。こっちの世界には戻れないけど、僕は大丈夫。今はすごく元気で暮らしてるよ」
「そうか、よかった。父さんも母さんもお前をずっと愛している。それだけは忘れないでくれ」
「うん、もちろんだよ!」
父さんと母さんは泣いていた・・・。僕も泣いていたと思う
それから僕たちはいろいろと語り合い、とうそう時間になってしまった
「じゃぁ、もう行くね。神様がもう時間だって言ってる」
「えぇ、幸せにね」
僕は深くうなずいた
再び扉が開かれる
僕たちは手を振り合って別れた。すごく、幸せな時間を過ごせたと思う
アマテラス様にお礼を言わないとね
夢から覚めたみたいだ。アマテラス様がこちらを見て微笑んでいる
「どうじゃ? 無事別れは済ませれたか?」
「はい! ありがとうございました!」
僕は流れていた涙をぬぐうとアマテラス様に深く深くお辞儀をした
こうしてお願い事は終わった
もうすぐ夜、最後に討ちあがる盛大な花火、それを見るために四大精霊たちと場所を取りに行った
くじ引きはまだ始まらないみたいなのでその間はフラフラしよう。そう思っていると、シノノが戻って来た
気にかかっていたので早速報告を聞く
「申し訳ないっす、見逃した出やんすよ。あちきともあろうものが、悔しいでやす」
血の匂いをさせた魔族の女性はシノノが追う目の前で突如として消えたそうだ
転移魔法かと思ったが、それにしては魔力の残り香が少ないらしく、まるで狐にでもつままれたようだと言っていた
こっちにもそんな言葉があるのか
ひとまずお礼を言って祭りに戻ってもらうことにした
これは本格的に調査隊を出した方がいいかも
祭りが終わって精霊族の国に戻ったら母さんに進言してみよう
フラフラ歩き回り、遊びの屋台をめぐっていたらすぐに時間になった
いよいよ今年最後のアマテラスがお願い事を聞いてくれる時間になったのだ
今度こそ引き当てる! まあ当たったからと言って願うのは精霊の平和、いや、世界平和くらいかな?
ちなみに十人のお願い事のくじ以外にも今回は当たりくじと言うものがあるらしく、それも十等から一等まであるみたい
一等はお願いを聞いてもらえるらしい。つまり十一人目のお願いを叶えてもらえる人ってことか
一等から下は何が商品か書かれていない。何が当たるかお楽しみってやつだね
やぐらが開かれてアマテラス様の入ったクノエちゃんが姿を見せる
「さぁ、二回目のあなたのお願い聞いたげるのコーナーじゃ! くじを引いて当たった者はこちらに並ぶのじゃ!」
この一週間、クノエちゃんはずっとアマテラス様に憑依されていた
一応行事以外は体の自由を取り戻すので不便はないみたいだけど、心なしか太った気がする
いや、太ってるねこれ、アマテラス様、ずっとあんみつ食べてたんだろうなぁ
いくら影響がないとはいえ、食べ過ぎてクノエちゃんの体に蓄積したんだとテュネが教えてくれる
なんて可愛そうなことを・・・
くじを引くために広場に向かい、四大精霊から順に引いて行った
テュネ、はずれ、参加賞のお菓子をもらう
エンシュ、五等、鬼ヶ島の食堂ならどこでも使えるお食事券
フーレン、七等、桃仙果(かなり甘い鬼ヶ島ブランドの桃、寿命が延びると言われている)
アスラム、二等、鬼ヶ島ブランドの防具オーダーメイド券
二等を引き当てたアスラム、こりゃ運を使い果たしたかな?
僕は恐る恐るくじを引き、開いてみた
結果は・・・。一等!?
大当たりだ!
僕は飛び跳ねて喜んだ
周りの人達も拍手をしてくれ、よかったねお嬢ちゃんなど声もかけてくれた
でもちょっと待って、もしかしてこれ、アマテラス様が運気操作とかしてないよね?
もしそうならこれはもらえない
そんなずるをしてまで願いをかなえてもらいたいとは思わない
だから僕はアマテラス様に通信魔法で聞いてみた
「そんなことしておらぬぞ? わらわはそこまで甘くはない。それはお前の運で引き当てたものじゃ、安心して使うがいいぞ」
どうやら杞憂だったみたいだ
正直かなり嬉しい
くじを引いたのは約1万人を超える
この中からたった十一人、その十一人に選ばれたのだ
何を願おうかな? やっぱり平和・・・?
と、思ってはみたものの、実は決めていたことがある
前世、地球に生きていた頃の母さんや父さんと話がしたい
前にアマテラスが会いたいと言ったときに、そんなことできないかそれとなく尋ねてみたところ、彼女なら楽にできるんだそうだ
さすが日本の三本柱と呼ばれるだけのことはある
僕を転生させてくれた女神さまもできるんだそうだけど、彼女とは交信の手立てがない
いや正確にはあるにはあるけど、転生の女神は忙しいらしいから無理なんだそうだ
「ではひとりずつお願いを聞いて行こうかの。名前を呼ばれたらわらわのいる部屋まで来るといいぞ」
それから順番に名前が呼ばれていった
僕は一番最後だ
やがて僕の名前が呼ばれる
「リディエラ、入るがよいぞ」
「よ、よろしくお願いします」
入るなりアマテラス様は言った
「お前の願いは分かっておる。前世の両親に会いたいのじゃろう?」
「は、はい!」
「体は無理じゃが意識だけを飛ばすことならできる。楽勝というやつじゃ。早速やるか?」
「はい、心の準備はできてます」
アマテラス様はコクリとうなづくと力を行使した
周りの景色がゆらゆらと陽炎のように揺れ始め、意識が遠のいていく
すーっと眠るように意識を失うと、誰かの声で目が覚めた
「これ、リディエラ、はよう起きんか」
アマテラス様の声だ
その声に目を開けてみると真っ白な空間にいた
「ここは夢の世界じゃ。ここでお前の両親に合わせてやろう。好きに語らうがいいぞ」
アマテラス様が指をパチンとはじくと扉が現れた
その扉がゆっくりと開き、中から二人の人影が歩いてくるのが見える
「父さん? 母さん?」
二人は僕の声に気づいたようにこちらにかけてくる
僕の今の姿はリディエラのままだ
魂自体がすでにリディエラとして変質しているのでこの姿らしい
それでもアマテラス様が僕の姿を前世の姿に見せてくれているので、向こうにはあの頃の僕に見えているはずだ
「おお、まこと、お前なのか?」
父さんの声だ。すごく懐かしい気がする
「まこと、ごめんね、助けてあげられなくて。強く生んであげられなくてごめんね」
震えるような母さんの声
「謝らないでよ。ぼくは父さんと母さんの子供に生まれて本当によかったと思ってるよ。それにね、今異世界で暮らしてるんだ。こっちの世界には戻れないけど、僕は大丈夫。今はすごく元気で暮らしてるよ」
「そうか、よかった。父さんも母さんもお前をずっと愛している。それだけは忘れないでくれ」
「うん、もちろんだよ!」
父さんと母さんは泣いていた・・・。僕も泣いていたと思う
それから僕たちはいろいろと語り合い、とうそう時間になってしまった
「じゃぁ、もう行くね。神様がもう時間だって言ってる」
「えぇ、幸せにね」
僕は深くうなずいた
再び扉が開かれる
僕たちは手を振り合って別れた。すごく、幸せな時間を過ごせたと思う
アマテラス様にお礼を言わないとね
夢から覚めたみたいだ。アマテラス様がこちらを見て微笑んでいる
「どうじゃ? 無事別れは済ませれたか?」
「はい! ありがとうございました!」
僕は流れていた涙をぬぐうとアマテラス様に深く深くお辞儀をした
こうしてお願い事は終わった
もうすぐ夜、最後に討ちあがる盛大な花火、それを見るために四大精霊たちと場所を取りに行った
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