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妖精たちのお留守番2
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リディエラたちが旅行に出てから一か月とちょっとが絶ったころ
妖精たちは相も変わらずせわしなく動き、人間たちに気づかれないよう細心の注意を払いながら日々生活を続けている
屋敷の掃除をし、リディエラたちの帰りを待っているようだ
「おっそいのです!! リディエラ様ぁあああ!! いつ帰ってこられるのですかぁあああ!!」
ぐずり始めるカスミ
「やば、また始まったよケリー、どうする?」
「とりあえず放っておく」
ケリーとエリー、この双子の姉妹はこういう時のカスミの扱いをよく心得ている
そう、こんな時は放っておくに限るのである
下手に気にすれば絡まれ、相当な時間を取られてしまうのだ
それに、カスミにはゴーシュという良き理解者がいるため、彼に任せておく方が何かといい
しばらくしてゴーシュがカスミをなだめながら連れて行った
「やれやれだよ」
「やれやれだね」
双子はその様子を見て同時に汗をぬぐう動作をした
「カスミの担当個所、どっちがやる?」
「エリーがやる」
「じゃぁ頼むよ。ケリーはゴーシュの担当個所をやる」
「わかった」
双子は淡々とカスミの抜けた穴を埋めるため役割を分担した
「まったく、カスミにも困ったものだわね。こんなことでわたくしたちのリーダーが良く務まるものだわね」
そう言ったのはカスミをライバル視しているマリリカだ
エインセルのお嬢様の出でもある彼女は誰かに命令されるのは嫌だったが、精霊族のことは尊敬している。
なにより妖精族に優しいリディエラのことは大好きだった
それにカスミの実力は認めてはいる
だからこそ指示に従っているのだが、ここ最近のカスミはあまりにも不甲斐ない
こんなことでは尊敬するリディエラに示しがつかない
マリリカはそう考えていた
カスミを落ち着かせたゴーシュはため息をついて自分の仕事に戻った
ケリーにお礼を言って変わってもらう
そのとき、屋敷の外で騒ぎがあった
悲鳴が上がり、冒険者たちがあわただしく避難を誘導している
どうやら巨大な魔物が森から現れ、それが街に向かってきているらしい
「ここは私たちの出番なのです! 行きますよみんな!」
カスミが号令をかけると、九人のエインセルたちは一斉にうなずき屋敷の外へと出た
問題の魔物はまだ街には来ていないようだが、それも時間の問題だろう
姿の見えないエインセルたちは逃げ惑う人間たちを尻目に森の方へと向かった
森では何人かの冒険者たちが討伐に走っているのが見える
動きや警戒の仕方から察するになかなかの手練れだと思えた
しばらく走ると、何か巨大な毛玉が走っているのが見え、それがだんだんと大きくなってきている
いや、大きくなっているのではなく、近づいてきていた
それはまるで小山のように大きな猪だった
牙は鋭くとがり、猪と違って肉食の獣であることがわかる
「で、でかいぞ! 魔法を使える者は翻弄してくれ! それと剣は恐らく効かん、重装備の者は魔法支援を得て攻撃を開始してくれ!」
あまりの巨体とその硬い剛毛は剣を全く通さない
魔法や重装備による攻撃でチマチマと体力を削るしか方法がなかった
そう思っていた冒険者たちはいい意味でその予想を裏切られた
「フレアウィンド!」
カスミの声が森に響く
炎の妖精魔法が得意なマリリカと風の妖精魔法が得意なカスミによる合成魔法が魔物に当たり炸裂した
それにより猪の足が吹き飛ばされ、体勢を崩した
「今です! 総攻撃するのです!」
カスミは妖精たちと冒険者たちに号令をかけた
一斉に魔法や武器で攻撃する
「「アイシクルレオ」」
氷魔法を創造魔法で造形し、動かすケリーとエリーの妖精魔法
ライオンを形どったその大きさは猪とも引けを取らない
氷のライオンは猪に噛みつきその動きをさらに制限した
冒険者たちはエインセルの姿を見て勇気をもらい、今まで以上に自分たちの力が引き出されるのがわかる
それもそのはずで、後ろでゴーシュが支援魔法で強化していたからだ
それぞれの攻撃で段々と猪の体力は削られていく
「フェアリアルサンダー!」
ゴーシュの雷によって猪はとどめを刺され絶命する
大物を倒せたことによって冒険者たちから歓声が上がった!
「ありがとう!」
エインセルたちにむかって冒険者たちは口々にお礼を言った
彼らがいなければ冒険者は全滅していたかもしれない
感謝の言葉にエインセルたちはニコリと笑って姿を消した
といっても魔法で姿を隠しただけで、冒険者たちと一緒に街に戻っただけなのだが、彼らの知る由もないことだった
「ふぅ、久々に戦ったけど、骨のない相手でしたわ」
マリリカがどや顔で語る
「この街が壊されると困るです。リディエラ様が悲しまれます」
カスミはとにかくリディエラが悲しそうにするのを見たくない
この街を守れたことでリディエラに褒めてもらえるかもしれないので妖精たちは彼女が帰るのを今か今かと待ちわびた
そしてその事件から数日後、リディエラたちがお土産を手に戻って来たのだった
妖精たちは相も変わらずせわしなく動き、人間たちに気づかれないよう細心の注意を払いながら日々生活を続けている
屋敷の掃除をし、リディエラたちの帰りを待っているようだ
「おっそいのです!! リディエラ様ぁあああ!! いつ帰ってこられるのですかぁあああ!!」
ぐずり始めるカスミ
「やば、また始まったよケリー、どうする?」
「とりあえず放っておく」
ケリーとエリー、この双子の姉妹はこういう時のカスミの扱いをよく心得ている
そう、こんな時は放っておくに限るのである
下手に気にすれば絡まれ、相当な時間を取られてしまうのだ
それに、カスミにはゴーシュという良き理解者がいるため、彼に任せておく方が何かといい
しばらくしてゴーシュがカスミをなだめながら連れて行った
「やれやれだよ」
「やれやれだね」
双子はその様子を見て同時に汗をぬぐう動作をした
「カスミの担当個所、どっちがやる?」
「エリーがやる」
「じゃぁ頼むよ。ケリーはゴーシュの担当個所をやる」
「わかった」
双子は淡々とカスミの抜けた穴を埋めるため役割を分担した
「まったく、カスミにも困ったものだわね。こんなことでわたくしたちのリーダーが良く務まるものだわね」
そう言ったのはカスミをライバル視しているマリリカだ
エインセルのお嬢様の出でもある彼女は誰かに命令されるのは嫌だったが、精霊族のことは尊敬している。
なにより妖精族に優しいリディエラのことは大好きだった
それにカスミの実力は認めてはいる
だからこそ指示に従っているのだが、ここ最近のカスミはあまりにも不甲斐ない
こんなことでは尊敬するリディエラに示しがつかない
マリリカはそう考えていた
カスミを落ち着かせたゴーシュはため息をついて自分の仕事に戻った
ケリーにお礼を言って変わってもらう
そのとき、屋敷の外で騒ぎがあった
悲鳴が上がり、冒険者たちがあわただしく避難を誘導している
どうやら巨大な魔物が森から現れ、それが街に向かってきているらしい
「ここは私たちの出番なのです! 行きますよみんな!」
カスミが号令をかけると、九人のエインセルたちは一斉にうなずき屋敷の外へと出た
問題の魔物はまだ街には来ていないようだが、それも時間の問題だろう
姿の見えないエインセルたちは逃げ惑う人間たちを尻目に森の方へと向かった
森では何人かの冒険者たちが討伐に走っているのが見える
動きや警戒の仕方から察するになかなかの手練れだと思えた
しばらく走ると、何か巨大な毛玉が走っているのが見え、それがだんだんと大きくなってきている
いや、大きくなっているのではなく、近づいてきていた
それはまるで小山のように大きな猪だった
牙は鋭くとがり、猪と違って肉食の獣であることがわかる
「で、でかいぞ! 魔法を使える者は翻弄してくれ! それと剣は恐らく効かん、重装備の者は魔法支援を得て攻撃を開始してくれ!」
あまりの巨体とその硬い剛毛は剣を全く通さない
魔法や重装備による攻撃でチマチマと体力を削るしか方法がなかった
そう思っていた冒険者たちはいい意味でその予想を裏切られた
「フレアウィンド!」
カスミの声が森に響く
炎の妖精魔法が得意なマリリカと風の妖精魔法が得意なカスミによる合成魔法が魔物に当たり炸裂した
それにより猪の足が吹き飛ばされ、体勢を崩した
「今です! 総攻撃するのです!」
カスミは妖精たちと冒険者たちに号令をかけた
一斉に魔法や武器で攻撃する
「「アイシクルレオ」」
氷魔法を創造魔法で造形し、動かすケリーとエリーの妖精魔法
ライオンを形どったその大きさは猪とも引けを取らない
氷のライオンは猪に噛みつきその動きをさらに制限した
冒険者たちはエインセルの姿を見て勇気をもらい、今まで以上に自分たちの力が引き出されるのがわかる
それもそのはずで、後ろでゴーシュが支援魔法で強化していたからだ
それぞれの攻撃で段々と猪の体力は削られていく
「フェアリアルサンダー!」
ゴーシュの雷によって猪はとどめを刺され絶命する
大物を倒せたことによって冒険者たちから歓声が上がった!
「ありがとう!」
エインセルたちにむかって冒険者たちは口々にお礼を言った
彼らがいなければ冒険者は全滅していたかもしれない
感謝の言葉にエインセルたちはニコリと笑って姿を消した
といっても魔法で姿を隠しただけで、冒険者たちと一緒に街に戻っただけなのだが、彼らの知る由もないことだった
「ふぅ、久々に戦ったけど、骨のない相手でしたわ」
マリリカがどや顔で語る
「この街が壊されると困るです。リディエラ様が悲しまれます」
カスミはとにかくリディエラが悲しそうにするのを見たくない
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