精霊王女になった僕はチートクラスに強い仲間と世界を旅します

カオリグサ

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開拓

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 精霊の国での数週間はあっという間だった
 母さんはその間ずっと僕に構ってくれていた
 片時も離れたくないのかべっとりと僕を抱えながら歩いている
 僕はされるがままになりそしてまた甘えた
 精霊や妖精たちもそれを微笑ましく眺めている
 母さんが精霊の祖となってからかなりの年月が経っているらしいけど、その間に母さんが子供を作ったことはない
 それだけに、僕という初めての子供をこれだけ愛してくれるのだろう
 周りにいる精霊たちも僕を愛してくれているのがよくわかる

 そして数週間が経って思った。再び旅に出ようと
 でもその前に一旦人間族の街にある家に帰ろう
 しばらく家には誰もいないので雑草が伸びてるかもしれないし、ほこりもたまっているかも
 それに、ないとは思うけど荒らされてたりしても困る
 まぁ、あそこは冒険者の作り上げた街だし、観光客も目を光らせてくれてるはずだからきっと大丈夫だろう
 母さんや精霊たちとハグをしあいながら行ってきますと別れを告げた
 そして今度は僕に思いっきり抱き着くと、十数秒にも及ぶハグで送り出してくれた
「必ずまた無事に帰ってくるのですよ」
 母さんはそう言って手を振る。僕もそれに答えて手を振った
 精霊の国から出立して数時間後、ようやく僕たちの家に戻った
 妖精たちはさっそく掃除に取り掛かっている
 僕たちが帰って来たのを聞きつけたのか、この街の管理をしているいわば町長?的な立場の人がこの家を訪ねてきた
 彼の名前はザルクと言い、この街の開拓を指揮していた人で、もう冒険者は引退している
 冒険者時代に溜めたお金で余生を楽しもうとこの街の開拓で家を手に入れた次第だ
 そんな彼から僕らに依頼があった
 この街をさらに広げて獣人国ガルドラとの貿易拠点にするそうだ
 今でもここはちゃんと貿易拠点として機能しているけど、ここを広げればさらに大規模な貿易ができるそうだ
「分かりました。喜んで引き受けます」
 僕はテュネたちを連れて他の冒険者が切り開いている森へと向かった
 ここには魔物も多量に出るので危険なんだけど、僕らの敵じゃない
 僕らがやることは主に魔物が開拓者たちを襲わないよう見張るのと、木材の運搬だ
 木材は袋を持つテュネに任せ、後の三人はそれぞれ別の場所で魔物に備えてもらった
 僕たちが旅行から帰ってくる前にAクラスにもなる巨大な猪型の魔物が出たそうなので、またそう言う魔物が出てこないとも限らない
 僕らの人間形態での実力は多分Aくらいかな?Sランクでもおかしくない
 精霊形態ともなるとSSランクくらい?
 この世界にSSランクはほんの十数人しかおらず、SSSランクだと数人、その上ともなると異世界から来た神獣か神様くらいか
 Aクラスくらいの魔物なら十分僕らでも対処できるから大丈夫
 案の定魔物たちが襲ってくるんだけど、開拓している冒険者たちでも難なく倒せるクラス
 それでも作業の手が止まるのでなるべく僕たちが対処した
 僕はさっそく鬼人族の国でもらった刀を試してみる
 この刀、人魚姫にもらった炎のオーブを組み込んであるので斬りつけると燃え上がる特性を備えている
 その技の名前は“火花斬り”
 まるで花火のようにきれいな炎が吹きあがることから名付けた。安易かな?
 僕の背丈は大体145㎝くらいで、刀もそれに合わせて短めだ
 一般的な大人が持てば脇差しくらいかな
 僕は刀を構えて目の前に飛び出してきた猿型の魔物を斬りつけた
 そこから吹き出す血と炎。一撃でその魔物は絶命している
 なかなかの威力だと思う
 一緒にいた冒険者のおじさんも感激しているようだ
 一週間かけて急ピッチで作業が進められたため予定よりも早く切り開くことができた
 これから材木を使って建物を建てたり、貿易のために他国と交渉や契約をするんだけど、そう言ったことは僕たちの範疇外なのであとは任せることにしよう
 と思ってたんだけど、問題が起きた
 エルフの国が突如として貿易の契約を破棄したらしい
 何か国の中で問題が起こっているようで、それどころではないという
 そしてさぁまた旅に出ようと思っていた僕らに白羽の矢が立った
 エルフの国に向かい、理由を尋ねてきてほしいと言われた
 もし助けが必要なら協力して問題を解決する必要もある
 もともとエルフたちは突然契約を破棄するような人たちではない
 誠実で誇り高い種族だ
 そんな彼らが一方的に契約破棄、きっと大きな問題が起きているんだろう
 その日のうちに僕らは出立の準備を整えて、次の日にはエルフの国に向けて出立した
 エルフの国の名はハイルーン、森に囲まれた自然豊かな国で、精霊族とも仲がいい
 だから精霊の姿で向かう
 その方が警戒もなくすんなり受け入れてくれるみたいだからね
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