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勇者1
思い起こすこと数年前
俺はその昔勇者として精霊女王様に加護を授かった
それによって勇者としての力が飛躍的に高まり、激闘の末になんとか魔王を討ち果たした
魔族の国ジューオンへ乗り込んだのは俺を含めて5人
たったこれだけの人数でよくあの数の魔族を倒せたと思う
倒した中には無理やり戦わされていた人たちもいて、どうやら洗脳されていたみたいだ
彼らを倒すと、皆ハッと目が覚めたようにあたりを見渡してキョトンとしていた
そして魔王、あいつは強かったな
5人掛かりでなんとか倒せたけど、その過程で俺たちは力を失った
今の俺たちはただの人でしかない
仲間たちも故郷へ戻ったみたいだ
俺たちはみんな別に英雄ともてはやされたいわけじゃない
平和になったのならその平和を謳歌したい。そう話し合って俺たちは解散した
魔王を倒した後魔王城を探索していると、一つの部屋があった
そこは外側からカギがかかっており、中からは開けられない仕組み
扉を開けて入ると、一人の可愛らしい少女が座っていた
とても弱弱しい、守ってあげたくなるような少女は、角から魔族だとわかった
「あなたは、誰? 父上は?」
少女はこちらに話しかけてきた
声はカナリヤのさえずりのように透き通っていて、その輝くような瞳はまっすぐにこちらを見つめている
「父上? それは誰のことだい?」
俺は心当たりがあった。魔王が最後に言った言葉
「俺を倒しても後を継ぐ者がいる。貴様ではあれを止めることなどできん。あれは俺の最高傑作だからな」
てっきり兵器か何かを作り出したかとも思ったが、生き残った魔族や洗脳されていた魔族に聞いてもそんな情報はなかった
「父上は、魔王、です」
やはりそうだったか
この少女、魔王の娘は酷くおびえている
今まで一体どんな教育をされていたのだろうか?
「お嬢ちゃん、名前は?」
「き、キーラです」
「そうか、キーラ、俺はカエデ・サカツキ。こう見えて勇者だ」
「ひっ! ゆ、勇者? 私、殺されるんですか? う、ひっく、わだじ、まだ、死にたくないでず、グスッうぅう」
まずい、いきなり勇者と名乗るのは浅はかだった
こんないたいけな少女を泣かせてしまった
「だ、大丈夫だよキーラ、君にちょっと話を聞きたいだけなんだ」
「お話、ですか?」
まだグスグス言ってるけど、何とか落ち着いたみたいだ
「そう、君は魔王の娘で間違いないんだね?」
「は、はい、そうです。あの、父上は、魔族はどうなったんですか? もし父上が倒されてるなら、私の、ことは、ど、どうなっても構いません。魔族のみんなを許してあげてください。この国は戦争をしたくなかった人ばかりです。でも、父上に逆らった人たちはみんな処刑されるか洗脳されてしまいました。私の親友もそうです。だから、だから・・・」
俺はそっとキーラの頭に手を置いた
震えている
さっきまで死にたくないと泣いていた子が魔族たちのために自らのことも省みず言った言葉
この子もきっと被害者なんだ
「大丈夫だよキーラ、彼らは既に解放されてる。君の親友もきっと元に戻ってるはずだよ」
「ほんとですか!? リドリリ、リドリリに会いたいです」
その名前には聞き覚えがあった
魔王と戦う前に苦戦した女の子だ。確か今城下町で治療を受けていたはず
「その子なら無事だよ。城下町の簡易治療所にいるはずだ」
「よかった。リドリリが無事で・・・」
涙を流して喜ぶキーラ
「それでキーラ、君はこれからどうしたい?」
「私、ですか? 私は、この国を平和にしたいです。争いのない平和な国にして、みんなで仲良く暮らしたいです」
まだ幼いだろうに、この子の思想は民のことを考えることのできる良き王の思想を備えている・・・。それなら
「それじゃぁこれからそれを目指そう。俺も微力ながら協力するよ。君が次の魔王になるんだ」
この国には未だ倒された魔王派で危険思想の者達がいる
そんな奴らからこの子を守ろう
力を失ったけど、俺にはそれだけの実力があると思う
勇者という称号は伊達じゃないから
キーラを優しく撫でる
「私、頑張ります! いつかきっと、世界中の人達が仲良く、手を取り合うために」
この子のために俺はこれからを生きよう
勇者となったあの日、永遠ともいえる時を手に入れた
時間はたっぷりある
まずはこの子をよく思わない者たちを説得して回ろう
時には武力を行使しなければならないかもしれない
それでも俺は、平和のためにこの子の理想を実現するために動こう
そう決意した日のことを思い出していた
目の前にいるのはキーラを狙った女
黒幕は恐らくこいつじゃないが、こいつの洗脳能力は恐ろしい
たぶん前魔王の下で洗脳処置をしていたのもこいつだろう
俺も危うく操られそうになったほどだ
レジストに成功したのは加護のおかげかそれとも・・・
だが戦闘能力は低い。このまま、押し切る!
剣を手に地面を蹴り、女に斬りかかったが女の姿は掻き消えた
「幻術だと!?」
前方を見ると、女が風魔法で一気に逃げて行くのが見えた
慌てて追うが、追いつけない
力を失い、魔法を使えなくなった俺では追いつけないか
幸いにも女は手掛かりになりそうなものを残して行った
必ず止めるさ。キーラのために
鎧の胸元からマジックアイテムを取り出し、女の残した短刀をかざす
光があの女の居場所を示してくれる
再びマジックアイテムを胸元にしまった
昔仲間にペタンコと言われたっけか
軽く激怒したが、今となればそんなことも懐かしい
彼らは今何をしているだろう
そんなことを思いながら俺は女を追って走り出し
俺はその昔勇者として精霊女王様に加護を授かった
それによって勇者としての力が飛躍的に高まり、激闘の末になんとか魔王を討ち果たした
魔族の国ジューオンへ乗り込んだのは俺を含めて5人
たったこれだけの人数でよくあの数の魔族を倒せたと思う
倒した中には無理やり戦わされていた人たちもいて、どうやら洗脳されていたみたいだ
彼らを倒すと、皆ハッと目が覚めたようにあたりを見渡してキョトンとしていた
そして魔王、あいつは強かったな
5人掛かりでなんとか倒せたけど、その過程で俺たちは力を失った
今の俺たちはただの人でしかない
仲間たちも故郷へ戻ったみたいだ
俺たちはみんな別に英雄ともてはやされたいわけじゃない
平和になったのならその平和を謳歌したい。そう話し合って俺たちは解散した
魔王を倒した後魔王城を探索していると、一つの部屋があった
そこは外側からカギがかかっており、中からは開けられない仕組み
扉を開けて入ると、一人の可愛らしい少女が座っていた
とても弱弱しい、守ってあげたくなるような少女は、角から魔族だとわかった
「あなたは、誰? 父上は?」
少女はこちらに話しかけてきた
声はカナリヤのさえずりのように透き通っていて、その輝くような瞳はまっすぐにこちらを見つめている
「父上? それは誰のことだい?」
俺は心当たりがあった。魔王が最後に言った言葉
「俺を倒しても後を継ぐ者がいる。貴様ではあれを止めることなどできん。あれは俺の最高傑作だからな」
てっきり兵器か何かを作り出したかとも思ったが、生き残った魔族や洗脳されていた魔族に聞いてもそんな情報はなかった
「父上は、魔王、です」
やはりそうだったか
この少女、魔王の娘は酷くおびえている
今まで一体どんな教育をされていたのだろうか?
「お嬢ちゃん、名前は?」
「き、キーラです」
「そうか、キーラ、俺はカエデ・サカツキ。こう見えて勇者だ」
「ひっ! ゆ、勇者? 私、殺されるんですか? う、ひっく、わだじ、まだ、死にたくないでず、グスッうぅう」
まずい、いきなり勇者と名乗るのは浅はかだった
こんないたいけな少女を泣かせてしまった
「だ、大丈夫だよキーラ、君にちょっと話を聞きたいだけなんだ」
「お話、ですか?」
まだグスグス言ってるけど、何とか落ち着いたみたいだ
「そう、君は魔王の娘で間違いないんだね?」
「は、はい、そうです。あの、父上は、魔族はどうなったんですか? もし父上が倒されてるなら、私の、ことは、ど、どうなっても構いません。魔族のみんなを許してあげてください。この国は戦争をしたくなかった人ばかりです。でも、父上に逆らった人たちはみんな処刑されるか洗脳されてしまいました。私の親友もそうです。だから、だから・・・」
俺はそっとキーラの頭に手を置いた
震えている
さっきまで死にたくないと泣いていた子が魔族たちのために自らのことも省みず言った言葉
この子もきっと被害者なんだ
「大丈夫だよキーラ、彼らは既に解放されてる。君の親友もきっと元に戻ってるはずだよ」
「ほんとですか!? リドリリ、リドリリに会いたいです」
その名前には聞き覚えがあった
魔王と戦う前に苦戦した女の子だ。確か今城下町で治療を受けていたはず
「その子なら無事だよ。城下町の簡易治療所にいるはずだ」
「よかった。リドリリが無事で・・・」
涙を流して喜ぶキーラ
「それでキーラ、君はこれからどうしたい?」
「私、ですか? 私は、この国を平和にしたいです。争いのない平和な国にして、みんなで仲良く暮らしたいです」
まだ幼いだろうに、この子の思想は民のことを考えることのできる良き王の思想を備えている・・・。それなら
「それじゃぁこれからそれを目指そう。俺も微力ながら協力するよ。君が次の魔王になるんだ」
この国には未だ倒された魔王派で危険思想の者達がいる
そんな奴らからこの子を守ろう
力を失ったけど、俺にはそれだけの実力があると思う
勇者という称号は伊達じゃないから
キーラを優しく撫でる
「私、頑張ります! いつかきっと、世界中の人達が仲良く、手を取り合うために」
この子のために俺はこれからを生きよう
勇者となったあの日、永遠ともいえる時を手に入れた
時間はたっぷりある
まずはこの子をよく思わない者たちを説得して回ろう
時には武力を行使しなければならないかもしれない
それでも俺は、平和のためにこの子の理想を実現するために動こう
そう決意した日のことを思い出していた
目の前にいるのはキーラを狙った女
黒幕は恐らくこいつじゃないが、こいつの洗脳能力は恐ろしい
たぶん前魔王の下で洗脳処置をしていたのもこいつだろう
俺も危うく操られそうになったほどだ
レジストに成功したのは加護のおかげかそれとも・・・
だが戦闘能力は低い。このまま、押し切る!
剣を手に地面を蹴り、女に斬りかかったが女の姿は掻き消えた
「幻術だと!?」
前方を見ると、女が風魔法で一気に逃げて行くのが見えた
慌てて追うが、追いつけない
力を失い、魔法を使えなくなった俺では追いつけないか
幸いにも女は手掛かりになりそうなものを残して行った
必ず止めるさ。キーラのために
鎧の胸元からマジックアイテムを取り出し、女の残した短刀をかざす
光があの女の居場所を示してくれる
再びマジックアイテムを胸元にしまった
昔仲間にペタンコと言われたっけか
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彼らは今何をしているだろう
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