精霊王女になった僕はチートクラスに強い仲間と世界を旅します

カオリグサ

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エルフの国6

 五人で迎え撃つウグノフマンティス
 巨躯をのわりに素早く、鋭くなんでも斬れそうな刃が僕らめがけて襲ってきた
 その鎌を難なくかわして攻撃を仕掛けるんだけど、ウグノフの硬さは先ほどの二匹の比じゃなかった
 なんと一番攻撃力の高いエンシュのパンチを耐えきっていた
 甲殻は少しへこんだみたいだけど、それにひるむことなく未だ血走ったような複眼でこちらを睨みつけている
 ガシガシと牙を打ち鳴らし、鎌を高く掲げてまたしてもこちらに飛んできた
 まっすぐ僕の方に来たのでその動きを見極め、鎌を横にそらして攻撃をさばいた
 しかし少し当たったのか、肩口を切り裂かれてる
 精霊に出血とかはないんだけど、切られればやっぱり痛い
「痛たたたた、ふぅ、危ない危ない」
 木の幹にめり込んだ鎌を引き抜き、今度は横なぎに鎌を振ったので、飛んで避けた
 さらに鎌を振り回してこちらを攻撃してくる
 なんなのこいつ、なんでこんなに必死なの? なんか怖いんだけど
「縄張りを荒らされて怒っていますね。でもこちらからしたら私の縄張りを荒らされているんですがね」
 うわ、こっちも相当怖い。微笑んでるんだけど目が全然笑ってない
「リディエラ様、ここは私一人に任せてくださいませんか?」
「う、うん、頑張ってね」
 ここは逆らわずに言うとおりにした
 まぁアスラムなら大丈夫だろう
「行きますよ、カマキリ!」
 あ、怒ってる、すっごい怒ってるこれ
 手に鉱石を出現させて拳にまとわせると、まるでアイアンナックルのようになったその拳で殴りつけた
 ガゴン!と金属と金属がぶつかり合う音があたりに響いた
 連続で殴りつけてウグノフを押していく
 ウグノフはとうとう巨大な幹の柱に追いつめられた
「お前は私の大切なリディエラ様と世界樹を傷つけた。絶対に許しません」
 拳の動きが速くなった
 もはや甲殻は砕け内部が露出し始めていて、ウグノフもすでに抵抗していないけど、それでも殴るのをやめない
 うん、普段温厚な人を怒らせると怖いんだね
 バキッ、メリッという音を立ててウグノフはどんどん潰されていく
 それからしばらく殴り続けてようやく止まったころにはウグノフはただの肉塊へとなり果てていた
「ふぅ、終わりましたリディエラ様。傷を見せてください」
 怖いので素直に肩を見せる
 傷口はもうふさがり始めてるけど、アスラムは悲しそうな顔で見ていた
「大丈夫だよ。すぐふさがるから」
「いえ、我らの不徳の致すところです。リディエラ様を傷つけさせてしまいました」
 今はもうすっかりふさがった傷のあったところを撫でまわしている
 くすぐったい
「僕はホントに大丈夫だから。今度はもっと気を付けるから、ね」
 アスラムに心配をかけてしまった
 いや、アスラムだけじゃなくてテュネもエンシュもフーレンも心配そうだ
 四柱とも泣きそうな顔をしている
 傷は大したことないんだけど、四柱とも本気で心配してくれているのでうれしいな
 ひとまず上層部の掃討は終わったみたいなので下に降りてエルフたちに報告しよう
 地面に降り立つとエルフたちが出迎えてくれた
 退治し終わったことを報告するとすごく喜んでくれたので、僕らもやったかいがあったというものだ
 さて、世界樹もきれいになったことだし、次は虹の泉に行こう
 虹色に輝く泉なんて初めて見るよ
 でも、今はもう夕方だ
 行くのは明日にして、今日はエルフたちに用意してもらった宿に泊まることにした
 その日の夜ご飯は全てエルフが用意してくれた野菜料理のフルコースだ
 前菜にネギのポワレや芽キャベツのジュレソース、スープにモルロッコという穀物のスープ、主菜にクーベルというキャベツのようなものの酢漬け、メインにはバロルというカブのような野菜のステーキのトマトソース掛け、ドリンクは果物をふんだんに使って牛乳で割ったフルーツ牛乳だ
 そしてデザートはピパルベリーという果物のシャーベット!
 おいしい、おいしすぎる
 夢中で食べてたからまたしても口に着いたソースをテュネに拭かれた
 野菜料理、どれもこれもおいしかったなぁ
 この国にはどうやら温泉も湧くようで、それにゆっくりと浸かってから眠りについた
 ベッドは植物で出来でいて、ふかふかで包み込んでくれる
 眠る必要あるのかって思われるかもしれないけど、僕らだって眠ろうと思えば眠れるんだ
 夢は見れないんだけどね・・・
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