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勇者2
あの女を追って早数日、マジックアイテムの指し示す方角へ向かっていくと鬼人族の国に着いた
首都トウゲンから少し離れた木々の生い茂る森の中
ここは相変わらず自然豊かで洗練されている
濃い空気を思いっきり吸い込んで堪能すると俺はまた歩みを進めた
反応が強くなってきている。もうじき追いつくだろう
森のさらに奥地、この辺りになると少し魔物が増えてくるが俺の敵じゃぁない
襲ってくる魔物を切り伏せて気づいた
どうやら相手も追手に気づいているようだな
魔物を操ってけしかけているようだ
だが、この程度ならば問題ない
そしてとうとう女を追い詰めた
「くそ! まさか追手が勇者だったなんて」
見覚えはない
戦闘能力は低いのでやはり洗脳や幻術と言ったサポート能力に長けた者のようだ
「おい、なぜキーラを狙った? もはや前魔王はおらず、あの国は平和へと向かっている。なぜその平和を壊そうとする」
「言うわけないでしょ。それに、あんたはもうすぐ死ぬんだから言ったって意味ないじゃない」
女はニヤリと笑った
それと同時に俺の背後からたくさんの魔物が現れる
どの魔物も操られ、俺に敵意を剥き出して睨んでいた
どうやら俺は誘い込まれたらしいな
「ふん、この程度で俺を止められるとでも?」
「思ってるわよ。あんた、力失ってるでしょ? 今のあんたがこれだけの数相手、あんたを倒しきるまではいかなくても足止めくらいはできるでしょ」
「俺がそう簡単に逃がすとは思わないことだな」
「ま、せいぜい死なないよう頑張りなs」
言い終わらないうちに俺は腰の少し長めのナイフを投げた
それは女の腹部に刺さる
「うぐっ」
女は突き刺さったナイフを見る
「嘘、あんな距離から・・・。ぐう・・・」
腹部からナイフを引き抜くと血があふれ出た
女が傷ついたことにより魔物の洗脳が解ける
幾匹かは残ったが、あれだけいた魔物は去って行った
「なんでよ! 力失ってたんじゃないの?!」
俺はもう一つの持ち武器であるこの国で打たれた刀を抜く
そして一気に間合いを詰めた
「教えてやるよ。俺はな、もともと強いんだよ」
女を切り裂いた
そう思ったが、女の姿は掻き消えた。また幻術か
だが、かすった感触はある
まだ近くにいるはずだ
上を見上げると、またしても風の魔法で宙を飛んで逃げる姿が見えた
「くそ、また逃したか。それにあの女・・・」
俺は胸元を見た
服が切り裂かれ、胸元がはだけている
その胸の間には斜めに薄い切り傷が走っていた
出血は少なく、すぐに治療できたが、まさかあのとっさの状況で反撃してくるとは、なかなか侮れないやつだ
俺は胸元を隠すため変えの服を空間収納から取り出し、着替えると、再び女を追って走り出した
何なのよあれ!
あの方は力を失ったとおっしゃってたけど、全然じゃない!
クッ、おなかが痛い
何とか傷はふさいだけど、痛むわ
私の力がまるで通じない
勇者ってここまででたらめなの?
逃げれただけでも儲けものだわ
早く魔王を殺さなきゃ、私が殺されちゃうのに!
てかなんで勇者が魔王のこと守っちゃってんのよ!
女は走る
彼女の名前はニーバ
前魔王のために働いていた洗脳や幻術を得意とする魔族だ
その存在は公にされておらず、幻術を使ってどこにでも潜り込み、洗脳をすることができたため魔王に重宝されていた
しかし、もともと彼女は生きるために仕方なく魔王に従っていた
彼女は魔族領の端にある村出身なのだが、そこは土地がやせており、草木が育たない不毛の地
ニーバはその村のたった一人の子供として生まれたのだが、魔族が起こした戦争に巻き込まれ村は壊滅
村の人達が逃がしてくれたおかげでただ一人の生き残りとなった
そのため魔族も人間も亜人も、何もかもを憎んでいた
そんな彼女の憎しみを利用したのが前魔王だった
強力な洗脳能力を見出し、目をかけることで彼女は魔王に依存するようになった
必要とされることがうれしくなるほどに
魔王様が死んでから私は隠れ続けたけど、あの方に見つかった
あの方に逆らえば殺される
本当は逃げたいのに逃げれられない
私を逃がしてくれた村の人達のためにも私は生きなきゃいけないのに!
なんでこうもうまくいかないのよ!
涙が出てきた
自分はいつになったら幸せになれるんだろう?
私が望むのはただ自分の幸せだけ
普通に恋愛して、結婚して、子供を産んで、家族に看取られて死ぬ
ただそれだけ
別にどこかを占領したいわけでも、お金が欲しいわけでもない
私、こんな能力が無かったら幸せになれたのかな?
ニーバはひたすら逃げた
逃げることもできない籠の中から必死に助けを求め、心の中で叫んだ
誰か、私を助けて!
首都トウゲンから少し離れた木々の生い茂る森の中
ここは相変わらず自然豊かで洗練されている
濃い空気を思いっきり吸い込んで堪能すると俺はまた歩みを進めた
反応が強くなってきている。もうじき追いつくだろう
森のさらに奥地、この辺りになると少し魔物が増えてくるが俺の敵じゃぁない
襲ってくる魔物を切り伏せて気づいた
どうやら相手も追手に気づいているようだな
魔物を操ってけしかけているようだ
だが、この程度ならば問題ない
そしてとうとう女を追い詰めた
「くそ! まさか追手が勇者だったなんて」
見覚えはない
戦闘能力は低いのでやはり洗脳や幻術と言ったサポート能力に長けた者のようだ
「おい、なぜキーラを狙った? もはや前魔王はおらず、あの国は平和へと向かっている。なぜその平和を壊そうとする」
「言うわけないでしょ。それに、あんたはもうすぐ死ぬんだから言ったって意味ないじゃない」
女はニヤリと笑った
それと同時に俺の背後からたくさんの魔物が現れる
どの魔物も操られ、俺に敵意を剥き出して睨んでいた
どうやら俺は誘い込まれたらしいな
「ふん、この程度で俺を止められるとでも?」
「思ってるわよ。あんた、力失ってるでしょ? 今のあんたがこれだけの数相手、あんたを倒しきるまではいかなくても足止めくらいはできるでしょ」
「俺がそう簡単に逃がすとは思わないことだな」
「ま、せいぜい死なないよう頑張りなs」
言い終わらないうちに俺は腰の少し長めのナイフを投げた
それは女の腹部に刺さる
「うぐっ」
女は突き刺さったナイフを見る
「嘘、あんな距離から・・・。ぐう・・・」
腹部からナイフを引き抜くと血があふれ出た
女が傷ついたことにより魔物の洗脳が解ける
幾匹かは残ったが、あれだけいた魔物は去って行った
「なんでよ! 力失ってたんじゃないの?!」
俺はもう一つの持ち武器であるこの国で打たれた刀を抜く
そして一気に間合いを詰めた
「教えてやるよ。俺はな、もともと強いんだよ」
女を切り裂いた
そう思ったが、女の姿は掻き消えた。また幻術か
だが、かすった感触はある
まだ近くにいるはずだ
上を見上げると、またしても風の魔法で宙を飛んで逃げる姿が見えた
「くそ、また逃したか。それにあの女・・・」
俺は胸元を見た
服が切り裂かれ、胸元がはだけている
その胸の間には斜めに薄い切り傷が走っていた
出血は少なく、すぐに治療できたが、まさかあのとっさの状況で反撃してくるとは、なかなか侮れないやつだ
俺は胸元を隠すため変えの服を空間収納から取り出し、着替えると、再び女を追って走り出した
何なのよあれ!
あの方は力を失ったとおっしゃってたけど、全然じゃない!
クッ、おなかが痛い
何とか傷はふさいだけど、痛むわ
私の力がまるで通じない
勇者ってここまででたらめなの?
逃げれただけでも儲けものだわ
早く魔王を殺さなきゃ、私が殺されちゃうのに!
てかなんで勇者が魔王のこと守っちゃってんのよ!
女は走る
彼女の名前はニーバ
前魔王のために働いていた洗脳や幻術を得意とする魔族だ
その存在は公にされておらず、幻術を使ってどこにでも潜り込み、洗脳をすることができたため魔王に重宝されていた
しかし、もともと彼女は生きるために仕方なく魔王に従っていた
彼女は魔族領の端にある村出身なのだが、そこは土地がやせており、草木が育たない不毛の地
ニーバはその村のたった一人の子供として生まれたのだが、魔族が起こした戦争に巻き込まれ村は壊滅
村の人達が逃がしてくれたおかげでただ一人の生き残りとなった
そのため魔族も人間も亜人も、何もかもを憎んでいた
そんな彼女の憎しみを利用したのが前魔王だった
強力な洗脳能力を見出し、目をかけることで彼女は魔王に依存するようになった
必要とされることがうれしくなるほどに
魔王様が死んでから私は隠れ続けたけど、あの方に見つかった
あの方に逆らえば殺される
本当は逃げたいのに逃げれられない
私を逃がしてくれた村の人達のためにも私は生きなきゃいけないのに!
なんでこうもうまくいかないのよ!
涙が出てきた
自分はいつになったら幸せになれるんだろう?
私が望むのはただ自分の幸せだけ
普通に恋愛して、結婚して、子供を産んで、家族に看取られて死ぬ
ただそれだけ
別にどこかを占領したいわけでも、お金が欲しいわけでもない
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ニーバはひたすら逃げた
逃げることもできない籠の中から必死に助けを求め、心の中で叫んだ
誰か、私を助けて!
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