精霊王女になった僕はチートクラスに強い仲間と世界を旅します

カオリグサ

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エルフの国9

 ファガロトを探して森の中を探索するけど一向に見つからない
「一体どこに行ったのかな? 気配もないし・・・」
 僕たちはひとまず社に戻ることにした
 社にはすでに何人かのエルフの巫女が待っていた
 その中の一人、一番年長のリーダー巫女であるセレティさんが様子を聞いてきた
「そうですか、一体ファガロト様はどこへ行ってしまわれたのでしょう・・・。昨日は何事もなく出てきてくださったのに」
 巫女たちは悲しそうな顔をしている
 誰かが悲しそうな顔をするのは見たくない。絶対に見つけよう
「僕、もう一度探してくる。今度はもっと範囲を広げるよ。フーレン、一緒に来て。空中から探すんだ」
「はい~、わかりました~」
 他の三人の精霊には何かあった時のために待機しておいてもらった
 もしまたあの熊みたいな魔物が襲ってくるとも限らないしね
 上空から探し始めて約十分、社から遠く離れた森のさらに奥地に白い何かが走るのが見えた
「フーレン、あそこ」
 フーレンが持ち前のホークアイで確認する
「あれは~、恐らくファガロトですね~。あれ~? 何かに追われてるみたいです~」
 さらに加速してファガロトを追う
 その後ろには先ほど倒した熊と同じ魔物が涎を振りまきながらファガロトを追っていた
「もう一体いたのか! フーレン、皆を呼んできて! 僕があいつを食い止める」
「で、でも~、リディエラ様に危険が~」
「いいから早く!」
 おろおろするフーレンを行かせ、僕はファガロトと熊の間に入った
 熊の目は血走っていて、結構怖い
 あの四人が苦戦した相手だ
 震えを抑えながら熊に魔法を撃つ
「ライトレイ!」
 上級の魔法で牽制してみたけど、毛を少し焼いた程度でダメージがない
「う、これはまずいかも」
 熊は僕よりも大きな手のひらを振り上げて僕に振り下ろした
 そこまで速い攻撃じゃなかったからよけれたけど、直撃したら多分死ぬなこれ
「そうだ、できるかは分からないけど試してみよう」
 僕にはひそかに考えていたことがあった
 精霊魔法には協力して放つ合成魔法がある
 これは二人から複数人で魔法を合成してより強力な効果を得る魔法なんだけど
 僕には複数の属性魔法が使える
 もしもこれを同時に展開できたなら、僕一人で合成魔法が使えるかもしれない
 僕は魔力を溜めて集中した
 相手はこちらに向かって走ってきている
 く、間に合わない!
 飛びのいて避けようとしたその時、熊の攻撃をファガロトが防いでくれた
「私が止めます! その魔法を完成させてください!」
 ファガロトはどうやら話せるようだ
 彼女に感謝しつつ、魔法を合成していった
 四大精霊の合成魔法よりも多く属性を混ぜ込み、練り上げる
 イメージは虹
「セッテカラミティマギア!」
 空に巨大な魔法陣が浮かび、そこから七色の光が降り注いだ
 それは的確に熊を包み込み、一瞬のうちに骨も残さず消滅させた
 あとには大きな穴が開き、黒い口を開けていた
「リディエラ様! ご無事ですか?」
 フーレンがみんなを連れてきてくれたようだ
 僕は大きな魔法を使った反動で意識を失った

 気が付くとエルフの街にある宿のベッドに寝ていた
 周りを見ると、テュネたちのほかにエルフたちも心配そうな顔でみている
「あれ? 僕は一体・・・。ファガロトはどうなったの?」
 ファガロトは意外とすぐ近くにいた
 僕のお腹の上に乗っている
 結構な巨躯だったはずなんだけど、僕のお腹の上にいるのは子犬サイズ
 すごく可愛い
「この通り私は無事なのです! ありがとうございます!」
 小さなファガロトは僕に感謝の言葉を伝えてくれた
 そのあと僕の魔力が回復すると、テュネが深刻な顔で僕を叱った
「リディエラ様、もう二度と一人で合成魔法を使わないでください。あれは強力な力です。本来であれば数人で魔力を共有して行うもの、一人で発動すれば魔力を多量に奪われ、最悪死んでいてもおかしくありませんでした。ですから、どうか、どうか二度と・・・」
 また泣かせてしまった
 申し訳なく思いながら僕は深くうなずいた
 心配を掛けたくなかったからやってみたことだったけど、逆にもっと心配させてしまったみたいだ
 これからは使わないように気を付けよう
 何はともあれ、無事ファガロトも見つかったことだし、巫女たちも安心したみたいだ
 それにしてもあの熊の魔物は一体何だったんだろう?
 誰も見たことがないみたいだし、新種もしくは異世界から流れ込んできた可能性が高いみたいだ
 これも調査が必要だね
 シノノに頼んで部下たちを派遣してもらい、調査してもらうことにした
 原因がわかり次第連絡をくれるだろう
 僕たちはこの魔物が発生した原因がわかるまで、もうしばらくここに滞在することにした
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