精霊王女になった僕はチートクラスに強い仲間と世界を旅します

カオリグサ

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黒の国3

 目指す妖怪族の国は鬼ヶ島から出ている定期便に乗っていく必要があるらしい
 リザードマンの国を通ってさらに東へ進み、竜の住む山を越えたあたりにあるんだとか
 竜と言っても昔のガンちゃんみたいな暴れん坊じゃなくて、何もしなければ襲ってこないおとなしい竜たちだから通り抜けるくらいなら問題ない
「鬼ヶ島は祭り以来だね」
「わちき、あそこのあんみつが食べたいです!」
「うん、じゃぁ定期便に乗る前に少し食べてからにしよっか」
 鬼ヶ島までの定期便に獣人の国ガルドラから乗る
 海は穏やかで、少し風が吹いている
 海の香りが鼻を突いた
「獣人の国に来たのは久しぶりなんですよ。わちきが小さいころに父上に連れられてきたきりですね」
 小さいころのクノエちゃんかぁ
 なんだか容易に想像できそうだ
 きっとおてんばと言う言葉がしっくりくるんだろうな
 そんなことを思っていると、クノエちゃんの懐でけたたましく何かが鳴り響いた
「うわ、なになに?」
 驚いていると、クノエちゃんは懐からお守りを取り出した
「なんだカンナか」
「なんだじゃないですよもう! どこにいらっしゃるんですか!」
 クノエちゃんのお付きであるカンナさんだ
 方向音痴でかなり抜けてるお姉さんだっけ
 どうやらいきなりいなくなったクノエちゃんを心配しているみたいだ
「いやなに、リディエラちゃんに呼び出されたので今一緒にそっちに戻っているところだよ。心配しなくても一か月くらいでそっちに着くから」
「遅いですよそれじゃぁ! 明日部族会議があるんですよ! どうするんですか!」
 何も言わずにこっちに来ちゃったのか
「ふ~む・・・。カンナ出てよ」
「え!?」
「じゃ、そういうことで」
 通信を切った
 お守り越しに「ちょ、クノエ様!」って声が聞こえたけど、お構いなしにお守りを懐にしまってる
「よし、じゃぁ船に乗ろっか」
「あ、うん」
 それでいいのか部族長の娘さんよ・・・
 本人曰く、大した会議じゃないそうなのでいいんだとか
「いいのいいの、どうせわちきのお見合いだとかそういう訳の分からないことを議論するだけなんですから」
「いや訳の分からないって・・・」
「いいんです! そんなの勝手に決められたくないですから」
 う~ん、これはどうやら僕を口実に逃げ出したな
 仕方ない、妖怪族の国に着くまでは自由にさせてあげよう
「あ、船が出るみたいだ。急ごう」
「うん!」
 船に乗って、次の日には鬼ヶ島に着いた
 久しぶりに来たけど、相変わらず懐かしい感じがする
「早速あんみつを食べに行こう!」
 クノエちゃん、張り切ってるなぁ
「えーっと、あんみつ屋さんは・・・」
 港街の大通りにすぐ見つかった。甘味処まいひめと書かれている看板
 中に入ると、抹茶のいい香りがした
「いらさ~いませ~」
 ん? 店員さんは妖怪族のお姉さんみたいだ
 ぬっぺふほふ族という種族で、ぽっちゃりしている
 ふくよかなお姉さんからはあふれんばかりの母性を感じた
「なんに~なさいますか~?」
 メニューを見ると、あんみつ以外にもおしるこ、あんころ餅、かき氷、アイス、最中などなどいろいろそろってた
 お茶も濃茶や薄茶、ほうじ茶に玉露を使った緑茶もある
 パフェもあるみたいで、抹茶のパフェとほうじ茶を使ったスイーツがおススメみたいだ
「じゃぁ僕は抹茶のパフェで」
「わちきは抹茶あんみつ!」
 テュネは抹茶のおしるこ、エンシュは抹茶最中アイス、フーレンはほうじ茶パフェ、アスラムは餅とあんこに抹茶を練り込んだ大福だ
 それぞれがそれぞれの甘味を頬張り、食べつくした
 クノエちゃんはもだえるほどにおいしかったみたいだ
 食べ終わって店を出ると、その足でそのまま反対方向の港へ走った
 こっちの方もにぎわってるみたい
 あ、あんなとこにリザードマンがいる
 尻尾にうろこといった特徴がある以外は人間っぽい
 それに、ワイルドなイケメンが多いなぁ
 女の人が少ない気がする
「リザードマンは男性が仕事をし、女性は男性に守られる種族です。ですが、近年は女性も働きに出る者たちが多いようですね」
 なるほど、でもまだ少ないってことか
 港での定期便はちょうどいいことにあと数分で出るみたいだ
 すぐに切符を買って乗り込み、リザードマンの国を目指す
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