精霊王女になった僕はチートクラスに強い仲間と世界を旅します

カオリグサ

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黒の国10

 それから三日ほどで資料は集まった
 予定より早かったのはみんな頑張ってくれたからみたいだ
 集まったのは数十枚の達筆に書かれた古文書と、巻物、それに十数冊の本
 これらに目を通していき、重要そうな情報を書き出していった
「あ!ここ見て!」
 最初にその情報を見つけたのはクノエちゃんだった
 全員クノエちゃんが持っていた巻物に目を通す
 ・・・
 うん、読めない
「なんて書いてあるの? 達筆すぎて読めないんだけど」
「えっとですね。闇の手より解放されし黒の者は、東にて消息を絶ったもよう。依然その足取り掴めず。異なる反応により妨害を受け、これ以上の捜索を断念せざるを得ない。だって。ご先祖様はどうやら黒族を探してたみたいね。ほらここ、私達一族の家紋である九つの尻尾が書いてある」
 ほんとだ。九本に分かれた尻尾のようなものが巻物の最後に書かれてある
「東と言うと魔の樹林あたりですね。あそこは魔力が濃すぎて我々でも入ろうとする者はいません。どうやらその森が怪しいみたいですね」
 カンナさんは地図を見ながらそう教えてくれた
「魔の樹林なら聞いたことがあります。精霊もおらず、魔物の跋扈する危険区域、確かにそこなら可能性がありそうです。しかし、私たちでも危険な区域をどうやって探索すべきでしょうか?」
 テュネの質問にはサニア様が答えてくれた
「私たちが先行します。大体の場所が分かりましたから私たちの監視の力で発見できると思いますよ。それに魔物程度なら私たちが蹴散らせますし」
 頼もしい。神様が二柱もついててくれるんだからこれほど心強いこともないね
 見た目は僕くらいの子供だけど、この二柱の神様は相当に強いってアマテラス様も言ってるし
 それにしても黒族はなんでこんな危ないところに入ったんだろう?
 静かに暮らしたいならもっといい場所があったんじゃないかな?
「ひとまず準備を整えて明日向かいましょう。今夜は英気を養うためにごちそうを用意させますよ」
 カンナさんの言葉でクノエちゃんの目が輝いた
「やったー! ごちそうごちそう! わちきあんみつとー、おしることー、ぱふぇが食べたい!」
「はい、そちらもデザートに用意させます」
 それを聞いてクノエちゃんは飛び跳ねて喜んだ
 なんだかんだでクノエちゃんも子供だからね。無邪気に飛び跳ねる姿がすっごく可愛い。と言うか僕もごちそうときいてワクワクしてる
 その日の夜、宴のようにして食事会が開かれた
 テュネたち大人はお酒を片手に様々な料理を食べている
 お刺身の盛り合わせ、これは小さな船くらい大きな船盛だ。輝くようなお刺身が並べられていて宝石みたい
 銀毛牛のステーキ、食べやすいようにサイコロ状に切り分けられてる。口に入れた瞬間とろけるような食感と油の甘みが広がる
 こんなに種類があったの?ってくらいに豊富なスープやみそ汁、シチューの入った鍋が並んでいる
 その数約四十種類だ
 そしてサラダや和惣菜、中にはコロッケらしきものやトンカツ、唐揚げなんかも山盛りで置かれていた
 全ての料理がビュッフェ形式で並んでて、どれでも自由に好きなだけ食べれた
 クノエちゃんなんかはご飯そっちのけでデザートのコーナーをせかせか動き回っている
 そんなに食べれるの?
 みんな大満足で食事会を終えて、用意された部屋へと戻って行った
 なんと、あれだけあった食事は全てなくなり、綺麗に平らげられた皿を見て給仕の人達が驚いてた
 大食漢のエンシュなんかみんなの注目を集めてたね
 部屋に戻る前に僕らは温泉に行くことにした
 そう、ここは温泉も湧いてるんだ
 それも天然の露天風呂。一応九尾族の城の中にあるんだけど、一般市民も無料で入れるらしい
 女風呂では既に露天風呂に何人か妖狐族の女性が浸かっていた
 僕たちも体を洗ってゆっくりと温泉に浸かる
 いよいよ明日は黒族に会いに行く
 なんとか闇人たちの情報を掴んで、妖精たちの敵をとってあげたい
 でも、僕たちに勝てるんだろうか?
 それに黒族の人達が情報を話してくれるかどうかも分からない
 いまだに闇人の目撃情報なんかも上がって来てない
 あれ以来全くの沈黙を保っている闇人
 でももし再び動き出して、母さんや精霊、妖精たちを襲ったら・・・
 そう思うと怖い
 今は、考えないようにしよう
 必ず闇人から僕がみんなを守るんだ
 決意を胸に、僕は眠りについた
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