精霊王女になった僕はチートクラスに強い仲間と世界を旅します

カオリグサ

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白黒 鬼姉妹の冒険23

 最後のソウコッキュウことソウさんは、無口で表情のない人
 イケメンだけどいつも険しい顔をしてるから私は苦手
「では、これより最後の授業だ」
 ソウさんはそれだけ言うと私たちについてこいと合図した
「お前たち、ここまでよくついてきたな。純粋な心がなければとっくに死んでいただろう」
「え?」
「実はな、この土地に来ると仙力と言うのはただ体にあるだけではそのうち暴走して死に至る。さらに言うと俺たちの修行はそれを加速させて成長に無理やりつなげるというものだ」
 私達の前には突如ソウさんを先頭に全ての八仙がそろった
「よく耐えたし、どう? 体の調子は。楽しい修行に見えてその実危ない修行。その体が作り変わってるのには気付かなかったでしょう?」
 確かに体の調子はすこぶるいい感じ。仙力も私の体内にいきわたってて気持ちいいくらい
 それは私以外にも感じてるみたいで、四人ともその体の変化を実感してうなづいてた
「本来楽しくて楽な修行何てないっちよ。でもここではああいった形でやることによってリスクを軽減してるんだっち。それに薬桃果汁と瓢箪作りは特に仙力を馴染ませる修行ってわけじゃないっちね。必要なことだからやってる感じ?」
 手や足が軽い。お姉ちゃんも手をフリフリして嬉しそうにその手のひらを見つめていた
「さっきまでわしの修行を受けておったからな。方術は恐ろしいじゃろ? 悪用すれば自分が破滅しかねんから少し手荒にさせてもらったぞ」
 確かに方術は危ないし危険ってことをいやというほど見せられた
 方術の怖さ・・・。私たちは何度も自分が爆散する幻を見せられた
 あれだけはすごく怖かった
 充実して体を流れる仙力によって、私達は本当の意味での鬼仙に成ったことがよくわかった
「さぁ、それでは最後の授業と行こうか。俺との真剣勝負。俺に一撃でも与えることができれば終わりだ」
 ソウさんが暗八仙である雲陽板を懐から取り出した。これはカスタネットのような楽器で、木の板を打ち鳴らすらしい
 それをパーンとはじくと、ソウさんが揺らいだ
「本気で来い。いいな?」
 ソウさんが消え、目の前にいた八仙も視界から消えた
 いや、私達がどこかに移動させられたのかもしれない。だってさっきと景色が全然違うんだもん
 どうやら山の頂上にある広場みたいで、雲よりも高い位置にある場所
 下に雲が見えてるから間違いない
「どこを見ている」
 ソウさんの腕が私の腕を掴んで視界が上下さかさまになった
 どうやら投げ飛ばされたらしい。とっさに受け身を取ったけど、衝撃はすさまじかった
「うぐ、いたたた」
 立ち上がると、今度はお姉ちゃんが投げられていた
「お姉ちゃん!」
 すぐに方術で受け止めてふわりと地面に降ろす
「ふむ、いい判断だ。基礎しか習っていない割には扱えているぞ」
 ソウさんは険しい顔でほめてくれているけど、その攻撃の手は一切緩まなくて、キキとソウカの腹部に同時に掌手を入れていた
 うずくまって倒れ込む二人。吐血していることから相当なダメージだってことが分かる
 でも二人ともすぐに仙術で自分自身を治療すると、立ち上がって戦闘に戻った
 ソウさんは動きが速い上に予想外の動きをするから予測がつきにくい
 攻撃が当たらなくてこちらにダメージばかりが増えていく
「埒が明かないな。お前たち構えろ。少しだけ本気を見せる。対応できなければ死ぬぞ」
 ソウさんの気の流れ、仙力の動きが一気に変わった
 刺すような殺気が私達に向けられた
 足だけじゃなくて体もガクガクと震える
「行くぞ」
 ソウさんがゆっくりとこちらに歩いてくるけど、足がすくんで動けない
 お姉ちゃんを含めて三獣鬼もだ
 仙力を込めた拳がまずアカネに打ち込まれ、アカネの胸を貫いた
「う、ぐぶぅ」
 大量に吐血してアカネが倒れる
 それに次いでキキとソウカも攻撃を受けた
 キキは手刀で袈裟懸けに切られ、ソウカは胴を薙がれて下半身と上半身が分かれた
 ここに来た時最初に見た光景と同じような状況に私は吐きそうになった
 でも、それをグッとこらえて三人を助けるために立ちあがる
 お姉ちゃんも同じだ。必死で恐怖を抑えてソウさんに向き直る
 力が、なんだか、溢れて
「なに、この光は?」
 お姉ちゃんの体が光り、髪と角が伸びた
「ハクラ、あなたも・・・。何が起こってるの?」
 お姉ちゃんの指摘で気づいた
 私も髪がさらに長くのび、角が伸びていた
「ふぅ、やはりか」
 ソウさんが納得したようにこちらを見ているけど、今は自分の体の変化に驚いている
 私とお姉ちゃんは訳も分からずお互いを見た
「お前たちはここ数百年いなかった童子になったんだよ」
 童子、そう言えば鬼ヶ島の資料館や歴史にそんな鬼人がいたって書いてたっけ?
 たしか、シュテン、イバラキ、ホシグマっていう鬼人たちで、同時代に存在し、当時の長だったシュテンは最強の鬼人だったって聞いたことがある
 まさか、私たちもそれに成れたってこと?
「すまなかったな。嫌な幻を見せてしまった」
 ソウさんが雲陽板をまた鳴らすと、景色が元に戻った
 三獣鬼は倒れてて、スヤスヤ眠っている
 私とお姉ちゃんはというと、存在進化?を果たしていた。力が溢れて仕方ない
「さて、お前たちを進化させることは成功した。それが俺たちの本来の目的だったからな」
「うんうん、ここ数百年でやっとだっち。お前たち二人には進化する可能性がかなりあったっちよ」
「進化させるために薬膳料理や薬桃果汁を作ったりしたし」
 どうやら八仙含め、ここの仙人たちは私たちが来るのを待っていたらしい
 父様も成れなかった童子に、私たちはなることができた
 八仙が言うには、それは私たちの日々の努力が積み重なった結果だって
 そっか、その結果で童子になったのなら凄く嬉しいな
「とにかく今日は祝いじゃの。数百年ぶりの童子誕生じゃて」
 正直に言うとまだ童子になった実感がなくて、力だけが体に合ってない感じ
 でもソウさんが言うには、研鑽を怠らなければ自在に力を扱えるようになるらしい
 この童子としての力にくわえて仙力、方術もある。これで私たちも、きっと島のみんなを守れる!
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