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妖怪族の国24
不思議な遺跡は今はまぁ気にしないようにしておこう
気を取り直して第九階層だ
ここは湿地帯みたいで、ぬかるみに脚を取られそう
うん、飛ぼう
こんな環境じゃ戦いにくいもんね
「クノエちゃん、レナちゃん、僕の手を」
二人に手を取ってもらって宙に浮く
正直僕じゃ二人を運ぶのはつらいけど、これも修行だと思って頑張る
「く、ん、ふくぅ」
「ちょリディエラちゃん、変な声が出てるわよ。わっちは大丈夫だから降ろしなさいよ」
「そ、そうですよリディエラちゃん」
二人にそう言われたけど大丈夫、僕はさらに魔力の制度を上げた
「いい調子ですリディエラ様、そのまま魔力を維持してください」
「くん、ふっ、くふぅ」
段々と魔力が安定して二人を持ち上げるのが楽になってきた
実はこの浮遊が魔力コントロールに一番いい修行法らしい
繊細なコントロールに加えて出力もいるからなんだけど、これを完璧にコントロールできるようになれば合成魔法も労せず操れるようになるはずだ
「もう少し出力を上げてみて下さい。コントロールはそのままを維持です」
テュネに教えてもらいながら着実に上達していくのが分かった
なんだか二人を抱えている気がしないくらいに軽々と飛べている
「さすがですリディエラ様、この短時間でもうコントロールできていますよ」
一人で飛ぶぶんにはコントロールは簡単だったけど、僕が抱える人数が一人、二人と増えていくごとに使う魔力も比例して増えていく
でも一度このコツをつかんでしまえば、あとは自転車に乗るようにいつでもコントロールが可能になる
しかも十トンくらいの大岩だって持ち運べるくらいになるらしい
「どうやら階段が見えてきましたね。魔物も何もいなかったのでしょうか?」
エンシュがキョロキョロと周りを見ている
それにつられて僕も下を見てみると、湿地帯の水の中を何かが蠢いているのが見えた
「ね、ねぇ、あれ何かな? どう見ても生き物、だよね?」
「あれは、スネークドックですね。蛇のようにしなやかな骨と硬い鱗を持つ犬型の魔物で、主に水辺に生息する魔物です。一度引きずりこまれれば命はないと言われる凶悪な魔物ですね。歩いてここを渡っていれば誰かが餌食になっていたかもしれません」
ひぃ、そんな危ない魔物がいたのか。浮遊して正解だったよ
無事に湿地帯を過ぎて階段まで来ることができた
魔物は湿地帯からは出ることができないみたいだからここは安全だ
「さぁ、次の階層へ行こう」
ようやく最後の階層、第十階層だ
ここはいわゆる主部屋で、迷宮最強の守護者が守っている
「ねぇ、あれ、だよね?」
「ええそうですね。しかしあれはまさか、神話クラスの魔物? いえ、神獣がいるとは思いませんでした」
テュネが珍しく恐れている
十階層の守護者はなんと、フェンリルという犬型の魔物の中でも最強、いや、神獣だから魔物じゃないのか
当然さっき出てきたレッサーフェンリルなんかとは比べ物にならないくらいに強い
「フェンリルは神獣という名の通り種としての限界を突破した生物です。セルズクのフクちゃんも神獣でしたが、あの子とは全く異なるモノだと考えてください。フェンリルはそれこそ戦闘に特化した神をも砕く牙を持っているのです。この世界の、ましてや迷宮にいるようなモノではありません!」
アスラムの説明が怖いんだけど
「そ、それって、強さで言うどのくらい?」
恐る恐る聞いてみた
「SSSランクのその上・・・。神災クラスです」
そんなにヤバい神獣がどうしてここに? 一体何が起こってるの?
そんなことを考えているとフェンリルはこちらに目を向けて悠然と近づいてきた
その魔力が痛いほど肌に伝わってくる
「リディエラ様、クノエ、レナ、離れていてください。これは、私達が全力で!」
テュネが本気になっている
めったに見ないテュネの本気
そのあとに続くようにエンシュ、アスラム、フーレンがその魔力を解放する
そしてここからが精霊の本領発揮。霊力を開放した
これは魂その物にダメージを与える力。普段は危険すぎて閉じている力だ
霊力を解放したことによってテュネたちは本来の姿に戻る
いつもの精神生命体のような姿ではなく、神霊体としての姿だ
体は人間の形を保ってるけど、体全体を霊力と魔力が包んで神々しいほどの力を感じる
「かつて世界を喰らったと言われる神獣相手では生命の女神の力も及ばないかもしれません」
「それってつまり、死んだら本当に死んじゃうってこと、じゃ・・・」
「そうなりますね。ですがリディエラ様とクノエ達はこの命に代えても守って見せます!」
「私たち~、この姿になった時負けたことはないんですよ~? きっと大丈夫です~」
ダメだ
「さぁ早くお逃げください!」
ダメだ
「私達、リディエラ様と一緒に旅ができて幸せでした」
「ダメだよ!」
僕は四人の前に出て手を広げてフェンリルの攻撃を結界で・・・
防げなかった
牙は僕の眼前まで迫り、その口が閉じられるのを見た
あぁ、死ぬときって、こんなにゆっくり時間が流れるんだ
転生する前は病院で意識を失った状態で死んじゃったからわからなかったよ
ごめんテュネ、エンシュ、アスラム、フーレン、クノエちゃん、皆・・・
僕は死んじゃうみたい
目をつむったけど死はいつまでたっても来なかった
ゆっくりと目を開けると、そこに一人の男の子が立っている
「間に合ってよかった。大丈夫かな? 精霊の王女ちゃん?」
その男の子はただのショートソード一本でフェンリルの牙を抑えていた
「いやぁ、異世界からの化け物がこんなところに現れるなんて思ってもみなかったよ。キュカ様のおかげでギリッギリ間に合ったってとこかな?」
「え? あ、あの、あなた、は?」
「そっか、名前教えてなかったね。俺はカイト。カイト・タキガミって言うんだ」
この名前、もしかして日本人?
僕は一瞬とはいえ全魔力を結集して作った結界を解除したとたん、気を失った
気を取り直して第九階層だ
ここは湿地帯みたいで、ぬかるみに脚を取られそう
うん、飛ぼう
こんな環境じゃ戦いにくいもんね
「クノエちゃん、レナちゃん、僕の手を」
二人に手を取ってもらって宙に浮く
正直僕じゃ二人を運ぶのはつらいけど、これも修行だと思って頑張る
「く、ん、ふくぅ」
「ちょリディエラちゃん、変な声が出てるわよ。わっちは大丈夫だから降ろしなさいよ」
「そ、そうですよリディエラちゃん」
二人にそう言われたけど大丈夫、僕はさらに魔力の制度を上げた
「いい調子ですリディエラ様、そのまま魔力を維持してください」
「くん、ふっ、くふぅ」
段々と魔力が安定して二人を持ち上げるのが楽になってきた
実はこの浮遊が魔力コントロールに一番いい修行法らしい
繊細なコントロールに加えて出力もいるからなんだけど、これを完璧にコントロールできるようになれば合成魔法も労せず操れるようになるはずだ
「もう少し出力を上げてみて下さい。コントロールはそのままを維持です」
テュネに教えてもらいながら着実に上達していくのが分かった
なんだか二人を抱えている気がしないくらいに軽々と飛べている
「さすがですリディエラ様、この短時間でもうコントロールできていますよ」
一人で飛ぶぶんにはコントロールは簡単だったけど、僕が抱える人数が一人、二人と増えていくごとに使う魔力も比例して増えていく
でも一度このコツをつかんでしまえば、あとは自転車に乗るようにいつでもコントロールが可能になる
しかも十トンくらいの大岩だって持ち運べるくらいになるらしい
「どうやら階段が見えてきましたね。魔物も何もいなかったのでしょうか?」
エンシュがキョロキョロと周りを見ている
それにつられて僕も下を見てみると、湿地帯の水の中を何かが蠢いているのが見えた
「ね、ねぇ、あれ何かな? どう見ても生き物、だよね?」
「あれは、スネークドックですね。蛇のようにしなやかな骨と硬い鱗を持つ犬型の魔物で、主に水辺に生息する魔物です。一度引きずりこまれれば命はないと言われる凶悪な魔物ですね。歩いてここを渡っていれば誰かが餌食になっていたかもしれません」
ひぃ、そんな危ない魔物がいたのか。浮遊して正解だったよ
無事に湿地帯を過ぎて階段まで来ることができた
魔物は湿地帯からは出ることができないみたいだからここは安全だ
「さぁ、次の階層へ行こう」
ようやく最後の階層、第十階層だ
ここはいわゆる主部屋で、迷宮最強の守護者が守っている
「ねぇ、あれ、だよね?」
「ええそうですね。しかしあれはまさか、神話クラスの魔物? いえ、神獣がいるとは思いませんでした」
テュネが珍しく恐れている
十階層の守護者はなんと、フェンリルという犬型の魔物の中でも最強、いや、神獣だから魔物じゃないのか
当然さっき出てきたレッサーフェンリルなんかとは比べ物にならないくらいに強い
「フェンリルは神獣という名の通り種としての限界を突破した生物です。セルズクのフクちゃんも神獣でしたが、あの子とは全く異なるモノだと考えてください。フェンリルはそれこそ戦闘に特化した神をも砕く牙を持っているのです。この世界の、ましてや迷宮にいるようなモノではありません!」
アスラムの説明が怖いんだけど
「そ、それって、強さで言うどのくらい?」
恐る恐る聞いてみた
「SSSランクのその上・・・。神災クラスです」
そんなにヤバい神獣がどうしてここに? 一体何が起こってるの?
そんなことを考えているとフェンリルはこちらに目を向けて悠然と近づいてきた
その魔力が痛いほど肌に伝わってくる
「リディエラ様、クノエ、レナ、離れていてください。これは、私達が全力で!」
テュネが本気になっている
めったに見ないテュネの本気
そのあとに続くようにエンシュ、アスラム、フーレンがその魔力を解放する
そしてここからが精霊の本領発揮。霊力を開放した
これは魂その物にダメージを与える力。普段は危険すぎて閉じている力だ
霊力を解放したことによってテュネたちは本来の姿に戻る
いつもの精神生命体のような姿ではなく、神霊体としての姿だ
体は人間の形を保ってるけど、体全体を霊力と魔力が包んで神々しいほどの力を感じる
「かつて世界を喰らったと言われる神獣相手では生命の女神の力も及ばないかもしれません」
「それってつまり、死んだら本当に死んじゃうってこと、じゃ・・・」
「そうなりますね。ですがリディエラ様とクノエ達はこの命に代えても守って見せます!」
「私たち~、この姿になった時負けたことはないんですよ~? きっと大丈夫です~」
ダメだ
「さぁ早くお逃げください!」
ダメだ
「私達、リディエラ様と一緒に旅ができて幸せでした」
「ダメだよ!」
僕は四人の前に出て手を広げてフェンリルの攻撃を結界で・・・
防げなかった
牙は僕の眼前まで迫り、その口が閉じられるのを見た
あぁ、死ぬときって、こんなにゆっくり時間が流れるんだ
転生する前は病院で意識を失った状態で死んじゃったからわからなかったよ
ごめんテュネ、エンシュ、アスラム、フーレン、クノエちゃん、皆・・・
僕は死んじゃうみたい
目をつむったけど死はいつまでたっても来なかった
ゆっくりと目を開けると、そこに一人の男の子が立っている
「間に合ってよかった。大丈夫かな? 精霊の王女ちゃん?」
その男の子はただのショートソード一本でフェンリルの牙を抑えていた
「いやぁ、異世界からの化け物がこんなところに現れるなんて思ってもみなかったよ。キュカ様のおかげでギリッギリ間に合ったってとこかな?」
「え? あ、あの、あなた、は?」
「そっか、名前教えてなかったね。俺はカイト。カイト・タキガミって言うんだ」
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