精霊王女になった僕はチートクラスに強い仲間と世界を旅します

カオリグサ

文字の大きさ
283 / 1,022

妖怪族の国71

 目が覚めるとシオリさんが僕の顔をのぞき込んでいた
「目が覚めたのですねリディエラ様! ああなんと可愛らしい寝顔なのでしょうか。永遠に見ていられますよ。それにしてもアマテラス様に仕える神獣様と戦えるなんて光栄の極みでしたよ。でも私達はやはり相性がいいみたいですね。体も」
「はえ?」
 もしかしてシオリさん、僕に何かを!?と思ったけどするわけないか。考えすぎだね
「わたくしの膝枕、リディエラ様の頭にぴったりでしょう? だからわたくしを枕として使っていただいても良いのですよ? わたくしこれ以上の幸せはありません。 ぜひぜひ!」
 それは遠慮しておくよ
 確かにシオリさんの膝枕は僕と相性がいい(これが体もって言ってた理由)んだけど、そんなことのためだけにシオリさんに迷惑はかけれない
「わたくしはそれでいいですのに」
「シオリさんにはこの里を守る大事な役目があるでしょう?」
「そう、ですね。わたくし精霊様に恥じないようにもっとこの里を発展させて民を喜ばせたいと思います。楽しいのが一番ですから!」
 この里ならきっとどんどん発展していくと思う
 ただ問題が一つある
 長老たちが新しい風を入れるのを嫌がっている
 どうにか彼らにこの改革のいい面を受け入れてもらうことができれば
「ねぇ、長老たちに会わせてくれない?」
「え? おじいちゃんたちにですか?」
 渋っている長老たち、そのリーダー格なのがシオリさんのおじいちゃんだった
 若いころは腕っぷしでのし上がっていき、妖怪族の国でも一二を争うような剛力で名をはせていたらしい
 古くからのしきたりを守り、本来なら妖怪族間での同盟も反対していたそうだ
 “我らはその腕だけでのし上がるべきだ。何が国を作るだ! 俺はそんな国に属す気はない。俺たち妖蜘蛛族は離反させてもらう”
 そう言ってタマモさんの前の陛下、クシノ陛下に反旗を翻したらしい
 ただ相手が悪く、クシノさんによってその反乱は止められたらしいんだけど、以来いまだにこの国に属していることが気に食わないらしい
「おじいちゃんに会うのは構いませんけど、あの人頑固だから」
「ま、会うだけ会わせてよ。悪いようにはしないから」
 迷宮を出るとテュネたちと合流してシオリさんのおじいちゃんの元へ向かった
 里の一番奥、さびれたと言ってもいいような場所にシオリさんのおじいちゃん、そしてクシノさんに反乱した長老たちがいるらしい
 シオリさんは一緒に住もうと言ったらしいけど、変わりゆく里を見たくないとここに引きこもったんだ
「ここです。あの、本当に大丈夫ですか? おじいちゃんはかなり頑固で気難しくて怒りっぽくて剥げてて口が臭い人ですよ?」
 そ、そこまで言わなくても
 とにかく会ってみないと人柄は分からないからね
「おじいちゃん、精霊様がお会いしたいそうですよ」
 扉を叩いて開けると、こちらを一斉にギロリと睨む十人ほどの人影が見えた
 こんな暗いとこで何してんだろう
「精霊様? こんな子供がか?」
「おじいちゃん! 失礼ですよ! こちらは精霊の王女様なんですから」
 シオリさんのその言葉に長老たちは一気に目の色が変わった
「なななななんでこんなところに王女様が!? し、シオリちゃん、どういうことなんだい!」
 長老の一人、凛々しい顔のおばあちゃんが慌てふためいて僕に座布団とお茶を用意してくれた
「いや、リディエラ様が会いたいって言うから」
「どうも、僕、リディエラと言います。あの、里のこれからについてお話したいのですが」
「あ、ああ、はい、どうぞ座ってください。何のお構いもできませんが、平にご容赦のほどを」
「そんなかしこまらないで下さい。別に取って喰うわけじゃないんですから」
 長老たちはすっかり委縮してるけど、僕はなるべく怖がらせないように優しく話しかけた
 すると彼らも段々と心を開いてくれたようで、自分たちの言い分を語ってくれた
「我々は我々だけでも十分やれているのです。今からでも同盟から抜け、我々だけでやっていくべきなのです。タマモ陛下は確かに我らをも気にかけて下さった。だが、我らの伝統やしきたりは今はもう若い者達にとって疎ましい存在になってきているのです。彼らからすれば確かに古臭く、陰気なものなのかもしれない。ですがそれこそが我々の・・・」
 相当溜まっていたのか、シオリさんにも負けず劣らずシオリさんのおじいちゃんは話し続けた
 そこから日が暮れるまで僕は真剣に話を聞き続ける
「確かに、伝統やしきたりも大切です」
「おお、やはり精霊様は分かってくださる」
「ですが、それを押し付けていませんでしたか? やらなくてはいけない、改革なんてくだらないと」
 僕の言葉におじいさんはぎょっとする
「押さえつけたら反発する。それはあなたたちもわかっているでしょう? だって、自分たちがやって来たんですから」
 長老たちからは“確かに”という声も聞こえてきた
「ですが、そうでもしなければ若者は誰も見向きもしないのです」
「じゃぁ若者に合わせてやってみたらどうですか? しきたりとか内容は変えずに、若者が興味をひくように工夫するんです」
 シオリさんのおじいちゃんは眼を見開いた
「工夫、ですか? 考えもしませんでした。これこそが我らの芯だと、子供達に押し付けていた。我々は、愚かなのかもしれません」
 しょげるおじいさんの肩にシオリさんが手を添えた
「大丈夫よおじいちゃん。私が一緒に考えるから。おじいちゃんには孫がいっぱいいるんだから、もっと頼ってよ」
「シオリ、お前は本当に優しい子だ。分かった。一緒に里をより良く発展させる道を考えよう」
 おじいさんはシオリさんのしようとしていることを理解してくれたみたいだ
 僕は長老たちに感謝されながら、シオリさんに別れを告げて妖蜘蛛族の里を後にした
感想 2

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】発明家アレンの異世界工房 ~元・商品開発部員の知識で村おこし始めました~

シマセイ
ファンタジー
過労死した元商品開発部員の田中浩介は、女神の計らいで異世界の少年アレンに転生。 前世の知識と物作りの才能を活かし、村の道具を次々と改良。 その発明は村の生活を豊かにし、アレンは周囲の信頼と期待を集め始める。

異世界転生~チート魔法でスローライフ

玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。 43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。 その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」 大型連休を利用して、 穴場スポットへやってきた! テントを建て、BBQコンロに テーブル等用意して……。 近くの川まで散歩しに来たら、 何やら動物か?の気配が…… 木の影からこっそり覗くとそこには…… キラキラと光注ぐように発光した 「え!オオカミ!」 3メートルはありそうな巨大なオオカミが!! 急いでテントまで戻ってくると 「え!ここどこだ??」 都会の生活に疲れた主人公が、 異世界へ転生して 冒険者になって 魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。 恋愛は多分ありません。 基本スローライフを目指してます(笑) ※挿絵有りますが、自作です。 無断転載はしてません。 イラストは、あくまで私のイメージです ※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが 少し趣向を変えて、 若干ですが恋愛有りになります。 ※カクヨム、なろうでも公開しています

つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました

蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈ 絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。 絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!! 聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ! ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!! +++++ ・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)

拾ったメイドゴーレムによって、いつの間にか色々されていた ~何このメイド、ちょっと怖い~

志位斗 茂家波
ファンタジー
ある日、ひょんなことで死亡した僕、シアンは異世界にいつの間にか転生していた。 とは言え、赤子からではなくある程度成長した肉体だったので、のんびり過ごすために自給自足の生活をしていたのだが、そんな生活の最中で、あるメイドゴーレムを拾った。 …‥‥でもね、なんだろうこのメイド、チートすぎるというか、スペックがヤヴァイ。 「これもご主人様のためなのデス」「いや、やり過ぎだからね!?」 これは、そんな大変な毎日を送る羽目になってしまった後悔の話でもある‥‥‥いやまぁ、別に良いんだけどね(諦め) 小説家になろう様でも投稿しています。感想・ご指摘も受け付けますので、どうぞお楽しみに。

転生してチートを手に入れました!!生まれた時から精霊王に囲まれてます…やだ

如月花恋
ファンタジー
…目の前がめっちゃ明るくなったと思ったら今度は…真っ白? 「え~…大丈夫?」 …大丈夫じゃないです というかあなた誰? 「神。ごめんね~?合コンしてたら死んじゃってた~」 …合…コン 私の死因…神様の合コン… …かない 「てことで…好きな所に転生していいよ!!」 好きな所…転生 じゃ異世界で 「異世界ってそんな子供みたいな…」 子供だし 小2 「まっいっか。分かった。知り合いのところ送るね」 よろです 魔法使えるところがいいな 「更に注文!?」 …神様のせいで死んだのに… 「あぁ!!分かりました!!」 やたね 「君…結構策士だな」 そう? 作戦とかは楽しいけど… 「う~ん…だったらあそこでも大丈夫かな。ちょうど人が足りないって言ってたし」 …あそこ? 「…うん。君ならやれるよ。頑張って」 …んな他人事みたいな… 「あ。爵位は結構高めだからね」 しゃくい…? 「じゃ!!」 え? ちょ…しゃくいの説明ぃぃぃぃ!!

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。