精霊王女になった僕はチートクラスに強い仲間と世界を旅します

カオリグサ

文字の大きさ
292 / 1,022

竜人族の国5

 色欲の精霊事件から数日後、ようやく温泉施設が全て再開した
 なんでも女性客が落ち着くまで閉鎖していたらしい
 結構ショックを受けた人が多くて、そのケアをしていたみたいだ
「私達は元々裸で生活していましたので平気なのですが、やはり人族が大変そうです。特に人間族やエルフ族ですね」
 人間族やエルフ族は裸を男の人に見られるのが恥ずかしいらしく、愛する人以外に見せたくないと言う人が多い
 一方竜人族はというと、旦那以外に見られる、妻以外を見る、という状況でも揺らがないらしい
 それだけ夫婦間での愛が深いってことみたい
「さて、これでゆっくり浸かれそうだね。まずどれから行く?」
 テュネたちと宿の主人であるセイリョウさんにもらった地図を眺めながらそう言った
 この地図は各宿屋に設置されていて、この街にある温泉全てを網羅してあるんだ
 とりあえず相談して、最初は“白色美湯”という温泉に行ってみることにした
 その名の通り美肌効果がある温泉で、もちろん女性人気ナンバーワンの場所
 僕ら精霊のような精神生命体には効果が無いように思われるかもしれないけど、そこは異世界、魔力のある湯だからこの体にも作用して、綺麗なアストラルボディを保ってくれるのだ!
 僕たちの泊まってる宿からもそう離れていないから、ゆっくりと歩いていくことにした
 のんびりと、景色を眺めながら・・・。何か見える
 山を下りる道の途中に誰かが倒れてた
「あの、大丈夫?」
「う、うう、お腹すいた~」
 倒れていたのは竜人の子供だった
 背中には大きな槍を背負っている
 取りあえず起こしてアスラムに運んでもらい、麓のお菓子屋さんで売ってたドーナツをあげた
「ムグムグ、ガツガツ、ムシャァ! パクパク、んぐっ、ゲフゲフ!」
「落ち着いて食べなさい。まだまだありますから」
 がっつく子供にテュネが注意する
「ゴクゴク、ぷはぁ。ありがとうございました! ボクはティリア。ティリア・バルハートです!」
 ん? バルハートって
「もしかして、ゴトラさんの子供?」
「はい! よく分かりましたね。そうです、何を隠そうボクはこの国の第三王子ことティリア様なのでした!」
 元気な子だね
 横柄な態度に見えるけど、ちゃんとお辞儀して実はかなり礼儀正しい
「ところで、ボクを助けて下さったあなたたちはどちら様なのでしょう? できれば母上に言ってお礼をしたいのですが」
「名乗るほどのもんじゃぁございません」
 ちょっと言いたかったセリフを言ったけど、皆にキョトンとされて恥ずかしかった
 ティリア君も目を丸くして首をかしげている。なんか可愛い
「して、お名前は?」
 うん、通じてなかった
 仕方なく名乗ると、今度は目を大きく開けて驚いた
「何と! 精霊様でございましたか! これは飛んだご無礼を働いた上にごちそうにまでなって、ご感銘を受けた上にこの不甲斐なさに深く反省しております! 申し訳ありませんでした!」
 とにかく礼儀正しく熱血。それがこの子の印象だね
 でも何で王族のこの子があんなところで生き倒れてたんだろう?
「それはですね、恥ずかしいお話なのですが」
 ティリア君は顔を赤くしながら答えてくれた
 なんでも、彼は武者修行の旅に出ていたらしい
 これは風習とかじゃなくて、彼自身の意思で行なったみたいだ
 どうやら城にある図書館で勇者の英雄譚を聞いて触発され、いつか自分も勇者になりたいと修行を始めたみたいだ
 冒険者としての登録もしていて、そのランクはなんと、Sランク
 めちゃくちゃに強い。冒険者の間では“撃竜王子のティリア“なんて二つ名もついているくらい有名らしい
 今回は久しぶりに故郷に帰って来てたんだけど、間違えて裏にあるコポポマに到着
 路銀も底を尽いていたためあそこで行き倒れてたみたいだ
 それと彼の背負っている槍は神槍ヴェルヴィスといって、突き刺したモノの特性を吸収し、反映させると言う特殊な槍だった
 つまり岩をさせば岩のような打撃系の武器になり、毒を持つ魔物に刺せばその毒を生成するってことだ
 そして一番すごいのが、魔法を刺してその魔法の特性を反映させてしまうところだ
 炎の魔法を刺せば炎の槍に、氷の魔法を刺せば氷の槍に、爆発する魔法を刺せば爆発する槍になる
 この槍を扱えるのはティリア君とお父さんのゴトラさんだけで、槍の特性をしっかりと理解していないと逆に危険なんだそうだ
「こうしてボクは修行もひと段落し、いよいよ龍神のアンミツ姫様に修行をつけてもらうつもりなんです!」
 どうやらアンミツ姫に修行をつけてもらうための課題で冒険者のSランクを目指していたみたいだ
 それで本当にSランクになるって言うのも凄いけどね
 ちなみに僕らも一応冒険者としての登録はしてたんだけど、依頼をあまり受けていないからランクはBと中堅くらいだ
 あと、つい最近冒険者のランク制度が少し変わったみたいで、近年増加する異世界からの魔物襲撃も相まって、Sランクの上にSSランク、SSSランク、神話ランクが加わったみたいだ
 今のところSSランクは世に十人、SSSランクは余に数人、神話に至っては未だ一人だけ。その一人というのがあのカイトさんだ
 世界最強だけあってやっぱりすごい人だね
「む、長く話し込みすぎましたね。ボクは王宮に帰らなければならないのでこれにて失礼いたします」
 丁寧なお辞儀をしてティリア君は去って行こうとしたけど、ボクは彼を捕まえた
「な、何なのですか精霊様」
「まぁまぁ、ちょっと一緒にお風呂に行かない? お母さんに会うんだったらそのままだと臭うよ?」
 彼はここに来るまでの数週間お風呂はおろか水浴びもしなかったみたいで、ツンと鼻に来る匂いがしている
 これは洗ってあげなければ
「そ、それは・・・。確かにお風呂は好きですけども」
「ホラホラ、遠慮しないで」
 半ば強引にティリア君をお風呂に攫って行った
 白色美湯には混浴もあるからそっちへ入ろう
 フフ、僕実は、弟か妹が欲しくて、こうやって一緒にお風呂に入るのが夢だったりしたんだよね
感想 2

あなたにおすすめの小説

【完結】発明家アレンの異世界工房 ~元・商品開発部員の知識で村おこし始めました~

シマセイ
ファンタジー
過労死した元商品開発部員の田中浩介は、女神の計らいで異世界の少年アレンに転生。 前世の知識と物作りの才能を活かし、村の道具を次々と改良。 その発明は村の生活を豊かにし、アレンは周囲の信頼と期待を集め始める。

異世界転生~チート魔法でスローライフ

玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。 43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。 その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」 大型連休を利用して、 穴場スポットへやってきた! テントを建て、BBQコンロに テーブル等用意して……。 近くの川まで散歩しに来たら、 何やら動物か?の気配が…… 木の影からこっそり覗くとそこには…… キラキラと光注ぐように発光した 「え!オオカミ!」 3メートルはありそうな巨大なオオカミが!! 急いでテントまで戻ってくると 「え!ここどこだ??」 都会の生活に疲れた主人公が、 異世界へ転生して 冒険者になって 魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。 恋愛は多分ありません。 基本スローライフを目指してます(笑) ※挿絵有りますが、自作です。 無断転載はしてません。 イラストは、あくまで私のイメージです ※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが 少し趣向を変えて、 若干ですが恋愛有りになります。 ※カクヨム、なろうでも公開しています

つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました

蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈ 絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。 絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!! 聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ! ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!! +++++ ・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)

拾ったメイドゴーレムによって、いつの間にか色々されていた ~何このメイド、ちょっと怖い~

志位斗 茂家波
ファンタジー
ある日、ひょんなことで死亡した僕、シアンは異世界にいつの間にか転生していた。 とは言え、赤子からではなくある程度成長した肉体だったので、のんびり過ごすために自給自足の生活をしていたのだが、そんな生活の最中で、あるメイドゴーレムを拾った。 …‥‥でもね、なんだろうこのメイド、チートすぎるというか、スペックがヤヴァイ。 「これもご主人様のためなのデス」「いや、やり過ぎだからね!?」 これは、そんな大変な毎日を送る羽目になってしまった後悔の話でもある‥‥‥いやまぁ、別に良いんだけどね(諦め) 小説家になろう様でも投稿しています。感想・ご指摘も受け付けますので、どうぞお楽しみに。

転生してチートを手に入れました!!生まれた時から精霊王に囲まれてます…やだ

如月花恋
ファンタジー
…目の前がめっちゃ明るくなったと思ったら今度は…真っ白? 「え~…大丈夫?」 …大丈夫じゃないです というかあなた誰? 「神。ごめんね~?合コンしてたら死んじゃってた~」 …合…コン 私の死因…神様の合コン… …かない 「てことで…好きな所に転生していいよ!!」 好きな所…転生 じゃ異世界で 「異世界ってそんな子供みたいな…」 子供だし 小2 「まっいっか。分かった。知り合いのところ送るね」 よろです 魔法使えるところがいいな 「更に注文!?」 …神様のせいで死んだのに… 「あぁ!!分かりました!!」 やたね 「君…結構策士だな」 そう? 作戦とかは楽しいけど… 「う~ん…だったらあそこでも大丈夫かな。ちょうど人が足りないって言ってたし」 …あそこ? 「…うん。君ならやれるよ。頑張って」 …んな他人事みたいな… 「あ。爵位は結構高めだからね」 しゃくい…? 「じゃ!!」 え? ちょ…しゃくいの説明ぃぃぃぃ!!

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

規格外の魔法少女は『遊び』と称して魔獣討伐行ってます! 〜王子の機転が国家を救う!?〜

婚后 清羅
ファンタジー
子供たちはただ遊んでいるだけなのに?王子の機転が国家を救う!?痛快ファンタジー!  平和な田舎町コレットに住む少女キスティーは、全属性の魔法を極めた規格外の魔力を持っていた。しかし彼女にとって魔法は「家事があっという間に終わってしまい、毎日の楽しみを奪うもの」でしかなく、その力を使うのはもっぱら幼馴染のアリシア(精密な無詠唱魔法の使い手)、ギルバート(規格外の強靭な肉体の持ち主)との「遊び」の中だけだった。  そんな彼女たちの前に、視察団として身分を隠した第三王子レイエスが現れる。王子は、三人が国家級の脅威である魔獣たちを、ただの「遊び」の延長で、一撃のもとに仕留める光景を目の当たりにし、驚愕する。この国の常識を遥かに超えた彼女たちの力は、本人たちにとってはあくまで「日常の遊び」に過ぎなかったのだ。  王子に同行している騎士団長は、自らの部隊が命懸けで挑む難敵を、遊び感覚で仕留める彼女たちの振る舞いに、常に顔を青ざめさせ、胃を痛め、絶叫に近いツッコミを入れ続ける。  レイエスは確信する。各地で活発化する魔獣の脅威を退け、王国の平和を守る鍵は彼女たちの力にあると。しかし、義務や名誉に興味がない自由奔放な彼女たちを、騎士団などの堅苦しい枠に閉じ込めることは不可能だ。そこでレイエスは、一石二鳥の妙案を思いつく。それは、彼女たちを「働かせる」のではなく、討伐対象がいる危険地帯へ「遊び」という名目で誘い出すことだった。  レイエスは親たちへの根回しを完璧に済ませ、再び三人の前に現れる。「褒美に海へ遊びに行こう」という誘いに、三人は、王子様が自分たちを騙して捕まえようとしてるのではないかと疑うが、結局未知なる冒険という名のピクニックへと旅立つことになる。  こうして、規格外の力を持つ三人と、彼女たちを「遊び」で導き、その力を正しく制御しようとする王子の奇妙な旅が始まる。彼女たちが無邪気に遊ぶたび、王国を脅かす難敵は露知らずのうちに駆逐されていく。自覚なき救世主たちのドタバタな日常が、世界の運命を静かに、そして豪快に変えていくのである。 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇ 【2025カドカワBOOKS10周年記念長編コンテスト中間選考通過作品】 ・規格外の魔法少女は『遊び』と称して魔獣討伐行ってます!?