精霊王女になった僕はチートクラスに強い仲間と世界を旅します

カオリグサ

文字の大きさ
296 / 1,022

竜人族の国8

しおりを挟む
 “秘湯湯王ひとうゆおう十泉じゅっせん
 ここは知る人ぞ知る秘湯にして迷宮だった
 まず隠されているので本当に知っている人が少ない。ここを知っているのはこの国でも五人ほどだとか
 迷宮としての難易度も人を寄せ付けない要因みたいで、ランクはB以上はないと難しいみたい
 まぁBランクでも十人以上はいないと無理だとラキアさんは語っていた
「この迷宮は他と違いまして、全十階層で一階層クリアするごとに特別な温泉に入れるようになっているのです」
 ラキアさんの説明によると、一階層クリアする度にそのフロアが変化して温泉になるみたい
 しかもその温泉は次の階層をクリアするために有利な効果を付与してくれるらしい
 さらに言うとこの迷宮の温泉は他のどんな温泉よりも気持ちいいというからちょっと楽しみ
 でも一つ入るために結構な苦労をするみたいだからそこは厄介かな
「まあまあリディエラ様、私がいれば何の問題もありませんよ。精霊様達は私がお守りします」
 ラキアさんは自信満々で僕に跪いて僕の手にキスをした
 恥ずかしいなぁもう
 でも悪い気はしないね。ラキアさんイケメンだから
「さて、入りましょうか」
 ここは他の迷宮と違って許可証はいらない。国が管理しているわけじゃないからね
 岩の扉だ。かなり重たそう
 でも扉は軽く押すとすんなり開いた。どうやら挑戦の資格がある人が触ると勝手に開く仕掛けみたいだ
 僕らはこの迷宮に認められたってことかな?
「当然です。精霊様は人類の守護者でありますからね。私も人を守るため力をつけました。ようやくSランクに到達できるのです。目指すは神話ランクですよ」
 ラキアさんなら本当になりそう。でもそれには人間の殻を打ち破らないと駄目かも
 人間は進化しない種族だと思われていた
 でも実はこの世界の人種は進化できる
 エルフがハイエルフやロードエルフなどに進化したり、ドワーフ族やゴブリン族、翼人族も妖怪族も、皆実は進化することができるんだ
 でも、昔は人間族だけ進化できないと言われていた
 それを打ち破ったのが仙人族になった人間たちだ
 独自の修行や生活習慣で人間としての殻を破った人達が出て来たんだ
 仙人は半分精神生命体で、寿命が圧倒的に長くなる
 そこからさらに成長、精神的に上位の存在になると神仙になるらしい
 過去神仙になったのはたった二人で、すでに亡くなったっていわれてるけど、実はこの世界から別の世界へと旅立っただけらしい
 この話は元女神だった母さんから聞いた話なんだけど、進化というのは神様でもよく分かっていないことらしい
 進化するに相応しい人や生物に世界が進化という力を与えているんだとか
 つまりハクラちゃんもクロハさんも世界に認められたってことだね
 まぁ進化のことはまた今度考えよう
 さて、中はどんな感じかな?
「おお、硫黄の香りが鼻をつきますね!」
 ラキアさんが叫ぶ。確かに硫黄臭いね

 第一階層
 硫黄の臭いが立ち込めている広い空間の真ん中に、大きな鎌を背負った真っ黒な人影が立っていた
 ここでは有毒なガスが蔓延しているからラキアさんを結界で包んでおこう
「ありがとうございます精霊様。先ほどから息苦しかったのですが、これのおかげで楽になりましたよ」
 顔色悪かったもんね
 で、あの人影は近づかないと攻撃してこないのか、微動だにしない
 試しに近寄ってみる
「リディエラ様、危ないですよ」
 僕を守るためにテュネが一緒について来てくれた
 黒い人影まで三メートルほどの距離に近づいたとたん、そいつはガバッと首をあげてこちらを見た
「ヒュヒィッ!」
 覚悟はしてたのにびっくりして変な声が出た
 黒い人影には顔があるんだけど、まるでマネキンみたいだ
「なにこれ、魔物?」
「いえ、魔物ではないようです。魔力は感じますが、生命力はまったく感じません。恐らく魔動人形でしょう」
 魔導人形は背負っていた大きな鎌を抜くとすぐにこちらに突進してきた
「リディエラ様!」
 ラキアさんはいつの間に剣を抜いたのか、僕の横から飛び出してその鎌による攻撃を受け止めた
 カキンと音を立てて魔導人形の鎌があっさり砕け、ラキアさんはそのまま魔導人形の胴を薙いで倒した
「え? 倒したの?」
「そうみたいですね、まあ最初ですからそこまで強くなかったのでしょう」
 ラキアさんは魔導人形を剣でつついているけど、何の反応もない
 魔力も感じなくなったから多分これで倒せたんだろうね
「あ、温泉が湧き出てきましたよ」
 驚いた。温泉が出現するってこういうことだったのか
 この部屋、すり鉢状になってるんだけど、そこの床から湧き水のように温泉が湧き出てきて、辺り一面が温泉になった
 そして魔導人形がそのお湯に溶け込んでいく
 入浴剤のように
「高濃度の魔素反応があります。恐らく魔導人形が溶けることで魔素を充満させているのでしょう」
 硫黄の香りが一層強くなってきて、湧き出た温泉は紫色に輝いている
「入ってみましょう!」
 すでにそのつもりで僕はもう脱ぎ始めていた
 ただフーレンの方が早くて、もう入ってた
 そしてこの温泉、どうやら魔力増強の効果があるみたいで、体内の魔力量が大幅に上がっていた。ということは、次の階層では魔法が重要になってくるのかも
 でもそんなことよりこの温泉、体がとろけるような気持ちよさで、僕を含め全員がふにゃけた顔で浸かっていた
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

1×∞(ワンバイエイト) 経験値1でレベルアップする俺は、最速で異世界最強になりました!

マツヤマユタカ
ファンタジー
23年5月22日にアルファポリス様より、拙著が出版されました!そのため改題しました。 今後ともよろしくお願いいたします! トラックに轢かれ、気づくと異世界の自然豊かな場所に一人いた少年、カズマ・ナカミチ。彼は事情がわからないまま、仕方なくそこでサバイバル生活を開始する。だが、未経験だった釣りや狩りは妙に上手くいった。その秘密は、レベル上げに必要な経験値にあった。実はカズマは、あらゆるスキルが経験値1でレベルアップするのだ。おかげで、何をやっても簡単にこなせて――。異世界爆速成長系ファンタジー、堂々開幕! タイトルの『1×∞』は『ワンバイエイト』と読みます。 男性向けHOTランキング1位!ファンタジー1位を獲得しました!【22/7/22】 そして『第15回ファンタジー小説大賞』において、奨励賞を受賞いたしました!【22/10/31】 アルファポリス様より出版されました!現在第四巻まで発売中です! コミカライズされました!公式漫画タブから見られます!【24/8/28】 マツヤマユタカ名義でTwitterやってます。 見てください。

断罪後のモブ令息、誰にも気づかれずに出奔する

まる
ファンタジー
断罪後のモブ令息が誰にも気づかれないよう出奔して幸せを探す話

真祖竜に転生したけど、怠け者の世界最強種とか性に合わないんで、人間のふりして旅に出ます

難波一
ファンタジー
"『第18回ファンタジー小説大賞【奨励賞】受賞!』" ブラック企業勤めのサラリーマン、橘隆也(たちばな・りゅうや)、28歳。 社畜生活に疲れ果て、ある日ついに階段から足を滑らせてあっさりゲームオーバー…… ……と思いきや、目覚めたらなんと、伝説の存在・“真祖竜”として異世界に転生していた!? ところがその竜社会、価値観がヤバすぎた。 「努力は未熟の証、夢は竜の尊厳を損なう」 「強者たるもの怠惰であれ」がスローガンの“七大怠惰戒律”を掲げる、まさかのぐうたら最強種族! 「何それ意味わかんない。強く生まれたからこそ、努力してもっと強くなるのが楽しいんじゃん。」 かくして、生まれながらにして世界最強クラスのポテンシャルを持つ幼竜・アルドラクスは、 竜社会の常識をぶっちぎりで踏み倒し、独学で魔法と技術を学び、人間の姿へと変身。 「世界を見たい。自分の力がどこまで通じるか、試してみたい——」 人間のふりをして旅に出た彼は、貴族の令嬢や竜の少女、巨大な犬といった仲間たちと出会い、 やがて“魔王”と呼ばれる世界級の脅威や、世界の秘密に巻き込まれていくことになる。 ——これは、“怠惰が美徳”な最強種族に生まれてしまった元社畜が、 「自分らしく、全力で生きる」ことを選んだ物語。 世界を知り、仲間と出会い、規格外の強さで冒険と成長を繰り広げる、 最強幼竜の“成り上がり×異端×ほのぼの冒険ファンタジー”開幕! ※小説家になろう様にも掲載しています。

【完結】辺境に飛ばされた子爵令嬢、前世の経営知識で大商会を作ったら王都がひれ伏したし、隣国のハイスペ王子とも結婚できました

いっぺいちゃん
ファンタジー
婚約破棄、そして辺境送り――。 子爵令嬢マリエールの運命は、結婚式直前に無惨にも断ち切られた。 「辺境の館で余生を送れ。もうお前は必要ない」 冷酷に告げた婚約者により、社交界から追放された彼女。 しかし、マリエールには秘密があった。 ――前世の彼女は、一流企業で辣腕を振るった経営コンサルタント。 未開拓の農産物、眠る鉱山資源、誠実で働き者の人々。 「必要ない」と切り捨てられた辺境には、未来を切り拓く力があった。 物流網を整え、作物をブランド化し、やがて「大商会」を設立! 数年で辺境は“商業帝国”と呼ばれるまでに発展していく。 さらに隣国の完璧王子から熱烈な求婚を受け、愛も手に入れるマリエール。 一方で、税収激減に苦しむ王都は彼女に救いを求めて―― 「必要ないとおっしゃったのは、そちらでしょう?」 これは、追放令嬢が“経営知識”で国を動かし、 ざまぁと恋と繁栄を手に入れる逆転サクセスストーリー! ※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。

神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします

夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。 アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。 いわゆる"神々の愛し子"というもの。 神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。 そういうことだ。 そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。 簡単でしょう? えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか?? −−−−−− 新連載始まりました。 私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。 会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。 余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。 会話がわからない!となるよりは・・ 試みですね。 誤字・脱字・文章修正 随時行います。 短編タグが長編に変更になることがございます。 *タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。

【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます

腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった! 私が死ぬまでには完結させます。 追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。 追記2:ひとまず完結しました!

貴族令嬢、転生十秒で家出します。目指せ、おひとり様スローライフ

ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞にて奨励賞を頂きました。ありがとうございます! 貴族令嬢に転生したリルは、前世の記憶に混乱しつつも今世で恵まれていない環境なことに気が付き、突発で家出してしまう。 前世の社畜生活で疲れていたため、山奥で魔法の才能を生かしスローライフを目指すことにした。しかししょっぱなから魔物に襲われ、元王宮魔法士と出会ったり、はては皇子までやってきてと、なんだかスローライフとは違う毎日で……?

処理中です...