305 / 1,022
竜人族の国16
怒りで我を忘れないように僕は深呼吸する
この怒りは静かに抑え込んで、相手にぶつけるんだ
魔力がいい感じに溜まって敵を十分に倒せそうなほどの力が僕の魔法に集まる
周囲の魔力を大量に取り込んだんだ
本当なら体内の魔力と性質の違う自然界の魔力、体に取り込めばそのままだと害になることがあって危ない
でも、今の僕には変化魔法がある
魔力を僕専用に変化させた
「テュネ、エンシュ、アスラム、フーレン、僕の合図で後ろに下がって」
四柱は分かったとうなずいて僕の合図を待つ体制になった
その間も魔物は笑いながら迫ってくる。速いけど、目で追えないほどじゃない
「3・2・1・今だ!」
敵が僕の魔法の有効射程範囲に入ったときを見計らって、溜まり切った魔力を変化させて強力な魔法を作り上げた
かつて死してすぐの魂をも蘇生させる力を持っていたと言われる古代魔法、それに近づくほどの力
変化魔法はその制御すらも可能にしてくれた
「古史魔法、エレアラルファム!」
古史魔法は僕が前に読んだ昔の魔法図鑑、その魔法を再現した
今では使われなくなった強力な魔法の数々。古代魔法と違う点は、古代魔法ほどの魔力消費がなく、威力も古代魔法より低いという点だ
この魔力消費量でまだ古代魔法の消費量に及ばないというのも凄いけど、威力は弱いとは言え申し分ないと思う
空中に風が渦巻き、それがゆっくりと魔物に当たる
魔物は危険視していないのか、避けもせずにその風をまともに食らった
するとその当たった部分から風に包まれ、少しずつ風に覆われていく
魔物はそこで気づいたようだ。最初に当たった部分が破砕されていることに
「なんと、あのような小規模でここまでの威力を出せるとは、流石ですリディエラ様」
褒めてくれてありがとうテュネ。でも、魔力消費が多すぎて、僕は眠気に襲われていた
体内魔力の回復のため強制的にスリープモードになるんだよね
「ゆっくりお休みくださいリディエラ様」
テュネに抱きかかえられたのを確認して、僕は眠りについた
これは後から聞いた話だけど、僕が眠った後あの魔物は風に侵食され続けて、体がどんどん削られて行って、最後には塵のようなものだけが残ったらしい
そしてその魔物が消滅したとたん、雲はポンと弾けて消えてしまった
異世界から来た神話級の魔物に僕は勝つことができたんだ
目を覚ますとラキアさんがハァハァと鼻息荒くのぞき込んでいたので風魔法で吹っ飛ばす
天井にぶつかって僕の寝ているベッドの真横に落ちてきたラキアさんの顔は、なぜか幸せそうだった
「もう、びっくりしたじゃない。新手の魔物かと思っちゃったでしょう」
ラキアさんはすぐに立ち上がると僕に抱き着いた
「リディエラ様ー、ご無事でよかったですー!」
涙を流してくれている辺り本当に心配してくれていたんだね
「リディエラ様、おはようございます」
「あ、テュネ、ごめんね。僕どれくらい寝てた?」
「一週間ほどですね」
「そんなに!?」
驚いた。今までは一日眠ればすぐ回復で来てたのに一週間か、やっぱり僕の魔力が上がってきているのと、あの時使った魔法が強力すぎたことが関係しているんだね
とりあえずみんなが無事でよかった。エンシュもすっかり元気になってるし
あとラキアさんはいい加減離れてくれないかな
「リディエラ様、そう邪険にしないで上げてください。この一週間ラキアはずっとリディエラ様の看病をしていたのです。ほとんど眠りもせずにですよ?」
「そう、だったんだ。ありがとうラキアさん」
「いえ、私は当然のことをしたまでです。お役に立てなかったぶんそのくらいはさせてください」
これはラキアさんに借りができてしまった
彼女は看病できたのがご褒美ですと言っていたけど、僕は加護をあげることにした
女性の守護者たるラキアさんにふさわしい加護をね
「ラキアさん、手を出してくれる?」
「も、もしや、婚約指輪ですか!? そ、それはまだ早いのでは!? いえ、私達出会ってから何度も愛を交わしましたものね! そうですよね、私がリディエラ様の旦那さんに! なんと幸せなことなのでしょうか! では覚悟も決まりましたのでいざ!」
いやいざ!じゃなくてね・・・
「そうじゃないよ。加護をあげるから手を出してってことで」
「ハッ!も、申し訳ありません! 私早とちりを! しかしリディエラ様がいいというのならば、私はいつでもあなたのものになります。いえ、ならせてください!」
「あ、うん、ちょっと落ち着いて。じゃぁ、加護を」
僕はラキアさんの手を握る
剣士にしてはとても柔らかくて女性らしい綺麗な手だ。きっちりと手入れしているのが見受けられる
その手から僕は自分の力を流し込んだ
これはいつもやっている土地への加護とは違って、個人から個人へ受け渡される加護
僕の与えた加護はグレートシールドと言って、自分から半径十メートル以内に強力な結界を張る加護
戦闘中に発揮できて、一日の使用回数は三回までだけど、かなりの攻撃や魔法を防いでくれる
きっとラキアさんなら役立ててくれるはずだ
「こ、このような素晴らしい加護を私のような者にありがとうございます! 必ずこの力で多くの人々を救って見せます!」
こういうところだよ。僕がラキアさんを嫌いになれない理由
本当に人々を守ることに関しては尊敬できる
これからもラキアさんには頑張ってもらいたいね
それはそうと、僕らはまだ全然温泉を回れていないのですよ
体ももう大丈夫だから明日からまた温泉巡りに興じるとしよう!
この怒りは静かに抑え込んで、相手にぶつけるんだ
魔力がいい感じに溜まって敵を十分に倒せそうなほどの力が僕の魔法に集まる
周囲の魔力を大量に取り込んだんだ
本当なら体内の魔力と性質の違う自然界の魔力、体に取り込めばそのままだと害になることがあって危ない
でも、今の僕には変化魔法がある
魔力を僕専用に変化させた
「テュネ、エンシュ、アスラム、フーレン、僕の合図で後ろに下がって」
四柱は分かったとうなずいて僕の合図を待つ体制になった
その間も魔物は笑いながら迫ってくる。速いけど、目で追えないほどじゃない
「3・2・1・今だ!」
敵が僕の魔法の有効射程範囲に入ったときを見計らって、溜まり切った魔力を変化させて強力な魔法を作り上げた
かつて死してすぐの魂をも蘇生させる力を持っていたと言われる古代魔法、それに近づくほどの力
変化魔法はその制御すらも可能にしてくれた
「古史魔法、エレアラルファム!」
古史魔法は僕が前に読んだ昔の魔法図鑑、その魔法を再現した
今では使われなくなった強力な魔法の数々。古代魔法と違う点は、古代魔法ほどの魔力消費がなく、威力も古代魔法より低いという点だ
この魔力消費量でまだ古代魔法の消費量に及ばないというのも凄いけど、威力は弱いとは言え申し分ないと思う
空中に風が渦巻き、それがゆっくりと魔物に当たる
魔物は危険視していないのか、避けもせずにその風をまともに食らった
するとその当たった部分から風に包まれ、少しずつ風に覆われていく
魔物はそこで気づいたようだ。最初に当たった部分が破砕されていることに
「なんと、あのような小規模でここまでの威力を出せるとは、流石ですリディエラ様」
褒めてくれてありがとうテュネ。でも、魔力消費が多すぎて、僕は眠気に襲われていた
体内魔力の回復のため強制的にスリープモードになるんだよね
「ゆっくりお休みくださいリディエラ様」
テュネに抱きかかえられたのを確認して、僕は眠りについた
これは後から聞いた話だけど、僕が眠った後あの魔物は風に侵食され続けて、体がどんどん削られて行って、最後には塵のようなものだけが残ったらしい
そしてその魔物が消滅したとたん、雲はポンと弾けて消えてしまった
異世界から来た神話級の魔物に僕は勝つことができたんだ
目を覚ますとラキアさんがハァハァと鼻息荒くのぞき込んでいたので風魔法で吹っ飛ばす
天井にぶつかって僕の寝ているベッドの真横に落ちてきたラキアさんの顔は、なぜか幸せそうだった
「もう、びっくりしたじゃない。新手の魔物かと思っちゃったでしょう」
ラキアさんはすぐに立ち上がると僕に抱き着いた
「リディエラ様ー、ご無事でよかったですー!」
涙を流してくれている辺り本当に心配してくれていたんだね
「リディエラ様、おはようございます」
「あ、テュネ、ごめんね。僕どれくらい寝てた?」
「一週間ほどですね」
「そんなに!?」
驚いた。今までは一日眠ればすぐ回復で来てたのに一週間か、やっぱり僕の魔力が上がってきているのと、あの時使った魔法が強力すぎたことが関係しているんだね
とりあえずみんなが無事でよかった。エンシュもすっかり元気になってるし
あとラキアさんはいい加減離れてくれないかな
「リディエラ様、そう邪険にしないで上げてください。この一週間ラキアはずっとリディエラ様の看病をしていたのです。ほとんど眠りもせずにですよ?」
「そう、だったんだ。ありがとうラキアさん」
「いえ、私は当然のことをしたまでです。お役に立てなかったぶんそのくらいはさせてください」
これはラキアさんに借りができてしまった
彼女は看病できたのがご褒美ですと言っていたけど、僕は加護をあげることにした
女性の守護者たるラキアさんにふさわしい加護をね
「ラキアさん、手を出してくれる?」
「も、もしや、婚約指輪ですか!? そ、それはまだ早いのでは!? いえ、私達出会ってから何度も愛を交わしましたものね! そうですよね、私がリディエラ様の旦那さんに! なんと幸せなことなのでしょうか! では覚悟も決まりましたのでいざ!」
いやいざ!じゃなくてね・・・
「そうじゃないよ。加護をあげるから手を出してってことで」
「ハッ!も、申し訳ありません! 私早とちりを! しかしリディエラ様がいいというのならば、私はいつでもあなたのものになります。いえ、ならせてください!」
「あ、うん、ちょっと落ち着いて。じゃぁ、加護を」
僕はラキアさんの手を握る
剣士にしてはとても柔らかくて女性らしい綺麗な手だ。きっちりと手入れしているのが見受けられる
その手から僕は自分の力を流し込んだ
これはいつもやっている土地への加護とは違って、個人から個人へ受け渡される加護
僕の与えた加護はグレートシールドと言って、自分から半径十メートル以内に強力な結界を張る加護
戦闘中に発揮できて、一日の使用回数は三回までだけど、かなりの攻撃や魔法を防いでくれる
きっとラキアさんなら役立ててくれるはずだ
「こ、このような素晴らしい加護を私のような者にありがとうございます! 必ずこの力で多くの人々を救って見せます!」
こういうところだよ。僕がラキアさんを嫌いになれない理由
本当に人々を守ることに関しては尊敬できる
これからもラキアさんには頑張ってもらいたいね
それはそうと、僕らはまだ全然温泉を回れていないのですよ
体ももう大丈夫だから明日からまた温泉巡りに興じるとしよう!
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】発明家アレンの異世界工房 ~元・商品開発部員の知識で村おこし始めました~
シマセイ
ファンタジー
過労死した元商品開発部員の田中浩介は、女神の計らいで異世界の少年アレンに転生。
前世の知識と物作りの才能を活かし、村の道具を次々と改良。
その発明は村の生活を豊かにし、アレンは周囲の信頼と期待を集め始める。
異世界転生~チート魔法でスローライフ
玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。
43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。
その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」
大型連休を利用して、
穴場スポットへやってきた!
テントを建て、BBQコンロに
テーブル等用意して……。
近くの川まで散歩しに来たら、
何やら動物か?の気配が……
木の影からこっそり覗くとそこには……
キラキラと光注ぐように発光した
「え!オオカミ!」
3メートルはありそうな巨大なオオカミが!!
急いでテントまで戻ってくると
「え!ここどこだ??」
都会の生活に疲れた主人公が、
異世界へ転生して 冒険者になって
魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。
恋愛は多分ありません。
基本スローライフを目指してます(笑)
※挿絵有りますが、自作です。
無断転載はしてません。
イラストは、あくまで私のイメージです
※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが
少し趣向を変えて、
若干ですが恋愛有りになります。
※カクヨム、なろうでも公開しています
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
拾ったメイドゴーレムによって、いつの間にか色々されていた ~何このメイド、ちょっと怖い~
志位斗 茂家波
ファンタジー
ある日、ひょんなことで死亡した僕、シアンは異世界にいつの間にか転生していた。
とは言え、赤子からではなくある程度成長した肉体だったので、のんびり過ごすために自給自足の生活をしていたのだが、そんな生活の最中で、あるメイドゴーレムを拾った。
…‥‥でもね、なんだろうこのメイド、チートすぎるというか、スペックがヤヴァイ。
「これもご主人様のためなのデス」「いや、やり過ぎだからね!?」
これは、そんな大変な毎日を送る羽目になってしまった後悔の話でもある‥‥‥いやまぁ、別に良いんだけどね(諦め)
小説家になろう様でも投稿しています。感想・ご指摘も受け付けますので、どうぞお楽しみに。
転生してチートを手に入れました!!生まれた時から精霊王に囲まれてます…やだ
如月花恋
ファンタジー
…目の前がめっちゃ明るくなったと思ったら今度は…真っ白?
「え~…大丈夫?」
…大丈夫じゃないです
というかあなた誰?
「神。ごめんね~?合コンしてたら死んじゃってた~」
…合…コン
私の死因…神様の合コン…
…かない
「てことで…好きな所に転生していいよ!!」
好きな所…転生
じゃ異世界で
「異世界ってそんな子供みたいな…」
子供だし
小2
「まっいっか。分かった。知り合いのところ送るね」
よろです
魔法使えるところがいいな
「更に注文!?」
…神様のせいで死んだのに…
「あぁ!!分かりました!!」
やたね
「君…結構策士だな」
そう?
作戦とかは楽しいけど…
「う~ん…だったらあそこでも大丈夫かな。ちょうど人が足りないって言ってたし」
…あそこ?
「…うん。君ならやれるよ。頑張って」
…んな他人事みたいな…
「あ。爵位は結構高めだからね」
しゃくい…?
「じゃ!!」
え?
ちょ…しゃくいの説明ぃぃぃぃ!!
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。