精霊王女になった僕はチートクラスに強い仲間と世界を旅します

カオリグサ

文字の大きさ
306 / 1,022

神の如くは白と黒3

しおりを挟む
 まずい、セブが目を覚ましちゃった。まだ寝ぼけてるみたいで、私達を見てもノペッとした表情
 とにかくこいつが動き始めたら森がまた食べられちゃう
「なんて硬い表皮なのかしら。なら内側から攻撃するまでよ」
 お姉ちゃんはあくびをしているセブの口に飛び込んだ
「待ってお姉ちゃん! 私も!」
 慌てて追って行ったけどセブが口を閉じちゃった!
 お姉ちゃんを助けないと
 突然のことに慌てた私はとにかく持てる力を全てぶつける勢いでセブにはなった
 剣技からスキル、魔法に仙体術、ありとあらゆる力をもってセブの体に攻撃し続けた
 でもそのことごとくを弾かれて、傷一つ与えることができなかった
「ど、どうしよう・・・。このままじゃお姉ちゃんが溶けちゃう」
 セブは未だにとぼけた顔をしていて、まるで私の攻撃なんて羽虫が肌を這っているかのようにポリポリと掻いているだけ
 なんてやつ、皮膚が硬すぎるにもほどがあるよ
 私の攻撃、これでも山を砕けるくらいには強いのに
 しばらく試行錯誤して同じ個所にずっと攻撃してみたり、目や鼻といった柔らかい部位に攻撃したり。でも駄目だった。私ってこんなに力なかったんだ、弱かったんだ
 そんなことを思ったけど、あきらめるなんてできるわけない
 いつも私ばっかり助けられて、お姉ちゃんを助けられないなんて嫌
「力が足りないなら、足りるまで溜めればいいんだ」
 私は自分の中にある全ての力を統合して、さらに自然にある力も体に取り込んでいった
 幸いこの森には霊脈が通ってる。そこから力を借りよう
 でも、今まで力を全て統合しようとすると力が暴走して体に反動が来てた
 それが今ちゃんと制御できてる上に、体の隅々を覆ってくれている
 今まで感じたことのないような力の流れに私は高揚していく
 もしかして、これが神力?
「行くよ! お姉ちゃんを返してもらうから」
 力は十分に溜まった。あとはセブに向けて放つだけ
「神力解放、天白鬼ルビあまつびゃっきあぎと!」
 巨大なするどい氷柱
 氷柱はまるで大きく口を開いた鬼の顎のように上下に開き、その圧倒的な大きさでセブに噛みついた

 まずいわね。内部に入ったはいいけど、内部まであの皮膚と同じ硬度だったなんて
 完全に見誤ったわ、ハクラ。あの子を守ろうとしたのに、これじゃあ守れないじゃない!
 生まれたときから一緒だった大切な妹
 私のあの子に対する感情は家族への愛じゃない。感情に任せた真実の愛。あの子のためなら何でもできるわ
 外ではあの子が戦っている。もしかしたらセブに攻撃を受けて瀕死の重傷を負っているかもしれない
 だめ、あの子に傷を負わせるなんて許せない。こいつは私が倒さなきゃ!
「力が欲しい。もっと圧倒的な、ハクラを絶対に守れる力を。そうよ、力が足りないなら足せばいいのよ!」
 私は全ての力を統合して新しい力を作り出そうとした
 今までも修行でやってみようと試みたことだけど、失敗ばかり。統合できても反動で私自身が傷ついていた
 でも今はできそうな気がしてる。多分ハクラを守りたいって気持ちがそうさせてくれているのね
「そうよ、簡単なことだったわ。あの子を守るなら、圧倒的な力を手に入れればいいのよ。誰にも負けない、ハクラを絶対的に守れる力を!」
 力の統合がうまくできて、体に馴染んでいくのが分かる
 あの子はみんなを守る力が欲しいと言った。私は、あの子を守れるたった一人になりたいだけ
 そう、あの子がすべてを守るというのなら、あの子の全てを守れる私になるの!
「神力、黄泉黒鬼よもつこっきそう!」
 黒く巨大な爪のような闇。それはセブの胃袋を掴み、引き裂いていく
 危機を感じたのか、大量の消化液が分泌され始めて、私の着物を溶かしていく
 でも私の今の状態の皮膚は消化液程度では溶けない
 さらに力を込めて爪での切り裂きの速度を上げた
「私のハクラを! 傷つけさせはしない!」
 その時胃袋が破け、皮膚が何かに裂かれて外からの月明かりが差し込んだ
 皮膚を裂いたのは氷柱。ハクラの力を感じる
「ハクラ!」
 私はすぐに胃袋から外に飛び出すと、宙に浮いて氷柱を操っていたハクラに抱き着いた
「お姉ちゃん!」
 よかった、お姉ちゃん無事だったんだ!
 お姉ちゃんをしっかりと抱きとめると、なんだか違和感が…
 お姉ちゃんの大きな胸が私に直接あたってる
「お姉ちゃん、なんで裸なの?」
「ああ、これは胃酸で溶けたのよ。どこかで服を買わなきゃね」
 裸なのはびっくりしたけど、お姉ちゃんが無事で本当によかった
 それに、私達は神力を手に入れることができたから、鬼神に進化できるまであと少し
 このまま神力を定着させて、自分のものにすると鬼神に成れるらしいから、更なる修行が必要
 神力に全ての力を統合させたことで、魔力、気力、仙力、呪力、聖力などと言った力が使えなくなっちゃったけど、神力はそれらの力を全て取り込んだものだから問題ないのよね
 よし、鬼神まであと一歩。頑張らなきゃ!
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

1×∞(ワンバイエイト) 経験値1でレベルアップする俺は、最速で異世界最強になりました!

マツヤマユタカ
ファンタジー
23年5月22日にアルファポリス様より、拙著が出版されました!そのため改題しました。 今後ともよろしくお願いいたします! トラックに轢かれ、気づくと異世界の自然豊かな場所に一人いた少年、カズマ・ナカミチ。彼は事情がわからないまま、仕方なくそこでサバイバル生活を開始する。だが、未経験だった釣りや狩りは妙に上手くいった。その秘密は、レベル上げに必要な経験値にあった。実はカズマは、あらゆるスキルが経験値1でレベルアップするのだ。おかげで、何をやっても簡単にこなせて――。異世界爆速成長系ファンタジー、堂々開幕! タイトルの『1×∞』は『ワンバイエイト』と読みます。 男性向けHOTランキング1位!ファンタジー1位を獲得しました!【22/7/22】 そして『第15回ファンタジー小説大賞』において、奨励賞を受賞いたしました!【22/10/31】 アルファポリス様より出版されました!現在第四巻まで発売中です! コミカライズされました!公式漫画タブから見られます!【24/8/28】 マツヤマユタカ名義でTwitterやってます。 見てください。

断罪後のモブ令息、誰にも気づかれずに出奔する

まる
ファンタジー
断罪後のモブ令息が誰にも気づかれないよう出奔して幸せを探す話

真祖竜に転生したけど、怠け者の世界最強種とか性に合わないんで、人間のふりして旅に出ます

難波一
ファンタジー
"『第18回ファンタジー小説大賞【奨励賞】受賞!』" ブラック企業勤めのサラリーマン、橘隆也(たちばな・りゅうや)、28歳。 社畜生活に疲れ果て、ある日ついに階段から足を滑らせてあっさりゲームオーバー…… ……と思いきや、目覚めたらなんと、伝説の存在・“真祖竜”として異世界に転生していた!? ところがその竜社会、価値観がヤバすぎた。 「努力は未熟の証、夢は竜の尊厳を損なう」 「強者たるもの怠惰であれ」がスローガンの“七大怠惰戒律”を掲げる、まさかのぐうたら最強種族! 「何それ意味わかんない。強く生まれたからこそ、努力してもっと強くなるのが楽しいんじゃん。」 かくして、生まれながらにして世界最強クラスのポテンシャルを持つ幼竜・アルドラクスは、 竜社会の常識をぶっちぎりで踏み倒し、独学で魔法と技術を学び、人間の姿へと変身。 「世界を見たい。自分の力がどこまで通じるか、試してみたい——」 人間のふりをして旅に出た彼は、貴族の令嬢や竜の少女、巨大な犬といった仲間たちと出会い、 やがて“魔王”と呼ばれる世界級の脅威や、世界の秘密に巻き込まれていくことになる。 ——これは、“怠惰が美徳”な最強種族に生まれてしまった元社畜が、 「自分らしく、全力で生きる」ことを選んだ物語。 世界を知り、仲間と出会い、規格外の強さで冒険と成長を繰り広げる、 最強幼竜の“成り上がり×異端×ほのぼの冒険ファンタジー”開幕! ※小説家になろう様にも掲載しています。

【完結】辺境に飛ばされた子爵令嬢、前世の経営知識で大商会を作ったら王都がひれ伏したし、隣国のハイスペ王子とも結婚できました

いっぺいちゃん
ファンタジー
婚約破棄、そして辺境送り――。 子爵令嬢マリエールの運命は、結婚式直前に無惨にも断ち切られた。 「辺境の館で余生を送れ。もうお前は必要ない」 冷酷に告げた婚約者により、社交界から追放された彼女。 しかし、マリエールには秘密があった。 ――前世の彼女は、一流企業で辣腕を振るった経営コンサルタント。 未開拓の農産物、眠る鉱山資源、誠実で働き者の人々。 「必要ない」と切り捨てられた辺境には、未来を切り拓く力があった。 物流網を整え、作物をブランド化し、やがて「大商会」を設立! 数年で辺境は“商業帝国”と呼ばれるまでに発展していく。 さらに隣国の完璧王子から熱烈な求婚を受け、愛も手に入れるマリエール。 一方で、税収激減に苦しむ王都は彼女に救いを求めて―― 「必要ないとおっしゃったのは、そちらでしょう?」 これは、追放令嬢が“経営知識”で国を動かし、 ざまぁと恋と繁栄を手に入れる逆転サクセスストーリー! ※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。

神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします

夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。 アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。 いわゆる"神々の愛し子"というもの。 神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。 そういうことだ。 そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。 簡単でしょう? えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか?? −−−−−− 新連載始まりました。 私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。 会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。 余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。 会話がわからない!となるよりは・・ 試みですね。 誤字・脱字・文章修正 随時行います。 短編タグが長編に変更になることがございます。 *タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。

【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます

腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった! 私が死ぬまでには完結させます。 追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。 追記2:ひとまず完結しました!

貴族令嬢、転生十秒で家出します。目指せ、おひとり様スローライフ

ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞にて奨励賞を頂きました。ありがとうございます! 貴族令嬢に転生したリルは、前世の記憶に混乱しつつも今世で恵まれていない環境なことに気が付き、突発で家出してしまう。 前世の社畜生活で疲れていたため、山奥で魔法の才能を生かしスローライフを目指すことにした。しかししょっぱなから魔物に襲われ、元王宮魔法士と出会ったり、はては皇子までやってきてと、なんだかスローライフとは違う毎日で……?

処理中です...