精霊王女になった僕はチートクラスに強い仲間と世界を旅します

カオリグサ

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竜人族の国19

 少しだけラキアさんとお話、もといお説教をしてから次の温泉を地図で探し始めた
 お説教なんておじさん臭いと思われたかもしれないけど、これは彼女がトラブルに巻き込まれないために必要なお説教なのだ
 でもラキアさんは僕に説教されたと大変喜んでいるのでこれはこれでよかったのかな
「次はこの黒泥華泉こくでいかせんに行きませんか? ここの黒泥は食してもいいようでして、腸を整えてお通じをよくする効果があるそうです。まあ我々には必要のない効果ですが、便秘気味の女性はここで黒泥料理を食すそうです」
「へえ、黒泥料理か、食べてみたいね」
「やめたほうがよろしいかと・・・」
「え? なんで?」
 黒泥料理なんて食べたことないから是非とも食べてみたいんだけど、テュネに止められた
「私も以前ここで食したことがあるのですが、恐ろしく苦いのです。その苦みが病みつきになる者もいるそうなのですが、極々一部と言えますね」
「に、苦いのは苦手かな」
 ピーマンくらいなら食べれる、むしろ好きなんだけど、ゴーヤくらい苦くなるとダメなんだ僕
 テュネが言うにはゴーヤの比じゃないとのこと。もし食べに行って残すなんて失礼だから今回は見送ろう
 とりあえず早くその黒泥華泉にいって入ってみたい
 場所はミルク火鍋屋から少し行った先
 様々な食事処が並ぶ場所の最奥らしい
 料理屋としても出店しているからだろうね
 温泉に付くと料理店の入り口と温泉の入り口に分かれていたので温泉の入り口から中に入る
 番頭さんにお金を払ってから女性の脱衣所に向かう
 当然の如く僕らは霊衣を消してラキアさんが脱ぐのを待った
 そしてまたしても巻き起こる女性たちの黄色い悲鳴とラキアさんへの尊敬のまなざし
 一応少し前にラキアさんは僕と行動を共にしてるから取り囲まないようにっておふれが出たみたいだから、女性たちが取り囲んでもみくちゃになることはなかった
 それでも注目の的だけどね
 中には僕らの方に目を向けてうっとりしている女の子たちもいた。ファンみたいで少し嬉しいね
「さ、入ろっか」
 中に入ると独特の泥の匂いがして、湯船の方を見ると女性たちが泥まみれになっていた
 ここでは体を洗わずにまずそのまま泥に入るのがマナーらしい
 恐る恐る足先から浸かってみると、ヌリョっとした感触が足に伝わって、そこからゆっくりと下半身を覆って上半身へ
 ヌメヌメしてるんだけどかなり気持ちいいし暖かい
 それになんだか体のそこからぽかぽかとしてきた
「この黒泥はここの火山から生成されたもので、魔力が宿っています。その効果は体温の上昇と体内治癒力の活性化です。湯治に来る者も多いようですね」
 そういえばさっき脱衣所で見かけた女性達は何かしら傷があったな。深い傷跡がある人もいれば、ちょっとした擦り傷の人も
「ここで治癒力を高められると後々に残りそうな傷跡もきれいに治癒するため、女性冒険者に人気なのですよ」
 ラキアさんはそう言って真新しそうな腕の傷を僕に見せて、それを黒泥にしばらくつけてから持ち上げた
 泥を落とすとびっくり。まあまあ深そうな傷だったのにそれがきれいさっぱり無くなっているではないですか!
「どうですか? 私もよくここに来ていますが、素晴らしい効能だと思いませんか?」
「うんうん、女性冒険者ならなおさら嬉しいよね」
 とりあえずこの泥の感触を楽しみながらゆっくりと骨身に染みさせるように浸かった
 骨身がないからこの表現はどうかと思うけどね

 ばっちり楽しんでから外に出ると突然僕宛に手紙が届いた
 伝書クルバットという蝙蝠が運んでくれたんだけど、その差出人は魔王キーラちゃんからだった
 急いで封書を開いてみると、魔族国ジューオンに強大な魔物復活の兆しがあり、至急応援要請をしたいとの内容だった
 かなり切羽詰まっているのか、文字は走り書きのようだった
「これ、キーラちゃんが危ないってことなんじゃ」
「そのようですね。魔族国は今や同盟国、その王が助けを求めているのです、行かない訳にはいかないでしょう。それに、リディエラ様とキーラはお友達でしょう?」
「うん! 助けに行こう!」
 僕らはまず身支度を整えるために宿に戻った
 なぜかラキアさんも急いでるけど、もしかしてついて来る気なのかな?
「もちろん私も行きますとも! 魅力的な魔族の女性たちを救うために私も微力ながらお力添えをさせていただきたい所存です! ハァハァ、魔王は女の子と聞き及んでおります。是非ともお近づきになりたい!」
 また暴走しそうなので叱っておこう
 でもラキアさんが来てくれるなら心強いし、いまだ深い人間と魔族の溝を埋めるきっかけにもなるかもしれない
 僕ら精霊のことは信頼してくれているみたいなんだけど、エルフや人間となると警戒するみたい
 まあラキアさんは僕達精霊の加護もち、しかも僕という最上位精霊の加護までもっているから信頼に足る人物として見てくれると思うよ
 支度も終えたところで、僕らは魔王城へ直結している転移装置を使うために一度精霊国に戻ることにした
 母さんにも挨拶しておこう
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