精霊王女になった僕はチートクラスに強い仲間と世界を旅します

カオリグサ

文字の大きさ
334 / 1,022

三獣鬼と三妖鬼11

 海に出たはいいっすけどなんか静かっすね
 普段ならアヤカシがすぐにでも出て来るってのに今日はなんだか様子が変っす
「アカネさん、海が!」
「なんだよあれ!」
「おいおいおい、潮の満ち引きでもこんなことにはならねぇはずだぞ」
「全員戦闘態勢! 何か来るっす!」
 海水が一気に引いていき、船の周りから波がなくなった
 こんなのアヤカシの力じゃないっす・・・。これは一体なんなんすか?
 海水はすっかり干上がり、船は海底の砂にぽつりと置かれている状態
 水が無くなったことであらわになった海底には魚やエラ呼吸しかできない魔物、妖魔がピチピチと苦しんでいるっす
 何が起こってるっすかこれ
 戦闘態勢のまま辺りを警戒していると干上がった水が戻って来たっす
 一気に水が戻ったせいでまるで津波のような揺れが起きて船を飲み込もうとしたっすけど、この船には船大工の鬼仙たちによって妖術がかけられてるっすから絶対転覆しないんす
 再び水の上に出た船から海辺を見ると、船を囲むように大きな壁があったっす
 いや、これは壁じゃなくて鱗のある体表…。大きすぎるっす。アヤカシの成体っすか!?
「ア、アカネさん、あれ」
「ウワァアアア! 俺たちはここで死ぬんだぁあ!」
「ひぃ! で、でかい、龍か?」
「なんすか、あの顔は・・・。アヤカシじゃないっす」
 体は恐らく数キロはあろうかという巨体に、百メートルはありそうな巨大な顔がついているっす
 こんなのこの辺りじゃ見たことないっす
 それに辺りを覆いつくすほどの強大な魔力。アヤカシの妖力の比じゃないっすね
 恐らくはSランクオーバー、それどころか厄災級をも超えた神話級の可能性があるっす
 逃げたいっすけど、船を体で取り囲まれていて身動きが取れそうにないっす
 すまないっすよ兵たち。あたしがアヤカシを倒そうなんて言わなきゃこんなことにはならなかったっす
 あたしたちの命運はここで尽きたっす
 もう一度、ハクラちゃんに会いたかったっすけどこれはもう無理そうっすね
「アカネさん・・・」
「これはもうだめそうですね」
「僕、彼女欲しかったなぁ」
「ああ、ソウカさんの飯をもう一度食べたかった」
 みんな諦め始めてるっす
 普段のあたしだったら奮い立たせて一緒に戦うっすけど、今回はどう考えても最悪な未来しか見えないっす
 く、あたしがもっと警戒していればこんなことにはならなかったんす
「ごめん皆、あたしが何とか逃げる時間を稼ぐっすから、道が開けたら全力で逃げるっす」
「何言ってるんですかアカネさん!」
「俺たちも一緒に戦います!」
「そうですよ。僕らだってだてに鍛えられてませんよ!」
 嬉しいこと言ってくれるっすけど、こいつらには家族がいるっす
 あたしみたいに両親もすでに他界、兄弟姉妹もいないやつならだれも悲しまないっす
「お前らがいたんじゃ足手まといっす。邪魔だからとっとと行くっすよ」
 あたしは仙力で宙を駆けだすと龍のような化け物に向かって走ったっす
 まずは気付けの一発っす
「赤鬼流格闘術奥義! 大玄骨おおげんこつ!」
 元々使えた格闘術に合わせて超高密度に仙力を込めた拳で思いっきり殴る。これがどんな魔物にでも効くって教えてもらったっす
 ただこれほど巨大だと効くのかどうか怪しいっすけどね
 拳が龍の頭に直撃して鉄の塊を殴ったような音がしたっす
 あたしの拳は砕けてぐちゃぐちゃになったっすけど、どうやら龍にもダメージを与えれたみたいっすね
 そのまま砕けた右手と大丈夫な方の左手も使って何度も何度も殴り続けたっす
 右手からは骨が飛び出て、指が裂け飛んだけど痛くないっす。あたしには守らなきゃいけない人たちがいるっすからね
 のけ反った龍がこっちを見たっす
 ダメージは・・・。ほとんど与えれていなかったみたいっす
 龍は大きく口を開けて、あたしに迫ってくるっす
 ここまでっすね。今の攻撃で右手はほとんどちぎれかかってるし、左手も骨がぐちゃぐちゃでだらんと垂れ下がってるだけっす
 口がもう目前、あいつらはみんな逃げ切ったっすかね?
 最初ののけ反りで道は開いたはずっす
「アカネさぁああん!」
「今助けに行きます!」
「うおおお! 俺だってやるときゃやるんだ!」
「絶対アカネさんを死なすんじゃねぇぞ!」
「馬鹿! 何で戻って来たんすか! 死ぬ気っすか!」
「アカネさんがいなきゃ、俺たちはここまで強くなれなかった」
「家族を守れないただの一兵でしかなかったんです」
「俺たちはアカネさんが好きなんですよ! おいお前ら! 気合入れろ!」
「「ウォオオオオ!!」」
 船から鬼人と鬼仙の男たちがジャンプして龍に攻撃をしてるっす
 仙力が高まってる!?
「「一轟天仙いちごうてんせん! 大鬼覇気おおおにのはき!」」
 仙力と妖力、そして気力が合わさってる?
 こんなの教えてないはずっす
 彼らが放った覇気は大きな鬼となって龍の首を持つと覇気で出来た刀でその首を両断したっす
 大鬼は竜の首を断ったところで消えて、船には男たちが全員倒れているようっす
「お前ら、こんな無茶苦茶して・・・。最高の部下っす!」
 気絶してる男たちを一人一人抱きしめてあげたいっすけど、腕がぐちゃぐちゃすぎて自分の体すら支えれないっすね
 これはしばらくあたしは戦えないっすけど、成長したこいつらがいれば鬼ヶ島は安泰っすね
感想 2

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました

蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈ 絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。 絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!! 聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ! ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!! +++++ ・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)

異世界転生~チート魔法でスローライフ

玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。 43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。 その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」 大型連休を利用して、 穴場スポットへやってきた! テントを建て、BBQコンロに テーブル等用意して……。 近くの川まで散歩しに来たら、 何やら動物か?の気配が…… 木の影からこっそり覗くとそこには…… キラキラと光注ぐように発光した 「え!オオカミ!」 3メートルはありそうな巨大なオオカミが!! 急いでテントまで戻ってくると 「え!ここどこだ??」 都会の生活に疲れた主人公が、 異世界へ転生して 冒険者になって 魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。 恋愛は多分ありません。 基本スローライフを目指してます(笑) ※挿絵有りますが、自作です。 無断転載はしてません。 イラストは、あくまで私のイメージです ※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが 少し趣向を変えて、 若干ですが恋愛有りになります。 ※カクヨム、なろうでも公開しています

拾ったメイドゴーレムによって、いつの間にか色々されていた ~何このメイド、ちょっと怖い~

志位斗 茂家波
ファンタジー
ある日、ひょんなことで死亡した僕、シアンは異世界にいつの間にか転生していた。 とは言え、赤子からではなくある程度成長した肉体だったので、のんびり過ごすために自給自足の生活をしていたのだが、そんな生活の最中で、あるメイドゴーレムを拾った。 …‥‥でもね、なんだろうこのメイド、チートすぎるというか、スペックがヤヴァイ。 「これもご主人様のためなのデス」「いや、やり過ぎだからね!?」 これは、そんな大変な毎日を送る羽目になってしまった後悔の話でもある‥‥‥いやまぁ、別に良いんだけどね(諦め) 小説家になろう様でも投稿しています。感想・ご指摘も受け付けますので、どうぞお楽しみに。

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

転生してチートを手に入れました!!生まれた時から精霊王に囲まれてます…やだ

如月花恋
ファンタジー
…目の前がめっちゃ明るくなったと思ったら今度は…真っ白? 「え~…大丈夫?」 …大丈夫じゃないです というかあなた誰? 「神。ごめんね~?合コンしてたら死んじゃってた~」 …合…コン 私の死因…神様の合コン… …かない 「てことで…好きな所に転生していいよ!!」 好きな所…転生 じゃ異世界で 「異世界ってそんな子供みたいな…」 子供だし 小2 「まっいっか。分かった。知り合いのところ送るね」 よろです 魔法使えるところがいいな 「更に注文!?」 …神様のせいで死んだのに… 「あぁ!!分かりました!!」 やたね 「君…結構策士だな」 そう? 作戦とかは楽しいけど… 「う~ん…だったらあそこでも大丈夫かな。ちょうど人が足りないって言ってたし」 …あそこ? 「…うん。君ならやれるよ。頑張って」 …んな他人事みたいな… 「あ。爵位は結構高めだからね」 しゃくい…? 「じゃ!!」 え? ちょ…しゃくいの説明ぃぃぃぃ!!

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

貧乏育ちの私が転生したらお姫様になっていましたが、貧乏王国だったのでスローライフをしながらお金を稼ぐべく姫が自らキリキリ働きます!

Levi
ファンタジー
前世は日本で超絶貧乏家庭に育った美樹は、ひょんなことから異世界で覚醒。そして姫として生まれ変わっているのを知ったけど、その国は超絶貧乏王国。 美樹は貧乏生活でのノウハウで王国を救おうと心に決めた! ※エブリスタさん版をベースに、一部少し文字を足したり引いたり直したりしています