335 / 1,022
桃源郷5
しおりを挟む
二階層に来るとまたしても霧が立ち込めていて視界がかなり悪かった
マコさんと手を繋いで進むと猫らしき影が時折僕らの足元を走っていくのが見える
人に慣れてるのか、足にスリスリしてくれる猫ちゃんもいるみたいで癒されるよ
「結構進みましたがまだ何も見当たりませんね。幻術らしき気配もありませんし、この階層はかなり長いのでしょうか?」
「どうだろう。でも道はまっすぐ続いてるみたいだからこのまま進んでればいずれ着くんじゃないかな?」
そう思ってずっと進んでみてるけど、約一時間かけても何もない
猫ちゃんがたまに通り過ぎるだけ
「おかしいなあ、一階層はすぐに広場に抜けたのにこの階層は道が続くだけで何も見えない。幻術って感知できないものもあるの?」
「は、はい、そうです! 感知できない幻術。薬効による幻覚なら魔力や仙力の感知ができません。そうでした、その可能性に気づかないなんて私はなんと愚かなのでしょう。申し訳ありません精霊様」
「お、怒ってないよ。じゃあつまりこれは薬で幻覚を見せられてるってことでいいんだね?」
「はい、ほぼ確定かと思われます」
それなら話が早い
「えーっと、光魔法、アンチハルシネイション」
幻覚に抵抗する魔法をかけてみた
するとさっきまでの霧が嘘のように晴れて道がはっきりと見えるようになった
「うわぁ、そういうことか」
「こんな簡単な罠にかかるなど、恥ずかしい限りです」
道はぐるりと一周していて、本当の道は草に隠れて見えなくなっていた
そのぐるりと一周というのを幻覚でまっすぐに見せれてただけだったんだよ
「ともかくこれで先にはすすめそうだね」
草をかいくぐって道の先へ行くとものの五分ほどで広場に着いた
そこには真っ白な猫が座っていて微笑んでいた
そう、微笑んでいたんだよ
なんというかちょっといたずらっ子っぽい笑みなんだけど、それがまた可愛い
触ってもいいのかな?って近づこうとするとすでにマコさんが走り出していて白猫ちゃんを掴んだ
「よーしよしよしよしカワイイですねぇええ! 何でちゅか? 笑ってるんでちゅか~。ほら精霊様も・・・! はっ・・・。すみません、お見苦しい所をお見せしました」
「う、うん、正気に戻ってくれてよかったよ」
いまだ白猫ちゃんのお腹をこしょこしょしているマコさんだけどね
「そろそろ放してくださいまし」
「しゃ、しゃべった!?」
「そりゃあ喋りましょうとも。わたくしこれでもエリート猫又ですのよ?」
そう言う白猫ちゃんはくるんとマコさんの手から飛び上がって着地
その姿を人型に変えた
いかにもなお嬢様というゴシックロリータ風の服装に、縦ロールなツインテールの目がキリッとした可愛い女の子の姿
僕と同じ十歳くらいの年齢に見える
「わたくしはアニャベラですの。今回この第二階層の試験官を務めさせていただきますわ」
「君が試験官なの? 僕らは何をすればいいのかな?」
「ええ、ニャコ様から仰せつかったのは、クイズですわ!」
「クイズ、ですか? あの、そのクイズというのはどういうものなのでしょうか?」
どうやらマコさんはクイズという言葉を知らないみたい
「えっとね、問題だよ問題」
「問題、ですか。それなら私でも答えれそうです!」
「準備はよろしくて? では参りますわよ」
アニャベラちゃんが右手を振り上げると天井がちかちかと、まるでミラーボールでも飾っているかのように輝きだした
そして流れて来る軽快な音楽
「ではルールを説明いたしますわ。わたくしのこれから出題する問題に十問答えていただきますの。そのうちの六問を正解すれば先に進めますわ。逆に五問間違えるとその時点で失格ですの。すぐに外へ排出されますわ」
「なるほど、六問正解すればいいんだね。よし、どんとこいだよ!」
「フフフ、その意気ですわよ。では早速いきますわ! 第一問!」
テレーンというクイズ出題の音の後、アニャベラちゃんがいつの間にか取り出していたフリップの問題を読み上げる
「猫の祖先は犬と同じである。丸かバツか、ですの!」
「これ知ってる! 丸だよ!」
この話は前世でテレビの動物番組で聞いたことがあるね
確かもともと同じ木の上に暮らしていた動物が、地面に降りて草原へ行ったものと木の上に残ったものに分かれて、草原へ行ったものは犬の祖先に、木の上に残ったものは猫の祖先に成ったらしい
だから犬は草原をかけて得物を捕らえれる体に、猫は木から落ちても着地できるしなやかな体に進化したって聞いたよ
「正解ですの! こんなのわたくしも知らないですわよ。さすが精霊と言ったところですわね」
まあこの知識は精霊ってところは関係ないけどね。前世の知識だし
「さすが精霊様です! 私も負けていられません! アニャベラ様、私も答えて見せます!」
「うんうん、頑張って頂戴な。じゃあ次の問題行きますわよ!」
何か本当のクイズ番組に出てるみたいで楽しいな
マコさんと手を繋いで進むと猫らしき影が時折僕らの足元を走っていくのが見える
人に慣れてるのか、足にスリスリしてくれる猫ちゃんもいるみたいで癒されるよ
「結構進みましたがまだ何も見当たりませんね。幻術らしき気配もありませんし、この階層はかなり長いのでしょうか?」
「どうだろう。でも道はまっすぐ続いてるみたいだからこのまま進んでればいずれ着くんじゃないかな?」
そう思ってずっと進んでみてるけど、約一時間かけても何もない
猫ちゃんがたまに通り過ぎるだけ
「おかしいなあ、一階層はすぐに広場に抜けたのにこの階層は道が続くだけで何も見えない。幻術って感知できないものもあるの?」
「は、はい、そうです! 感知できない幻術。薬効による幻覚なら魔力や仙力の感知ができません。そうでした、その可能性に気づかないなんて私はなんと愚かなのでしょう。申し訳ありません精霊様」
「お、怒ってないよ。じゃあつまりこれは薬で幻覚を見せられてるってことでいいんだね?」
「はい、ほぼ確定かと思われます」
それなら話が早い
「えーっと、光魔法、アンチハルシネイション」
幻覚に抵抗する魔法をかけてみた
するとさっきまでの霧が嘘のように晴れて道がはっきりと見えるようになった
「うわぁ、そういうことか」
「こんな簡単な罠にかかるなど、恥ずかしい限りです」
道はぐるりと一周していて、本当の道は草に隠れて見えなくなっていた
そのぐるりと一周というのを幻覚でまっすぐに見せれてただけだったんだよ
「ともかくこれで先にはすすめそうだね」
草をかいくぐって道の先へ行くとものの五分ほどで広場に着いた
そこには真っ白な猫が座っていて微笑んでいた
そう、微笑んでいたんだよ
なんというかちょっといたずらっ子っぽい笑みなんだけど、それがまた可愛い
触ってもいいのかな?って近づこうとするとすでにマコさんが走り出していて白猫ちゃんを掴んだ
「よーしよしよしよしカワイイですねぇええ! 何でちゅか? 笑ってるんでちゅか~。ほら精霊様も・・・! はっ・・・。すみません、お見苦しい所をお見せしました」
「う、うん、正気に戻ってくれてよかったよ」
いまだ白猫ちゃんのお腹をこしょこしょしているマコさんだけどね
「そろそろ放してくださいまし」
「しゃ、しゃべった!?」
「そりゃあ喋りましょうとも。わたくしこれでもエリート猫又ですのよ?」
そう言う白猫ちゃんはくるんとマコさんの手から飛び上がって着地
その姿を人型に変えた
いかにもなお嬢様というゴシックロリータ風の服装に、縦ロールなツインテールの目がキリッとした可愛い女の子の姿
僕と同じ十歳くらいの年齢に見える
「わたくしはアニャベラですの。今回この第二階層の試験官を務めさせていただきますわ」
「君が試験官なの? 僕らは何をすればいいのかな?」
「ええ、ニャコ様から仰せつかったのは、クイズですわ!」
「クイズ、ですか? あの、そのクイズというのはどういうものなのでしょうか?」
どうやらマコさんはクイズという言葉を知らないみたい
「えっとね、問題だよ問題」
「問題、ですか。それなら私でも答えれそうです!」
「準備はよろしくて? では参りますわよ」
アニャベラちゃんが右手を振り上げると天井がちかちかと、まるでミラーボールでも飾っているかのように輝きだした
そして流れて来る軽快な音楽
「ではルールを説明いたしますわ。わたくしのこれから出題する問題に十問答えていただきますの。そのうちの六問を正解すれば先に進めますわ。逆に五問間違えるとその時点で失格ですの。すぐに外へ排出されますわ」
「なるほど、六問正解すればいいんだね。よし、どんとこいだよ!」
「フフフ、その意気ですわよ。では早速いきますわ! 第一問!」
テレーンというクイズ出題の音の後、アニャベラちゃんがいつの間にか取り出していたフリップの問題を読み上げる
「猫の祖先は犬と同じである。丸かバツか、ですの!」
「これ知ってる! 丸だよ!」
この話は前世でテレビの動物番組で聞いたことがあるね
確かもともと同じ木の上に暮らしていた動物が、地面に降りて草原へ行ったものと木の上に残ったものに分かれて、草原へ行ったものは犬の祖先に、木の上に残ったものは猫の祖先に成ったらしい
だから犬は草原をかけて得物を捕らえれる体に、猫は木から落ちても着地できるしなやかな体に進化したって聞いたよ
「正解ですの! こんなのわたくしも知らないですわよ。さすが精霊と言ったところですわね」
まあこの知識は精霊ってところは関係ないけどね。前世の知識だし
「さすが精霊様です! 私も負けていられません! アニャベラ様、私も答えて見せます!」
「うんうん、頑張って頂戴な。じゃあ次の問題行きますわよ!」
何か本当のクイズ番組に出てるみたいで楽しいな
0
あなたにおすすめの小説
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
1×∞(ワンバイエイト) 経験値1でレベルアップする俺は、最速で異世界最強になりました!
マツヤマユタカ
ファンタジー
23年5月22日にアルファポリス様より、拙著が出版されました!そのため改題しました。
今後ともよろしくお願いいたします!
トラックに轢かれ、気づくと異世界の自然豊かな場所に一人いた少年、カズマ・ナカミチ。彼は事情がわからないまま、仕方なくそこでサバイバル生活を開始する。だが、未経験だった釣りや狩りは妙に上手くいった。その秘密は、レベル上げに必要な経験値にあった。実はカズマは、あらゆるスキルが経験値1でレベルアップするのだ。おかげで、何をやっても簡単にこなせて――。異世界爆速成長系ファンタジー、堂々開幕!
タイトルの『1×∞』は『ワンバイエイト』と読みます。
男性向けHOTランキング1位!ファンタジー1位を獲得しました!【22/7/22】
そして『第15回ファンタジー小説大賞』において、奨励賞を受賞いたしました!【22/10/31】
アルファポリス様より出版されました!現在第四巻まで発売中です!
コミカライズされました!公式漫画タブから見られます!【24/8/28】
マツヤマユタカ名義でTwitterやってます。
見てください。
真祖竜に転生したけど、怠け者の世界最強種とか性に合わないんで、人間のふりして旅に出ます
難波一
ファンタジー
"『第18回ファンタジー小説大賞【奨励賞】受賞!』"
ブラック企業勤めのサラリーマン、橘隆也(たちばな・りゅうや)、28歳。
社畜生活に疲れ果て、ある日ついに階段から足を滑らせてあっさりゲームオーバー……
……と思いきや、目覚めたらなんと、伝説の存在・“真祖竜”として異世界に転生していた!?
ところがその竜社会、価値観がヤバすぎた。
「努力は未熟の証、夢は竜の尊厳を損なう」
「強者たるもの怠惰であれ」がスローガンの“七大怠惰戒律”を掲げる、まさかのぐうたら最強種族!
「何それ意味わかんない。強く生まれたからこそ、努力してもっと強くなるのが楽しいんじゃん。」
かくして、生まれながらにして世界最強クラスのポテンシャルを持つ幼竜・アルドラクスは、
竜社会の常識をぶっちぎりで踏み倒し、独学で魔法と技術を学び、人間の姿へと変身。
「世界を見たい。自分の力がどこまで通じるか、試してみたい——」
人間のふりをして旅に出た彼は、貴族の令嬢や竜の少女、巨大な犬といった仲間たちと出会い、
やがて“魔王”と呼ばれる世界級の脅威や、世界の秘密に巻き込まれていくことになる。
——これは、“怠惰が美徳”な最強種族に生まれてしまった元社畜が、
「自分らしく、全力で生きる」ことを選んだ物語。
世界を知り、仲間と出会い、規格外の強さで冒険と成長を繰り広げる、
最強幼竜の“成り上がり×異端×ほのぼの冒険ファンタジー”開幕!
※小説家になろう様にも掲載しています。
神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします
夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。
アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。
いわゆる"神々の愛し子"というもの。
神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。
そういうことだ。
そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。
簡単でしょう?
えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか??
−−−−−−
新連載始まりました。
私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。
会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。
余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。
会話がわからない!となるよりは・・
試みですね。
誤字・脱字・文章修正 随時行います。
短編タグが長編に変更になることがございます。
*タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。
【完結】辺境に飛ばされた子爵令嬢、前世の経営知識で大商会を作ったら王都がひれ伏したし、隣国のハイスペ王子とも結婚できました
いっぺいちゃん
ファンタジー
婚約破棄、そして辺境送り――。
子爵令嬢マリエールの運命は、結婚式直前に無惨にも断ち切られた。
「辺境の館で余生を送れ。もうお前は必要ない」
冷酷に告げた婚約者により、社交界から追放された彼女。
しかし、マリエールには秘密があった。
――前世の彼女は、一流企業で辣腕を振るった経営コンサルタント。
未開拓の農産物、眠る鉱山資源、誠実で働き者の人々。
「必要ない」と切り捨てられた辺境には、未来を切り拓く力があった。
物流網を整え、作物をブランド化し、やがて「大商会」を設立!
数年で辺境は“商業帝国”と呼ばれるまでに発展していく。
さらに隣国の完璧王子から熱烈な求婚を受け、愛も手に入れるマリエール。
一方で、税収激減に苦しむ王都は彼女に救いを求めて――
「必要ないとおっしゃったのは、そちらでしょう?」
これは、追放令嬢が“経営知識”で国を動かし、
ざまぁと恋と繁栄を手に入れる逆転サクセスストーリー!
※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。
【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます
腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった!
私が死ぬまでには完結させます。
追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。
追記2:ひとまず完結しました!
貴族令嬢、転生十秒で家出します。目指せ、おひとり様スローライフ
凜
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞にて奨励賞を頂きました。ありがとうございます!
貴族令嬢に転生したリルは、前世の記憶に混乱しつつも今世で恵まれていない環境なことに気が付き、突発で家出してしまう。
前世の社畜生活で疲れていたため、山奥で魔法の才能を生かしスローライフを目指すことにした。しかししょっぱなから魔物に襲われ、元王宮魔法士と出会ったり、はては皇子までやってきてと、なんだかスローライフとは違う毎日で……?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる