精霊王女になった僕はチートクラスに強い仲間と世界を旅します

カオリグサ

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猿人族の国6

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 さらに先に進んでいくと今度は大きな木々が生える森になっている場所に出た
 あれ? 次の階層への扉ってまだなのかな?
 不思議に思いつつも道が続くのでまっすぐ進んでいく
 なんだか森のそこかしこから見られてる気がするんだけど
「精霊様、気を付けるネ。もう囲まれてるヨ」
「え、やっぱり何かいるの?」
「恐らく狒々ネ。群れで敵を襲う厄介な魔物ヨ。凶暴で、迷宮以外でも人を食べることあるヨ」
「そういえばこの迷宮の名前って“狒々王の迷宮”って言ってたね。ってことは、やっぱり最奥には狒々の王がいるってこと?」
「私は入ったことなかったから分からないヨ。ワスカ様なら何度か入ってるネ」
「勇気が試されるって言ってたけど、どういうことなんだろ?」
「それも分からないヨ。でもエコ様が結構けこう中を変えてるっておしゃてたから、ワスカ様が挑戦した時とは違うかもしれないヨ」
「そっか、あれ? ハクラちゃん何してるの?」
「その、ちょっと、頭上に、何かいませんか?」
 しきりにキョロキョロしてるハクラちゃんの上を見ると、複数の狒々と見られる魔物が不気味な笑い顔でハクラちゃんを見ていた
 そして僕らが気づいたと同時に、一気にとびかかってきた
「うわ!」
「ひっこの!」
「何するかこの変態!」
「それはルカナさんに言われたくないと思、ちょ、ほんとにどこ触ってるんだよ!」
 狒々たちは僕らの体をまさぐっている
 なんていやらしい手つきなんだ
 僕とハクラちゃんはお尻を、ルカナさんは胸を揉みしだかれる
「この! いい加減にしろ!」
 怒って魔力を思いっきり解放して精霊魔法を撃ち込む
 燃え上がる狒々たち。だけどすぐに体についた火は消えて、狒々はニヤリと笑う
「こいつら、魔法に耐性あるみたいヨ。私がボッコボコにするネ!」
「私も、アフン。手伝います。アヒッ」
 拳に気力を溜めて殴り始めるルカナさんに続いて、つやめかしい声をあげながら刀を抜くハクラちゃん
 ハクラちゃんのお尻にはずっと狒々の一匹が張り付いていやらしい顔をしている
 それを引きはがして斬りつけた
 どうやら刀や拳による物理攻撃なら有効みたいだね
 僕も体にまとわりついていた狒々を引きはがしてハクラちゃんの方に投げ、それをハクラちゃんが斬り伏せる
 数が数だけに結構時間を食ったし、体力、というか精神的に疲れたよ
 終わったころには三人とも満身創痍
 とりあえず森の先にあった広場で休むことにした
「うひぃ、お尻がぁ」
「そちはまだいいヨ。こちなんて胸ネ。もうお嫁いけないヨ。精霊様貰てネ」
「あ、遠慮します」
「はぁ、姫はいいヨ。胸ないから」
「な!? 私だって少しありますよほら!」
「胸張っても出ないて相当ネ。お尻はいい形してるヨ」
「・・・。やっぱり、もう成長しないですよね?」
「精神生命体になったんだから、その辺調整できるんじゃないの?」
「それが、なぜか胸だけサイズが変わらないんです。あ、やばいです、泣きそうです」
 なんというか、かける言葉が見つからないな
 僕はまだ精霊の幼体と言っていいから、この先成長する見込みもあるんだけど、鬼神についてはまったくわかっていないしなぁ
 もしかしたら他の世界なら鬼神に関する情報があるかも
 あ、でも神様自体が鬼神の情報があまりないって言ってたしなぁ
 やっぱりかつてこの世界から旅立ったっていう絶桜鬼さんに会うしかないのかな?
 いつか帰ってくるって言ってたみたいだけど、それから何万年も経ってるみたいだし、もう帰ってこない可能性もある
 とりあえずうなだれるハクラちゃんを励まして、また先へ進み始めた
 まだまだ森は続き、狒々の数も増えてきて、本当に精神がすり減っていく
 なんだよこれ、セクハラの森だよ
 ルカナさんが言うには、本来の狒々はただ襲ってきて人を傷つけるんだけど、ここの狒々は何かおかしいみたい
 何故かセクハラばかりしてくる
 狒々を蹴散らしつつとにかく森の奥へ奥へ進んで、やっと次の階層への扉を見つけた
 そしてその前には、恐らく数百匹はいるであろう狒々の大群がいたんだ
「お、多いですね。もう、お尻触られたくないです」
 涙目のハクラちゃんの言うこともごもっとも
 近寄ってくる前に全部蹴散らしてやる!
「精霊様、姫、少し離れて戦て欲しネ。最大限力発揮するヨ」
「分かった。ハクラちゃん」
「はい!」
 僕とハクラちゃんはルカナさんから離れた場所で戦いを始めた
 一人になったルカナさんを一斉に狒々が取り囲んで、彼女を埋め尽くした
「あ! ルカナさん!」
 大変だ! あんな変態猿たちに囲まれたら、ルカナさんが!
 助けに入ろうとしたけど、何か大きな力の流れを感じて止まった
 バチバチという激しい音がして、狒々たちのあいだから上に如意棒が伸びる
 その如意棒は雷を帯びていた
雷哮らいこう!」
 ルカナさんの声が狒々の塊の中から響いて、如意棒が打ち付けられるととてつもない衝撃が地面に走った
 狒々たちは雷に打たれたかのように黒焦げになって地面に転がる
 その一撃だけでルカナさんの周りにいた狒々は一気に全滅
 残りの狒々たちも僕とハクラちゃんで一掃出来た
 ルカナさん、まだこんな隠し玉を持ってたんだ
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