精霊王女になった僕はチートクラスに強い仲間と世界を旅します

カオリグサ

文字の大きさ
395 / 1,022

翼人族の国再び2

しおりを挟む
 実を言うとこの国にはもう一つの名前がある
 というのも元々サリーシアという名前だったこの国には翼人族しかいなかったんだけど、鳥人族も住まうようになってから国土も広がって、二つ目の名前で呼ばれることも多くなった
 それがバーデラルキングダム
 翼を持つ者たちの国という意味を込めてるらしい
 そしてこの国を治めているのは翼王ゼラーヴァさんという大きな翼が特徴の力強いおじさん
 彼の娘である王女ナーリャちゃんはハクラちゃんの幼馴染なんだそうだ

 空を飛んで切り立った山々を抜けてようやく城にたどり着くと兵が慌てたように飛び出してきた
「ハクラ様! もしやまた神話級の魔物が出たのでしょうか!?」
「いえ、今日来たのは迷宮に行くためなんですけど」
「そ、そうでしたか。早とちりしました」
「取りあえずゼラーヴァさんの所へ案内お願いします」
「はい! あ、その、そちらの方は?」
「こちらは精霊王女様です」
「なんと! 精霊の! それはそれはこのようなところまで来ていただき、感激であります」
「そんなに緊張しないで下さい。視察とかじゃないですから」
「は、はいぃい!」
 声が震えてる
 でもまぁ案内はしっかりしてくれた
 それでゼラーヴァさんは初めて会ったけど、すらっとした渋いおじさんでかっこいい
 お妃の姿は見えないけど、この日は公務で他国に行ってたみたい
「これはこれは精霊様! よくぞお越しいただきました。私がこの国の王ゼラーヴァです。ハクラ姫も、この前はありがとう」
 そう言って椅子から降りて僕に膝ま付くゼラーヴァさん
「いえいえ、お礼ならお姉ちゃんに言ってください」
「ほれナーリャ、ご挨拶しなさい」
「はいお父様」
 ゼラーヴァさんの隣に立っていた可愛らしい胸のかなり大きな女の子、それがナーリャちゃんらしい
 ハクラちゃんよりも若くてほんわかした雰囲気
 彼女は大きな胸をユサユサと揺らしながらお辞儀をした
 うう、僕とハクラちゃんのコンプレックスをえぐってくれるじゃないか
「して本日は視察でしょうか? いかがでしょうかこの国は?」
「素晴らしい国だと思います。運送業が廃れ行く中でも別の仕事を見つけて様々な国との懸け橋にしている。それに自然と調和のとれた生活で僕達精霊にも住みよい場所だと感じま・・・。あ、違うんです。今日は視察ではなくてですね、迷宮に挑戦させてもらおうかなって」
「おお、そうでしたか! 迷宮はこの城の丁度真下、山の麓にあるのです。すぐに許可を出させますのでしばらくおまちください」
「はい」
「ハ、ハクラお姉ちゃん、待ってる間私がいれたお茶でもどうですか? 精霊様も是非!」
「うん、いただこうかな」
 ナーリャちゃんに自室に案内されて香り高いハーブティーを出してもらった
 すごくいい匂いで心が安らぐ
「そっか、お姉ちゃん、鬼神になれたんだ。やっぱりお姉ちゃんはすごいよ」
「えへへ、それほどでも」
「ハクラちゃんは努力家だからねぇ」
「はい! そうなんですよ精霊様! お姉ちゃんはいつでも頑張り屋さんですごいんです! 私が小っちゃい頃もいっぱい助けてくれて、それでそれで」
 ナーリャちゃんは怒涛の勢いでハクラちゃん、それからクロハさんとの思い出を語り始めた
 およそ一時間はずっと話し続けたと思う
 最後に冷めたハーブティーをごくりと飲み下したところで扉がノックされた
「失礼いたします姫様、精霊様とハクラ様の迷宮手続きが完了いたしましたのでご報告を」
「ありがとうバルクス。さ、精霊様、お姉ちゃん、迷宮までは私が案内しますね」
 ナーリャちゃんは嬉しそうに、それこそ宙に浮くかのような気持ちで僕らを城にある大扉の前まで連れてきてくれた
「これはえれべーたーという機械で、黒族の皆さんに取り付けてもらったものなのですが、これがまたすごく便利でして、迷宮まで一気に降りれるんです」
「わ、凄いねこれ」
「では行きましょう!」
 ナーリャちゃんテンション高いなぁ
 可愛い
 僕とハクラちゃんもナーリャちゃんに続いてエレベーターに乗り込んだ
 するとボタンが見当たらない
 え、これどうやって動かすの?って思ってたけどいきなりエレベーターが動き出した
「魔力操作なんだこれ」
「はい、ここにあるオーブに魔力を注ぐと動く仕組みになってるんです。各階層に降りるためには何階かを思い浮かべればいいだけなんですよ。すごくないですか!?」
「ナーリャちゃんは機械に興味があるの?」
「機械?ですか?」
「こういう装置のことだよ」
「はい! 凄いですよねこれ! 私いつか黒族の国に行っていろんな、その、機械ですか? 機械に触れてみたいんですよ!」
「それはいい夢だね。もしよかったら今度黒族に話しておくよ」
「本当ですか! 是非にお願いしたいです!」
「ナ、ナーリャ! 精霊王女様だからそんなにがっついちゃだめだよ!」
「あわわわわ! ごめんなさい!」
「大丈夫だってば。ハクラちゃんももっと気さくに話してくれればいいのに」
「そ、そういうわけには」
「いいってば。友達でしょ?」
「はい!」
 ハクラちゃんが嬉しそうにしてる
 友達でしょって言うのは少し恥ずかしかったけど、ハクラちゃんもそう思っててくれてよかったよ
 さてエレベーターは三千メートル以上の標高を一気に降りてもう麓に到着した
 凄い速さなのにこの中の気圧が変わらないのは黒族の特殊技術によるものらしい
 よし、気を入れなおして迷宮に挑戦しようっと
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

1×∞(ワンバイエイト) 経験値1でレベルアップする俺は、最速で異世界最強になりました!

マツヤマユタカ
ファンタジー
23年5月22日にアルファポリス様より、拙著が出版されました!そのため改題しました。 今後ともよろしくお願いいたします! トラックに轢かれ、気づくと異世界の自然豊かな場所に一人いた少年、カズマ・ナカミチ。彼は事情がわからないまま、仕方なくそこでサバイバル生活を開始する。だが、未経験だった釣りや狩りは妙に上手くいった。その秘密は、レベル上げに必要な経験値にあった。実はカズマは、あらゆるスキルが経験値1でレベルアップするのだ。おかげで、何をやっても簡単にこなせて――。異世界爆速成長系ファンタジー、堂々開幕! タイトルの『1×∞』は『ワンバイエイト』と読みます。 男性向けHOTランキング1位!ファンタジー1位を獲得しました!【22/7/22】 そして『第15回ファンタジー小説大賞』において、奨励賞を受賞いたしました!【22/10/31】 アルファポリス様より出版されました!現在第四巻まで発売中です! コミカライズされました!公式漫画タブから見られます!【24/8/28】 マツヤマユタカ名義でTwitterやってます。 見てください。

断罪後のモブ令息、誰にも気づかれずに出奔する

まる
ファンタジー
断罪後のモブ令息が誰にも気づかれないよう出奔して幸せを探す話

真祖竜に転生したけど、怠け者の世界最強種とか性に合わないんで、人間のふりして旅に出ます

難波一
ファンタジー
"『第18回ファンタジー小説大賞【奨励賞】受賞!』" ブラック企業勤めのサラリーマン、橘隆也(たちばな・りゅうや)、28歳。 社畜生活に疲れ果て、ある日ついに階段から足を滑らせてあっさりゲームオーバー…… ……と思いきや、目覚めたらなんと、伝説の存在・“真祖竜”として異世界に転生していた!? ところがその竜社会、価値観がヤバすぎた。 「努力は未熟の証、夢は竜の尊厳を損なう」 「強者たるもの怠惰であれ」がスローガンの“七大怠惰戒律”を掲げる、まさかのぐうたら最強種族! 「何それ意味わかんない。強く生まれたからこそ、努力してもっと強くなるのが楽しいんじゃん。」 かくして、生まれながらにして世界最強クラスのポテンシャルを持つ幼竜・アルドラクスは、 竜社会の常識をぶっちぎりで踏み倒し、独学で魔法と技術を学び、人間の姿へと変身。 「世界を見たい。自分の力がどこまで通じるか、試してみたい——」 人間のふりをして旅に出た彼は、貴族の令嬢や竜の少女、巨大な犬といった仲間たちと出会い、 やがて“魔王”と呼ばれる世界級の脅威や、世界の秘密に巻き込まれていくことになる。 ——これは、“怠惰が美徳”な最強種族に生まれてしまった元社畜が、 「自分らしく、全力で生きる」ことを選んだ物語。 世界を知り、仲間と出会い、規格外の強さで冒険と成長を繰り広げる、 最強幼竜の“成り上がり×異端×ほのぼの冒険ファンタジー”開幕! ※小説家になろう様にも掲載しています。

神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします

夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。 アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。 いわゆる"神々の愛し子"というもの。 神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。 そういうことだ。 そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。 簡単でしょう? えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか?? −−−−−− 新連載始まりました。 私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。 会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。 余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。 会話がわからない!となるよりは・・ 試みですね。 誤字・脱字・文章修正 随時行います。 短編タグが長編に変更になることがございます。 *タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。

【完結】辺境に飛ばされた子爵令嬢、前世の経営知識で大商会を作ったら王都がひれ伏したし、隣国のハイスペ王子とも結婚できました

いっぺいちゃん
ファンタジー
婚約破棄、そして辺境送り――。 子爵令嬢マリエールの運命は、結婚式直前に無惨にも断ち切られた。 「辺境の館で余生を送れ。もうお前は必要ない」 冷酷に告げた婚約者により、社交界から追放された彼女。 しかし、マリエールには秘密があった。 ――前世の彼女は、一流企業で辣腕を振るった経営コンサルタント。 未開拓の農産物、眠る鉱山資源、誠実で働き者の人々。 「必要ない」と切り捨てられた辺境には、未来を切り拓く力があった。 物流網を整え、作物をブランド化し、やがて「大商会」を設立! 数年で辺境は“商業帝国”と呼ばれるまでに発展していく。 さらに隣国の完璧王子から熱烈な求婚を受け、愛も手に入れるマリエール。 一方で、税収激減に苦しむ王都は彼女に救いを求めて―― 「必要ないとおっしゃったのは、そちらでしょう?」 これは、追放令嬢が“経営知識”で国を動かし、 ざまぁと恋と繁栄を手に入れる逆転サクセスストーリー! ※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。

【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます

腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった! 私が死ぬまでには完結させます。 追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。 追記2:ひとまず完結しました!

貴族令嬢、転生十秒で家出します。目指せ、おひとり様スローライフ

ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞にて奨励賞を頂きました。ありがとうございます! 貴族令嬢に転生したリルは、前世の記憶に混乱しつつも今世で恵まれていない環境なことに気が付き、突発で家出してしまう。 前世の社畜生活で疲れていたため、山奥で魔法の才能を生かしスローライフを目指すことにした。しかししょっぱなから魔物に襲われ、元王宮魔法士と出会ったり、はては皇子までやってきてと、なんだかスローライフとは違う毎日で……?

処理中です...