精霊王女になった僕はチートクラスに強い仲間と世界を旅します

カオリグサ

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黒い鬼神寂しがる

 あの子が、妹が旅立ってから数カ月が経過した
 私達双子はいつも一緒であの子は私にべったりくっついて離れなかったって言うのに
 ああ寂しい、あの時やはり私も一緒についていくべきだったのかしら
 いや、それでは頑張って独り立ちをしようとしているあの子の意思を無視することになる
 でもそれでも、ううう
 そんな感じであの子のいないあの子の部屋であの子の香りを胸いっぱいに吸い込む毎日
 それで何とかなっているのは幸いかしら
 ああハクラ、帰ってきたらいっぱい抱きしめて臭いを嗅いで、それからお風呂に一緒に入って一緒の布団で寝て
 過剰すぎると言われる愛をあの子に目一杯注ぐわ
 とにかくあの子が帰ってくるのを楽しみに待ちながら私は部下達の訓練を進める
 三獣鬼は今仙人たちの元修行中だから、私は他の鬼仙を鍛えているところ
 三幽鬼と三妖鬼ね
 まあこの子たちは既に童子へと進化出来ている
 凄いのは三幽鬼たちね
 独自の修行のみで自ら進化の壁を超えて童子になってしまったのだから
 今はその童子としての力を教えているところ
 私の方はというとだいぶ神力も体に馴染んだこともあってすこぶる調子がいいわ
「ほらあと五十回! こらチャダノ! 剣速が鈍ってる!」
「しかしクロハ様、私は戦闘向きでは」
 弱音を吐くチャダノ
「あなたも鍛えておけばいざというとき里のために動けるでしょう? それにあなたの力はどう考えても戦闘向きじゃない」
「そうは言われましても、私は昔からデスクワークタイプでして」
「ですくわあくとか訳の分からないことを言ってないで刀を振りなさいな」
「それパワハラですってクロハ様ぁ」
「もう! どこでそのような知らない言葉を覚えて来るのですか!」
「それはもちろん島に来る異世界人ですけど」
「はぁ、確かにこの国は異世界人が多く集まりますけど、チャダノと言いマリハと言い染まりすぎです」
「えー、あーしも? てかあーしの話し方エモっしょ?」
「もう訳が分からないから辞めて!」
 ふぅ、この二人は異世界に興味がありすぎて困りものだわ
 チャダノは異世界の文化に興味津々だし、マリハの方はこの前数人でこの世界に飛ばされたという異世界のぎゃる族とかいう種族と仲がいいし
 あのぎゃる族というのはなんなの!?
 態度はなってないし意味不明な言語を話すし
 マリハに通訳してもらわないと何言ってるか分からないじゃない!
 ふぅふぅ、また怒りが
 このところハクラがいないせいか沸点がかなり低くなってる気がするわ
 気がするというより実際そうなってるわね
 ハクラさえいれば癒しになるのに
 あの子を抱きしめるとこう、幸福感が押し寄せるのよね
「クロハ様、五十回終わりました」
「カイラは本当にいい子ね。ほら二人も見習いなさい」
「クロハ様、確かにこの二人は不真面目なところもありますが、こと訓練に関しては手を抜きません。どうかもう少し広い心でですね」
「そ、そうよね・・・。ごめんなさいね二人とも、私も頭に血が上りすぎていたわ」
「そんなことないってクロハっぴ、あーしもちゃんと頑張るからさ、ハクラっち帰って来るまでがんばろ」
「ありがとうマリハ」
 ああそうよね、この子たちは皆気遣いの出来る子達だったわね
 普段変人だから気づかない人も多いけど、人のことを思いやれる子達
 それはこの三鬼に限らず三妖鬼もそうなのよね
 本当に昔っから
「クロハ様、皆素振り終わりましたわ」
「ええシエノ、それじゃあ今日の訓練は終わりね。各自ゆっくり体を休ませなさい」
 私の特別訓練を終えた六鬼はそぞろ歩きながら屋敷へと戻って行った
 さて、私も神力を体になじませてから夕食にでもしましょうか
 ソウカがいないから城の食堂は最近人が少ないのよね
 まあ私は部屋まで運んでもらえるから関係ないのだけれど
 私は訓練場の真ん中に茣蓙ござを敷いて胡坐をかくと瞑想を始めた
 しっかりと内側にある力と向き合ってからそれを体の中に巡らせるイメージ
 私の思うところこれが一番馴染ませる効率がいいわ。私の場合はだけどね
 そうそう、呪力も最近力が増しているから相手を見ただけで呪えるようになったのよね
 しかも呪った相手に呪霊という召喚獣のようなものを取り憑かせることもできるようになったわ
 私も日々成長している
 ハクラが帰って来ても恥ずかしくないようにしっかり精進しなくちゃね
 ハクラ、早く帰ってきて。お姉ちゃん寂しい・・・
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