精霊王女になった僕はチートクラスに強い仲間と世界を旅します

カオリグサ

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馬人族の国2

 加護を与えてすぐに迷宮へと案内してもらった
 地下にある扉をくぐるとそこには封印されたかのような、カギと鎖でがんじがらめになった迷宮入り口が見えた
「今開きますので少々お待ちください」
「何でこんなに厳重なんですか?」
「それは、この里に多くの者が来ないようにです。一般的にはあまりにも危険な迷宮で今まで入った者は百パーセント帰って来ていないと言ってありますが、その実この迷宮では様々な宝が手に入るのです」
「ああ、そう言えば本来の迷宮ってそういう感じだったね。多くの宝、素材が手に入る夢のような場所、だっけ?」
「はい、ここはその量が他の比ではないんです。年に一度だけ解放して信頼のおける者にだけ迷宮攻略を了承しているのですが、今回は精霊様の修行のためでもありますし、馬神リコ様からの要請もありましたからね」
「馬神様はもう中に?」
「はい恐らく。神界からは直接内部に入れるようですし、すでに中にいらっしゃると思います」
「ありがとうケリウスさん、それじゃあ行ってくるね」
「はい、私はここでお待ちしております」
「え、でも時間がかかるかも」
「大丈夫です。こちらの横に一応生活スペースがありますので」
「そうなんだ」
 僕とハクラちゃんは解放された迷宮入り口を通って中へ入っていった
 なんだか今までと違って光に包まれて、目を開けると真っ白な部屋の中だった
「むお! 来たでござるな。拙はリコでござる。こう見えて馬神というもので、元麒麟でござるよ」
「麒麟って、あの神獣の?」
「そうでござる! 神獣から神になれたのでござるよ! 思えば長かったでござる。拙は神獣としてアマテラス様に仕え、そこから血のにじむような努力をし、石野さんとかの異変を静め、アマテラス様に召し上げられたのでござるよ。それ以来我ら十二神獣は十二獣神としてアマテラス様のもとで更なる研鑽を積み、手助けをしているのでござる。今回仰せつかったのはそなたらの強化なのだが、正直何をどう強化すればいいのか全く分からん! 何せ拙含め何人かは戦闘特化型でござるからな! 故にそなたらには拙と単純に戦ってもらうでござる。手は抜けぬ尚文ゆえ始めから本気で来ねば死ぬぞ?」
 結構しゃべる人だけど、戦いになると目がキリッと上がって一気に黙り込んだ
 腰から二刀の刀を抜くとこちらに向ける
「来られよ」
「ハクラちゃん、最初っから全力だ、いいね?」
「はい!」
 僕は魔力を高めて全てのエレメントを合成
 あの時教わった極大魔法の準備を始める
 一方ハクラちゃんは神力をその身に深く浸透させると今までにないような雰囲気を醸し出した
 なんだろう、優しい気配となんだか恐ろしい気配が混在しているような、何とも言えない感覚だ
「神力解放、大炎白渦だいえんびゃっか!」
 うわ、寒い!
 炎の筈なのに物凄い冷気が周りに流れて来る
 僕まで凍えて震えちゃう
 リコ様を見ると、さすが全く震えてな・・・
 ん? よく見ると足が小刻みに、まるで生まれたての小鹿のように震えてるじゃないか
「さささささ寒いでごごごござるよよよよ」
「行きます!」
「む、来るか、しかし甘いでござる!」
 震えを御して空気の壁を突き破るパーンという音が響いたかと思うとハクラちゃんの後ろにリコ様が立っていて、二刀の刀を突き出す動作に移っていた
「危ない! リーベレルフレカ!」
 極大魔法は集中が必要だから撃てなかったけど、精霊魔法で何とかその攻撃の起動を変えれた
「ぬお! あの状態から拙の攻撃を止めるとは、お主なかなかに良い目を持っているでござるな!」
「ひう、危なかったぁ。精霊様ありがとうございます」
「油断大敵!」
 ほっとしたのもつかの間、ハクラちゃんの首すじに向けて刀が降り抜かれる
「ひゃわっとっと!」
 ハクラちゃんはその刀を恐るべき反射速度で弾いて刀による打ち合いが始まった
 キンキンと部屋中に音が響いて、打ち合うときだけ二人の姿が見える
 どんどん速度が上がって行って、僕の目じゃもう追えないや
 置いてけぼりみたいな感じで仕方なくその打ち合いが終わるのを待ったけど、二人の速度が上がって行ってるってことしかわからない
 ジッとその光景を見続けること数分後、ハクラちゃんが膝をついて倒れる姿が突然現れた
「うう、なんて速さ何ですかあの神様」
「ふっふっふ、拙の速さは神々の中でも特筆しているのでござるよ。お主程度では追いつけないでござる」
「極大魔法、ホリックレイ」
「え? ちょ」
「油断大敵なんでしょ?」
 二人が戦っている間に十分に極大魔法を撃てるだけの力は溜まった
 そしてこの極大魔法は指定した相手を当たるまで追い続ける魔法だ
 逃れるには同じくらいの威力の魔法で撃ち落とすか、魔法を無力化するしかないと思う
 でも見たところリコ様にはそんな魔法は使えない
「ぐぬぬあああああ! 危ない危ない危ない待って待って! そんなの当たったら拙溶けちゃうでござるぅううう!!」
「大丈夫、リコ様なら火傷程度で済むはずです」
「それでもやだよぉおおおお! ギブアップ! ギブアップするからやめてぇえええ!!」
「それじゃあ」
 僕は魔法を操っていた手をグッと握ってその魔法を全部消した
「ハァハァ、ハァハァ、何この子、とんでもないんでござるが? 全くレコもポコもとんでもない者を育てて」
「それで、どうですか僕達」
「合格でござるが、はぁ、拙は何の役にも立てなかったでござるなぁ」
「そんなことないです! リコ様のおかげで私、どう走ればさらに速くなるのかコツが掴めました!」
「それなら、良かったでござるが・・・。あ、次は蛇人族の国に行くといいでござる」
「蛇人族って確か砂漠の」
「あ、そうです、エスカナン砂漠に住むラミア族のことだと思います」
 蛇人族ことラミア族は蛇妖怪族とは違って魔法が得意な種族だ
 見た目はほとんど違いが分からないけど、温厚な蛇妖怪族と違って彼らは戦闘部族で、領域を犯そうものなら襲い掛かってくるらしい
 でも精霊のことは敬ってくれてるから大丈夫、かな?
 疲れ果てたリコ様にジュースを渡してから僕らは迷宮を出た
「あれ? 早かったですね」
「うん、一階層しかなかったからね」
「リコ様と戦われたのですか?」
「うん、恐ろしい速さだったよ」
「それはそれはお疲れ様です。まだ時間も早いので一度うちでお休みになりますか?」
「いいの? それはありがたいかな」
「はい是非とも!」
 帰ってからはまたケリウスさんやケイロンさんのお世話になった
 次は試練じゃなくて普通にここの迷宮に行ってみたいな
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