精霊王女になった僕はチートクラスに強い仲間と世界を旅します

カオリグサ

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兎人族の国3

 月で百魔物組手を始めて早数時間、一匹一匹はさほど強いわけじゃなくて、僕よりほんの少し弱いかなってくらい
 でもそのほんの少し弱いというのが厄介で、倒せるだけあって次の敵がすぐに来ちゃって休む暇がない!
 魔力はどんどんなくなっていくし、このままだといずれじり貧になるだろう。それにまだ半分も倒せてない。これはいよいよ厳しいかもしれない
 ハクラちゃんがいたときは連携を取ったりしてもっと素早く倒せてたから何とかなってたんだけど、こうやって一人になってみると僕は的確に相手の弱点や急所を突いて倒すってことが全然できてない
 そのせいか、いつまでも相手は倒れずに戦い続けることになってしまうんだ
 そこに気づいてから、僕は感知を使って相手の一番弱そうな部分を見極めて、最小限の動きでそこを突いて相手を動けなくしていった
 おお、どうやらこれが正解だったみたいで、今まで苦労していた戦いが思った以上に向上していったよ
 何せ一撃で相手が倒れるんだ。しかも魔法を使わずに拳だけでね
 なんだか格闘技の達人になったような気がして少し調子に乗りそうになったんだけど、そこはしっかりと気を引き締めなおして集中、倒れた魔物たちが次から次へと山になって積みあがっていった
「おおおお、凄いっち! やるっちにねお前! あちきの魔物たちは結構武闘派が多いっちよ。それを最小限の動きだけで制するとは、達人の域に達してるんじゃないっちか?」
 トコ様が褒めてくれた
「ありがとうございます! でもあと少し!」
「フフフ、なら最後の一匹はとっておきっち!」
「え、ちょ」
 いよいよ百匹目、その最後の一匹はとんでもない化け物が出てきた
「おいでませ! 星喰らい!!」
 それは超巨大な兎で、それこそこの月をあっという間に喰らいつくしそうなほど大きい
 アポピスさんほどじゃないけど、それでもこの大きさは反則級じゃないですか
「いくっち星喰らい! お前の力を見せてやるっちよ!」
「ちょっと待ってくださ、うわあああああああああわわわわわわ食べられる! 美味しく頂かれちゃう!」
「ふっふ~ん! どうだっちあちきの可愛い星喰らいは!! ほーれそのまま喰っちまうっち!」
「目的見失ってませんかあああああ!!! やめてぇええええ!!」
「うひゃひゃひゃひゃ! 行けええええ! 行け行けぇえええ!!」
 あ、だめだこの女神、なんかテンション上がっちゃってるから一向に止まる気配がない
 月をとにかく逃げまどって時々攻撃してるけど、魔法無効があるみたいだし普通に攻撃しても全く意に介してない
 こんなのどうやって倒せばいいって言うんだよ!
 そうやって逃げ回っていると、突然星喰らいの動きが止まった
「え、なに? どうしたの?」
「おかしいっち、何かつっかえて・・・。あわわわわわわわわわわわぁああああああ!!!」
「トコ様?」
 僕はトコ様から目線を下げて星喰らいの下を見てみた
 なんとそこには儚く淡い美しい女性が星喰らいの侵攻を止めるように立っていたんだ
「トコ? 何をしているのですか?」
「ツ、ツクヨミ様、これはその、トレーニングだっち。だからその、いたずらとかそういう類ではなくて・・・。ごめんなさいだっち」
「はいよろしい。では降りてきなさい」
「はいだっち」
 星喰らいから降りて送還するとトコ様はツクヨミ様の前に立った
「お仕置きです!」
 ツクヨミ様はトコ様のお尻を叩き始めた
「ごめんなさいっち! もうしませんんんんん!!」
「まったくお前は! 何のために姉様がお前の面倒を見ていたと思っているのです! そのイタズラ心を何とかしなさいとあれほど言ったでしょう!」
「うえーん、ごめんなしゃいっちぃいい!」
 ちーちーと泣くトコ様と、お尻を叩き続けるツクヨミ様、これどうしたらいいんだろう?
 しばらく待ってたらようやくお仕置きが終わったみたいだ
 お尻を真っ赤にして泣いているトコ様を連れてツクヨミ様が近づいてきた
「申し訳ありませんねリディエラ、この子にはきつく言っておきますから」
「い、いえ、修行の一環だったので僕は別に」
「フフ、お姉様の言う通り芯の強い子です。このトコは根は悪い子ではないのですが、如何せんイタズラ好きなのが玉に傷でして、まさか星喰らいを出すとは思いませんでした。これは一界の神でもてこずるのです。念のため見張っておいてよかったです」
「すみませんツクヨミ様、ありがとうございます。ですがトコ様をあまり攻めないで下さい。きっと僕のためを思ってやってくれてたと思いますので」
「フフ、お姉様のお気に入りだけはありますね。分かりました、これ以上はトコを叱るのはやめておきましょう。ほらトコ、リディエラに謝罪なさい」
「うう、ごめんっちリディエラぁ。ありがとうだっち。ううう、ツクヨミ様~、アコに会いに行きたいっち~」
「はいはい、相変わらずあの子にはべったりなのですね。ではリディエラ、この子を一緒にアコの元へ連れて行ってあげてくれませんか?」
「え? それはまぁ大丈夫ですけど」
「フフフ、お願いしますね」
 ツクヨミ様は目が覚めるような笑顔でスーッと消えてしまった
 僕は傍らを見ると僕の手をギュッと握ってグスグス言ってるトコ様と目が合った
「うううリディエラ~、乗せて~」
「はいはい、どうぞ」
 トコ様を抱えて肩車の要領で上に乗せると、安心したのかスヤスヤと寝息を立て始めた
 ホントに子供だ
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