503 / 1,022
ウル
時は遡ること十年前。リディエラが生まれる四年前のことだ
一つの概念が生まれた
それは次第に大きく膨らみ、やがて一個体の生命体を生成した
生命体は自我を持つには不安定で依り代を必要とし、蠢きながら手当たり次第に自分に合う器を探した
見つけたのは一人の商人だった
金にがめつい強欲商人で、金のためなら悪事にも手を染める。悪党と呼ぶにふさわしい男
生命体はその悪心に興味を引かれた
自我を得るためには強い感情が必要だ
感情を喰らい自らの糧として成長する
男の体の中で生命体はその悪心を糧に成長を続けた
なんて美味しい負の感情なんだろう
今までたくさんの人間の感情を喰らったが、喜びと悪心はこの生命体にとってはこの上ないごちそうだった
もし喜びや優しさと言った感情を喰らい続けていたなら未来は変わっていただろう
しかし生命体は悪心の方がエネルギーが強いことを理解し、積極的に悪心を持った人間に憑くようになった
そのため心に悪が芽生え、やがてそれが自我となった
自我が育ち切ると生命体は悪そのものとして動き始めた
「悪を成す。悪こそがこの世の理にして真理」
その考えを深く胸に刻み付け、生命体は自らをアウル・フェトンと名付けた
とある世界の言語で悪性の腫瘍という意味だ
悪性腫瘍のように自らの悪を広げよう。そんな思いがその名前には込められている
そしてアウルは動き始めた
今まで吸収した知識でやるべきことは既に見通しが立っている
まずは自分に賛同する者を集めて力をつける
目的を果たせる段階までは神々やそれに準ずる者たちに気づかれてはならない
ひっそりと慎重に、誰にも悟られることなく
アウルは一人禍々しく笑った
まずは賛同者を集めるために世界を巡る
様々な世界を巡り、アウルは多くの賛同者、協力者を集めて組織を作った
それこそがウル
立ち上げの段階で一度封印されていたイレギュラーに気づかれそうになったが、そこは何とかうまく隠すことができた
もし気づかれていたなら現在までうまくいくことはなかっただろう
封印の解かれたイレギュラーによって一瞬でウルは壊滅させられていたに違いない
だがうまくいった。そのため短い時間でイレギュラーへの対抗策までも見つけ出した
これでもう怖いものはない
こうして今より四年前、リディエラが生まれたのと時を同じくしてウルは大きく動き始めた
様々な世界でたくさんの能力者を攫い、洗脳し、脅迫し、それらを傘下に加えた
今や幹部軍を含め数億人もの強力な能力者を従わせたアウルは、ウルの総統として自らは手を下さずその目的を果たそうとしていた
その目的、大いなる悪を執行するためのプロセス
全ての世界の破壊と神々の抹殺だった
アウルは強い、でなければここまでの大きな組織になることはなかった
たった一つ見逃されてしまった悪心をその身に宿した概念生命体
それは今や取り返しのつかないほどに膨れ上がり、世界の悪性腫瘍として立ちはだかっているのだった
一つの概念が生まれた
それは次第に大きく膨らみ、やがて一個体の生命体を生成した
生命体は自我を持つには不安定で依り代を必要とし、蠢きながら手当たり次第に自分に合う器を探した
見つけたのは一人の商人だった
金にがめつい強欲商人で、金のためなら悪事にも手を染める。悪党と呼ぶにふさわしい男
生命体はその悪心に興味を引かれた
自我を得るためには強い感情が必要だ
感情を喰らい自らの糧として成長する
男の体の中で生命体はその悪心を糧に成長を続けた
なんて美味しい負の感情なんだろう
今までたくさんの人間の感情を喰らったが、喜びと悪心はこの生命体にとってはこの上ないごちそうだった
もし喜びや優しさと言った感情を喰らい続けていたなら未来は変わっていただろう
しかし生命体は悪心の方がエネルギーが強いことを理解し、積極的に悪心を持った人間に憑くようになった
そのため心に悪が芽生え、やがてそれが自我となった
自我が育ち切ると生命体は悪そのものとして動き始めた
「悪を成す。悪こそがこの世の理にして真理」
その考えを深く胸に刻み付け、生命体は自らをアウル・フェトンと名付けた
とある世界の言語で悪性の腫瘍という意味だ
悪性腫瘍のように自らの悪を広げよう。そんな思いがその名前には込められている
そしてアウルは動き始めた
今まで吸収した知識でやるべきことは既に見通しが立っている
まずは自分に賛同する者を集めて力をつける
目的を果たせる段階までは神々やそれに準ずる者たちに気づかれてはならない
ひっそりと慎重に、誰にも悟られることなく
アウルは一人禍々しく笑った
まずは賛同者を集めるために世界を巡る
様々な世界を巡り、アウルは多くの賛同者、協力者を集めて組織を作った
それこそがウル
立ち上げの段階で一度封印されていたイレギュラーに気づかれそうになったが、そこは何とかうまく隠すことができた
もし気づかれていたなら現在までうまくいくことはなかっただろう
封印の解かれたイレギュラーによって一瞬でウルは壊滅させられていたに違いない
だがうまくいった。そのため短い時間でイレギュラーへの対抗策までも見つけ出した
これでもう怖いものはない
こうして今より四年前、リディエラが生まれたのと時を同じくしてウルは大きく動き始めた
様々な世界でたくさんの能力者を攫い、洗脳し、脅迫し、それらを傘下に加えた
今や幹部軍を含め数億人もの強力な能力者を従わせたアウルは、ウルの総統として自らは手を下さずその目的を果たそうとしていた
その目的、大いなる悪を執行するためのプロセス
全ての世界の破壊と神々の抹殺だった
アウルは強い、でなければここまでの大きな組織になることはなかった
たった一つ見逃されてしまった悪心をその身に宿した概念生命体
それは今や取り返しのつかないほどに膨れ上がり、世界の悪性腫瘍として立ちはだかっているのだった
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】発明家アレンの異世界工房 ~元・商品開発部員の知識で村おこし始めました~
シマセイ
ファンタジー
過労死した元商品開発部員の田中浩介は、女神の計らいで異世界の少年アレンに転生。
前世の知識と物作りの才能を活かし、村の道具を次々と改良。
その発明は村の生活を豊かにし、アレンは周囲の信頼と期待を集め始める。
異世界転生~チート魔法でスローライフ
玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。
43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。
その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」
大型連休を利用して、
穴場スポットへやってきた!
テントを建て、BBQコンロに
テーブル等用意して……。
近くの川まで散歩しに来たら、
何やら動物か?の気配が……
木の影からこっそり覗くとそこには……
キラキラと光注ぐように発光した
「え!オオカミ!」
3メートルはありそうな巨大なオオカミが!!
急いでテントまで戻ってくると
「え!ここどこだ??」
都会の生活に疲れた主人公が、
異世界へ転生して 冒険者になって
魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。
恋愛は多分ありません。
基本スローライフを目指してます(笑)
※挿絵有りますが、自作です。
無断転載はしてません。
イラストは、あくまで私のイメージです
※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが
少し趣向を変えて、
若干ですが恋愛有りになります。
※カクヨム、なろうでも公開しています
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
拾ったメイドゴーレムによって、いつの間にか色々されていた ~何このメイド、ちょっと怖い~
志位斗 茂家波
ファンタジー
ある日、ひょんなことで死亡した僕、シアンは異世界にいつの間にか転生していた。
とは言え、赤子からではなくある程度成長した肉体だったので、のんびり過ごすために自給自足の生活をしていたのだが、そんな生活の最中で、あるメイドゴーレムを拾った。
…‥‥でもね、なんだろうこのメイド、チートすぎるというか、スペックがヤヴァイ。
「これもご主人様のためなのデス」「いや、やり過ぎだからね!?」
これは、そんな大変な毎日を送る羽目になってしまった後悔の話でもある‥‥‥いやまぁ、別に良いんだけどね(諦め)
小説家になろう様でも投稿しています。感想・ご指摘も受け付けますので、どうぞお楽しみに。
転生してチートを手に入れました!!生まれた時から精霊王に囲まれてます…やだ
如月花恋
ファンタジー
…目の前がめっちゃ明るくなったと思ったら今度は…真っ白?
「え~…大丈夫?」
…大丈夫じゃないです
というかあなた誰?
「神。ごめんね~?合コンしてたら死んじゃってた~」
…合…コン
私の死因…神様の合コン…
…かない
「てことで…好きな所に転生していいよ!!」
好きな所…転生
じゃ異世界で
「異世界ってそんな子供みたいな…」
子供だし
小2
「まっいっか。分かった。知り合いのところ送るね」
よろです
魔法使えるところがいいな
「更に注文!?」
…神様のせいで死んだのに…
「あぁ!!分かりました!!」
やたね
「君…結構策士だな」
そう?
作戦とかは楽しいけど…
「う~ん…だったらあそこでも大丈夫かな。ちょうど人が足りないって言ってたし」
…あそこ?
「…うん。君ならやれるよ。頑張って」
…んな他人事みたいな…
「あ。爵位は結構高めだからね」
しゃくい…?
「じゃ!!」
え?
ちょ…しゃくいの説明ぃぃぃぃ!!
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。