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新世界より10
取りあえず宿へと連れてきた少年は、先ほどとは似ても似つかないほど美しい顔立ちで、スヤスヤとまだ幼さを残した寝顔で寝ている
少しすると目が覚めたようでキョロキョロと周りを見回して不安そうな顔で私を見た
私は安心させるように微笑むと彼も少し怯えた表情を崩してくれた
年齢は見た感じ十代半ばくらいかしら
暴れてた時のあの太った男の姿が何なのかは気になったけど、ひとまずは話を聞かなくちゃ
「さて、なんであんなことしてたの?」
彼の周りには私含め天使二人、女性しかいないから少しは話しやすいかも
まあリィリアちゃんがなんかにらんでるから少しびくついてはいるけど
「その、悪いやつらに言われて仕方なく・・・、でも信じて欲しい! 僕は誰も傷つける気なんてないんだ。ただこの世界にある世界の種を取りに来ただけで、それまで暴れて気をそらすのが僕達の役目だったんだ」
あら、ここに来ていきなり情報が手に入ったわね
世界の種なんて聞いたことないけど、どうやらウルが異世界で暴れ回ってるのはその世界の種を手に入れるためみたいね
もしかしてリディエラちゃんの世界でもそれを手に入れたのかしら?
だとしたらあの世界にはもう用はない?
「その世界の種ってなに?」
「そ、それは僕にも分かりません。ですがウルはそれを集めるのに躍起になってるのと、能力や魔力が強力な異世界人をとにかく集めているみたいです。僕は、家族を人質に取られていて」
「いいわ分かった。あなたの家族は必ず私達が助け出してあげる。でもあなた、ウルの本拠地なんて分からないでしょう?」
「はい・・・」
「あなた、しばらくこの世界で匿ってもらいなさい。ここの女神に話をつけといてあげるから」
「え!?」
これでも上位の女神だもの。この世界は中位の世界だから、そこの女神に話をつけるくらい問題ないというか、もう話しはつけてあるし
「ほら顕現しなさい」
私が声をかけると目の前にいかにも女神ですと言った格好の女性が現れた
「ル、ルニア様、この方を匿えばよいのですね?」
「ええ、もし危なくなったらこれで私を呼び出しなさい。すぐ駆け付けるから」
「はい、ありがとうございます。この子のことはどうかお任せください」
この女神はリュハという名前らしく、比較的うまく世界を運営してるみたい
だからこそ信頼が置けると思ったの
信仰心もかなり集めてるってことはそれだけこの世界の住人は女神を慕ってるってことだしね
「じゃあ頼んだわよ。それとこの世界での異変が起きてる場所って分かるかしら? あなたも聞いてたでしょうけど、敵は世界の種とか言うものを集めてるらしいの」
「異変ならすぐに分かります。ここから北へ三千キロほど離れた場所、東へ一万キロ、さらに東へ二千七百キロほど離れた場所の三か所で何かが起きているようです」
「うん上出来、ありがとうリュハ」
彼女、結構できる女神ね。このままうまく世界を運営できれば上位の女神に成れるかもしれないわ
まあそんなこと本人には言わないんだけどね
ひとまず少年とラナを彼女に任せると、私は天使二人を従えて今言われた座標へと向かった
この子達になら一人一か所ずつ任せれそうだったから、三人が別々の場所へ飛ぶ
私は北へ三千キロ、ここが一番ヤバそうな気配がするみたい
リィリアちゃんが東へ一万キロ、アスティラちゃんが東へ二千七百キロの場所へ
別に世界を超えるわけでもないから、そのくらいの距離なら転移で一瞬だった
天使たちには飛んでもらったんだけどね
あの二人なら翼で飛んでも速いし、翼をしっかりと使えるようにしておいてもらいたいもの
天使に置いて翼は魔力調整や神力調整の役割もはたしているのよね
二人と散開してから私が来たのはかなり広くて、隕石が落ちた跡のような大きなクレーターのある場所
そのクレーターの中央にビンゴ、人影が一つあった
真っ白なフードを目深にかぶった大柄な人影は、そこでゴソゴソと動いてる
何しているのかしら?
ゆっくりと近づいてガシッと腰の辺りに抱き着いてそのまま後ろに思いっきり放り投げた
「グオ!」
頭から思いっきり地面にたたきつけられた男はすぐに立ち上がって怒りだした
「何するんだ! 今大事なことをしてるんだから邪魔をするんじゃない! シッシッ!」
猫でも追い払うかのように手を振る男
「そっちこそ何してるのよ。世界の種とやらを探してるのかしら?」
「な、なぜそれを」
「あら、本当にそうだったのね。じゃあその手に持ってるオーブが世界の種を探すための装置か何かかしら?」
「なんだと、お前どこまで知ってるんだ。さてはお前この世界のもんじゃないな?」
カマをかけてるのに次から次へとぺらぺら話してくれるわね。馬鹿なのかしら?
「まあいい、どうせ見られたんだから消しとかないとな。こんな小さな子を手にかけるのは俺の主義に反するが仕方ない。本当にすまないと思っている」
男はいきなり殴りかかってきた
私は慌てて避ける
別に普通の拳による攻撃なら当たっても攻撃した方の拳が砕けるくらいに私の能力は頑健
でも避けないと死ぬって思いに駆られて避けた
おかしい、こいつの攻撃、ただ殴ってるだけの筈なのに、なんの力も込められていないはずなのに、それでも私の中で警戒音が大音量で鳴り響いてる
「避けたか、一撃で消し飛ばすつもりだったが、悪いな、かすっただけでも致命傷になる。多少痛くても勘弁してくれ」
そのまま滅茶苦茶に拳を振り回しながら大振りの攻撃を繰り返してくる男
本格的にまずい。ほんの少しかするだけでもなんだかまずそう
私はすぐに戦線を離脱して逃げた
あれは私じゃ勝てない・・・。どうすれば・・・
ひとまず逃げて体勢を立て直すことにした
少しすると目が覚めたようでキョロキョロと周りを見回して不安そうな顔で私を見た
私は安心させるように微笑むと彼も少し怯えた表情を崩してくれた
年齢は見た感じ十代半ばくらいかしら
暴れてた時のあの太った男の姿が何なのかは気になったけど、ひとまずは話を聞かなくちゃ
「さて、なんであんなことしてたの?」
彼の周りには私含め天使二人、女性しかいないから少しは話しやすいかも
まあリィリアちゃんがなんかにらんでるから少しびくついてはいるけど
「その、悪いやつらに言われて仕方なく・・・、でも信じて欲しい! 僕は誰も傷つける気なんてないんだ。ただこの世界にある世界の種を取りに来ただけで、それまで暴れて気をそらすのが僕達の役目だったんだ」
あら、ここに来ていきなり情報が手に入ったわね
世界の種なんて聞いたことないけど、どうやらウルが異世界で暴れ回ってるのはその世界の種を手に入れるためみたいね
もしかしてリディエラちゃんの世界でもそれを手に入れたのかしら?
だとしたらあの世界にはもう用はない?
「その世界の種ってなに?」
「そ、それは僕にも分かりません。ですがウルはそれを集めるのに躍起になってるのと、能力や魔力が強力な異世界人をとにかく集めているみたいです。僕は、家族を人質に取られていて」
「いいわ分かった。あなたの家族は必ず私達が助け出してあげる。でもあなた、ウルの本拠地なんて分からないでしょう?」
「はい・・・」
「あなた、しばらくこの世界で匿ってもらいなさい。ここの女神に話をつけといてあげるから」
「え!?」
これでも上位の女神だもの。この世界は中位の世界だから、そこの女神に話をつけるくらい問題ないというか、もう話しはつけてあるし
「ほら顕現しなさい」
私が声をかけると目の前にいかにも女神ですと言った格好の女性が現れた
「ル、ルニア様、この方を匿えばよいのですね?」
「ええ、もし危なくなったらこれで私を呼び出しなさい。すぐ駆け付けるから」
「はい、ありがとうございます。この子のことはどうかお任せください」
この女神はリュハという名前らしく、比較的うまく世界を運営してるみたい
だからこそ信頼が置けると思ったの
信仰心もかなり集めてるってことはそれだけこの世界の住人は女神を慕ってるってことだしね
「じゃあ頼んだわよ。それとこの世界での異変が起きてる場所って分かるかしら? あなたも聞いてたでしょうけど、敵は世界の種とか言うものを集めてるらしいの」
「異変ならすぐに分かります。ここから北へ三千キロほど離れた場所、東へ一万キロ、さらに東へ二千七百キロほど離れた場所の三か所で何かが起きているようです」
「うん上出来、ありがとうリュハ」
彼女、結構できる女神ね。このままうまく世界を運営できれば上位の女神に成れるかもしれないわ
まあそんなこと本人には言わないんだけどね
ひとまず少年とラナを彼女に任せると、私は天使二人を従えて今言われた座標へと向かった
この子達になら一人一か所ずつ任せれそうだったから、三人が別々の場所へ飛ぶ
私は北へ三千キロ、ここが一番ヤバそうな気配がするみたい
リィリアちゃんが東へ一万キロ、アスティラちゃんが東へ二千七百キロの場所へ
別に世界を超えるわけでもないから、そのくらいの距離なら転移で一瞬だった
天使たちには飛んでもらったんだけどね
あの二人なら翼で飛んでも速いし、翼をしっかりと使えるようにしておいてもらいたいもの
天使に置いて翼は魔力調整や神力調整の役割もはたしているのよね
二人と散開してから私が来たのはかなり広くて、隕石が落ちた跡のような大きなクレーターのある場所
そのクレーターの中央にビンゴ、人影が一つあった
真っ白なフードを目深にかぶった大柄な人影は、そこでゴソゴソと動いてる
何しているのかしら?
ゆっくりと近づいてガシッと腰の辺りに抱き着いてそのまま後ろに思いっきり放り投げた
「グオ!」
頭から思いっきり地面にたたきつけられた男はすぐに立ち上がって怒りだした
「何するんだ! 今大事なことをしてるんだから邪魔をするんじゃない! シッシッ!」
猫でも追い払うかのように手を振る男
「そっちこそ何してるのよ。世界の種とやらを探してるのかしら?」
「な、なぜそれを」
「あら、本当にそうだったのね。じゃあその手に持ってるオーブが世界の種を探すための装置か何かかしら?」
「なんだと、お前どこまで知ってるんだ。さてはお前この世界のもんじゃないな?」
カマをかけてるのに次から次へとぺらぺら話してくれるわね。馬鹿なのかしら?
「まあいい、どうせ見られたんだから消しとかないとな。こんな小さな子を手にかけるのは俺の主義に反するが仕方ない。本当にすまないと思っている」
男はいきなり殴りかかってきた
私は慌てて避ける
別に普通の拳による攻撃なら当たっても攻撃した方の拳が砕けるくらいに私の能力は頑健
でも避けないと死ぬって思いに駆られて避けた
おかしい、こいつの攻撃、ただ殴ってるだけの筈なのに、なんの力も込められていないはずなのに、それでも私の中で警戒音が大音量で鳴り響いてる
「避けたか、一撃で消し飛ばすつもりだったが、悪いな、かすっただけでも致命傷になる。多少痛くても勘弁してくれ」
そのまま滅茶苦茶に拳を振り回しながら大振りの攻撃を繰り返してくる男
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※エブリスタさん版をベースに、一部少し文字を足したり引いたり直したりしています