精霊王女になった僕はチートクラスに強い仲間と世界を旅します

カオリグサ

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神と白黒鬼神14

 詩季さんがフユノさんになり、この世界の危機がひとまずは去ったことを世界に報告した
 フユノさんの超能力は大したもので、たった一人で全世界へのテレパシーを行ってしまう
 サニアさんが言うにはどの世界にもそこまでの超能力を持った超能力者はいないらしい
 それに時を止める能力、これもまた神々でも使える者がいない
 いや、いなくなったが正しいみたい
 なにせ時の大神は世界に時間という概念を与えるために自らを世界に組み込んで消えたし、時間の力を使える神もかつての戦争で不意を突かれて死んでしまったんだとか
 とにかく詩季さんは神々の中でも保護対象らしくて、もし彼女に何かあった場合はすぐに神でも相当な実力者が向かう手はずになってる
 神が一人の人間を気にすることは普通は無い
 それほどまでに詩季さんはイレギュラーだってことだね
「テレパシー終了っと。それでリディエラちゃん、まだゆっくりはできますの? 是非とも紹介したい子がいるのですが」
「うん、それくらいなら大丈夫」
 紹介したい子ってどんな子なんだろう?
 詩季さんの仲間は以前黒族の人口迷宮で会っている
 でもあえて紹介したいって言ったってことは多分僕の知らない子ってことだね
「その子は最近わたくしの学園に来た孤児なんですけど、どうにも不可思議な超能力を使う子でして、リディエラちゃんにもサニア様にも一度見ていただきたいのです」
 その子は先ほどの施設にいるらしく、今はまだ幼いので初等部にいるそうだ
 初等部はさっきの建物とは違う場所にあって、幼い子供達が皆そこにいるらしい
 とにかく無口らしく、能力もあいまいであやふや。だからこそ僕らに見極めて欲しいらしい
 というのも、超能力は一体どういった特性を持っているのかを知っていないと危険だからね
 詩季さんも初めはまさか人格が四人分もあるとは親も思っていなかったらしく(そりゃ当然だ)、色々な能力を使うのでかなり驚かれたそうだ
 だって一つの能力を教えたら別の人格が別の能力を使いだすんだもん、そりゃ混乱するよ

 施設に戻った僕らは初等部に向けて歩き出した
 初等部はさっきいた中等部の間左で、廊下で繋がってる
 小さな子供達ばかりが突然能力を使って暴れたりするから、それを抑え込める能力者が先生を務めている
 癇癪で能力を発動しちゃう子とかもいるから安全のためそこかしこに能力を抑えるための科学道具もあるそうだ
 そんな初等部の一室にその子は一人で座っていた
 綺麗な緑色の髪に黄色い瞳、ボーっとしているように見えるけど、こっちをしっかり観察している目だ
 その子はいきなり僕の方へ走り出すと足にガシッとしがみついた
「ママ!」
「ええええええ!! リディエラちゃんいいいいいつのまに! も、もしかして隠し子ですか!?」
「そんなわけないでしょ! クロハさん、ハクラちゃんの暴走を止めて!」
 驚いて慌てふためくハクラちゃんを止めるようにクロハさんに行ったけど、そっちも混乱してオドオドしてた
「違うから! 僕の子じゃないよ!」
「フフ、その子に懐かれたようですわね。その子は気に入った先生などをママと呼ぶんですの」
 なんだ、気に入られただけか
 でも何でいきなり? 僕初対面の筈なのに
「その子はかなり不思議な子でして、心が清らかな者がわかるんですの。この中でも特に清らかな心を持つリディエラちゃんに惹かれたんだと思いますわ」
 まぁ悪い気は全くしないよね
 こんなかわいい子にママって言われるのも悪くない、悪くないわオホホホ
「ほら、自己紹介しなさいな」
「・・・メト。五歳」
「はぁ、全く口下手なんですから。その子は緑山メトちゃんと言いまして、少し前に両親を事故で亡くしているんですの。でも全く泣かなかったことから親戚連中は気味悪がって、誰一人として引き取らなかったんですの。だからわたくしたちがこの子を愛情いっぱいに育てることに決めましたのよ」
「なるほど、メトちゃん、僕はリディエラ、こっちの白黒のお姉さんたちはクロハさんとハクラちゃん、それからこっちのお姉ちゃんはサニアさんだよ」
「・・・。女神様、鬼神、精霊神」
 メトちゃんの放った言葉に全員が目を見開いて驚いた
 誰もそこまでの自己紹介はしていない
 それにこんな歳の子が女神はまだしも鬼神や精霊神なんて言葉を空で言えるはずがない
 一体この子はどんな能力を持ってるんだろう?
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