588 / 1,022
利善とレイドの異世界旅8
城に到達してから数日が経過した
その間ティーリーは目覚めたものの、辺りをキョロキョロと見渡して泣くばかりで何も覚えていないようだった
この子はどうやら頭に機械を取り付けられた時の記憶が残っているらしく、相当な恐怖だったのだろう
震えてただただ泣きじゃくっていた
本当にただの普通の少女であるティーリー
面倒見のいいレイドがなだめることでようやく落ち着いた
ティーリ―もそうだが、テトラもまだ十五歳にも満たない子供だ
二人共レイドに懐き、心を開いているようである
二人と話をしていると利善がこちらに走ってきた
「おいレイド、あの氷漬けの少女が目覚めたんだが様子がおかしい、もしもの時のために一寸来てくれないか?」
「は、はい! 二人共、少しここで待っててね」
レイドは二人を利善に相手するよう頼んでから立ち上がり、王の間へ急いだ
部屋に入ったとたん凍り付きそうなほどの冷気が襲い掛かって来た
「レ、レイドか! 頼む、このウルの大幹部を速く倒してくれ! 俺たちの能力じゃ何もできないんだ!」
レイダスの完全獣化では凍えてまともに動けず、モーリスの鎧では冷気が防げず、楓の力ではガムが凍ってしまう
利善の空間で覆い囲もうと試みたが、それすらあっさり壊されてしまった
しかしレイドの力ならば可能性があった
レイドは巨人となる力の持ち主ではあるが、彼女の本質は雨を支配する力
そしてそれは突き詰めると水を操る力でもある
彼女のその力は温度すらも支配し、凍らせられることなどない
「私が止めます!」
レイドが雨を周囲に振らせ始めた
これは巨人化するための雨ではない。絶対零度に対抗するために降らせた雨だった
「ホットレイン!!」
その雨は火傷するほどの熱を持つ雨
周囲が蒸気で温かくなり、部屋の温度が上昇していった
その蒸気の中、氷少女の姿が見えた
彼女はかなり苦しんだ表情をしており、頭を抱えて叫んでいた
「アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!! 助け、痛い、痛いよぉ! 頭が痛い! お、お兄ちゃん、助けて、お兄ちゃんんんん!!」
レイドはその声を聞いてさらに雨を強め、彼女の脳へと雨を侵入させた
それはしっかりと細胞にまで浸透していき、少女の頭を蝕むモノをあぶりだした
侵入したレイドの雨はそれを脳内から外へと排出させるとそのまま破壊した
「これは、小さな機械?」
どうやらティーリーについていた洗脳用機械よりも極小な機械により、彼女はずっと洗脳を受けていたようだ
ウルに連れ去られた彼女はそれによりずっと悪逆の限りを尽くさせられ、様々な世界を永久凍土の世界へと変えてきている
それ故に大幹部としてこの世界を任されていたのだった
ティーリーの洗脳とは違い、脳を直接洗脳するため、外部から破壊することは難しく、また破壊しようにも脳を傷つけては元も子もない
レイドの力はそれで言えば彼女の力とも洗脳とも相性がばっちりだったのだ
「モーリスさん! 受け止めてください!」
宙に浮かび冷気を放っていた少女は気を失い、このままでは頭から落ちる
モーリスはレイドに言われ急いで少女の落下地点へと走り込み、ギリギリでキャッチすることができた
「ふぅ、そうか、この子も犠牲者なのか・・・」
抱えられた少女はすぐに目を開けてモーリスやレイドの顔を見る
どうやらうまく体が動かせないらしい
長い間脳に異物が入り込んでいたせいだろう
「あ、えう・・・」
言葉もうまく話せないらしく、動くこともままならない少女をモーリスが優しい目で見つめ、もう大丈夫だと安心させた
それを聞いて少女はゆっくりとうなづき、スーッと眠りについた
その間ティーリーは目覚めたものの、辺りをキョロキョロと見渡して泣くばかりで何も覚えていないようだった
この子はどうやら頭に機械を取り付けられた時の記憶が残っているらしく、相当な恐怖だったのだろう
震えてただただ泣きじゃくっていた
本当にただの普通の少女であるティーリー
面倒見のいいレイドがなだめることでようやく落ち着いた
ティーリ―もそうだが、テトラもまだ十五歳にも満たない子供だ
二人共レイドに懐き、心を開いているようである
二人と話をしていると利善がこちらに走ってきた
「おいレイド、あの氷漬けの少女が目覚めたんだが様子がおかしい、もしもの時のために一寸来てくれないか?」
「は、はい! 二人共、少しここで待っててね」
レイドは二人を利善に相手するよう頼んでから立ち上がり、王の間へ急いだ
部屋に入ったとたん凍り付きそうなほどの冷気が襲い掛かって来た
「レ、レイドか! 頼む、このウルの大幹部を速く倒してくれ! 俺たちの能力じゃ何もできないんだ!」
レイダスの完全獣化では凍えてまともに動けず、モーリスの鎧では冷気が防げず、楓の力ではガムが凍ってしまう
利善の空間で覆い囲もうと試みたが、それすらあっさり壊されてしまった
しかしレイドの力ならば可能性があった
レイドは巨人となる力の持ち主ではあるが、彼女の本質は雨を支配する力
そしてそれは突き詰めると水を操る力でもある
彼女のその力は温度すらも支配し、凍らせられることなどない
「私が止めます!」
レイドが雨を周囲に振らせ始めた
これは巨人化するための雨ではない。絶対零度に対抗するために降らせた雨だった
「ホットレイン!!」
その雨は火傷するほどの熱を持つ雨
周囲が蒸気で温かくなり、部屋の温度が上昇していった
その蒸気の中、氷少女の姿が見えた
彼女はかなり苦しんだ表情をしており、頭を抱えて叫んでいた
「アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!! 助け、痛い、痛いよぉ! 頭が痛い! お、お兄ちゃん、助けて、お兄ちゃんんんん!!」
レイドはその声を聞いてさらに雨を強め、彼女の脳へと雨を侵入させた
それはしっかりと細胞にまで浸透していき、少女の頭を蝕むモノをあぶりだした
侵入したレイドの雨はそれを脳内から外へと排出させるとそのまま破壊した
「これは、小さな機械?」
どうやらティーリーについていた洗脳用機械よりも極小な機械により、彼女はずっと洗脳を受けていたようだ
ウルに連れ去られた彼女はそれによりずっと悪逆の限りを尽くさせられ、様々な世界を永久凍土の世界へと変えてきている
それ故に大幹部としてこの世界を任されていたのだった
ティーリーの洗脳とは違い、脳を直接洗脳するため、外部から破壊することは難しく、また破壊しようにも脳を傷つけては元も子もない
レイドの力はそれで言えば彼女の力とも洗脳とも相性がばっちりだったのだ
「モーリスさん! 受け止めてください!」
宙に浮かび冷気を放っていた少女は気を失い、このままでは頭から落ちる
モーリスはレイドに言われ急いで少女の落下地点へと走り込み、ギリギリでキャッチすることができた
「ふぅ、そうか、この子も犠牲者なのか・・・」
抱えられた少女はすぐに目を開けてモーリスやレイドの顔を見る
どうやらうまく体が動かせないらしい
長い間脳に異物が入り込んでいたせいだろう
「あ、えう・・・」
言葉もうまく話せないらしく、動くこともままならない少女をモーリスが優しい目で見つめ、もう大丈夫だと安心させた
それを聞いて少女はゆっくりとうなづき、スーッと眠りについた
あなたにおすすめの小説
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
異世界転生~チート魔法でスローライフ
玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。
43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。
その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」
大型連休を利用して、
穴場スポットへやってきた!
テントを建て、BBQコンロに
テーブル等用意して……。
近くの川まで散歩しに来たら、
何やら動物か?の気配が……
木の影からこっそり覗くとそこには……
キラキラと光注ぐように発光した
「え!オオカミ!」
3メートルはありそうな巨大なオオカミが!!
急いでテントまで戻ってくると
「え!ここどこだ??」
都会の生活に疲れた主人公が、
異世界へ転生して 冒険者になって
魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。
恋愛は多分ありません。
基本スローライフを目指してます(笑)
※挿絵有りますが、自作です。
無断転載はしてません。
イラストは、あくまで私のイメージです
※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが
少し趣向を変えて、
若干ですが恋愛有りになります。
※カクヨム、なろうでも公開しています
拾ったメイドゴーレムによって、いつの間にか色々されていた ~何このメイド、ちょっと怖い~
志位斗 茂家波
ファンタジー
ある日、ひょんなことで死亡した僕、シアンは異世界にいつの間にか転生していた。
とは言え、赤子からではなくある程度成長した肉体だったので、のんびり過ごすために自給自足の生活をしていたのだが、そんな生活の最中で、あるメイドゴーレムを拾った。
…‥‥でもね、なんだろうこのメイド、チートすぎるというか、スペックがヤヴァイ。
「これもご主人様のためなのデス」「いや、やり過ぎだからね!?」
これは、そんな大変な毎日を送る羽目になってしまった後悔の話でもある‥‥‥いやまぁ、別に良いんだけどね(諦め)
小説家になろう様でも投稿しています。感想・ご指摘も受け付けますので、どうぞお楽しみに。
【完結】発明家アレンの異世界工房 ~元・商品開発部員の知識で村おこし始めました~
シマセイ
ファンタジー
過労死した元商品開発部員の田中浩介は、女神の計らいで異世界の少年アレンに転生。
前世の知識と物作りの才能を活かし、村の道具を次々と改良。
その発明は村の生活を豊かにし、アレンは周囲の信頼と期待を集め始める。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
転生してチートを手に入れました!!生まれた時から精霊王に囲まれてます…やだ
如月花恋
ファンタジー
…目の前がめっちゃ明るくなったと思ったら今度は…真っ白?
「え~…大丈夫?」
…大丈夫じゃないです
というかあなた誰?
「神。ごめんね~?合コンしてたら死んじゃってた~」
…合…コン
私の死因…神様の合コン…
…かない
「てことで…好きな所に転生していいよ!!」
好きな所…転生
じゃ異世界で
「異世界ってそんな子供みたいな…」
子供だし
小2
「まっいっか。分かった。知り合いのところ送るね」
よろです
魔法使えるところがいいな
「更に注文!?」
…神様のせいで死んだのに…
「あぁ!!分かりました!!」
やたね
「君…結構策士だな」
そう?
作戦とかは楽しいけど…
「う~ん…だったらあそこでも大丈夫かな。ちょうど人が足りないって言ってたし」
…あそこ?
「…うん。君ならやれるよ。頑張って」
…んな他人事みたいな…
「あ。爵位は結構高めだからね」
しゃくい…?
「じゃ!!」
え?
ちょ…しゃくいの説明ぃぃぃぃ!!
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
貧乏育ちの私が転生したらお姫様になっていましたが、貧乏王国だったのでスローライフをしながらお金を稼ぐべく姫が自らキリキリ働きます!
Levi
ファンタジー
前世は日本で超絶貧乏家庭に育った美樹は、ひょんなことから異世界で覚醒。そして姫として生まれ変わっているのを知ったけど、その国は超絶貧乏王国。 美樹は貧乏生活でのノウハウで王国を救おうと心に決めた!
※エブリスタさん版をベースに、一部少し文字を足したり引いたり直したりしています