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大勇者の旅1
旅立ちの日、やはりキーラは大泣きしながらアイシスに抱き着いた
五十すぎとはいえ、成長の遅いキーラはまだまだ身体的にも精神的にも子供だった
いつもは魔王としてしっかりしてはいるが、やはり支えである親友が長旅に出るとなると心がざわつくのだろう
涙をぬぐいつつアイシスから離れるとキーラはアイシスを心配させないよう笑った
「強くなったなキーラ。大丈夫、お前ならきっと魔族を守り引っ張っていける立派な魔王に成れるはずだ。それに俺だって帰ってこない訳じゃないんだ。帰ってきたらもっと強くなってるから驚くと思うぜ」
「うん、うん」
「じゃあな、キーラ、リドリリ、また会おうぜ!」
アイシスはリディエラに教わったグッドポーズを二人に向ける
それに答えるように二人も同じくグッドポーズをアイシスに向けた
アイシスは微笑み、自らの力で開いた次元の扉をくぐって世界を渡る
最初の目的地は既に示されている
大勇者が隠居生活を送っている世界、ローディアル
この世界と似た世界だが主な種族は人間とエルフ、そしてハーフリンクにドワーフくらいの争いがない世界だ
サクラに示してもらったことで直通の扉になっている
安心して次元を渡ることができた
「ここがローディアルか」
気持ちのいい風が吹く草原
危険そうなものがないか一応周りを見渡すが特に魔物などはいない
小さな動物はぴょこぴょこと跳ねまわっているのが見えたが、警戒してこちらには来なかった
「さて、まずは街を探して大勇者がどこにいるか聞いて回るか」
ふわりと空に舞い上がり、高い場所から街、もしくは街道がないかを見渡す
探知をしてみようとしたが、まだ慣れないため頭が痛くなるようで使うのをためらっているアイシス
仕方なく発見した街道に沿って空を飛びながら街を目指した
街に到着後はすぐに情報を集め始めたのだが、驚くほどすんなりと情報が手に入った
そもそも最初に聞いた相手がその大勇者のお世話をしている従者だったのだ
なんという偶然か、その従者の女性はすぐに元大勇者の元へと案内してくれることとなった
「桃様はとてもお優しい方で、私子供の頃魔物から助けてもらったんです」
立木桃、それが元大勇者の名前だった
地球から流れてきた異世界人で、大盾と大剣を携えた重鎧の女戦士
強く優しく、サニアルニアと共に世界を救った
現在はその若々しい姿を保っていながらも引退し、後進の育成やガーデニングなどに生を出しているらしい
「こちらが桃様の私邸です」
かなり大きな屋敷に目を奪われ口を開けていると
「そちらではありません、こちらです」
その大きな屋敷の真横にある小さな、小屋のような建物に案内された
どうやら屋敷の方は彼女が拾ってきた孤児たちの施設のようで、耳をすますと子供達の笑い声が聞こえてくる
その小屋をノックして中に入る従者
「桃様、お客様がお見えですよ」
中に入ったが桃の姿は見えない
「あら? お出かけしたみたいですね。恐らく裏庭ですのでまたついてきてもらえますか?」
「はい」
今度は小屋の裏手にあんないされる
そこには広い広い庭があり、たくさんの花々と作物がなっていた
その中央あたりでじょうろで水を撒いている少女が一人
見たところ十五歳ほどに見える少女こそが立木桃、アイシスと同じくらいの見た目で、その細腕で世界を守ったとはとても思えないほどに華奢だった
「あらメーリー、その方は?」
「はい、他世界から来られた勇者様だそうです」
「なるほどなるほど確かに勇者の力を感じるわ。あなた、次の大勇者でしょ?」
驚いたことに何も話していなかったにもかかわらず、従者のメーリーには異世界人の勇者だとばれ、桃自身には次の大勇者だと見破られた
「ハハ、凄いですねその目」
桃の目は赤く光っている
どうやらこの目で見破ったようだ
「これは大勇者になった時のおまけみたいなものよ。それで? 私に何か用かしら?」
優しい笑顔の桃にアイシスも安心して自分がここに来たいきさつを話した
五十すぎとはいえ、成長の遅いキーラはまだまだ身体的にも精神的にも子供だった
いつもは魔王としてしっかりしてはいるが、やはり支えである親友が長旅に出るとなると心がざわつくのだろう
涙をぬぐいつつアイシスから離れるとキーラはアイシスを心配させないよう笑った
「強くなったなキーラ。大丈夫、お前ならきっと魔族を守り引っ張っていける立派な魔王に成れるはずだ。それに俺だって帰ってこない訳じゃないんだ。帰ってきたらもっと強くなってるから驚くと思うぜ」
「うん、うん」
「じゃあな、キーラ、リドリリ、また会おうぜ!」
アイシスはリディエラに教わったグッドポーズを二人に向ける
それに答えるように二人も同じくグッドポーズをアイシスに向けた
アイシスは微笑み、自らの力で開いた次元の扉をくぐって世界を渡る
最初の目的地は既に示されている
大勇者が隠居生活を送っている世界、ローディアル
この世界と似た世界だが主な種族は人間とエルフ、そしてハーフリンクにドワーフくらいの争いがない世界だ
サクラに示してもらったことで直通の扉になっている
安心して次元を渡ることができた
「ここがローディアルか」
気持ちのいい風が吹く草原
危険そうなものがないか一応周りを見渡すが特に魔物などはいない
小さな動物はぴょこぴょこと跳ねまわっているのが見えたが、警戒してこちらには来なかった
「さて、まずは街を探して大勇者がどこにいるか聞いて回るか」
ふわりと空に舞い上がり、高い場所から街、もしくは街道がないかを見渡す
探知をしてみようとしたが、まだ慣れないため頭が痛くなるようで使うのをためらっているアイシス
仕方なく発見した街道に沿って空を飛びながら街を目指した
街に到着後はすぐに情報を集め始めたのだが、驚くほどすんなりと情報が手に入った
そもそも最初に聞いた相手がその大勇者のお世話をしている従者だったのだ
なんという偶然か、その従者の女性はすぐに元大勇者の元へと案内してくれることとなった
「桃様はとてもお優しい方で、私子供の頃魔物から助けてもらったんです」
立木桃、それが元大勇者の名前だった
地球から流れてきた異世界人で、大盾と大剣を携えた重鎧の女戦士
強く優しく、サニアルニアと共に世界を救った
現在はその若々しい姿を保っていながらも引退し、後進の育成やガーデニングなどに生を出しているらしい
「こちらが桃様の私邸です」
かなり大きな屋敷に目を奪われ口を開けていると
「そちらではありません、こちらです」
その大きな屋敷の真横にある小さな、小屋のような建物に案内された
どうやら屋敷の方は彼女が拾ってきた孤児たちの施設のようで、耳をすますと子供達の笑い声が聞こえてくる
その小屋をノックして中に入る従者
「桃様、お客様がお見えですよ」
中に入ったが桃の姿は見えない
「あら? お出かけしたみたいですね。恐らく裏庭ですのでまたついてきてもらえますか?」
「はい」
今度は小屋の裏手にあんないされる
そこには広い広い庭があり、たくさんの花々と作物がなっていた
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「あらメーリー、その方は?」
「はい、他世界から来られた勇者様だそうです」
「なるほどなるほど確かに勇者の力を感じるわ。あなた、次の大勇者でしょ?」
驚いたことに何も話していなかったにもかかわらず、従者のメーリーには異世界人の勇者だとばれ、桃自身には次の大勇者だと見破られた
「ハハ、凄いですねその目」
桃の目は赤く光っている
どうやらこの目で見破ったようだ
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