精霊王女になった僕はチートクラスに強い仲間と世界を旅します

カオリグサ

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大勇者と救世者10

 ところ変わって植物の世界パフィリカル
 そこには植物か植物人しかいないが、現在一人の植物人以外のヒト族が大地に立っている
 そのヒト族は仮面で顔を覆った女性で、腰の左右に短いアスティレットを下げている
 髪は長い黒髪で、四肢はすらりとしていて体型はやせ型
 子供の頃の栄養状態が良くなかったのか、身長は150センチほどしかない
 そんな彼女は何の表情もわからない真っ白な仮面をつけたままでこの世界を歩き回っている
 どうやらそんな仮面でも視界は良好のようだ
 キョロキョロと手を額につけて見渡す様子は子供のようで可愛らしく、それでいてどこか気品がある
 探索が終わったのか小さなポーチから大きなシートを取り出すとそこへ座り、さらにまたポーチからお弁当を取り出した
 ふたを開けるとそこにはお握りと生野菜、タコの形に切ったソーセージなどが入っており、ご飯の上にはノリと梅干がのっかっている
 箸を取り出していただきますのジェスチャーをすると、仮面を取ることなくお弁当を食べ始める
 どういう理屈なのか仮面の上に箸を持っていくと、食べ物がシュッと消えてなくなる
 嬉しそうに体を揺らしながら食べ進め、仮面の女性はごちそうさまのジェスチャーをしてから弁当箱をしまった
 その後シートをたたんでしまうとグッと伸びをして歩き始める
 彼女が向かっているのは植物人が住む花の都という場所で、この世界では一番大きな都市。というよりこの世界に国はなく町しかない
 王や支配者といった階級もなく、人々はただお互いに協力し合ってほのぼのと生きているだけだ
 そんなこの世界にもやはりウルの手は伸びており、つい数日前までは美しかった花の都も今は見る影もない
 仮面の女性は拳をギュッと握り、わなわなと震える
 仮面の下から伝う一筋の涙
 街には植物人たちの焼けこげた死体がたくさん転がっており、ここでウルが暴れたのがありありと分かる
 彼女は死体を集め、何らかの能力を使って地面に人一人を埋めれるだけの広さの穴を、死体の数だけ掘った
 そこに丁寧に死体を埋葬していくと、手を合わせ、仏教徒のように祈る
 悲しんでいる
 彼女はこの世界の住人の死を悲しんでいるのだ

 祈りを終え、再び立ち上がるといつの間にか周りをウルと思しき男たちに囲まれていた
 いかにも悪いやつという恰好の男たち
「何でこんなとこに生き残りがいるんだ?」
「しらねぇ、でもまあ女だ。たっぷり可愛がってから殺す」
 男たちは彼女を見るや自分たちの楽しみのため殺そうとにやけている
 そのにやけ面をいきなり殴りつける女性
 バキョッと顔面が砕ける音がして男の一人があっさりと死んだ
 驚く間もなく彼女は次々と男たちの頭を殴りつぶしていく
 圧倒的な強さ
 殺したウルの中には幹部クラスの者もいたが、能力を発動させる暇もなく殺された
 それらの死体を雑に片づけると、女性は汗をぬぐうジェスチャーをしてから次なる都市、風の都へと歩き出した
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