【本編完結】異世界再建に召喚されたはずなのになぜか溺愛ルートに入りそうです⁉︎【コミカライズ化決定】

sutera

文字の大きさ
33 / 788
第三章 マイ・フェア・レディ

10

・・・久々に腰の両側に下げた
剣の重みが心地良い。
試しに剣を抜いて何度か軽く
振ってみた。
大丈夫だ、肩にも特に違和感はない。
むしろ違和感がなさすぎて驚いた。

そのまま基本の型を何度か繰り返し、
応用を加えた剣舞のような型へと移る。
技と技の継ぎ目も全く問題なくスムーズだ。

たまに双剣を頭上に放り投げて
両方の剣を持ち替えてみたり、
剣を逆手に取ってみたり。

いずれも一度も剣を取り落とす事なく
技は使えた。

魔物討伐で左肩の関節を痛めてから
数年以上、ずっと片手剣に変えていたが
そのブランクにもかかわらず
こんなにも滑らかに
剣を振るえるものなのか。

ユーリの癒しの力の凄さには
本当に驚かされる。

ヒュン、と最後の一振りを終えて
剣を納めると
わっ、と近くで歓声が上がった。

「さすがレジナス様!相変わらず
流れるような剣さばきです、
ぜひご指導を‼︎」
「ケガをされてからは片手剣にされたと
聞いてましたが、快復したんですか⁉︎
良かったです、おれ、レジナス様に憧れて
双剣使いを目指してて・・・っ‼︎」
「やっぱお前護衛騎士辞めて
こっちに戻ってこい、レジナス‼︎」
「お前がいれば魔物討伐もだいぶ楽に
なるんだけどなあ~」

どうやら俺の試技は見られていたらしく、
騎士団の面々に口々に声を掛けられた。

今は朝の準備運動と素手での戦闘訓練を
終えた休憩時間だ。

この後、今度は昼まで
擬似魔物を使った演習があり
午後は多対一の戦闘形式や
模擬試合形式の戦闘訓練へと続く。

リオン様との打ち合わせでは
そろそろユーリが到着する
時間のはずだが・・・。


そう。今朝は早朝から
騎士団の演習に参加する事が
決まっていたため、
奥の院を出る前にリオン様達に
挨拶をしに行った。

俺の双剣姿を初めて見るユーリは
どんな反応をするだろうか?
似合うと言ってくれるだろうか?

淡い期待をひっそりと胸に抱き、
いざ会ってみると
想像以上の反応に逆に面映くなった。

あの美しい瞳を煌めかせて、
カッコいいです!と
弾んだ声を上げて喜ばれ
どう答えようか困っていると、
なぜか話の流れでユーリが
騎士団の演習を見学しに
来ることになった。

思いがけない展開に、内心動揺していると
リオン様がこっそり囁いてきた。

『ちゃんといいところを見せるんだよ?
ユーリの心を掴むいいチャンスなんだから、
しっかり君の頼もしさをアピールしないと』

頼んだよ、と楽しそうに笑っていたけど
一体何を考えているんだ?

ユーリの事を好きなのはリオン様だろう?
なのになぜユーリが俺を意識するように
アピールしろというのか。
意図が分からない。

全く持って謎なことを言われてしまったが
それはともかく、その後俺は騎士団へと
久しぶりに足を向け、
朝から演習に参加している。

シグウェルが言っていたように
俺にもユーリの加護の力が
何らかの形で付与されているのかを
確認するために、一つ一つの動作は
いつもより丁寧に行っている。

素手での戦闘訓練では、
確かに前より素早さが
上がっているような気がした。
が、相手がそれほど
歯応えのある者ではなかったので
よく分からない。

これでは模擬試合をするまで以前との違いは
確認できないかも知れないな、と感じた。

あとは擬似魔物で、特殊攻撃を使える
魔獣か魔竜でも出してもらって・・・

考えていると、後ろの方の雑談が
耳にはいってきた。

「おい、見たか?さっき受付で小さな
子どもが面会手続きをしていたぞ。
誰の子どもだ?」
「ええ?ジーンのとこかな。あれ?でも
アイツのとこはもう15にはなるか、
じゃあ違うな」
「女の子だったぞ」
「侍女も連れてた」
「なんかやたらいっぱい差し入れも
持ってきてたし」
「やった!ありがたい。酒かな?」
「てことは、貴族のお嬢様が
興味本位で見学か?
それとも身内に会いに来たか?」
「いやいや、もしかしたら
婚約者に会いに来たのかも知れない!」

そこから先はやれどこの貴族だ、
やれ婚約者は誰だ、と
騒いでいたがそれは多分ユーリだ。

差し入れもリオン様が、
『久しぶりに騎士団に行くんだし
何より隊長格の君を3年前に
キリウ小隊から
引き抜くような事になってしまって
申し訳ないことをしたからね』
と言って酒から肉、煙草などの
嗜好品に至るまでかなり大量に
届けられる事になっていた。

そのため手続きに時間がかかって
ユーリ達がここに姿を見せるまで
もうしばらくかかるかも知れない。

・・・というか、そうか。
こいつらは召喚の儀式に手伝いに
借り出されていてもフード姿だった
ユーリの顔を見ていないし、
普段は癒し子に関わる事もないから
受付にいたのが癒し子だと
いうことを知らないのか。

であれば、これからユーリが
ここに来ると言うことを
先に皆に教えておかなければ。

癒し子であるユーリが突然現れて、
浮き足立たれては
演習で事故が起きる可能性もある。
さて、どう切り出そうか?考えていたら

「レジナス様、お待たせしました。
ユーリ様はどちらに?」

ルルー殿が現れた。
その傍らにユーリはいない。
あ、さっき受付にいた人だ。と
背後で聞こえた。

「ルルー殿、なぜお一人で?
ユーリは一緒ではないのですか?」

不思議に思った俺の問いかけに
ルルー殿が一瞬固まり、
すぐにその顔色が青くなった。

「さきほど差し入れの手続きに
時間がかかっていたら
先に演習場へ向かうと話して
駆けていかれたんです。
まだこちらに見えていないのですか?」

受付からここに来るまで、
ルルー殿はユーリに行きあっていないと言う。
迷子?事故?それともまさか、誘拐か?

ユーリの可愛らしさからすると
充分あり得る話だ。だがまさか、
この騎士団の敷地内で?

いつも抱き上げると俺の腕の中に
すっぽりと隠れてしまうほど小さな
ユーリの姿が思い浮かび、
あの小さな体でどこかで
不安げにしているかと思うと
さすがの俺も顔色が変わった。

周りからおい、あのレジナスが
動揺してるぞ。と
ひそひそ言う声が聞こえてきた。

そりゃ動揺もするだろう、
何しろ行方不明なんだから。
口元を片手で覆い頭の中を
フル回転して考える。

受付からこの演習場まではそんなに
離れていない。人通りも多い上に小さい少女が
一人で歩いていたら相当目立つはずだ。
誰かしら目撃していないか?

あとはこの場所に来るまでに
人目を避けてどこかへ
連れ込めそうな場所はあったか?
それとも、案内板が外れていて
辿り着けなかった?
道を間違そうな分岐は・・・

「え、レジナス様?大丈夫ですか?
さっきの受付の少女はお知り合いで・・・?」
「おいレジナス、どうした?
オレたちの声が聞こえてるか?おおい!」

俺の様子がいつになくおかしいのに気付き、
周りがざわめき始めた時だった。

「何やってんだお前ら?」
「もう休憩は終わりだぞ‼︎」

騎士団の団長と副団長が現れた。

「レジナス、お前も久しぶりに
顔を見せたと思ったら
何をそんなとこに突っ立って・・・って
オイ、どうした?何かあったか?」

団長がその髭面をギョッとさせて
オレを見た。

「お前の顔色が変わってるのは初めて
見たな。何があった?」

周りに説明を求める副団長は
そのスキンヘッドと鋭い目つきが
普通にしていても迫力があるから、
話しかけられた一端の騎士も恐々と
いきさつを話している。

「なるほど、レジナスの知っている子が
受付から消えたということか。
しかし、幼い少女ならオレ達も見たぞ?
なぁマディウス。」

一通りの話を聞いた副団長が、
団長を見た。
何だって⁉︎一体どこで。
団長も頷きながらその髭だらけの顎を撫でた。

「おー、見た見た。
小っちゃいのが仔ウサギみたいに
ぴょんぴょん跳ねて案内板を一生懸命
見ようとしてたな。
面白くてトレヴェと2人で
つい立ち止まって眺めてしまった。
それがレジナスの探している子か?」

後ろで結っていた黒髪が
馬の尻尾みたいに揺れてて
かわいかったぞ、と団長は
豪快な笑顔を浮かべた。
黒髪の小さな少女で
騎士団にいるとなれば、
それはユーリに間違いない。

「その後その子は⁉︎」

思わず団長に歩み寄ると
え、怖わ・・・とドン引きされた。

「お前がそんなに血相変えてるの
初めてみるわ、
演習場の場所を聞かれたなそういえば。」

なあトレヴェ。そう言って団長が
副団長を顎で指し示すと

「ああ、オレが答えた。
第一演習場はどこかと聞かれて
教えたら、礼を言ってすぐに
そっちに走って行った」

小さいのにやけに礼儀正しい子どもで
感心した。と
副団長が頷き教えてくれた。

演習場?第八と間違えたのか!

「ありがとうございます」

頭を下げてすぐに動く。

第一演習場は、今日使う予定はない。
もしユーリがそこに辿り着いて、
誰もいないと知れば
俺やルルー殿を探してまたどこかへ
移動し、行き違いになる可能性もある。
急がねば。

お?おーい、レジナス演習は⁉︎と
団長が声を上げたがそれどころではない。
ユーリが俺を待っているかも
知れないのだから。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「えっ!ここじゃないんですか⁉︎」

ガランとした第一演習場にたった1人いた
騎士さんに聞いて私は驚いた。

「そうだよ、今日の演習は演習場。
ここじゃない。君、聞き間違えたんだね。」

年若い騎士さんがかわいそうな子を
見る目で私を見ている。
あ・・・だいいち、と、だいはち。

あの時受付でぼーっと腰掛けながら
なんとなくルルーさん達のやり取りを
聞いてたから聞き間違えたんだ‼︎

じゃあ今頃レジナスさんやルルーさんは
私を探してる?
演習どころじゃなくなってたらどうしよう。

「・・・というか君、
レジナス様の知り合いなんだ。
親戚の子か何かなの?
レジナス様は元気にしてる?」

今すぐその第八演習場とやらに
行かなければ、と
あせる私に騎士さんが聞いてきた。

私が最初、レジナスさんの演習を
見に来たと話したので
こんな小さい子が1人で?と、
気になったようだ。

はっ、不審者扱い⁉︎慌てて否定する。

「いえ、親戚の子じゃないです!
レジナスさんはえーと、お、お友達?
とてもいい人ですっ‼︎」

必死で不審者ではないことを
アピールしてふと思う。
この騎士さんは1人で演習にも
参加せず何をしているんだろう?

「・・・お兄さんも騎士様ですよね?
レジナスさんの事も知っているみたいだし。
演習には参加しないんですか?」

私の言葉にああ、と寂しそうに笑った。

「俺は参加しない。
ていうか、出来ないんだ。
足がこれだからね。」

そう言って右膝をぽんぽんと叩いた。

今まで気付かなかったが、彼の右膝には
サポーターのように包帯が巻かれて、
添え木さえないものの膝が動かないように
固定されている。

「怪我したんですか?」

「少し前に魔物討伐でヘマをして
膝の骨が砕けたんだ。
リハビリはしているけど
完全に元通りになるかどうか。
せっかくレジナス様も所属していた
キリウ小隊に配属になった
ところだったんだけどなぁ」

そのうちレジナス様が小隊に復帰したら、
一緒に働くことも出来たはずなのに残念だ。

そう言ってその騎士さんは
肩をすくめると
綺麗な青い髪の毛が風に揺れた。

リオン様もそうだったけど、
魔物討伐って、なんというか
本当に命懸けなんだなぁ・・・。

よし、決めた。
私を探しているだろう
レジナスさん達には悪いけどちょっと
寄り道して行こう。

騎士さんは演習場の壁に
寄りかかりながら私と
話していたので、
私はその騎士さんの側に
そっとしゃがみ込んだ。

右膝に手を当てて、
騎士さんを見上げながら
会話を続けた。

「痛くないんですか?そもそも、
演習に参加しないにしてもなんで
お兄さんだけここにいるんですか?」

「天気が悪い時は痛むかな。
あとはそうでもない。
・・・今日の演習には久しぶりに
レジナス様が来るんだろう?
見たいけど、見てしまったら
一緒に演習できない悔しさを
とてもじゃないけど
我慢できそうにないからなぁ・・・
だからわざとこっちの演習場の掃除を
願い出たんだ。」

まあいいリハビリ代わりにもなるしな。
ちょっと強がるように言った
お兄さん騎士と更に世間話を続けた。

彼はレジナスさんに憧れて
騎士を目指したこと。
キリウ小隊はキリウ少数精鋭部隊の
別名で、過酷な部隊試験を
パスしなければ入れないこと。

キリウというのは100年前の勇者様の
右腕だった魔法剣士の名前で、
キリウ小隊という部隊名には
ルーシャ国の右腕たる戦士であれ。
との意味が込められている、
騎士にとって入隊できるのは
とても名誉な小隊であること。

話を聞くほどに、お兄さん騎士は
キリウ小隊に所属しているのが
誇らしいんだなあというのが
伝わってきた。

あと、そのキリウ小隊で隊長を
務めていたっていう
レジナスさんのことを
すごく尊敬しているのもわかった。

話を聞きながら、

「じゃあ復帰するためにも
早く治るといいですね」

と言って右膝に触れたまま、
お兄さん騎士の返事を無心で待った。
・・・癒しの力を発揮するために。

そう、今回はリオン様や
侍女さん達の時と違って
私の感情は一切こめない。
このお兄さん騎士の、
治りたいという気持ち一点のみに
かけてみるのだ。
それならさすがに強化人間は
出来ないはず。

お兄さん騎士の治りたいという
気持ちが強くなるように、
わざとお兄さんの所属している
キリウ小隊について
たくさん話を振ってみた。

お兄さん自身、小隊に対する
思い入れはとても強いみたいだし
多分これでイケるんじゃないかな。

「そうだな、早く復帰したいよ」

しみじみとお兄さんが言った時、
膝に触れている私の手が
ほんのり温かくなったのを感じた。
よし。おそらくこれで治ったはず。

「お兄さんのお願い、
きっと叶います!」

にこりと笑って膝から手を離した。

気休めだけど嬉しいよ、と
お兄さんも私に
笑いかけてくれた時だった。

「ユーリ⁉︎」

演習場の扉が壊れそうなくらいの
勢いで突然開いた。
あまりの勢いにびっくりして固まると、
あせった顔のレジナスさんが
そこには立っていた。
感想 191

あなたにおすすめの小説

空港清掃員58歳、転生先の王宮でも床を磨いたら双子に懐かれ、国王に溺愛される

木風
恋愛
羽田空港で十五年、黙々と床を磨いてきた清掃員・田中幸子(58)は事故死し、没落寸前の子爵令嬢エルシアとして転生する。 婚約破棄の末に家を追われた彼女が選んだのは、王宮の清掃員――前世の技で空気まで変わるほど磨き上げていく仕事だった。 やがて母を亡くした双子王子王女に懐かれ、荒れた執務室の主である喪中の国王とも距離が縮まり……。 「泣くなら俺の胸で」――床も心も磨き直す、清掃令嬢の溺愛成り上がり。

なんか、異世界行ったら愛重めの溺愛してくる奴らに囲われた

いに。
恋愛
"佐久良 麗" これが私の名前。 名前の"麗"(れい)は綺麗に真っ直ぐ育ちますようになんて思いでつけられた、、、らしい。 両親は他界 好きなものも特にない 将来の夢なんてない 好きな人なんてもっといない 本当になにも持っていない。 0(れい)な人間。 これを見越してつけたの?なんてそんなことは言わないがそれ程になにもない人生。 そんな人生だったはずだ。 「ここ、、どこ?」 瞬きをしただけ、ただそれだけで世界が変わってしまった。 _______________.... 「レイ、何をしている早くいくぞ」 「れーいちゃん!僕が抱っこしてあげよっか?」 「いや、れいちゃんは俺と手を繋ぐんだもんねー?」 「、、茶番か。あ、おいそこの段差気をつけろ」 えっと……? なんか気づいたら周り囲まれてるんですけどなにが起こったんだろう? ※ただ主人公が愛でられる物語です ※シリアスたまにあり ※周りめちゃ愛重い溺愛ルート確です ※ど素人作品です、温かい目で見てください どうぞよろしくお願いします。

【完結】転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました

桜あずみ
恋愛
異世界に転移して二年。 言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。 しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。 ──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。 その一行が、彼の目に留まった。 「この文字を書いたのは、あなたですか?」 美しく、完璧で、どこか現実離れした男。 日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。 最初はただの好奇心だと思っていた。 けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。 彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。

眺めるだけならよいでしょうか?〜美醜逆転世界に飛ばされた私〜

蝋梅
恋愛
美醜逆転の世界に飛ばされた。普通ならウハウハである。だけど。 ✻読んで下さり、ありがとうございました。✻

獣人の世界に落ちたら最底辺の弱者で、生きるの大変だけど保護者がイケオジで最強っぽい。

真麻一花
恋愛
私は十歳の時、獣が支配する世界へと落ちてきた。 狼の群れに襲われたところに現れたのは、一頭の巨大な狼。そのとき私は、殺されるのを覚悟した。 私を拾ったのは、獣人らしくないのに町を支配する最強の獣人だった。 なんとか生きてる。 でも、この世界で、私は最低辺の弱者。

聖女様と間違って召喚された腐女子ですが、申し訳ないので仕事します!

碧桜
恋愛
私は花園美月。20歳。派遣期間が終わり無職となった日、馴染の古書店で顔面偏差値高スペックなイケメンに出会う。さらに、そこで美少女が穴に吸い込まれそうになっていたのを助けようとして、私は古書店のイケメンと共に穴に落ちてしまい、異世界へ―。実は、聖女様として召喚されようとしてた美少女の代わりに、地味でオタクな私が間違って来てしまった! 落ちたその先の世界で出会ったのは、私の推しキャラと見た目だけそっくりな王(仮)や美貌の側近、そして古書店から一緒に穴に落ちたイケメンの彼は、騎士様だった。3人ともすごい美形なのに、みな癖強すぎ難ありなイケメンばかり。 オタクで人見知りしてしまう私だけど、元の世界へ戻れるまで2週間、タダでお世話になるのは申し訳ないから、お城でメイドさんをすることにした。平和にお給料分の仕事をして、異世界観光して、2週間後自分の家へ帰るつもりだったのに、ドラゴンや悪い魔法使いとか出てきて、異能を使うイケメンの彼らとともに戦うはめに。聖女様の召喚の邪魔をしてしまったので、美少女ではありませんが、地味で腐女子ですが出来る限り、精一杯頑張ります。 ついでに無愛想で苦手と思っていた彼は、なかなかいい奴だったみたい。これは、恋など始まってしまう予感でしょうか!? *カクヨムにて先に連載しているものを加筆・修正をおこなって掲載しております

地味令嬢の私が婚約破棄された結果、なぜか最強王子に溺愛されてます

白米
恋愛
侯爵家の三女・ミレイアは、控えめで目立たない“地味令嬢”。 特に取り柄もなく、華やかな社交界ではいつも壁の花。だが幼いころに交わされた約束で、彼女は王弟・レオンハルト殿下との婚約者となっていた。 だがある日、突然の婚約破棄通告――。 「やはり君とは釣り合わない」 そう言い放ったのは、表向きには完璧な王弟殿下。そしてその横には、社交界の華と呼ばれる公爵令嬢の姿が。 悲しみも怒りも感じる間もなく、あっさりと手放されたミレイア。 しかしその瞬間を見ていたのが、王家随一の武闘派にして“最強”と噂される第一王子・ユリウスだった。 「……くだらん。お前を手放すなんて、あいつは見る目がないな」 「よければ、俺が貰ってやろうか?」 冗談かと思いきや、なぜか本気のご様子!? 次の日には「俺の婚約者として紹介する」と言われ、さらには 「笑った顔が見たい」「他の男の前で泣くな」 ――溺愛モードが止まらない!

たとえ夜が姿を変えても ―過保護な兄の親友は、私を逃がさない―

佐竹りふれ
恋愛
重なる吐息、耳元を掠める熱、そして——兄の親友の、隠しきれない独占欲。 19歳のジャスミンにとって、過保護な兄の親友・セバスチャンは、自分を子供扱いする「第二の兄」のような存在だった。 しかし、初めてのパーティーの夜、その関係は一変する。 突然降ってきた、深く、すべてを奪うような口づけ。 「焦らず、お前のペースで進もう」 そう余裕たっぷりに微笑んだセバスチャン。 けれど、彼の言う「ゆっくり」は、翌朝には早くも崩れ始めていた。 学内の視線、兄の沈黙、そして二人きりのアパート――。 外堀が埋まっていくスピードに戸惑いながらも、ジャスミンは彼が隠し持つ「男」の顔に、抗えない好奇心を抱き始める。 「……どうする? 俺と一緒に、いけないことするか?」 余裕の仮面を被るセバスチャンに、あどけない顔で、けれど大胆に踏み込んでいくジャスミン。 理性を繋ぎ止めようとする彼を、翻弄し、追い詰めていくのは彼女の方で……。 「ゆっくり」なんて、ただの建前。 一度火がついた熱は、誰にも止められない。 兄の親友という境界線を軽々と飛び越え、加速しすぎる二人の溺愛ラブストーリー。