436 / 788
第十八章 ふしぎの海のユーリ
18
何かと理由をつけてはいつも以上に私に構って
スキンシップを取るシェラさんとシグウェルさんに
解せない、と不満げな顔をしたままシンシアさんに
着替えを手伝ってもらう。
これが休暇だというのなら、私よりもあの二人の方が
ずいぶんと休暇を楽しんでいるような気がする。
「さあユーリ様、出来ましたよ。いつまでもむくれて
いるとせっかくの衣装の可愛らしさも半減ですよ。」
シンシアさんが私達のさっきの様子を思い出したのか
苦笑しながら私のスカートの裾を整えてくれた。
まだお昼前のおやつを食べた時間だというのに
すでに本日二度目の着替えだ。
白を基調に、明るい青が入ったスカートはボリューム
も控えめな膝丈のドレスで港町のリオネルにぴったり
の爽やかな服だ。
「やっぱりシェラザード様の選ばれるお洋服はどれも
ユーリ様に良くお似合いですね。」
私の頭に青いリボンの髪飾りを付け、手首には金色の
細いブレスレットを通しながらシンシアさんはそう
言っている。
ちらりと横を見ればドレスや髪飾りとお揃いの、
青に金色の刺繍が入ったサンダルも置いてあった。
「いやシェラさん、服やアクセサリーもですけど
靴もドレスに揃えて持って来てるんですか?」
「ユーリ様に着ていただきたいお洋服が多過ぎて
選べなかったとおっしゃっていました。そのために
持ち込んだ荷物が多くなったようですよ?今回の
私は、そんなシェラザード様のご要望を叶えるべく
滞在中はなるべく多くのドレスをユーリ様に袖を
通していただこうと思っております。」
自分の仕事に目標を掲げてキリリとした顔を見せた
シンシアさんに、これは無人島から戻って来ても
今日はあと二回は着替えさせられそうだと覚悟した。
そうして着替え終わってから船着き場で待っている
シェラさんの所へエル君と一緒に合流すれば、私の
格好を見て嬉しそうな顔をされる。
「ユーリ様は何を着てもよくお似合いなので準備の
しがいがありますね。ですが・・・うーん、履き物は
やはり編み上げリボンが付いたものでも良かったかも
知れないですね、ユーリ様の白い足には爽やかな青い
色の編み上げリボンは素晴らしく美しく映えたこと
でしょう。」
まずい、シェラさんがまた何か買ってきそうな勢いで
考え始めた。
これ以上の無駄遣いはやめさせないと、と慌てて
声を上げてシェラさんの興味を買い物から逸らす。
「大丈夫です!それより早く行きましょう⁉︎無人島
なんて初めてだから楽しみだなあ‼︎」
「そうですか?」
「そうですよ!私の格好なんかよりもずっと楽しみ
です!」
ウンウン、と頷けばそこまで言うならとさっそく
シェラさんは小型の船に私を案内した。
私とエル君、シェラさんの三人だけがその船に乗り
櫂を操る漕ぎ手はシェラさん本人だ。
「シグウェル魔導士団長が揺れ防止の魔法をかけて
くれたので酔ったりはしないはずですよ。今回は
オレが漕いでいますが、島へ本格的に滞在する際は
昨日シグウェル団長が話していたように魔法の使える
専用の漕ぎ手も雇う予定です。」
そんなところまで考えてたんだ。たかが私一人の滞在
にそこまで、とも思うけど町に雇用が生まれるのは
いいことなのかな・・・?
「ちなみに他にも雇う予定の人がいるんですか?」
気になって尋ねれば、
「ええ。館の管理人に厨房など人手はある程度必要
ですからね。いつでも搾りたての新鮮なジュースが
飲めるように果樹園も作り、庭師とは別に果樹園専用
の管理人も置こうかと。」
すいすいと力強く漕ぎながらシェラさんはあれこれと
楽しそうに話す。
「そうだ、王都に戻りましたらリオン殿下に話して
奥の院にもユーリ様専用の果樹園を作っていただき
ましょうか。毎朝オレが新鮮なジュースをお届け
しますよ。無人島に植える果樹はシグウェル魔導士
団長がノイエ領の叔父に交渉してノイエの甘い果物を
植える予定ですから、ついでにその一部を奥の院へ
回してもらいましょう。小さな小川も作り、樹の下で
そのせせらぎを聴きながらお昼寝するのもいいかも
しれませんね。」
「そこまでするつもりですか⁉︎」
無人島の話が奥の院の改装にまで話が飛び火した。
ついこの間、私のために改装したばかりなのに
今度は果樹園と小川を作るとかちょっとした工事に
なってしまう。
「い、いえ、いいんですよ?私にはこの島がある
だけで充分ですから」
「そうですか?」
小首を傾げるシェラさんに私の言葉は届いていない
気がする。帰ってから数ヶ月後には奥の院に小川と
果樹園が出来上がっているのを覚悟しておこう。
そんな話をしていれば、いつの間にか船は島へと
ついていたらしい。
着きましたよ、とシェラさんに縦抱きにされて
降り立った船着き場には桟橋全体にも屋根がかかり
船を収納するだけにしては立派な二階建ての建物が
立っていた。
まるで観光地にあるクルーズ船の発着場の小型版にも
似た建物だ。
「なんかもう、ここだけでもお金がかかってそう
なんですけど・・・」
「天候が悪い時に濡れないためです。この二階から
見える海の眺めも素晴らしいですよ?館からここまで
散策して来て、この二階でお茶を飲んでゆっくりと
景色を楽しんでからまた館へ戻るのも良いでしょう」
館から馬で急ぎここまで来た時のための馬小屋も
備え付けてありますが、まだ馬はおりませんので
それはまた後でお見せしましょうね。と微笑まれて
あ、これでもまだ完成してないんだ・・・と
そら恐ろしくなった。
その後も緩い坂道を登りながらその道沿いに植えて
あるグミみたいな小さくて甘い実をつまんで食べたり
ユリウスさんが月光花の原種だと言っていた鮮やかな
赤い花を見たりしてシェラさんの説明を受ける。
月光花の原種だというその花は、お世話になっている
お屋敷で見た方が大ぶりで華やかだったので、地植え
してあるのと鉢植えだと違うんだなあと思いながら
眺めていれば、そんな私を見て
「あの屋敷の庭師をこちらに住み込みで雇い直し
ましょうかねぇ・・・」
とシェラさんは呟いている。
いや、たまにしか来ない場所のために今お世話に
なっているところの人を無人島に住み込みで引き抜く
とか迷惑過ぎない?
ダメですよ、と注意すれば「ユーリ様がお花を見て
物足りなさそうなお顔をしていらっしゃいました
ので」と私のせいにされた。
ちなみに船着き場から坂の上にある昔の砦を改装した
という館まではずっとシェラさんに縦抱きにされた
ままだった。
歩きますよ、と言っても「ユーリ様の体力では
上に着く頃には疲れてしまってますから」という
理由で降ろしてもらえなかった。
そんな風に、リオン様やレジナスさんよろしく私を
ずっと縦抱っこ移動していたシェラさんは
「やはりユーリ様と伴侶として過ごす休暇は良いもの
ですね。これほど幸せな時間を過ごせるとは。
・・・受け入れていただけて本当に良かった。改めて
お礼を申し上げます。」
と海を見ながら噛み締めるように言うと、その手に
抱き上げている私をふいに穏やかな微笑みで見つめて
きた。
金色の瞳にはいつもの人たらしな色気も周囲を警戒
している時のような鋭さもない。
静かに輝く星の光のように凪いだ穏やかさに、私と
一緒にいたシェラさんを見たシグウェルさんが
『やはり君はユーリと一緒にいると魔力が安定して
いる。君が伴侶に選ばれたのは周りにとっても
良かったのかもしれない』
と言っていたのを思い出した。
この休暇の間中、いつもよりもスキンシップが多めで
無人島どころか奥の院までまた手を加えようとして
いて・・・あまつさえ私のことを見ず知らずの人達に
「妻です!」と張り切って話したり色々と突っ込み
たいところはあるシェラさんだけど。
私と一緒にいることで自分を卑下することなく、
満足して幸せだと思っているなら良しとしよう。
見つめられている気恥ずかしさからそっと視線を
外しながらそう思った。
スキンシップを取るシェラさんとシグウェルさんに
解せない、と不満げな顔をしたままシンシアさんに
着替えを手伝ってもらう。
これが休暇だというのなら、私よりもあの二人の方が
ずいぶんと休暇を楽しんでいるような気がする。
「さあユーリ様、出来ましたよ。いつまでもむくれて
いるとせっかくの衣装の可愛らしさも半減ですよ。」
シンシアさんが私達のさっきの様子を思い出したのか
苦笑しながら私のスカートの裾を整えてくれた。
まだお昼前のおやつを食べた時間だというのに
すでに本日二度目の着替えだ。
白を基調に、明るい青が入ったスカートはボリューム
も控えめな膝丈のドレスで港町のリオネルにぴったり
の爽やかな服だ。
「やっぱりシェラザード様の選ばれるお洋服はどれも
ユーリ様に良くお似合いですね。」
私の頭に青いリボンの髪飾りを付け、手首には金色の
細いブレスレットを通しながらシンシアさんはそう
言っている。
ちらりと横を見ればドレスや髪飾りとお揃いの、
青に金色の刺繍が入ったサンダルも置いてあった。
「いやシェラさん、服やアクセサリーもですけど
靴もドレスに揃えて持って来てるんですか?」
「ユーリ様に着ていただきたいお洋服が多過ぎて
選べなかったとおっしゃっていました。そのために
持ち込んだ荷物が多くなったようですよ?今回の
私は、そんなシェラザード様のご要望を叶えるべく
滞在中はなるべく多くのドレスをユーリ様に袖を
通していただこうと思っております。」
自分の仕事に目標を掲げてキリリとした顔を見せた
シンシアさんに、これは無人島から戻って来ても
今日はあと二回は着替えさせられそうだと覚悟した。
そうして着替え終わってから船着き場で待っている
シェラさんの所へエル君と一緒に合流すれば、私の
格好を見て嬉しそうな顔をされる。
「ユーリ様は何を着てもよくお似合いなので準備の
しがいがありますね。ですが・・・うーん、履き物は
やはり編み上げリボンが付いたものでも良かったかも
知れないですね、ユーリ様の白い足には爽やかな青い
色の編み上げリボンは素晴らしく美しく映えたこと
でしょう。」
まずい、シェラさんがまた何か買ってきそうな勢いで
考え始めた。
これ以上の無駄遣いはやめさせないと、と慌てて
声を上げてシェラさんの興味を買い物から逸らす。
「大丈夫です!それより早く行きましょう⁉︎無人島
なんて初めてだから楽しみだなあ‼︎」
「そうですか?」
「そうですよ!私の格好なんかよりもずっと楽しみ
です!」
ウンウン、と頷けばそこまで言うならとさっそく
シェラさんは小型の船に私を案内した。
私とエル君、シェラさんの三人だけがその船に乗り
櫂を操る漕ぎ手はシェラさん本人だ。
「シグウェル魔導士団長が揺れ防止の魔法をかけて
くれたので酔ったりはしないはずですよ。今回は
オレが漕いでいますが、島へ本格的に滞在する際は
昨日シグウェル団長が話していたように魔法の使える
専用の漕ぎ手も雇う予定です。」
そんなところまで考えてたんだ。たかが私一人の滞在
にそこまで、とも思うけど町に雇用が生まれるのは
いいことなのかな・・・?
「ちなみに他にも雇う予定の人がいるんですか?」
気になって尋ねれば、
「ええ。館の管理人に厨房など人手はある程度必要
ですからね。いつでも搾りたての新鮮なジュースが
飲めるように果樹園も作り、庭師とは別に果樹園専用
の管理人も置こうかと。」
すいすいと力強く漕ぎながらシェラさんはあれこれと
楽しそうに話す。
「そうだ、王都に戻りましたらリオン殿下に話して
奥の院にもユーリ様専用の果樹園を作っていただき
ましょうか。毎朝オレが新鮮なジュースをお届け
しますよ。無人島に植える果樹はシグウェル魔導士
団長がノイエ領の叔父に交渉してノイエの甘い果物を
植える予定ですから、ついでにその一部を奥の院へ
回してもらいましょう。小さな小川も作り、樹の下で
そのせせらぎを聴きながらお昼寝するのもいいかも
しれませんね。」
「そこまでするつもりですか⁉︎」
無人島の話が奥の院の改装にまで話が飛び火した。
ついこの間、私のために改装したばかりなのに
今度は果樹園と小川を作るとかちょっとした工事に
なってしまう。
「い、いえ、いいんですよ?私にはこの島がある
だけで充分ですから」
「そうですか?」
小首を傾げるシェラさんに私の言葉は届いていない
気がする。帰ってから数ヶ月後には奥の院に小川と
果樹園が出来上がっているのを覚悟しておこう。
そんな話をしていれば、いつの間にか船は島へと
ついていたらしい。
着きましたよ、とシェラさんに縦抱きにされて
降り立った船着き場には桟橋全体にも屋根がかかり
船を収納するだけにしては立派な二階建ての建物が
立っていた。
まるで観光地にあるクルーズ船の発着場の小型版にも
似た建物だ。
「なんかもう、ここだけでもお金がかかってそう
なんですけど・・・」
「天候が悪い時に濡れないためです。この二階から
見える海の眺めも素晴らしいですよ?館からここまで
散策して来て、この二階でお茶を飲んでゆっくりと
景色を楽しんでからまた館へ戻るのも良いでしょう」
館から馬で急ぎここまで来た時のための馬小屋も
備え付けてありますが、まだ馬はおりませんので
それはまた後でお見せしましょうね。と微笑まれて
あ、これでもまだ完成してないんだ・・・と
そら恐ろしくなった。
その後も緩い坂道を登りながらその道沿いに植えて
あるグミみたいな小さくて甘い実をつまんで食べたり
ユリウスさんが月光花の原種だと言っていた鮮やかな
赤い花を見たりしてシェラさんの説明を受ける。
月光花の原種だというその花は、お世話になっている
お屋敷で見た方が大ぶりで華やかだったので、地植え
してあるのと鉢植えだと違うんだなあと思いながら
眺めていれば、そんな私を見て
「あの屋敷の庭師をこちらに住み込みで雇い直し
ましょうかねぇ・・・」
とシェラさんは呟いている。
いや、たまにしか来ない場所のために今お世話に
なっているところの人を無人島に住み込みで引き抜く
とか迷惑過ぎない?
ダメですよ、と注意すれば「ユーリ様がお花を見て
物足りなさそうなお顔をしていらっしゃいました
ので」と私のせいにされた。
ちなみに船着き場から坂の上にある昔の砦を改装した
という館まではずっとシェラさんに縦抱きにされた
ままだった。
歩きますよ、と言っても「ユーリ様の体力では
上に着く頃には疲れてしまってますから」という
理由で降ろしてもらえなかった。
そんな風に、リオン様やレジナスさんよろしく私を
ずっと縦抱っこ移動していたシェラさんは
「やはりユーリ様と伴侶として過ごす休暇は良いもの
ですね。これほど幸せな時間を過ごせるとは。
・・・受け入れていただけて本当に良かった。改めて
お礼を申し上げます。」
と海を見ながら噛み締めるように言うと、その手に
抱き上げている私をふいに穏やかな微笑みで見つめて
きた。
金色の瞳にはいつもの人たらしな色気も周囲を警戒
している時のような鋭さもない。
静かに輝く星の光のように凪いだ穏やかさに、私と
一緒にいたシェラさんを見たシグウェルさんが
『やはり君はユーリと一緒にいると魔力が安定して
いる。君が伴侶に選ばれたのは周りにとっても
良かったのかもしれない』
と言っていたのを思い出した。
この休暇の間中、いつもよりもスキンシップが多めで
無人島どころか奥の院までまた手を加えようとして
いて・・・あまつさえ私のことを見ず知らずの人達に
「妻です!」と張り切って話したり色々と突っ込み
たいところはあるシェラさんだけど。
私と一緒にいることで自分を卑下することなく、
満足して幸せだと思っているなら良しとしよう。
見つめられている気恥ずかしさからそっと視線を
外しながらそう思った。
あなたにおすすめの小説
なんか、異世界行ったら愛重めの溺愛してくる奴らに囲われた
いに。
恋愛
"佐久良 麗"
これが私の名前。
名前の"麗"(れい)は綺麗に真っ直ぐ育ちますようになんて思いでつけられた、、、らしい。
両親は他界
好きなものも特にない
将来の夢なんてない
好きな人なんてもっといない
本当になにも持っていない。
0(れい)な人間。
これを見越してつけたの?なんてそんなことは言わないがそれ程になにもない人生。
そんな人生だったはずだ。
「ここ、、どこ?」
瞬きをしただけ、ただそれだけで世界が変わってしまった。
_______________....
「レイ、何をしている早くいくぞ」
「れーいちゃん!僕が抱っこしてあげよっか?」
「いや、れいちゃんは俺と手を繋ぐんだもんねー?」
「、、茶番か。あ、おいそこの段差気をつけろ」
えっと……?
なんか気づいたら周り囲まれてるんですけどなにが起こったんだろう?
※ただ主人公が愛でられる物語です
※シリアスたまにあり
※周りめちゃ愛重い溺愛ルート確です
※ど素人作品です、温かい目で見てください
どうぞよろしくお願いします。
獣人の世界に落ちたら最底辺の弱者で、生きるの大変だけど保護者がイケオジで最強っぽい。
真麻一花
恋愛
私は十歳の時、獣が支配する世界へと落ちてきた。
狼の群れに襲われたところに現れたのは、一頭の巨大な狼。そのとき私は、殺されるのを覚悟した。
私を拾ったのは、獣人らしくないのに町を支配する最強の獣人だった。
なんとか生きてる。
でも、この世界で、私は最低辺の弱者。
気がつけば異世界
蝋梅
恋愛
芹沢 ゆら(27)は、いつものように事務仕事を終え帰宅してみれば、母に小さい段ボールの箱を渡される。
それは、つい最近亡くなった骨董屋を営んでいた叔父からの品だった。
その段ボールから最後に取り出した小さなオルゴールの箱の中には指輪が1つ。やっと合う小指にはめてみたら、部屋にいたはずが円柱のてっぺんにいた。
これは現実なのだろうか?
私は、まだ事の重大さに気づいていなかった。
面倒くさがりやの異世界人〜微妙な美醜逆転世界で〜
蝋梅
恋愛
仕事帰り電車で寝ていた雅は、目が覚めたら満天の夜空が広がる場所にいた。目の前には、やたら美形な青年が騒いでいる。どうしたもんか。面倒くさいが口癖の主人公の異世界生活。
短編ではありませんが短めです。
別視点あり
【完結】転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して二年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
魔法師団長の家政婦辞めたら溺愛されました【完結】
iru
恋愛
第19回 恋愛小説大賞エントリーしています。ぜひ1票お願いします。
小説家になろうですでに完結済みの作品です。よければお気に入りブックマークなどお願いします。
両親と旅をしている途中、魔物に襲われているところを、魔法師団に助けられたティナ。
両親は亡くなってしまったが、両親が命をかけて守ってくれた自分の命を無駄にせず強く生きていこうと決めた。
しかし、肉親も家もないティナが途方に暮れていると、魔物から助けてくれ、怪我の入院まで面倒を見てくれた魔法師団の団長レオニスから彼の家政婦として住み込みで働かないと誘われた。
魔物から助けられた時から、ひどく憧れていたレオニスの誘いを、ティナはありがたく受ける事にした。
自分はただの家政婦だと強く言い聞かせて、日に日に膨らむ恋心を抑え込むティナだった。
一方、レオニスもティナにどんどん惹かれていっていた。
初めはなくなった妹のようで放っては置けないと家政婦として雇ったが、その健気な様子に強く惹かれていった。
恋人になりたいが、年上で雇い主。
もしティナも同じ気持ちでないなら仕事まで奪ってしまうのではないか。
そんな思いで一歩踏み出せないレオニスだった。
そんな中ある噂から、ティナはレオニスの家政婦を辞めて家を出る決意をする。
レオニスは思いを伝えてティナを引き止めることができるのか?
両片思いのすれ違いのお話です。
王宮の万能メイド、偏屈魔術師を餌付けする
葉山あおい
恋愛
王宮で働く勤続八年のメイド、エレナ・フォスター。仕事は完璧だが愛想がない彼女は、いつしか「鉄の女」と呼ばれ恐れられていた。
そんな彼女に下された辞令は、王宮の敷地内にありながら「魔窟」と呼ばれる『北の塔』の専属メイドになること。そこの主である宮廷魔術師団長・シルヴィス・クローデルは、稀代の天才ながら極度の人嫌い&生活能力ゼロの偏屈男だった!
ゴミ屋敷と化した塔をピカピカに掃除し、栄養失調寸前の彼に絶品の手料理を振る舞うエレナ。黄金色のオムレツ、とろける煮込みハンバーグ、特製カツサンド……。美味しいご飯で餌付けされた魔術師様は、次第にエレナへの独占欲を露わにし始めて――?
意地悪な聖女や侯爵夫人のいびりも、完璧なスキルで華麗に返り討ち。平民出身のメイドが、身分差を乗り越えて幸せな花嫁になるまでの、美味しくて甘いシンデレラストーリー。
聖女じゃなかったので、カフェで働きます
風音悠鈴
恋愛
光魔法が使えず「聖女失格」と追放された大学生・藍里。
聖女じゃないと城を追い出されたけど、実は闇属性+女神の加護持ちのチートだった⁉︎
望みはカフェでのスローライフだけ。
乙女ゲーム世界の歪みから大切な日常を守ります!
全30話予定