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第十八章 ふしぎの海のユーリ
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ユリウスさんに私が見て来た無人島の様子をあれこれ
話して教えていると、その島には昨日シグウェルさん
が防御魔法をかけてきたという話をされた。
「国王陛下が滞在するって言ってもそこまでするか?
ってくらい強力な魔法をかけてたみたいっすよ。
王都にいた時からあれこれと見たことのない魔法式を
いっぱい書きつけて考えてたみたいでしたから、
あの島に団長がつけた結界と魔法は多分このために
新しく作り出したやつっす」
一体どんだけの威力があるのか怖いもの見たさで
ちょっと気にはなるっすねー、とユリウスさんは
肩をすくめている。
「それは確かに気になりますけど、そんな結界魔法
が発動するのはよっぽどの事態ってことじゃない
ですか?ちょっと怖いですね・・・」
なんて話していたら、背後からシグウェルさんの
「そんなに見たいなら演習的に結界を発動させる
ことも出来るんだが」
という落ち着いた声がした。どうやら調べ物が
終わって私達のところへやって来たらしい。
そしてそんなシグウェルさんの結界を発動させて
見せてやろうか?というその発言にユリウスさんは
ひえっ、と小さく悲鳴を上げた。
「やめるっすよ!団長の言う演習は国家規模の大規模
ひとり演習になるに決まってるっす!そんなのが
リオネルの人達に目撃されたらどこかの国が攻めて
きたか魔物でも襲って来たのかって警備隊やら傭兵団
やらに通報されてまた始末書を書くことになるし‼︎」
相変わらずユリウスさんが考えるシグウェルさんに
よる被害予想は規模が大きい。かと言ってそれが
完全なる被害妄想だとも言い切れず、シグウェルさん
ならあり得そうだとつい納得してしまう。
「シグウェルさん、あの入り江の洞穴に何か魔物の
痕跡はありましたか?ユリウスさんの話では何かを
見かけたからあそこで魔法を使ったっていう話みたい
ですけど」
私があの島に張ってある結界が発動するところを
見たがっていると勘違いされてはまずいと慌てて
話をあの入り江の件に戻した。
するとシグウェルさんは懐からちゃら、とあの石ころ
みたいな魔石を幾つか取り出した。
「これはあの入り江の洞穴に散らばっていたものだ。
やはりあそこには何かしら怪我を負った魔物がいる
ということだろうな。」
そう話している。じゃあ貝と一緒にこの魔石が網に
かかるのも、その入り江から流れ着いたものかも
しれない。
「腹立たしいのは、」
そこですうとシグウェルさんの声が冷たさを増した。
「リオネルの町の者たちがあそこに月に一度供え物
を持って行っているという話だ。」
「あ、そういえばなんかそんな事を言ってましたね」
昨日入り江から出て来た船を思い出しながら頷けば、
「もしあそこに魔物か何かがいて、それを鎮めて
海の恵みを得ようとするための行いがその供え物だと
いうのなら、それは魔物を甘やかし餌付けをして
付け上がらせているのと変わらない。」
声どころかその瞳も冷たい光を僅かに滲ませて、
まるで目の前にいない町の人たちを軽蔑している
ようにも見えた。
「いやいや団長、さすがにそれは手厳し過ぎるんじゃ
ないっすか?」
そう言うユリウスさんに、
「何を言う。古来より魔物を鎮めるために人身御供を
捧げていたという話は各地に残っているだろう?
そんなもの魔物に定期的にエサをやっているに等しい
愚かな行為だ。そしてそんな愚行を魔物を討伐する
ことによりやめさせたのが勇者だろうが。だと
いうのに、こうしていまだに魔物を付け上がらせ
崇めるような事をする地域があるとは・・・
魔物討伐と国の平和に尽力した勇者や国の者達に
申し訳が立たない。」
いつも我が道を行くようなシグウェルさんの口から
まさかそんな勇者様や魔物退治をする人達を敬うよう
な言葉が出るとは思わなかった。
意外だなあと目を丸くして見つめていたら、そんな
私の視線に気付いたらしいシグウェルさんが口調を
和らげた。
「それにこの先ここにユーリが何度も訪れることに
なるというのにお前はそんな魔物を放置しておける
というのか?」
そう言われればユリウスさんも反論の余地はない。
「それはそうっすけど・・・。」
「それに歌で特定の人間を選り好みするなどそいつは
肉や果物などの供え物では満足していないのだろう。
恐らく昔喰った人間の中から年若い少女に味を占めて
供え物とは別に今でも歌で誘い出し喰っていると
いうことではないのか?」
シグウェルさんのそんな予想に、それまで黙って
話を聞いていたシェラさんもふうん、と口を開いた。
「魔物の血が固まった魔石が洞穴にあって負傷して
いるらしい怪我が治っていないのも、本来の自分の
食物ではない月に一度の供え物しか食べられないのと
結界の隙をついて誘い出せる僅かな数の人間しか
食べられないから回復が遅れているというところ
でしょうか?」
「まあそういうところだろう。怪我を負っている
らしいのは、どこかで討伐されかけて逃げてここに
流れ着いて以来ずっと隠れ住んでいるからなのかも
知れない。」
「ユーリ様も危うくその声に誘い出されるところ
でしたし、このままにはしておけませんねえ・・・」
ほっそりと白くて長い形の良い指をあごにあてて
ちょっと考えていたシェラさんだったけど、すぐに
にっこりといつものあの色気のある笑顔を見せた。
「・・・うん、やはり心配のタネは取り除くに
限りますね。魔物狩りをしましょう。」
「まあそれしかないな」
色気のある笑顔を見せるシェラさんと対照的に、
氷のような無表情に近いシグウェルさんだけど
二人の意見は一致している。
「とりあえず今夜は花火がありますから・・・
ユーリ様にはそれを楽しんでいただきたいですし、
魔物を狩るのは明日の朝からということでよろしい
でしょうか?」
まるでどこかに遊びにでも行くみたいにシェラさんは
気軽に予定を決める。
「君と俺ならすぐにカタはつくだろう。君達が花火を
見ている間に俺とユリウスでもう少し調べて魔物の
位置を特定しておくから今夜は花火を楽しんでくれ」
シグウェルさんの言葉にユリウスさんの顔色が
変わった。
「えっ、ちょっと待つっすよ?団長とシェラザード
隊長の二人で魔物討伐とかホントに大丈夫っすか?
やり過ぎたりしないっすか?ユーリ様の前だからって
張り切り過ぎて、うっかり力加減を間違えたりしない
っすよね?」
魔物よりも被害を出すようなことになったら目も
当てられないっすよ⁉︎と言うユリウスさんの言葉を
なぜか二人は聞こえないかのように無視した。
え・・・?本当に大丈夫?
話して教えていると、その島には昨日シグウェルさん
が防御魔法をかけてきたという話をされた。
「国王陛下が滞在するって言ってもそこまでするか?
ってくらい強力な魔法をかけてたみたいっすよ。
王都にいた時からあれこれと見たことのない魔法式を
いっぱい書きつけて考えてたみたいでしたから、
あの島に団長がつけた結界と魔法は多分このために
新しく作り出したやつっす」
一体どんだけの威力があるのか怖いもの見たさで
ちょっと気にはなるっすねー、とユリウスさんは
肩をすくめている。
「それは確かに気になりますけど、そんな結界魔法
が発動するのはよっぽどの事態ってことじゃない
ですか?ちょっと怖いですね・・・」
なんて話していたら、背後からシグウェルさんの
「そんなに見たいなら演習的に結界を発動させる
ことも出来るんだが」
という落ち着いた声がした。どうやら調べ物が
終わって私達のところへやって来たらしい。
そしてそんなシグウェルさんの結界を発動させて
見せてやろうか?というその発言にユリウスさんは
ひえっ、と小さく悲鳴を上げた。
「やめるっすよ!団長の言う演習は国家規模の大規模
ひとり演習になるに決まってるっす!そんなのが
リオネルの人達に目撃されたらどこかの国が攻めて
きたか魔物でも襲って来たのかって警備隊やら傭兵団
やらに通報されてまた始末書を書くことになるし‼︎」
相変わらずユリウスさんが考えるシグウェルさんに
よる被害予想は規模が大きい。かと言ってそれが
完全なる被害妄想だとも言い切れず、シグウェルさん
ならあり得そうだとつい納得してしまう。
「シグウェルさん、あの入り江の洞穴に何か魔物の
痕跡はありましたか?ユリウスさんの話では何かを
見かけたからあそこで魔法を使ったっていう話みたい
ですけど」
私があの島に張ってある結界が発動するところを
見たがっていると勘違いされてはまずいと慌てて
話をあの入り江の件に戻した。
するとシグウェルさんは懐からちゃら、とあの石ころ
みたいな魔石を幾つか取り出した。
「これはあの入り江の洞穴に散らばっていたものだ。
やはりあそこには何かしら怪我を負った魔物がいる
ということだろうな。」
そう話している。じゃあ貝と一緒にこの魔石が網に
かかるのも、その入り江から流れ着いたものかも
しれない。
「腹立たしいのは、」
そこですうとシグウェルさんの声が冷たさを増した。
「リオネルの町の者たちがあそこに月に一度供え物
を持って行っているという話だ。」
「あ、そういえばなんかそんな事を言ってましたね」
昨日入り江から出て来た船を思い出しながら頷けば、
「もしあそこに魔物か何かがいて、それを鎮めて
海の恵みを得ようとするための行いがその供え物だと
いうのなら、それは魔物を甘やかし餌付けをして
付け上がらせているのと変わらない。」
声どころかその瞳も冷たい光を僅かに滲ませて、
まるで目の前にいない町の人たちを軽蔑している
ようにも見えた。
「いやいや団長、さすがにそれは手厳し過ぎるんじゃ
ないっすか?」
そう言うユリウスさんに、
「何を言う。古来より魔物を鎮めるために人身御供を
捧げていたという話は各地に残っているだろう?
そんなもの魔物に定期的にエサをやっているに等しい
愚かな行為だ。そしてそんな愚行を魔物を討伐する
ことによりやめさせたのが勇者だろうが。だと
いうのに、こうしていまだに魔物を付け上がらせ
崇めるような事をする地域があるとは・・・
魔物討伐と国の平和に尽力した勇者や国の者達に
申し訳が立たない。」
いつも我が道を行くようなシグウェルさんの口から
まさかそんな勇者様や魔物退治をする人達を敬うよう
な言葉が出るとは思わなかった。
意外だなあと目を丸くして見つめていたら、そんな
私の視線に気付いたらしいシグウェルさんが口調を
和らげた。
「それにこの先ここにユーリが何度も訪れることに
なるというのにお前はそんな魔物を放置しておける
というのか?」
そう言われればユリウスさんも反論の余地はない。
「それはそうっすけど・・・。」
「それに歌で特定の人間を選り好みするなどそいつは
肉や果物などの供え物では満足していないのだろう。
恐らく昔喰った人間の中から年若い少女に味を占めて
供え物とは別に今でも歌で誘い出し喰っていると
いうことではないのか?」
シグウェルさんのそんな予想に、それまで黙って
話を聞いていたシェラさんもふうん、と口を開いた。
「魔物の血が固まった魔石が洞穴にあって負傷して
いるらしい怪我が治っていないのも、本来の自分の
食物ではない月に一度の供え物しか食べられないのと
結界の隙をついて誘い出せる僅かな数の人間しか
食べられないから回復が遅れているというところ
でしょうか?」
「まあそういうところだろう。怪我を負っている
らしいのは、どこかで討伐されかけて逃げてここに
流れ着いて以来ずっと隠れ住んでいるからなのかも
知れない。」
「ユーリ様も危うくその声に誘い出されるところ
でしたし、このままにはしておけませんねえ・・・」
ほっそりと白くて長い形の良い指をあごにあてて
ちょっと考えていたシェラさんだったけど、すぐに
にっこりといつものあの色気のある笑顔を見せた。
「・・・うん、やはり心配のタネは取り除くに
限りますね。魔物狩りをしましょう。」
「まあそれしかないな」
色気のある笑顔を見せるシェラさんと対照的に、
氷のような無表情に近いシグウェルさんだけど
二人の意見は一致している。
「とりあえず今夜は花火がありますから・・・
ユーリ様にはそれを楽しんでいただきたいですし、
魔物を狩るのは明日の朝からということでよろしい
でしょうか?」
まるでどこかに遊びにでも行くみたいにシェラさんは
気軽に予定を決める。
「君と俺ならすぐにカタはつくだろう。君達が花火を
見ている間に俺とユリウスでもう少し調べて魔物の
位置を特定しておくから今夜は花火を楽しんでくれ」
シグウェルさんの言葉にユリウスさんの顔色が
変わった。
「えっ、ちょっと待つっすよ?団長とシェラザード
隊長の二人で魔物討伐とかホントに大丈夫っすか?
やり過ぎたりしないっすか?ユーリ様の前だからって
張り切り過ぎて、うっかり力加減を間違えたりしない
っすよね?」
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当てられないっすよ⁉︎と言うユリウスさんの言葉を
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