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第十九章 聖女が街にやって来た
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私がまた大きくなったと知らされて、ルルーさん以下シンシアさん達もバタバタと私の服や靴を新しい物に変えたり揃えたりし始めた。
前に大きくなった時にはいなかったリース君とアンリ君は初めての体験に目を丸くして・・・というか、なぜかキラキラした眼差しで私を見つめている。
「さすが神様に遣わされたご使者です、ボク達には想像も出来ない成長のなさり方をされるんですね!」
リース君が色々なデザインの靴を並べながら弾むように声を上げればアンリ君も
「前までもとても愛らしかったですが背が伸びて大人っぽいドレスももっと似合うようになったのでお洋服を選ぶ幅が広がって楽しいです!」
とあの金色の巻き毛を揺らしてにっこり笑いかけてくれる。
相変わらず天使みたいな笑顔でアンリ君の方こそ愛らしいという言葉がよく似合う。
「私はただ大きくなっただけですから大袈裟ですよ。
それよりシェラさんが大量に買い込んでいた私のドレスや靴が使い物にならなくなったのが申し訳なくて・・・」
大きくなってサイズが合わなくなってしまったので、前までの小さなサイズのものはまだ袖も通していないものも多いのに勿体無い。
「あ、それは大丈夫ですよ。シェラザード様がすでに周知をされています!ユーリ様から下賜される衣類があるという話が広まり、すでに貴族や孤児院を持つ神殿からたくさん問い合わせが来ているそうです!」
そう言ってリース君は
「癒し子様が身に付けた物をいただけるなんてありがたいですよね!」
と声を弾ませているけど、そのほとんどを私はまだ着たことがない。
着ない服をリサイクル出来るのはいいけどそれって半分サギだよね・・・?
首を傾げながら、楽しそうにドレスや靴を前に色々話しているリース君達を眺めていたら、エル君が扉の向こうから顔を見せた。
「ユーリ様、魔導士団長と副団長がお見えです。
こちらにお通ししてもいいですか?」
「あっ、お願いします!」
このサイズになってからシグウェルさん達には初めて会う。
びっくりしないといいな。
そう思いながら簡単に身支度を整えて待てば、部屋に入ってきたシグウェルさんはピタリとその歩みを止めて私を見つめてきた。
「な、何かヘンですか?」
あまりにも無反応のまま見つめられて居心地が悪い。
一応着ているもののサイズも合わせてもらったんだけど⁉︎
思わずパタパタと自分の服を払うように触って確かめてしまった。
すると黙って私を見つめているシグウェルさんの影からユリウスさんがひょっこり顔を出した。
「団長、何をボーッと突っ立ってるんすか?
俺も早く大きくなったユーリ様を見たいんすけど!」
そう文句を言いながら私を見たユリウスさんは目をまん丸くした。
「え、うわ!ユーリ様マジで成長してるし!
だいぶ元の姿に近付いたっすね。あのお色気美人なユーリ様に瓜二つ‼︎」
色気のある美人かどうかはさておいて、瓜二つも何も本人なんですけど・・・。
「とりあえず二人ともこちらにどうぞ。
ええと、シグウェルさん?」
なんかずっと動かないでいるのでさすがに心配になって二人に歩み寄り、シグウェルさんの服の袖をちょっとだけ引く。
「・・・ああ、悪い。その姿で酔っていないまともな君を見るのがなんだか不思議な気がしてつい見てしまっていた。」
そう言われてまたまじまじと見つめられる。
すいませんね、大きい時はたいてい酔っ払っていて。
シグウェルさんはそのままリオン様がよくそうするように私の頬に手を添えてそっと優しく撫でながら瞳を覗き込むように見つめてきた。
「・・・魔力は落ち着いているが以前よりもその輝きが強まっているように見える。ヨナス神の力の影響はほとんど見て取れないな。グノーデル神の力も・・・やはり表面上は何も感じられないか。
大きくなったらその力を引き出せるようになったのではと少し期待したんだが。」
話しながらやわやわと頬を撫でて来られると、その内容は普通のことなのに妙に落ち着かない。
「た、確かに元の姿に近付けば加護を受けている二人の力を思い通りに使えるのかも知れないですけど今のところはまだ全然そんな事ないですね⁉︎
逆に言えばヨナスの呪いを外せるかって言われても、そんなこと出来る気もしませんし!」
あまりに見つめられていて気恥ずかしいのでうろうろとつい視線を彷徨わせてしまう。
「・・・?なぜこっちを見ないんだ?」
「な、なんでって・・・」
背が伸びた分、見つめあえば今までよりも互いの顔の距離が近い。
あの銀色に縁取られた冷たく整った顔や紫色の瞳がすぐ近くで私を見てしゃべっていると思うと、その距離の近さにまだ慣れなくてくらくらする。
「ユーリ様ってホントに団長の顔に弱いっすよねぇ。シェラザード隊長の方が団長よりもユーリ様によほど媚びた色気を向けて来てると思うのに、あっちが平気でこっちがダメとかマジで謎っす。」
ユリウスさんが首を傾げた。
そんな事を言われても私にだって分からない。
「シグウェルさんは初めて会った時から距離感がおかしかったですからね、きっとそのせいです!」
本人を目の前に私がその顔に弱いとかあんまり言わないで欲しい。
ますます恥ずかしくなって声を上げたらシグウェルさんに面白そうな顔をされてしまった。
「なんだ俺の顔に見惚れていただけか。なら今の俺もそうだったからお互い様だ。大人と子どもの境界線上にある今の君の姿は何とも言えない不思議な魅力に溢れているからつい眺めてしまっていた。」
ふむ、と自分の今の気持ちを客観的に観察してそれを伝えてきたシグウェルさんにいたたまれなくなる。
「そ、そういうのは別に言わなくてもいいので自分の心の中にしまっておいてもらえませんか・・・」
「何故?言わなければ俺が君をどう思っているか伝わらないだろう?
殿下に聞いたぞ、愛情が君を成長させるというあの神託通りだったそうだな。
それならなおのこと君をどう思っているか毎回きちんと伝えておかなければ駄目だろう。」
リオン様、そんなことまでシグウェルさんに言ったんだ⁉︎
いや、シグウェルさんのことだから私が大きくなったならまずその原因を知りたがるだろうけど、でも・・・!
「表情も変えずに臆面もなく会うたびに口説きにかかるとか心臓に悪いことこの上ないっすね⁉︎
団長、俺もここにいるってこと忘れないで欲しいっす!それ、最近他国の人間の出入りが激しい王宮内でもやるとかナイっすよね⁉︎」
シグウェルさんの話を黙って聞いていたユリウスさんがさすがにたまらず声を上げた。
「まるでシェラザード隊長がもう一人増えたみたいですっげぇ嫌っす!」
とも言った。
確かに言ってることがちょっとシェラさんに似てるような気もしないでもない。
だけどシグウェルさんはそんなユリウスさんに構わずに
「何事も試してみなければ分からないだろうが」
と面白そうに私を見つめているだけだった。
前に大きくなった時にはいなかったリース君とアンリ君は初めての体験に目を丸くして・・・というか、なぜかキラキラした眼差しで私を見つめている。
「さすが神様に遣わされたご使者です、ボク達には想像も出来ない成長のなさり方をされるんですね!」
リース君が色々なデザインの靴を並べながら弾むように声を上げればアンリ君も
「前までもとても愛らしかったですが背が伸びて大人っぽいドレスももっと似合うようになったのでお洋服を選ぶ幅が広がって楽しいです!」
とあの金色の巻き毛を揺らしてにっこり笑いかけてくれる。
相変わらず天使みたいな笑顔でアンリ君の方こそ愛らしいという言葉がよく似合う。
「私はただ大きくなっただけですから大袈裟ですよ。
それよりシェラさんが大量に買い込んでいた私のドレスや靴が使い物にならなくなったのが申し訳なくて・・・」
大きくなってサイズが合わなくなってしまったので、前までの小さなサイズのものはまだ袖も通していないものも多いのに勿体無い。
「あ、それは大丈夫ですよ。シェラザード様がすでに周知をされています!ユーリ様から下賜される衣類があるという話が広まり、すでに貴族や孤児院を持つ神殿からたくさん問い合わせが来ているそうです!」
そう言ってリース君は
「癒し子様が身に付けた物をいただけるなんてありがたいですよね!」
と声を弾ませているけど、そのほとんどを私はまだ着たことがない。
着ない服をリサイクル出来るのはいいけどそれって半分サギだよね・・・?
首を傾げながら、楽しそうにドレスや靴を前に色々話しているリース君達を眺めていたら、エル君が扉の向こうから顔を見せた。
「ユーリ様、魔導士団長と副団長がお見えです。
こちらにお通ししてもいいですか?」
「あっ、お願いします!」
このサイズになってからシグウェルさん達には初めて会う。
びっくりしないといいな。
そう思いながら簡単に身支度を整えて待てば、部屋に入ってきたシグウェルさんはピタリとその歩みを止めて私を見つめてきた。
「な、何かヘンですか?」
あまりにも無反応のまま見つめられて居心地が悪い。
一応着ているもののサイズも合わせてもらったんだけど⁉︎
思わずパタパタと自分の服を払うように触って確かめてしまった。
すると黙って私を見つめているシグウェルさんの影からユリウスさんがひょっこり顔を出した。
「団長、何をボーッと突っ立ってるんすか?
俺も早く大きくなったユーリ様を見たいんすけど!」
そう文句を言いながら私を見たユリウスさんは目をまん丸くした。
「え、うわ!ユーリ様マジで成長してるし!
だいぶ元の姿に近付いたっすね。あのお色気美人なユーリ様に瓜二つ‼︎」
色気のある美人かどうかはさておいて、瓜二つも何も本人なんですけど・・・。
「とりあえず二人ともこちらにどうぞ。
ええと、シグウェルさん?」
なんかずっと動かないでいるのでさすがに心配になって二人に歩み寄り、シグウェルさんの服の袖をちょっとだけ引く。
「・・・ああ、悪い。その姿で酔っていないまともな君を見るのがなんだか不思議な気がしてつい見てしまっていた。」
そう言われてまたまじまじと見つめられる。
すいませんね、大きい時はたいてい酔っ払っていて。
シグウェルさんはそのままリオン様がよくそうするように私の頬に手を添えてそっと優しく撫でながら瞳を覗き込むように見つめてきた。
「・・・魔力は落ち着いているが以前よりもその輝きが強まっているように見える。ヨナス神の力の影響はほとんど見て取れないな。グノーデル神の力も・・・やはり表面上は何も感じられないか。
大きくなったらその力を引き出せるようになったのではと少し期待したんだが。」
話しながらやわやわと頬を撫でて来られると、その内容は普通のことなのに妙に落ち着かない。
「た、確かに元の姿に近付けば加護を受けている二人の力を思い通りに使えるのかも知れないですけど今のところはまだ全然そんな事ないですね⁉︎
逆に言えばヨナスの呪いを外せるかって言われても、そんなこと出来る気もしませんし!」
あまりに見つめられていて気恥ずかしいのでうろうろとつい視線を彷徨わせてしまう。
「・・・?なぜこっちを見ないんだ?」
「な、なんでって・・・」
背が伸びた分、見つめあえば今までよりも互いの顔の距離が近い。
あの銀色に縁取られた冷たく整った顔や紫色の瞳がすぐ近くで私を見てしゃべっていると思うと、その距離の近さにまだ慣れなくてくらくらする。
「ユーリ様ってホントに団長の顔に弱いっすよねぇ。シェラザード隊長の方が団長よりもユーリ様によほど媚びた色気を向けて来てると思うのに、あっちが平気でこっちがダメとかマジで謎っす。」
ユリウスさんが首を傾げた。
そんな事を言われても私にだって分からない。
「シグウェルさんは初めて会った時から距離感がおかしかったですからね、きっとそのせいです!」
本人を目の前に私がその顔に弱いとかあんまり言わないで欲しい。
ますます恥ずかしくなって声を上げたらシグウェルさんに面白そうな顔をされてしまった。
「なんだ俺の顔に見惚れていただけか。なら今の俺もそうだったからお互い様だ。大人と子どもの境界線上にある今の君の姿は何とも言えない不思議な魅力に溢れているからつい眺めてしまっていた。」
ふむ、と自分の今の気持ちを客観的に観察してそれを伝えてきたシグウェルさんにいたたまれなくなる。
「そ、そういうのは別に言わなくてもいいので自分の心の中にしまっておいてもらえませんか・・・」
「何故?言わなければ俺が君をどう思っているか伝わらないだろう?
殿下に聞いたぞ、愛情が君を成長させるというあの神託通りだったそうだな。
それならなおのこと君をどう思っているか毎回きちんと伝えておかなければ駄目だろう。」
リオン様、そんなことまでシグウェルさんに言ったんだ⁉︎
いや、シグウェルさんのことだから私が大きくなったならまずその原因を知りたがるだろうけど、でも・・・!
「表情も変えずに臆面もなく会うたびに口説きにかかるとか心臓に悪いことこの上ないっすね⁉︎
団長、俺もここにいるってこと忘れないで欲しいっす!それ、最近他国の人間の出入りが激しい王宮内でもやるとかナイっすよね⁉︎」
シグウェルさんの話を黙って聞いていたユリウスさんがさすがにたまらず声を上げた。
「まるでシェラザード隊長がもう一人増えたみたいですっげぇ嫌っす!」
とも言った。
確かに言ってることがちょっとシェラさんに似てるような気もしないでもない。
だけどシグウェルさんはそんなユリウスさんに構わずに
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