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第十九章 聖女が街にやって来た
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さあ、私の手を取って。
そう言って差し出された手をあの癒し子と呼ばれる傲慢な女は青い顔をしてじっと見つめている。
その側にはルーシャの黒狼。私から触れようとこれ以上少しでも近付けば噛み殺されそうな殺気を全身に漲らせている。
彼自身の魔力は一切感じないので、元々魔力なしなんだろう。
それなのに、癒し子の加護に守られていてやっぱり私の力を拒否している。
もう一人、いつの間にか現れた小柄な白い少年には逆に不快な魔力が漂っている。
癒し子の加護もあるけど、それ以上に攻撃的な何かの加護だ。
だからその少年をどうこうするのは難しそう。
・・・あの癒し子の近くにいる者達はどうしてこうも揺らがないのかしら。
一番その加護の恩恵を受けていそうなリオン殿下はイリューディア神様の魔力の気配も強くて、触れていてとても心地良い魔力だ。
やっぱり私がその眼を治してあげたかった、そうすれば今ごろその信頼も愛情も周りからの畏敬の念も、全部私のものになっていたはずなのに。
だけど今となってはそれも叶わぬ願いだ。
ほんのちょっと、私がより強い魔力を手に入れるのが遅れただけでその功績は全て癒し子のものになってしまった。
そして魔導士団長シグウェル様。
昔の、姫巫女にすら選ばれなかった私ならとてもではないが話す事はおろかその姿さえ目にすることはなかっただろう偉大な魔導士。
人ならざる、まるで精霊の祝福を受けて生まれてきたようなその美しい顔と眼差しは他人に対しては凍てついた氷のように厳しく冷たく、己の認めた者しかその視界に入れないとも噂に聞いていた。
恐らく「ヘイデス国の聖女」と呼ばれるこの身分と、手に入れた強い魔力がなければその視線が私を認め見つめる事も言葉を交わすこともなかっただろう。
ルーシャ国に到着した後の昼食会後、王宮の庭園を望むバルコニーで私に礼を尽くしうやうやしく頭を下げて髪に口付けるその姿を見た時は、これこそが私の望んでいた私本来の正しい扱いなのだと気分が上がった。
私の力に興味を持ったようだったからその心に入り込むことが出来そうな感触が僅かにしたけど、残念な事に私よりも癒し子に対する関心がまだ勝っているためかその心の表面だけを触れるにとどまってしまったけど。
そういえば彼と言葉を交わす中で大神殿でのカティヤ様との謁見の後に
『聖女殿は実に見事にその大きな魔力を制御している。しかし僭越ながら忠告させていただこう。自分の力を過信し、欲をかいた時に人は己だけではその責任を負いきれない事態に追い込まれる。そうなる前に誰かに頼るのもまた一つの手だ。必要であれば俺もユーリも力になろう。』
そんな事を言っていた。あれは一体なんの話だったのかしら。
シグウェル様は昔、その魔力でもってルーシャ国の全魔導士の魔力を奪い国を国家存亡の危機に陥れたことがあるとヘイデス国に渡った後に密かに聞いたことがある。
公にされていないその話は、ルーシャ国にいた時には聞いたことがなかったけど他国では上層部だけが公然の秘密として知っていることだそうだ。
ルーシャ国には化け物じみた魔力を持つ魔導士がいるから気を付けろと言われているその逸話。
私に『自分の力を過信し過ぎるととんでもない事になるから気を付けろ』という忠告は自分の経験を元に言ったのかしら。
だけど大丈夫。私はヨナス神様の力を体に取り込んでも平気だし、きちんと制御出来ている。
どこまで遠く離れたところまで力が使えるかと試してみたら、ただの獣程度であればヘイデス国からルーシャ国へと向かう途中、国境からでも影響を及ぼすことが出来た。
そしてその力は魔導士がどこからか仕入れて来た、ヨナス神様の加護のついた魔石を加工したものを飲むほどに強まったけどまだきちんと制御出来ている。
・・・ということは、私はあの偉大な魔導士と認められているシグウェル様よりも優れた魔力を持っているってことじゃない?
彼はその力を過信して自分だけでは収められない騒ぎを起こしたけど私は違う。
今だって、この森の中にいる獣達に私の力が充分に行き渡っていることは把握出来ている。
そう、元より私はこの騒ぎで誰かをひどく傷付けるつもりはない。
多少の怪我を負う騎士達はいるかも知れないけどそんなものは治せばいい。
リアム陛下は私の力を買ってくださっているから、ルーシャ国の人民に死人が出なければある程度の騒ぎが起きても目をつぶってくれるだろう。
今回私がヘイデス国から同行した目的。
それは他人の魔力を吸収できるその能力を高く評価してくださった陛下のため。
この国の癒し子の力も取り込んでヘイデス国の聖女こそがどこよりも一番優れた魔力の持ち主として他国を牽制し、国を豊かにする存在になるためだ。
もし私が癒し子の力を・・・その癒しの力だけでなく国を豊かにする豊穣の力も取り込めたなら私はみんなから敬われる存在になれるだろう。
癒し子に雰囲気と力が似ているだけでなく、あの女そのものにもっと近付いた存在・・・もしかしたらそれを超える者になれるのかも。
だって私はいまやイリューディア神様だけでなくヨナス神様の力まで使いこなせているんだもの。
二人の女神様の力を扱えるなんて、姫巫女カティヤ様にすら出来ない。
ううん、あの勇者様ですらグノーデル神様の加護だけだった。
なんて素晴らしい力なんだろう。魔石を溶かしたあの不思議な飲料を飲むほどに私の魔力の高まるのを感じる。
目の前の癒し子は何か言っているけど。
・・・そんなものを飲んじゃダメです?
一体何を言っているのかしら。シグウェル様と同じね、私に忠告をしようなんて。
でも大丈夫。私の中でもう一人の私が言う。
『願えばいい。魔法はイメージだ。そうであれと強く願い欲する心のままに動くほど、より強くなれるんだから。自分の欲しいと思うものを取りに行きましょう』
そう。目の前で大事に抱え込まれ守られている癒し子に私はなりたい。
あんな風に騎士に守られ、王子様に微笑みかけられるのはちょっとタイミングが違えば私だったはずなんだから。
だから今こそその力を譲ってもらおう。
・・・ねぇ癒し子様。偉大なるイリューディア神様の力があれば何があっても大丈夫だとあなたは思っていたかしら?
私はあなたに何の影響も及ぼせないとでも?
『己の力を過信すれば自分だけでは責任を追いきれない事態になるだろう』
シグウェル様の言葉は私ではなくそっくりそのままあなたに当てはまるのね。
普通の魔導士とは違い癒し子の力は攻撃力に弱い。
それは弱い者を守り慈しむ優しい力だからかしら?
魔力や魔法から身を守るのには強いけれど物質的な攻撃を防ぐにはいささか強度に不安がある。
だからこそこうして騎士に守ってもらわなければならないのでしょうけども。
同じような力を持つ私も似たような弱点を持つからこそ分かる。
・・・もっとも、今の私はヨナス神様の力によりその弱点も補えるけど。
その点を指摘すれば、その顔色はより悪くなった。
目の前で青くなっている癒し子の顔を見ていると楽しくなってきて笑みを堪えきれない。
癒し子の周りの者達のその心には微塵も揺らぎや迷いは感じられないのに、肝心の彼女が動揺していてその心は揺らいでいる。
私がつけいる隙は充分だ。
さあ、この手を取って。心配しなくても大丈夫。
あなたから力をもらって、それをきちんと使いこなして見せるから。
同じイリューディア神様の力を使う者同士だもの。あなたの力は私の力も同然だから、あなたのものは私のもの。
だから全部ちょうだいと私の中のもう一人の私が言っている。
そう言って差し出された手をあの癒し子と呼ばれる傲慢な女は青い顔をしてじっと見つめている。
その側にはルーシャの黒狼。私から触れようとこれ以上少しでも近付けば噛み殺されそうな殺気を全身に漲らせている。
彼自身の魔力は一切感じないので、元々魔力なしなんだろう。
それなのに、癒し子の加護に守られていてやっぱり私の力を拒否している。
もう一人、いつの間にか現れた小柄な白い少年には逆に不快な魔力が漂っている。
癒し子の加護もあるけど、それ以上に攻撃的な何かの加護だ。
だからその少年をどうこうするのは難しそう。
・・・あの癒し子の近くにいる者達はどうしてこうも揺らがないのかしら。
一番その加護の恩恵を受けていそうなリオン殿下はイリューディア神様の魔力の気配も強くて、触れていてとても心地良い魔力だ。
やっぱり私がその眼を治してあげたかった、そうすれば今ごろその信頼も愛情も周りからの畏敬の念も、全部私のものになっていたはずなのに。
だけど今となってはそれも叶わぬ願いだ。
ほんのちょっと、私がより強い魔力を手に入れるのが遅れただけでその功績は全て癒し子のものになってしまった。
そして魔導士団長シグウェル様。
昔の、姫巫女にすら選ばれなかった私ならとてもではないが話す事はおろかその姿さえ目にすることはなかっただろう偉大な魔導士。
人ならざる、まるで精霊の祝福を受けて生まれてきたようなその美しい顔と眼差しは他人に対しては凍てついた氷のように厳しく冷たく、己の認めた者しかその視界に入れないとも噂に聞いていた。
恐らく「ヘイデス国の聖女」と呼ばれるこの身分と、手に入れた強い魔力がなければその視線が私を認め見つめる事も言葉を交わすこともなかっただろう。
ルーシャ国に到着した後の昼食会後、王宮の庭園を望むバルコニーで私に礼を尽くしうやうやしく頭を下げて髪に口付けるその姿を見た時は、これこそが私の望んでいた私本来の正しい扱いなのだと気分が上がった。
私の力に興味を持ったようだったからその心に入り込むことが出来そうな感触が僅かにしたけど、残念な事に私よりも癒し子に対する関心がまだ勝っているためかその心の表面だけを触れるにとどまってしまったけど。
そういえば彼と言葉を交わす中で大神殿でのカティヤ様との謁見の後に
『聖女殿は実に見事にその大きな魔力を制御している。しかし僭越ながら忠告させていただこう。自分の力を過信し、欲をかいた時に人は己だけではその責任を負いきれない事態に追い込まれる。そうなる前に誰かに頼るのもまた一つの手だ。必要であれば俺もユーリも力になろう。』
そんな事を言っていた。あれは一体なんの話だったのかしら。
シグウェル様は昔、その魔力でもってルーシャ国の全魔導士の魔力を奪い国を国家存亡の危機に陥れたことがあるとヘイデス国に渡った後に密かに聞いたことがある。
公にされていないその話は、ルーシャ国にいた時には聞いたことがなかったけど他国では上層部だけが公然の秘密として知っていることだそうだ。
ルーシャ国には化け物じみた魔力を持つ魔導士がいるから気を付けろと言われているその逸話。
私に『自分の力を過信し過ぎるととんでもない事になるから気を付けろ』という忠告は自分の経験を元に言ったのかしら。
だけど大丈夫。私はヨナス神様の力を体に取り込んでも平気だし、きちんと制御出来ている。
どこまで遠く離れたところまで力が使えるかと試してみたら、ただの獣程度であればヘイデス国からルーシャ国へと向かう途中、国境からでも影響を及ぼすことが出来た。
そしてその力は魔導士がどこからか仕入れて来た、ヨナス神様の加護のついた魔石を加工したものを飲むほどに強まったけどまだきちんと制御出来ている。
・・・ということは、私はあの偉大な魔導士と認められているシグウェル様よりも優れた魔力を持っているってことじゃない?
彼はその力を過信して自分だけでは収められない騒ぎを起こしたけど私は違う。
今だって、この森の中にいる獣達に私の力が充分に行き渡っていることは把握出来ている。
そう、元より私はこの騒ぎで誰かをひどく傷付けるつもりはない。
多少の怪我を負う騎士達はいるかも知れないけどそんなものは治せばいい。
リアム陛下は私の力を買ってくださっているから、ルーシャ国の人民に死人が出なければある程度の騒ぎが起きても目をつぶってくれるだろう。
今回私がヘイデス国から同行した目的。
それは他人の魔力を吸収できるその能力を高く評価してくださった陛下のため。
この国の癒し子の力も取り込んでヘイデス国の聖女こそがどこよりも一番優れた魔力の持ち主として他国を牽制し、国を豊かにする存在になるためだ。
もし私が癒し子の力を・・・その癒しの力だけでなく国を豊かにする豊穣の力も取り込めたなら私はみんなから敬われる存在になれるだろう。
癒し子に雰囲気と力が似ているだけでなく、あの女そのものにもっと近付いた存在・・・もしかしたらそれを超える者になれるのかも。
だって私はいまやイリューディア神様だけでなくヨナス神様の力まで使いこなせているんだもの。
二人の女神様の力を扱えるなんて、姫巫女カティヤ様にすら出来ない。
ううん、あの勇者様ですらグノーデル神様の加護だけだった。
なんて素晴らしい力なんだろう。魔石を溶かしたあの不思議な飲料を飲むほどに私の魔力の高まるのを感じる。
目の前の癒し子は何か言っているけど。
・・・そんなものを飲んじゃダメです?
一体何を言っているのかしら。シグウェル様と同じね、私に忠告をしようなんて。
でも大丈夫。私の中でもう一人の私が言う。
『願えばいい。魔法はイメージだ。そうであれと強く願い欲する心のままに動くほど、より強くなれるんだから。自分の欲しいと思うものを取りに行きましょう』
そう。目の前で大事に抱え込まれ守られている癒し子に私はなりたい。
あんな風に騎士に守られ、王子様に微笑みかけられるのはちょっとタイミングが違えば私だったはずなんだから。
だから今こそその力を譲ってもらおう。
・・・ねぇ癒し子様。偉大なるイリューディア神様の力があれば何があっても大丈夫だとあなたは思っていたかしら?
私はあなたに何の影響も及ぼせないとでも?
『己の力を過信すれば自分だけでは責任を追いきれない事態になるだろう』
シグウェル様の言葉は私ではなくそっくりそのままあなたに当てはまるのね。
普通の魔導士とは違い癒し子の力は攻撃力に弱い。
それは弱い者を守り慈しむ優しい力だからかしら?
魔力や魔法から身を守るのには強いけれど物質的な攻撃を防ぐにはいささか強度に不安がある。
だからこそこうして騎士に守ってもらわなければならないのでしょうけども。
同じような力を持つ私も似たような弱点を持つからこそ分かる。
・・・もっとも、今の私はヨナス神様の力によりその弱点も補えるけど。
その点を指摘すれば、その顔色はより悪くなった。
目の前で青くなっている癒し子の顔を見ていると楽しくなってきて笑みを堪えきれない。
癒し子の周りの者達のその心には微塵も揺らぎや迷いは感じられないのに、肝心の彼女が動揺していてその心は揺らいでいる。
私がつけいる隙は充分だ。
さあ、この手を取って。心配しなくても大丈夫。
あなたから力をもらって、それをきちんと使いこなして見せるから。
同じイリューディア神様の力を使う者同士だもの。あなたの力は私の力も同然だから、あなたのものは私のもの。
だから全部ちょうだいと私の中のもう一人の私が言っている。
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