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番外編
西方見聞録 22
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僕のことを不審者扱いしたリースと呼ばれている子は、すらりと背が高く痩せているのにその足元の大理石にはヒビが入っている。
よく分からないけど、もう一人のアンリという子との会話からしてどうやらその子はユーリ様から何か特別な力をもらっていて、そのおかげで異様に脚力が優れているらしい。
・・・そのせいであの硬い大理石の床にもヒビが入ったのか!
そんな力で蹴り飛ばされたら馬に蹴られる以上の大怪我をするだろう、何ならこの玄関ポーチから噴水辺りまで吹っ飛ばされてそこに激突して死ぬかも知れない。
僕をここまで運んでくれた馬車の御者さんは、その馬車を指定されている馬車置き場へと移動させるためにいつの間にかいなくなっているから僕のことを庇ってくれそうな人はこの場に誰一人いない。
かろうじてアンリというもう一人のあの子が、今にも僕を蹴り飛ばしそうな勢いのリースという子を止めてくれているだけだ。
だから慌てて何か自分の身分を証明する物を、と懐から念の為に持って来ていたユリウス様の手紙を差し出す。
「これ!これ見てください‼︎ユリウス様とやり取りした手紙です、今日はここでユリウス様と待ち合わせてユーリ様とお会いすることになってるんです。決して怪しい者ではありません‼︎」
そんな僕の弁解を、
「不審者の常套句だよね・・・」
とリースというその子が完全に疑わしい目で僕を見ながら手紙を受け取った。
「アンリ、僕が手紙に目を落としている間にそいつがスキを見て逃げ出さないように『動けなく』しておいてくれる?」
その言葉にあの金髪巻毛の子が分かったとこくりと頷く。
動けなく?それってどういう意味?まさかこっちの子も小柄な外見に見合わず怪力とか?
一瞬身構えた僕に、
「あの、大丈夫ですよ。リースが手紙を確かめている間は何もしませんから。だからそのまま静かに待っていてもらえませんか?」
アンリという子はにこりと微笑むと、さっきまでとは明らかに違う優しい声色で僕に話しかけてきた。
うん?何だろう。この子の言葉・・・って言うか声、なのかな?なんか頭の中にするすると入って来てぼうっとする。
おかしいな、ちゃんと寝たはずなのになんか眠くなってくるような・・・?
「そのまま少し待っていてください。立っているのが辛いようなら、座ってもいいですよ。」
その優しく柔らかに語りかけてくる言葉はまるで子守唄のように僕の緊張を解きほぐし、その声を聞いていたら睡魔によるものなのか一瞬意識が飛んで膝からかくんと力が抜けた。
あっぶね!訪問先、しかもユーリ様の住んでいる所を訪ねたのに眠くなって玄関先に座り込むとか失礼過ぎるよ!
ハッとして踏み止まり、目をパチパチ瞬いて眠気を振り払う。いや、おかしいな?急に眠くなるとか。
「・・・アンリの『声』にも抗うなんて強情だね、やっぱり普通の人じゃないのかも」
手紙に落としていた視線をちらりとこちらにくれたリースという子がそう呟いた。
何だ何だ、まさかこっちのアンリっていう子の方は足じゃなくて声に何か仕掛けでもあるの?
ユーリ様の側に仕えているだけあって、二人とも普通の侍従じゃないんだろうか。
魔導士院でユーリ様に会った時、その側には全身真っ白で綺麗な従者が付き従っていたし、この二人も今までに見たことがないほどの美少年だ。
だからてっきりユーリ様は伴侶だけでなくその従者達まで綺麗な子を選んで側に置いているのかと思ったけど、どうやらそれは僕の勘違いみたいだ。
この子達は美形なだけでなく何らかの力を持っているからこそ、ここにいるらしい。
綺麗な見た目に騙されそうになるけど、そこに勤めているこんな少年ですらユーリ様の身を護るためにいるとか奥の院恐るべしだ。
そしてその恐ろしい子達に不審者扱いされている僕こそが今一番ヤバい。
大丈夫ですよ、黙ってそこで待っててくださいね、とまだ僕に語りかけてくるアンリという子の声にぼうっとする頭で、何か他に僕の身分を証明するものはないかと必死で考えてあっ!と思う。
そうだ、なんでこれを忘れてたんだ。
「これ、見てください。僕は王宮で選ばれたユーリ様の結婚式の準備のための者です。これが証拠・・・」
眠くなりながら僕は自分の胸元に付けてあるブローチをアピールした。
それは今回の作業のために王宮の広間で選別された特別な技術者達に渡された、青い宝石のはまっている立派な金のブローチだ。
あの時それを手渡しながら政務官は
『これから作業のために王宮や奥の院に出入りする際はこれがその身分を保証する物になるから必ずつけるように』
って言っていた。
今回は結婚式の一連の作業には関係のない訪問だからいつもの使用人も同行していないし、ブローチもなくてもいいかな?と思っていたけど、念のため付けてきておいて良かった。
するとそれを見たアンリという子がすぐに
「ユーリ様のお式の準備でリオン殿下が作らせていた物だ!」
と声を上げた。あ、そうなの?確かにこの宝石、あの王弟殿下の瞳の色を連想させる色だけど。
アンリという子がそのまま僕のブローチに手を伸ばすと、それが淡く青い光を放つ。
「間違いない、本物だよ。リース、この人本当に怪しい人じゃないのかも」
かざした手に反応するなんて、もしかしてこのブローチは魔道具か何かだったのかな。
あの時王宮の広間に集められていた人達を思い出せば、それはかなりの人数だ。その人達全員にこの魔道具らしきブローチを一つずつ渡したのだから、それは結構な数だぞ?
不審者の入り込みを防ぐためとはいえ、一体どれだけの経費と労力をかけて作られたブローチなのか考えただけで恐ろしくなる。
これ、実はものすごく貴重なブローチなんじゃ・・・?全ての作業が終わったら記念にもらえないかな。
なんて考えていたらリースという子の涼やかな声が耳に入って来た。
「・・・手紙にも怪しい点はないし、間違いなくユリウス様の筆跡みたいだ。」
良かった、分かってくれた⁉︎
そう安心した僕からはいつ間にかさっきまでのあの異常な眠気が消えている。やっぱりアンリというあの子の声に何か仕掛けがあったみたいだ。
「でもまだダメだよ」
安心した僕に、リースという子が非情にも告げる。
「ここは決められた者以外はほぼ男子禁制だし。ユリウス様も同席していないのに、奥の院の侍従や使用人でもない男の人を一人で中に入れるわけにはいかないよ。もし何かあっても、僕やアンリの力じゃ止められない。」
へ?男子禁制?そういえば、と辺りを見回せば護衛騎士は男性だけどその他の行き交う人は確かに女性が多い。
これはユーリ様のお世話のために気を遣ったのか、それともリオン王弟殿下が自分以外の男性をユーリ様に近付けないようにしたせいなのか。
もし後者だとしたら噂に違わない溺愛っぷりだ。
「そ、それなら護衛騎士を僕に付けてくれれば万が一に備えられるんじゃ・・・」
と持ち掛ければ、
「もしあなたが何か大きな魔力を隠したままここに来ているなら、何かあった時は並の護衛じゃ止められないですよね」
僕に対する言葉遣いはさっきよりも丁寧になったけど、リースというその子はまだ僕を警戒している。いや、ユーリ様の身辺を護る子ならそれで正しいんだけどね?
「あっ。そうだ、今日はリオン王弟殿下もユーリ様との面会には同行するはずです!殿下がいるなら何があっても安心じゃ・・・」
思いついたことを言えば、
「殿下の同席を口実に一人で入ろうとするなんて怪しい・・・。このままここでユリウス様が到着するのを待つか、僕らがシェラザード様を呼んで来てからあの方に案内されて中に入るのを待つかどっちかにしてください。」
と言われてしまった。リオン王弟殿下が作らせたっていうブローチまであるのに鉄壁のガードだ。
「ええ・・・?」
ユリウス様は到着が遅れているみたいだけどいつになったら来るのかな。できればシェラザード様の同行は避けたいんですけど。
と、そこでアンリという子がそうだ、と声を上げた。
「もう一つ中に入ってもらえる方法があるよ。」
え、なになに?興味を持った僕に
「男の子でなくなればすぐにでも入れるよ。もしそうなれば何か騒ぎを起こすような気力もなくなるだろうし!」
天使のように無邪気な笑顔でにっこりとそう言った。
・・・男でなくなるとは?ここは男子禁制らしいから女装でもしろとか?
するとその言葉を受けて
「・・・踏み潰せばいいの?」
とリースという子が僕の一部に視線を向けた。その目がどこを見ているのかに気付いて、僕は持っていたジェン皇子からの贈り物を取り落としそうになり、それに抱きつくようにぎゅっと抱え直した。
完全に僕の下半身のあそこを見ている。気のせいか、どことは言わないけどそこがひゅんと縮み上がったような気がする。
ついでにさっきから僕らのやり取りを盗み聞いている建物前の護衛の騎士達も二人のそら恐ろしい発言にその顔をこっそり歪ませていた。
か、かわいい顔をしてなんて過激なことを言う子達なんだ!さすが何でもかんでもシェラザード様に頼ろうとする子達なだけあるよ!
「え?冗談だよね・・・?」
ユーリ様に会いに来て貞操の危機?に遭うなんて、一体誰が想像しただろうか。
思わずじりっ、と後ずさってしまった。
よく分からないけど、もう一人のアンリという子との会話からしてどうやらその子はユーリ様から何か特別な力をもらっていて、そのおかげで異様に脚力が優れているらしい。
・・・そのせいであの硬い大理石の床にもヒビが入ったのか!
そんな力で蹴り飛ばされたら馬に蹴られる以上の大怪我をするだろう、何ならこの玄関ポーチから噴水辺りまで吹っ飛ばされてそこに激突して死ぬかも知れない。
僕をここまで運んでくれた馬車の御者さんは、その馬車を指定されている馬車置き場へと移動させるためにいつの間にかいなくなっているから僕のことを庇ってくれそうな人はこの場に誰一人いない。
かろうじてアンリというもう一人のあの子が、今にも僕を蹴り飛ばしそうな勢いのリースという子を止めてくれているだけだ。
だから慌てて何か自分の身分を証明する物を、と懐から念の為に持って来ていたユリウス様の手紙を差し出す。
「これ!これ見てください‼︎ユリウス様とやり取りした手紙です、今日はここでユリウス様と待ち合わせてユーリ様とお会いすることになってるんです。決して怪しい者ではありません‼︎」
そんな僕の弁解を、
「不審者の常套句だよね・・・」
とリースというその子が完全に疑わしい目で僕を見ながら手紙を受け取った。
「アンリ、僕が手紙に目を落としている間にそいつがスキを見て逃げ出さないように『動けなく』しておいてくれる?」
その言葉にあの金髪巻毛の子が分かったとこくりと頷く。
動けなく?それってどういう意味?まさかこっちの子も小柄な外見に見合わず怪力とか?
一瞬身構えた僕に、
「あの、大丈夫ですよ。リースが手紙を確かめている間は何もしませんから。だからそのまま静かに待っていてもらえませんか?」
アンリという子はにこりと微笑むと、さっきまでとは明らかに違う優しい声色で僕に話しかけてきた。
うん?何だろう。この子の言葉・・・って言うか声、なのかな?なんか頭の中にするすると入って来てぼうっとする。
おかしいな、ちゃんと寝たはずなのになんか眠くなってくるような・・・?
「そのまま少し待っていてください。立っているのが辛いようなら、座ってもいいですよ。」
その優しく柔らかに語りかけてくる言葉はまるで子守唄のように僕の緊張を解きほぐし、その声を聞いていたら睡魔によるものなのか一瞬意識が飛んで膝からかくんと力が抜けた。
あっぶね!訪問先、しかもユーリ様の住んでいる所を訪ねたのに眠くなって玄関先に座り込むとか失礼過ぎるよ!
ハッとして踏み止まり、目をパチパチ瞬いて眠気を振り払う。いや、おかしいな?急に眠くなるとか。
「・・・アンリの『声』にも抗うなんて強情だね、やっぱり普通の人じゃないのかも」
手紙に落としていた視線をちらりとこちらにくれたリースという子がそう呟いた。
何だ何だ、まさかこっちのアンリっていう子の方は足じゃなくて声に何か仕掛けでもあるの?
ユーリ様の側に仕えているだけあって、二人とも普通の侍従じゃないんだろうか。
魔導士院でユーリ様に会った時、その側には全身真っ白で綺麗な従者が付き従っていたし、この二人も今までに見たことがないほどの美少年だ。
だからてっきりユーリ様は伴侶だけでなくその従者達まで綺麗な子を選んで側に置いているのかと思ったけど、どうやらそれは僕の勘違いみたいだ。
この子達は美形なだけでなく何らかの力を持っているからこそ、ここにいるらしい。
綺麗な見た目に騙されそうになるけど、そこに勤めているこんな少年ですらユーリ様の身を護るためにいるとか奥の院恐るべしだ。
そしてその恐ろしい子達に不審者扱いされている僕こそが今一番ヤバい。
大丈夫ですよ、黙ってそこで待っててくださいね、とまだ僕に語りかけてくるアンリという子の声にぼうっとする頭で、何か他に僕の身分を証明するものはないかと必死で考えてあっ!と思う。
そうだ、なんでこれを忘れてたんだ。
「これ、見てください。僕は王宮で選ばれたユーリ様の結婚式の準備のための者です。これが証拠・・・」
眠くなりながら僕は自分の胸元に付けてあるブローチをアピールした。
それは今回の作業のために王宮の広間で選別された特別な技術者達に渡された、青い宝石のはまっている立派な金のブローチだ。
あの時それを手渡しながら政務官は
『これから作業のために王宮や奥の院に出入りする際はこれがその身分を保証する物になるから必ずつけるように』
って言っていた。
今回は結婚式の一連の作業には関係のない訪問だからいつもの使用人も同行していないし、ブローチもなくてもいいかな?と思っていたけど、念のため付けてきておいて良かった。
するとそれを見たアンリという子がすぐに
「ユーリ様のお式の準備でリオン殿下が作らせていた物だ!」
と声を上げた。あ、そうなの?確かにこの宝石、あの王弟殿下の瞳の色を連想させる色だけど。
アンリという子がそのまま僕のブローチに手を伸ばすと、それが淡く青い光を放つ。
「間違いない、本物だよ。リース、この人本当に怪しい人じゃないのかも」
かざした手に反応するなんて、もしかしてこのブローチは魔道具か何かだったのかな。
あの時王宮の広間に集められていた人達を思い出せば、それはかなりの人数だ。その人達全員にこの魔道具らしきブローチを一つずつ渡したのだから、それは結構な数だぞ?
不審者の入り込みを防ぐためとはいえ、一体どれだけの経費と労力をかけて作られたブローチなのか考えただけで恐ろしくなる。
これ、実はものすごく貴重なブローチなんじゃ・・・?全ての作業が終わったら記念にもらえないかな。
なんて考えていたらリースという子の涼やかな声が耳に入って来た。
「・・・手紙にも怪しい点はないし、間違いなくユリウス様の筆跡みたいだ。」
良かった、分かってくれた⁉︎
そう安心した僕からはいつ間にかさっきまでのあの異常な眠気が消えている。やっぱりアンリというあの子の声に何か仕掛けがあったみたいだ。
「でもまだダメだよ」
安心した僕に、リースという子が非情にも告げる。
「ここは決められた者以外はほぼ男子禁制だし。ユリウス様も同席していないのに、奥の院の侍従や使用人でもない男の人を一人で中に入れるわけにはいかないよ。もし何かあっても、僕やアンリの力じゃ止められない。」
へ?男子禁制?そういえば、と辺りを見回せば護衛騎士は男性だけどその他の行き交う人は確かに女性が多い。
これはユーリ様のお世話のために気を遣ったのか、それともリオン王弟殿下が自分以外の男性をユーリ様に近付けないようにしたせいなのか。
もし後者だとしたら噂に違わない溺愛っぷりだ。
「そ、それなら護衛騎士を僕に付けてくれれば万が一に備えられるんじゃ・・・」
と持ち掛ければ、
「もしあなたが何か大きな魔力を隠したままここに来ているなら、何かあった時は並の護衛じゃ止められないですよね」
僕に対する言葉遣いはさっきよりも丁寧になったけど、リースというその子はまだ僕を警戒している。いや、ユーリ様の身辺を護る子ならそれで正しいんだけどね?
「あっ。そうだ、今日はリオン王弟殿下もユーリ様との面会には同行するはずです!殿下がいるなら何があっても安心じゃ・・・」
思いついたことを言えば、
「殿下の同席を口実に一人で入ろうとするなんて怪しい・・・。このままここでユリウス様が到着するのを待つか、僕らがシェラザード様を呼んで来てからあの方に案内されて中に入るのを待つかどっちかにしてください。」
と言われてしまった。リオン王弟殿下が作らせたっていうブローチまであるのに鉄壁のガードだ。
「ええ・・・?」
ユリウス様は到着が遅れているみたいだけどいつになったら来るのかな。できればシェラザード様の同行は避けたいんですけど。
と、そこでアンリという子がそうだ、と声を上げた。
「もう一つ中に入ってもらえる方法があるよ。」
え、なになに?興味を持った僕に
「男の子でなくなればすぐにでも入れるよ。もしそうなれば何か騒ぎを起こすような気力もなくなるだろうし!」
天使のように無邪気な笑顔でにっこりとそう言った。
・・・男でなくなるとは?ここは男子禁制らしいから女装でもしろとか?
するとその言葉を受けて
「・・・踏み潰せばいいの?」
とリースという子が僕の一部に視線を向けた。その目がどこを見ているのかに気付いて、僕は持っていたジェン皇子からの贈り物を取り落としそうになり、それに抱きつくようにぎゅっと抱え直した。
完全に僕の下半身のあそこを見ている。気のせいか、どことは言わないけどそこがひゅんと縮み上がったような気がする。
ついでにさっきから僕らのやり取りを盗み聞いている建物前の護衛の騎士達も二人のそら恐ろしい発言にその顔をこっそり歪ませていた。
か、かわいい顔をしてなんて過激なことを言う子達なんだ!さすが何でもかんでもシェラザード様に頼ろうとする子達なだけあるよ!
「え?冗談だよね・・・?」
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