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番外編
西方見聞録 28
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僕を勾留・軟禁すると言ったリオン王弟殿下は、
「さて、君の国から連絡が来て国使が派遣されてくるまでどこにいたい?賓客用の宮殿?それともこの奥の院?」
と僕ににっこり微笑んだ。こんな迷惑をかけたのにここにいてもいいんだ・・・?
ユリウス様もそれを不思議に思ったらしく
「ええ?ユーリ様と一緒の宮殿で過ごさせていいんですか?むしろ離れた宮をあてがった方が」
と言った。
「奥の院は広いからね。それに母上の居室・・・今のユーリの部屋だけど、そこはこの奥の院で最も安全かつ静かな環境に保つという造りの特性上、他の部屋からここまではそう簡単に行き来出来ないようになっているからここでも問題ないよ。」
リオン王弟殿下の言葉にレジナス様も
「それに監視対象は目の届く範囲にいてくれた方が俺としても助かる。」
と頷いた。監視対象・・・。やっぱりまだ一応僕は警戒されてるんだ。ユーリ様に危害を加えたり、皇国にこっそり連れ去ったりだとかそんな事はしないんだけどなあ。
全て話してしまった今の僕に出来ることは何もないから、どこであろうとその指示に従っておとなしくするだけだ。
あ、でも織りかけの布地とか結婚式に必要な物の進捗状況や工房の職人達のことは気になる。
僕の処断の前に、工房のみんなは無関係なことだけは分かってもらわないと。彼らは僕の正体を知らないのだ。あくまでも僕のことは祖国の偉い人達から選ばれて派遣されてきた工房の管理責任者だと思っている。
もし僕がこのまま勾留されて工房に帰れないなら、城に仕事で留まらなければならなくなったとか何とか彼らには伝えて欲しい。
そんな事をおずおずとお願いすれば、王弟殿下もレジナス様も事情は分かってくれた。
レジナス様はリオン王弟殿下に「工房の彼らは本物の職人で無関係に間違いない」と確信を持って話していたけど、やっぱりアレかな、足音やら所作やらが僕とは違うってこと?僕にはその違いが全然分かんないけど。
「東国から呼び寄せた職人達の技術は確かなものだし、せっかく工房まで建てて新しい技術を取り入れ交流を進めているところだったんだ。さすがに東国も皇子のわがままでそれをダメにするような真似はしないだろう?」
だから皇子の命令を受けて来た者は君だけだと言うその言葉は信じるし工房も君が不在でもうまく回るように指示しておこう、とリオン王弟殿下は頷いてくれた。
うう、ありがたい。心の中で手を合わせた僕に
「さっきシグウェルには急ぎの連絡をユリウスに魔法で出させたからね。早ければそう時間を置かずに返事が来るだろう。まあそれからここまで来るのにユールヴァルト領からは馬車で2日ほどかかるから、本格的な交渉はその後からだね。で、どこに軟禁されたいか決めた?」
そう殿下は再度聞いて来た。軟禁先、ホントに僕が決めていいんだ・・・?
そりゃあもし可能なら、こんな機会は早々ないから僕だってユーリ様のそばで過ごしてみたいけど。
さっき僕のことを監視対象と言いつつ、ここにいてもいい理由を殿下やレジナス様はそれらしく言ってたけど、まさかそれに何かウラがあるとか罠ってことはないよね?
そう戸惑っていた僕に、テーブルを挟んで座っていたユーリ様がはい!と手を上げた。
「私はシーリンさんにここにいて欲しいです!シーリンさんの国から国使が来るまでまだまだかかるんでしょう?だったらその間、一緒にお茶に付き合ってもらったり東国のお話を聞いてみたりしたいです!」
そういう目はきらきらと好奇心で輝いていて、リオン王弟殿下が
「ユーリ・・・軟禁の意味分かってる?茶飲み友達じゃないんだよ?」
と釘を指した。だけどユーリ様はそれに構わずにこにこしている。
「分かってますよ?だけどリオン様が最初に軟禁先としてここも選択肢に入れた時点で、すでにシーリンさんのことはもう危険だとは思ってないですよね?むしろ私の暇つぶしで話し相手にしてもいいくらいには許しているんじゃないですか?」
え、そうなの?罠や僕を試してたとかじゃないんだ?
こっそりとリオン王弟殿下の顔を盗み見れば目が合って、
「まあね、いざとなったら魔力を封じる魔道具の拘束具を付けてもらえばなお危険はないだろうし。それにそこまでしなくても君はユーリに危害を加えないよね。ユーリもこの国や近隣諸国だけでなく、この世界のもっと他の国のことも知りたいだろうし。」
そう肩をすくめ、ユーリ様もそれに対して
「なんだかんだ言ってもリオン様は私に甘いですよねー?」
とリオン王弟殿下の顔を覗き込んでふふっと笑った。殿下はそんなユーリ様にそ知らぬ顔をしている。
それはなんていうか、暖かい空気感みたいな・・・二人の心が通じ合っているなあと感じるものだ。
この二人の間にウチの皇子の入り込むスキはない。そう思った。せっかく頑張って贈り物までしたのにかわいそうなジェン皇子・・・。ユーリ様もハッキリとこれ以上の伴侶はいらないって言ってたし。
遠く離れた皇国にいる皇子に同情して思いを馳せていると、リオン王弟殿下がさて、と声を上げた。
「ここに留まるとなったらさっそく部屋を準備させるけどその用意を待つ間、君には早速ひと仕事してもらおうかな」
「え?」
ぽかんとしている間にも、王弟殿下の言葉の意図を汲んだようにレジナス様が僕の目の前のお茶とクッキーを片付けるとそこに海図を広げてペンを置いた。
それに対してユリウス様が
「へ?この人に何をさせるつもりっすか?」
と聞けば、
「さっきレジナスも交えて話しただろう?ルーシャ国と東国の往来に必要な安定した海路を開くために魔石の設置を考えていると。彼は国では海上で国防の任にも当たっていたらしいしね。海図を見るのはお手のものだろうから、この近辺の海図に潮流や危険箇所を書き込ませるんだよ。そこを避けて魔石を設置することを考えようと思ってね。」
そう話している。いや、確かに海図は見れるし潮目も読めるけど。
でも他国の事業に直結するようなそんな事に僕ごときが協力するなんて・・・。
そう謙遜したら、リオン王弟殿下の笑顔がちょっと怖くなった。
「机上の地図を少し見ただけでそれがどこの海域のものか瞬時に読み取れるほど見慣れてるんだから、出来なくはないよね?ルーシャ国に来るのにも海を渡って来てこの近辺の潮流も分かっているだろうし。」
「え?」
机上の地図ってなんのこと?心当たりがない、と思っていたら
「シェラから報告を受けているよ。彼の部屋の、机の上に無造作に置かれていた地図を見てそれが南国のものだと瞬時に理解したそうだね。シェラが良質の真珠が採れる南国の小島の話をしたらそれにも反応したそうじゃないか。」
そう言われてハッとした。
騎士団の食堂でシェラザード様がユーリ様に真珠の採れる小島を買う話をしていた時、確かに僕はそれに反応した。
そう言えばあの時、シェラザード様はちらっと僕の方を見ていたっけ。まさかあの時シェラザード様は僕を怪しく思い、そんな些細な事を王弟殿下に報告していたの?
「そんなわけで、東国とのやり取りが本格的に始まる前にもせっかくだから君には働いてもらうよ。こちらの方が工房の仕事よりも本来の仕事に近いだろう?」
その仕事の合間に息抜きとしてユーリとお茶を飲めばいいさ、という圧のある笑顔にはどう見ても僕に拒否権がない。
なんだよ、なんか僕は自分で気付いていないだけであっちこっちで結構疑われていたってこと?
レジナス様にもシェラザード様にも、シグウェル様だって僕が隠していた魔力に気付いていた。
あれ?そういえばユーリ様のそばにいるあの白い子にも、いつだったか「本当に工房の管理責任者ですか」って聞かれたな。
あれもまさか・・・?そう思って白い子の方を見ればこくりと頷かれ、
「職人にしては手が綺麗過ぎるので怪しいと思っていました」
と当然のように言われた。や、やっぱりか!
そもそも、僕は至って普通の皇子殿下の側近であってスパイもどきをしても所詮それは真似事であって本職じゃない。
ホント、皇子のせいで余計な苦労をして踏んだり蹴ったりだ。
「はい、僕に出来る事ならなんでも協力させてもらいます・・・」
なんかここに来て今までのこの一年弱の気苦労と疲れがどっと出て来たような気がする。
やたらと重く感じるペンを手に、目の前の海図を眺めた時だ。
バタンと突然大きな音を立てて、僕らのいる部屋に繋がっている扉が開いた。
「シグウェルさん⁉︎」
そこに立つ人を見たユーリ様が声を上げて目をまんまるに見開いた。
そこに立っていたのは、あの氷の無表情を崩して不機嫌そうにむっつりとした顔で佇んでる魔導士団長・・・ユーリ様の伴侶の一人だった。
「さて、君の国から連絡が来て国使が派遣されてくるまでどこにいたい?賓客用の宮殿?それともこの奥の院?」
と僕ににっこり微笑んだ。こんな迷惑をかけたのにここにいてもいいんだ・・・?
ユリウス様もそれを不思議に思ったらしく
「ええ?ユーリ様と一緒の宮殿で過ごさせていいんですか?むしろ離れた宮をあてがった方が」
と言った。
「奥の院は広いからね。それに母上の居室・・・今のユーリの部屋だけど、そこはこの奥の院で最も安全かつ静かな環境に保つという造りの特性上、他の部屋からここまではそう簡単に行き来出来ないようになっているからここでも問題ないよ。」
リオン王弟殿下の言葉にレジナス様も
「それに監視対象は目の届く範囲にいてくれた方が俺としても助かる。」
と頷いた。監視対象・・・。やっぱりまだ一応僕は警戒されてるんだ。ユーリ様に危害を加えたり、皇国にこっそり連れ去ったりだとかそんな事はしないんだけどなあ。
全て話してしまった今の僕に出来ることは何もないから、どこであろうとその指示に従っておとなしくするだけだ。
あ、でも織りかけの布地とか結婚式に必要な物の進捗状況や工房の職人達のことは気になる。
僕の処断の前に、工房のみんなは無関係なことだけは分かってもらわないと。彼らは僕の正体を知らないのだ。あくまでも僕のことは祖国の偉い人達から選ばれて派遣されてきた工房の管理責任者だと思っている。
もし僕がこのまま勾留されて工房に帰れないなら、城に仕事で留まらなければならなくなったとか何とか彼らには伝えて欲しい。
そんな事をおずおずとお願いすれば、王弟殿下もレジナス様も事情は分かってくれた。
レジナス様はリオン王弟殿下に「工房の彼らは本物の職人で無関係に間違いない」と確信を持って話していたけど、やっぱりアレかな、足音やら所作やらが僕とは違うってこと?僕にはその違いが全然分かんないけど。
「東国から呼び寄せた職人達の技術は確かなものだし、せっかく工房まで建てて新しい技術を取り入れ交流を進めているところだったんだ。さすがに東国も皇子のわがままでそれをダメにするような真似はしないだろう?」
だから皇子の命令を受けて来た者は君だけだと言うその言葉は信じるし工房も君が不在でもうまく回るように指示しておこう、とリオン王弟殿下は頷いてくれた。
うう、ありがたい。心の中で手を合わせた僕に
「さっきシグウェルには急ぎの連絡をユリウスに魔法で出させたからね。早ければそう時間を置かずに返事が来るだろう。まあそれからここまで来るのにユールヴァルト領からは馬車で2日ほどかかるから、本格的な交渉はその後からだね。で、どこに軟禁されたいか決めた?」
そう殿下は再度聞いて来た。軟禁先、ホントに僕が決めていいんだ・・・?
そりゃあもし可能なら、こんな機会は早々ないから僕だってユーリ様のそばで過ごしてみたいけど。
さっき僕のことを監視対象と言いつつ、ここにいてもいい理由を殿下やレジナス様はそれらしく言ってたけど、まさかそれに何かウラがあるとか罠ってことはないよね?
そう戸惑っていた僕に、テーブルを挟んで座っていたユーリ様がはい!と手を上げた。
「私はシーリンさんにここにいて欲しいです!シーリンさんの国から国使が来るまでまだまだかかるんでしょう?だったらその間、一緒にお茶に付き合ってもらったり東国のお話を聞いてみたりしたいです!」
そういう目はきらきらと好奇心で輝いていて、リオン王弟殿下が
「ユーリ・・・軟禁の意味分かってる?茶飲み友達じゃないんだよ?」
と釘を指した。だけどユーリ様はそれに構わずにこにこしている。
「分かってますよ?だけどリオン様が最初に軟禁先としてここも選択肢に入れた時点で、すでにシーリンさんのことはもう危険だとは思ってないですよね?むしろ私の暇つぶしで話し相手にしてもいいくらいには許しているんじゃないですか?」
え、そうなの?罠や僕を試してたとかじゃないんだ?
こっそりとリオン王弟殿下の顔を盗み見れば目が合って、
「まあね、いざとなったら魔力を封じる魔道具の拘束具を付けてもらえばなお危険はないだろうし。それにそこまでしなくても君はユーリに危害を加えないよね。ユーリもこの国や近隣諸国だけでなく、この世界のもっと他の国のことも知りたいだろうし。」
そう肩をすくめ、ユーリ様もそれに対して
「なんだかんだ言ってもリオン様は私に甘いですよねー?」
とリオン王弟殿下の顔を覗き込んでふふっと笑った。殿下はそんなユーリ様にそ知らぬ顔をしている。
それはなんていうか、暖かい空気感みたいな・・・二人の心が通じ合っているなあと感じるものだ。
この二人の間にウチの皇子の入り込むスキはない。そう思った。せっかく頑張って贈り物までしたのにかわいそうなジェン皇子・・・。ユーリ様もハッキリとこれ以上の伴侶はいらないって言ってたし。
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「ここに留まるとなったらさっそく部屋を準備させるけどその用意を待つ間、君には早速ひと仕事してもらおうかな」
「え?」
ぽかんとしている間にも、王弟殿下の言葉の意図を汲んだようにレジナス様が僕の目の前のお茶とクッキーを片付けるとそこに海図を広げてペンを置いた。
それに対してユリウス様が
「へ?この人に何をさせるつもりっすか?」
と聞けば、
「さっきレジナスも交えて話しただろう?ルーシャ国と東国の往来に必要な安定した海路を開くために魔石の設置を考えていると。彼は国では海上で国防の任にも当たっていたらしいしね。海図を見るのはお手のものだろうから、この近辺の海図に潮流や危険箇所を書き込ませるんだよ。そこを避けて魔石を設置することを考えようと思ってね。」
そう話している。いや、確かに海図は見れるし潮目も読めるけど。
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「え?」
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そう言えばあの時、シェラザード様はちらっと僕の方を見ていたっけ。まさかあの時シェラザード様は僕を怪しく思い、そんな些細な事を王弟殿下に報告していたの?
「そんなわけで、東国とのやり取りが本格的に始まる前にもせっかくだから君には働いてもらうよ。こちらの方が工房の仕事よりも本来の仕事に近いだろう?」
その仕事の合間に息抜きとしてユーリとお茶を飲めばいいさ、という圧のある笑顔にはどう見ても僕に拒否権がない。
なんだよ、なんか僕は自分で気付いていないだけであっちこっちで結構疑われていたってこと?
レジナス様にもシェラザード様にも、シグウェル様だって僕が隠していた魔力に気付いていた。
あれ?そういえばユーリ様のそばにいるあの白い子にも、いつだったか「本当に工房の管理責任者ですか」って聞かれたな。
あれもまさか・・・?そう思って白い子の方を見ればこくりと頷かれ、
「職人にしては手が綺麗過ぎるので怪しいと思っていました」
と当然のように言われた。や、やっぱりか!
そもそも、僕は至って普通の皇子殿下の側近であってスパイもどきをしても所詮それは真似事であって本職じゃない。
ホント、皇子のせいで余計な苦労をして踏んだり蹴ったりだ。
「はい、僕に出来る事ならなんでも協力させてもらいます・・・」
なんかここに来て今までのこの一年弱の気苦労と疲れがどっと出て来たような気がする。
やたらと重く感じるペンを手に、目の前の海図を眺めた時だ。
バタンと突然大きな音を立てて、僕らのいる部屋に繋がっている扉が開いた。
「シグウェルさん⁉︎」
そこに立つ人を見たユーリ様が声を上げて目をまんまるに見開いた。
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