黄泉返りの勇者。

亀様仏様

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スキル発動。

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僕が殺された直ぐ後、僕の中でお知らせのアナウンスが流れた。

「スキル保有者の生命維持停止を確認。これよりスキル【黄泉返り】を発動します。損傷箇所の確認・・・完了。各臓器の細胞を活性化。修復を開始。損傷箇所の臓器を修復。筋組織及び骨組織の修復。血管の修復。神経の修復及び接続を開始・・・全ての修復が完了しました。これより対象の受けたダメージ量を経験値へと変換。」

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【月見里   優 】【16歳】

【職業】勇者候補生

【スキル】黄泉返り

【レベル】1→5UP↑
【体力】100→250UP↑
【魔力】10→25UP↑
【攻撃力】10→30UP↑
【防御力】10→25UP↑
【素早さ】10→20UP↑
【賢さ】10→30UP↑
【耐魔力】10→25UP↑

【魔法】
火矢を覚えました。
雪雹を覚えました。
石礫を覚えました。
風刃を覚えました。

「生命魂魄を器へと再送します・・・・・・再送を完了。
意識レベル確認・・・・・・問題なし。覚醒します。」

「ん・・・うぅ・・・ん。こ、ここは・・・?」

僕は確か・・・黄泉の国・・・賽の河原で伊邪那美姫に会ってそれから・・・・・・あれ?僕、生きてる・・・!?

ハッと我に返った僕は直ぐ様その場から起き上がり自分の今、置かれている状況を確かめた。

最期に覚えている事はあの黒い猪に頭を潰されてそこで意識が途切れた事だ。多分僕はあの時に1度死んだ筈。僕は自分の顔や頭をペタペタと触り感触を確かめるとそのまま体を隅々迄確認した。あの時違う方向に曲がっていた右腕も元に戻っているし、脇腹も問題ないみたいだ。

「嘘みたいだ・・・全部元通りに治ってる・・・!?」

やっぱりあの時出会ったのは夢でも何でも無かったんだ。それに伊邪那美姫が言っていた僕のこのスキル・・・とんでもない代物かも知れない・・・。死んでも生き返るなんて。

僕は自分のステータスを確かめると2度驚いた。何故ならレベルが上がっているからだ。それに魔法まで修得しているなんて・・・。普通良くあるゲームなんかだとモンスターを倒す事で経験値が入り自分を強化していくのに僕は寧ろモンスター、この世界では魔者だっけ。その魔者を倒す処か逆に倒されたのにレベルが上がるなんて・・・どう考えても普通なら有り得ない事じゃないか?

僕はあの時に伊邪那美姫に言われた事を思い出し身震いした。僕のこのスキル【黄泉返り】は異常だ。僕以外の人にスキルの特性を知られる訳にはいかないし、他の人が見ている前で見せる(死ぬ)訳にはいかない。そう固く決意した。

僕の事は一先ずこんな感じで良いとして問題はこれからの事についてだ。泉の調査に来て泉が穢れに汚染されているのは確認したけれど、あの黒い猪に阻まれて肝心の泉の浄化は出来ていない。

これって・・・あれだよね?初任務にして任務失敗って事だよね?幾らあの猪のお陰?でレベルが上がったとしても今の僕にはあの猪を倒せる自信がまるでないよ。返り討ち合うのが目に見えている。

僕のやるべき事はこの僕が見た現状を報告し、対策を練るべきだ。僕は来た道を辿りエルフの町へと引き返した。

~初任務失敗~

今の僕は端から見たら凄い事になっている。何故ならスキルのお陰で生き返る事が出来、傷1つ付いていない状態なんだけど、着ていた衣類はそうはいかない。そうだよね・・・幾らなんでも衣類迄は元通りになる筈ないよね・・・。

僕の今の状況はそうだね・・・敢えて例えるならスペインの闘牛場でド素人が闘牛士の真似をしたものの為す統べなく闘牛に弾かれてボロボロにされた状態かな。服はあちこち破けて脇腹に至っては大きな穴すら空いてる状態だ。つい1~2時間前に新調したばかりなのにね。トホホ。

町中でエルフの人達とすれ違う度に憐れみの目で見られるのは気にしてはいけないよね。きっと。














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