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【PW】AD199908《執悪の種》
事変の糸 2
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「本当よ」
それを援護する様にソファーに座る壮年の女性が口を開いた。
西園寺と呼ばれた女性とは違い、シンプルな柄ながらも確実に高級だとわかる着物を身にまとい静かに佇む様子にこれが気品なのかもしれないと縁は感心した。
「なら、誰が侵入者を?」
「それを知ってどうするの?復讐でもするの?」
ハルは、気品ある壮年の女性に問われると口元だけに笑みを浮かべた。
「事と次第ですが、それは今じゃない、俺が知りたい事を聞きたいんですよ」
「まだ何かあるのか?」
老年の男がそう訊くがハルは、首を横に傾けるだけだった。
「彼に会えるなら会ってみなさい、我々も彼の居場所は、わからない。雲隠れしてるから」
壮年の女性がそっと言うとハルはゆっくりと肩を竦めた。
「なぜ?」
「爆破事件のせいよ、彼があの宗教に銃や弾薬を渡していのだもの」
「それじゃあ、刻生会の人間?」
縁がそう聞くと壮年の女性は首を横に振った。
「刻生会は、あくまで表向きに準備した囮、もし彼の存在がアルファと繋がっている事がバレると国際問題になるし、何よりも彼等の上のもの達が黙ってない」
国際問題、そんな余りにも飛んだワードに縁の理解を一気に飛び越えた。
「ソイツの名前は?」
しかし、ハルに動揺した様子は、なく静かに続けた。
「ヴァンデル貿易のルシウス・ヴァンデル、ドイツ人よ」
「ルシウス…」
その名前を覚える様にハルは、復唱すると視線を縁に向けた。
縁にしても情報網はあくまで一部裏社会程度でしかなく上に向かえば向かう程にそこら辺の情報は薄い、しかし宛がないわけでもない。恐らくハルの視線は自分にその宛から探れと言いたいのだろう。
どうなるか、わからないが縁がゆっくりと頷くとハルは、踵を返してドアへと向かった。
「あと、1つ、97事変の詳細を陰鳩や陽烏にも落としておいて下さい、本当にこの件を解決してあれを阻止するつもりならね」
ハルは、そう言い放つと部屋を後にし縁もまたそれに続いた。
ハルは、明らかにこの件を縁よりしっかりとしっている。恐らくハルのやった指一本で相手を気絶させるそれが何かの糸口なのだろう、しかしそれを今ハルに訊いてもまともに応える気は無いのだと縁は何処かで察していた。
ビルの外に出ると、そこは新宿のオフィス街だった。
ハルは、最初からわかっていたのか迷いの無い足取りで駅に向かいだし、縁はそれに続いた。
「何か訊かないのか?」
信号待ちで止まった時にハルが真っ直ぐ見たまま呟いた。
「応える気なら最初から話してんだろう、だがお前自身何かの整理がついていない、だから話す気になれない違うか?」
正解なのだろう、ハルは悪態の様な舌打ちをするとゆっくりと振り返った。
「お前、今は組長とは、どれぐらいの繋がりだ?」
「親父とは、店の常連客程度だ、それが?」
「アルファ関連でドイツの武器商人でどこまで探ってくれると思う?」
「材料次第だろな、何かあるか?」
縁の返しにハルは、首を横に振った。
どうするか、縁は少し考えた末に1人の男の顔が頭を過ぎった。
巻き込みたくは無いが、事態を考えればこのままだとよろしくないのだろう。
こうなる事は、最初からわかってもいた、だからこそ腹をくくらないといけない。
「とりあえず、あたってみよう、何かあるか?」
縁がそう訊くと信号が青に変わり、ハルは歩き出した。
「恐らく、ルシウスってのが俺の思っている人物なら表より裏で行動するタイプだ。とりあえず、池袋、新宿付近の高級ホテルで連泊してる外国人がわかると助かる」
縁は、ポケットから携帯を取り出すと直ぐに電話をかける、コール音から暫くして眠気声の男の声が縁の耳に届いた。
「悪いが力貸してくれ」
縁のその言葉に受話器の向こうから盛大な溜息が聞こえた。
それを援護する様にソファーに座る壮年の女性が口を開いた。
西園寺と呼ばれた女性とは違い、シンプルな柄ながらも確実に高級だとわかる着物を身にまとい静かに佇む様子にこれが気品なのかもしれないと縁は感心した。
「なら、誰が侵入者を?」
「それを知ってどうするの?復讐でもするの?」
ハルは、気品ある壮年の女性に問われると口元だけに笑みを浮かべた。
「事と次第ですが、それは今じゃない、俺が知りたい事を聞きたいんですよ」
「まだ何かあるのか?」
老年の男がそう訊くがハルは、首を横に傾けるだけだった。
「彼に会えるなら会ってみなさい、我々も彼の居場所は、わからない。雲隠れしてるから」
壮年の女性がそっと言うとハルはゆっくりと肩を竦めた。
「なぜ?」
「爆破事件のせいよ、彼があの宗教に銃や弾薬を渡していのだもの」
「それじゃあ、刻生会の人間?」
縁がそう聞くと壮年の女性は首を横に振った。
「刻生会は、あくまで表向きに準備した囮、もし彼の存在がアルファと繋がっている事がバレると国際問題になるし、何よりも彼等の上のもの達が黙ってない」
国際問題、そんな余りにも飛んだワードに縁の理解を一気に飛び越えた。
「ソイツの名前は?」
しかし、ハルに動揺した様子は、なく静かに続けた。
「ヴァンデル貿易のルシウス・ヴァンデル、ドイツ人よ」
「ルシウス…」
その名前を覚える様にハルは、復唱すると視線を縁に向けた。
縁にしても情報網はあくまで一部裏社会程度でしかなく上に向かえば向かう程にそこら辺の情報は薄い、しかし宛がないわけでもない。恐らくハルの視線は自分にその宛から探れと言いたいのだろう。
どうなるか、わからないが縁がゆっくりと頷くとハルは、踵を返してドアへと向かった。
「あと、1つ、97事変の詳細を陰鳩や陽烏にも落としておいて下さい、本当にこの件を解決してあれを阻止するつもりならね」
ハルは、そう言い放つと部屋を後にし縁もまたそれに続いた。
ハルは、明らかにこの件を縁よりしっかりとしっている。恐らくハルのやった指一本で相手を気絶させるそれが何かの糸口なのだろう、しかしそれを今ハルに訊いてもまともに応える気は無いのだと縁は何処かで察していた。
ビルの外に出ると、そこは新宿のオフィス街だった。
ハルは、最初からわかっていたのか迷いの無い足取りで駅に向かいだし、縁はそれに続いた。
「何か訊かないのか?」
信号待ちで止まった時にハルが真っ直ぐ見たまま呟いた。
「応える気なら最初から話してんだろう、だがお前自身何かの整理がついていない、だから話す気になれない違うか?」
正解なのだろう、ハルは悪態の様な舌打ちをするとゆっくりと振り返った。
「お前、今は組長とは、どれぐらいの繋がりだ?」
「親父とは、店の常連客程度だ、それが?」
「アルファ関連でドイツの武器商人でどこまで探ってくれると思う?」
「材料次第だろな、何かあるか?」
縁の返しにハルは、首を横に振った。
どうするか、縁は少し考えた末に1人の男の顔が頭を過ぎった。
巻き込みたくは無いが、事態を考えればこのままだとよろしくないのだろう。
こうなる事は、最初からわかってもいた、だからこそ腹をくくらないといけない。
「とりあえず、あたってみよう、何かあるか?」
縁がそう訊くと信号が青に変わり、ハルは歩き出した。
「恐らく、ルシウスってのが俺の思っている人物なら表より裏で行動するタイプだ。とりあえず、池袋、新宿付近の高級ホテルで連泊してる外国人がわかると助かる」
縁は、ポケットから携帯を取り出すと直ぐに電話をかける、コール音から暫くして眠気声の男の声が縁の耳に届いた。
「悪いが力貸してくれ」
縁のその言葉に受話器の向こうから盛大な溜息が聞こえた。
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